そんな作家に三行半・読者からの絶縁状スレ

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高河ゆん先生へ

貴方の作品をはじめて拝見したのは、中学生の時だったと記憶しています。
すっきりとした細い線と、既成概念に囚われない色使いの表紙が美しく感じられ
当時商業誌で出ていた「アーシアン」の一巻と二巻を揃えて買いました。
それからは貴方の作品を夢中になって読みました。奇抜なキャラクターの設定、
強い思いを胸に抱いた、しかしどこか不器用だったりはたまた自分の思いのためには
手段すら選ばないキャラクター達がとても魅力的だったのです。

「夜嬢帝国」での大人にならない女の子、「B型同盟」での自分の体をまるで実験
体のように扱う人がとても鮮烈な印象を残しました。彼ら或いは彼女達の思いは
一体どこへ行くのだろうとわくわくしながら単行本を待ったものです。

ある日貴方は休筆宣言をなさいました。正直申し上げてとても残念でした。
しかし貴方の作品から「書きたいものがあるから書いている」と言う熱意のような
ものを感じておりましたので、きっと帰ってきてくださると信じておりました。
これは別の漫画家の作品なのですが、「小説家は書かずにいられない人」という
言いまわしがありまして、きっと先生も漫画を描かずにはいられない人なのだろうと
考えていました。

先生が復活なさったときには、本当に嬉しく思ったものです。鮮烈な印象を残した
あのキャラクター達の今後が楽しみでした。
しかし、復活後突然「恋愛」ではその後の過程をろくに描くことなく「くっついた」
久美と理真を突然登場させました。これにはとても驚きました。
6112/3:02/09/15 16:55 ID:HwENDA/X
失礼ながらその後先生の活動に疑問を抱くようになりました。「源氏」はどうしたの
でしょう。「夜嬢」は?「B型」は?「ゲシュタルト」は? ほとんどろくに進んで
いないように感じられるのは私のリサーチ不足なのでしょうか?今までの作品をろく
に完結させず、エッセイ風味のお話を書いていらっしゃって、先生の作品が読めるの
を嬉しく思いながらもとても複雑な気分になりました。

そして、ふと、ある日考えてしまったのです。私も僭越ながら創作、小説の真似事
などしておりますから日頃から感じておりました。変わった、珍しい設定を作るのは
それ程珍しいことではないのです。「死なない人間」「一万年後の世界」「超能力」
少々例が古いとは思いますが、この手の「珍しい」設定は作るのは簡単です。問題は
その設定をさほど無理なく読者の方に受け入れられるようにすること、そして設定に
引き摺られずにストーリーを展開させ破綻させないこと、です。私はこのように愚考
しておりました。そして、ある日ふと考えてしまいました。
先生はあの奇抜な設定を持ったキャラクターを生かして最後まで完結させられるのかと。

勿論所詮はアマチュアの考えることで、プロの先生にこんなことを考えるのは失礼とは
存じております。しかし、幾ら奇抜な設定を作ってもお話を完結させることができなく
てはその奇抜な設定に意味はあったのでしょうか?そんな疑問を感じるようになりました。
6123/3:02/09/15 16:56 ID:HwENDA/X
最近アーシアンのシリーズを掲載なさってますね。喜んで拝読致しました。しかし、
奇抜な設定を説明するにとどまり、物語としての発展や展開を感じられないのは気の
せいでしょうか。気のせいだとは存じます。所詮はアマチュアの考えることで、先生の
お考えには遠く及ばないのだと思います。

でも、もう申し訳ありませんが疲れてしまいました。先生の作品を待ちつづけることに。
以前は期待してお待ち申しておりました。先生はあの作品群を見捨てたりはしないと。
しかし今の先生の活動振りからは、過去の作品群はもうなかったもののようにしか
感じられなくなってしまいました。先生の今の活動を見るにつけ、もう寂しさしか感じ
られなくなってしまったのです。

恐らく私は先生の描かれる強烈な自我を持つキャラクターに惹かれたのだと思います。
私はこのように、好きと言う感情さえ続けられない人間ですから。だから、先生の
キャラクター達が大好きでした。さみしいけれど、過去形です。

先生、本当に今まで有難うございました。
もう私は先生の作品を見ることができません。それでも先生の今後をお祈りしつつ、
別れの言葉とさせていただきたく思います。

(補足)「恋愛」はその後久美と理真の「くっついた」過程も描かれました。