【7/2】hey!三戦へ愛と萌えの1票を!【決戦!】

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890 対 889。
「激しくデジャブだな」
思わずそんな言葉が漏れた。
少年漫画はたった一票、届かなかったのだ。
10日前の自分たちのように。

(またかよ)
(まさか、あれが再現するとは)
そこら中で自分たちの名が囁かれているのに気づき、居たたまれなくなる。
少年漫画とは、さほど深いつきあいではない。
頼まれ事があれば、できる範囲で手伝ってやるだけだ。
こんな予想外のつながりができてしまうとは。

「こんばんは、少年漫画板です」
ふいに元気な声が思考を破った。
「昨日は応援ありがとうございました!
 負けちゃったけど、楽しかったし、悔いはないです。これからもよろしくお願いします」
敗者とは思えぬ堂々とした挨拶だった。
「おつかれさん」
目の前の自動販売機にコインを入れると、がこん、と缶ジュースが転がり出た。
それを少年漫画に手渡してやりながら、少しかしこまって応える。
「悔しさはきっと時間が経つとやってくると思うけれど。
 トーナメントはまだ続くので、最後まで楽しんでいこう」
9842/2:02/07/06 12:30 ID:Lr5Vs/6H
悔しさに眠れない夜があった。
勝負の後も判定がごたつき、苦い後味を残したのもやりきれなかった。
後から後から、思い至らなかった点ばかりが浮かんできた。
(彼らもこんな思いをするのか?)
少年漫画は、それきり言葉を失ってしまった自分をしばらく眺めていたが
「一票差ってことで、パチさんにすごーく親近感を感じてるのは俺だけでしょうか」
と、すっきり笑って見せた。

今回、判定人たちは慎重の上にも慎重だった。
自分たちの時の教訓が生かされたのであれば、あの敗戦も意味があったのだ。
遠くで少年漫画が、慰労に来た人の輪に囲まれている。
真っ赤に目を腫らした武将が、逆に少年漫画に慰められている風なのが微笑ましかった。
彼らはきっと大丈夫だろう。しなやかに、起き上がって、また走り出す。
このトーナメントは、思いがけないつながりを幾つも生み出してきた。
おそらくは奇跡の再現として、少年漫画と自分たちはずっと並べて語られるのだろう。
久々に晴れわたった空を見上げ、おもいきり伸びをした。
祭りも残りわずか。まだまだ、何かに出会える気はする。


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チェキナさん、少年漫画くん、発言の無断借用ごめんなさああああい!(逃)