【hey!】トーナメントで萌えpart26【三戦!】

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6月4日9:34─。

最初こそ僅かにリードしていたものの、一時も止む事のない
総督府への投票に三戦は苦戦を強いられ、その差は80票あまりに
広がっていた。
苦戦する盟友を居たたまれぬ気持ちで見ていたある少年が、
仲間達に問いかけた。
「今日21:30から一斉投票しないか?
 ウチらだけだとアレなんで、他板も誘って派手にパーッとやろう。
 とりあえずウチと交流のある板の今日の状況を調べて、
 誘えそうなところは片っ端から声掛けてみようと思うんだけど、
 どうかな?」

仲間の提案に、少年達は力強く頷いた。
「賛成! うちはそれくらいしかできないし、
 とりあえずやれるだけやってみよう!」
「俺も賛成!」
昼間の人の少ない時間であったが、少年達は数人で手分けして、
自分達と交流のある板を一つ一つ丁寧にお願いして回った。
「こんにちは。お邪魔します。今日は一斉投票のお誘いに伺いました。
 本日21:30より、三戦板さん支援の一斉投票を行う予定です。
 いろんな板の方に参加してもらって、超多国籍軍で派手にドカーンと
 いきたいと思ってますんで、よければぜひ参加して下さい。」

「うちも三戦さんとこに一斉投票しよーよ。
 少年漫画さんも誘ってくれてるし…。」(競馬板)
「少年漫画さんどうもです〜。ウチの住人で三戦に入れる予定の人は
 協力してあげてください。」(株式板)
「21:30のプレスに私も乗った!代表戦に勝って、韓国にも
 勝ってもらって、三戦さんを勝たせよう!」(国内サッカー板)
5272/15:02/06/09 14:10 ID:pqG/YvOc
「お誘いどうもありがとうございます。昨日乗り遅れたんで、
 ぜひそちらに参加しますよ〜! 」(少女漫画板)
「こういう風に友好板にも動いてもらえるってのは
 三戦の人徳なんだろうね。」
「少年漫画の選対見てきたがちょっと感動したぞ。もう三戦に入れて
 しまったので、参加できないのが残念だ。」(ライトノベル板)
「昨日のうちに投票した人が多いみたいで参加者は少ないかもしれん
 けどまだ投票してないやつが参加した時はよろしくね。」(プロレス板)
「参加します、こんなところで三戦を逝かせるわけには。」
「40板合同ラシか〜。参加したかったが、既に投票済み。
 楽しみにしてるよ。」(葉鍵板)
「少年漫画板さんの三戦板さんへの応援を見てると、
 こちらも気持ちが熱くなります(逆のことを、少年漫画板さんの
 第一回選の時にも思いました)。一斉投票に参加出来るか
 わかりませんが、三国志・戦国時代に興味がある人間は
 園芸板内にもいると思います。夜になれば人が増えるので、
 見てもらえるよう、このスレをageて置きます。
 なにかあったら、いつでも遠慮なく来て下さい。
 あまり力になれないですが、応援しています。」(園芸板)

少年達の真摯な姿勢に心を打たれた人々は、
快くその申し出を引き受けた。
普段sage進行にも関わらずageて告知する板、
テンプレに加えて参加を呼び掛ける板。
こうして少年達が回った板は実に39板を数え、
自身を含め全40板という、トーナメント史上類を見ない
壮大な一斉投票が行われる運びとなった。

─だが少年達はまだ知らない。
『◆◆超多国籍三戦支援連合 一斉突撃大作戦◆◆ 』と
5283/15:02/06/09 14:11 ID:pqG/YvOc
名付けられたこの作戦が、後にトーナメントの歴史に残る程の
『奇跡』の幕開けになるのだという事を─…。
******

6月4日15:00─。

三戦と総督府との差は100票を越えた。
戦局を見守るダウン選対に、ため息が洩れた。

「ぎりぎりのラインまで来たか・・・・。」
「今日の狼は隙が無い・・・。」
「こうしてる間にもコンスタントに狼から入ってやがるな。
 地味ながら本気度が窺える。」
「むぅ・・やっぱ狼が本気だとウチも本気じゃないと厳しいな・・・。
 今日のウチは正直祭りモードになってないしなぁ。」
彼らの言葉に、たまたま訪れていた一人の狼住人が力無くつぶやいた。
「後はダウン次第か。三戦にはこんなところで負けて欲しくないけど、
 1番支援してくれたハングルを見捨てるわけにもいかんのや。」

「三戦がここで負けたらトーナメントが面白くないよ・・・。
 そっちの事情もわかるけどさ。」
「そう言われてもなあ。今日はせつねえ気分だべ。」
「狼には狼の都合があるんだろうし仕方がないさ。
 とにかく、三戦頑張れよ・・・とだけしか言えない
 俺の不甲斐なさ・・・。」
「『狼─ハングル』の構図ができちまった以上、
 今からどうこういってもしょうがないしな。
 ウチは三戦に必要とされてない以上どうしようもないし、
 今からじゃ正直たいした力は出ないような気がする。」
「だな。既にうちらが動くには遅きに失している。
5294/15:02/06/09 14:12 ID:pqG/YvOc
 勿論判断ミスとかそういう話ではなく。
 まぁやれることだけやるしかない。」

再び途中経過が送られてきた。
三戦876票、総督府999票。
縮まるどころか益々広がる差に、ダウン住人達はもどかしさを覚えた。
「(このまま…俺達はこのままでいいのか…?)」
そんな彼らに、狼住人の言葉が追い打ちを掛ける。
「俺らからの支援票、500超えちゃったべさ…。三戦ごめん…。」
ダウン住人達は、また一つため息をついた。
******

6月4日15:40─。

昼ラシから戻ったスロ住人達の間に、重苦しい空気が漂っていた。
なんとか昼ラシで詰めたものの、その差は依然100票以上…。
「(このままじゃヤバイ……。)」
焦るスロ住人の一人が、口を開いた。

「さっきから思ってたんだが、スロがダウン応援するから
 三戦助けてくれっていうんじゃダメか?」
「ダウンは三戦から依頼がないと駄目なの?
 俺らが頼んでも駄目なんか? 」
「要するに三戦としては票数目当ての外交がイヤで
 支援依頼をしないんだろ?
 ダウンはダウンで勝手に動くとまた代理戦争呼ばわりされるから、
 支援したくてもきっかけがない、そんな感じじゃないのかなぁ。」
「まじで何とかならんのか!三戦負けたらここの人半減するぞ!」
「三戦には勝って欲しいよ。スロが負けた夜三戦におめでとーと
 言うために立ち直ったんだよ。おめでとーといいたいよ。」
5305/15:02/06/09 14:12 ID:pqG/YvOc
「俺はスロがダウンを動かせるのなら、俺らが行ってもいいと思う。」
「聞いてくれるか分からんけどとりあえずダウンに行くか?
 泣いたらほだされるかもしれんぞ。」
「だけど、三戦の気持ちが…。」
「三戦に嫌われてもいいや。でも、絶対勝たせる!
 俺らの体裁なんぞ捨てちまえ!ダウソに行こうぜ!」
「行こう!! ご免、三戦の気持ちに反するかもしれないけど行こう。」
「!? 誰かダウンに行ったぞ!」
「俺達も続けー!」
スロ住人達は、ダウン選対へと駆け出した。
******

6月4日16:31─。

「お前ら、なんとかしてくれよ。」
「三戦を助けてくれよ。頼むよ・・・。」
「頼むよ。俺ら三戦におめでとと言わないと残った意味がないんだよ。
 助けてくれよ。」
「このままじゃ三戦が負けちまうよ。
 もうお前らしか頼れる相手がいねえんだ。」
必死ですがり付くように助けを請うスロ住人達に、
ダウン住人達は顔を見合わせる。

「スロ必死だな・・・気持ちは痛いほど分かるが・・・。」
「全面支援じゃないから選対としても動きようが・・・。
 おかげでもどかしかです・・・。」
「スロ…。 実のところ現実的な問題として、
 今から全力支援をしようにも手遅れな感が強いんだよ…。
 選対としては出来る限り協力はするけど…。」
「まあ落ち着け。何かせずにいられないスロの気持ちは分かるが、
5316/15:02/06/09 14:13 ID:pqG/YvOc
 三戦自身が望む道に俺らが立ちふさがる権利はないだろ?」

「こんなお願い駄目だって分かっているんだよ。
 けどお願いします。お願いします。」
「板として動くのが無理なら入れてくれる人だけでいいんだ・・・。
 三戦にもお前らにも嫌われる覚悟はしてるんだ・・・。
 だから三戦を勝たせてやってくれ・・・。」

「……ココまで頼まれて動かなきゃダウンじゃないだろ。」
スロ住人の熱意に、ダウン住人の一人がつぶやく。
「勝手に全力支援も面白いんじゃないかな?
 スロ板が期待してるほどの力は無いと思うけど。」
「後先考えずやるか・・・・?
 嫌われ者は今に始まったことじゃないしな。」
「三戦さんは今まで散々断ってきて今更泣きつけないというのが
 本音みたい。俺らそんなの気にするか?根に持ってるやついるか?
 どこまでできるか分かんないけど、いっちょやってみようぜ!」
「よし!勝手に三戦板全面支援祭り開始だ!」

三戦板から使者がやって来たのは、ちょうどその時だった。
「ダウンさんからは本選に入ってから今までに、一度ならず、
 手を結ぼうとの申し入れをいただいてきました。
 そのたびに、なんらかの理由で断りつづけました。
 そんな三戦が、今日になって「やはり板としてのご支援を
 お願いします」とは、とても言えません。喉から手が出るほど、
 全力支援は欲しい。でも、今の段階で全力支援を要請したら、
 三戦板はもう、三戦板ではありません。
 …我々の必死ぶりに、ネタスレの秀逸さに、
 票を投じてくださったみなさん、ほんとうにありがとう。
 最後まで、我々の戦いを見守ってやってください。」
5327/15:02/06/09 14:14 ID:pqG/YvOc
使者の言葉に深く頷きながら、ダウン住人が口を開く。
「要請のあるなし関係なく、我々は貴板を支援させていただきます。
 そのことに対する批判は貴板の勝利の後、
 お好きなだけおっしゃって下さい。
 残り僅か、ご健闘をお祈りします。」
その途端、辺りが歓声に包まれた。
「よーーーし!やるぞ!」
「祭だ!ここから追い上げるぞ!」

この時点での票数、三戦965票 総督府1127票。その差162票。
かつて、途中で150票以上の差を付けられて逆転勝利した例はない。
162という票差は、既にデッドラインをオーバーした事を表していた。
しかも相手は、トーナメント最強の誉れ高き狼をバックに付けた総督府。
数字的には、もはや絶望的である。

だが、人々に悲壮感はない。
誰もが三戦の勝利を信じて突き進んでいた。
「多国籍軍突撃までに、なんとか差を縮めるんだ!」
投票所では三戦への投票が増え、
ダウンの底力を改めて見せつける形となった。
時刻は間もなく19:00。
伝えられた票数は、三戦1060票 総督府1184票。
投票終了まで、あと4時間─…。
******

6月4日20:32─。

狼選対に、『◆◆超多国籍三戦支援連合 一斉突撃大作戦◆◆』の
詳細情報が舞い込んだ。
5338/15:02/06/09 14:14 ID:pqG/YvOc
「伝説を目撃する事になりそうだ…。」
「9時半の一斉喰らったらヤバそうだな。」
「ただでさえ、ダウンが三戦の支援に本腰を入れたんで、
 追い上げられてるのに…。」
狼住人達に緊張感が走る。
「で、夜の祭りの予定は確定したのか?
 敵の21:30突撃をしのがなくては。」
「いろんな意味で今日は全力をあげて
 支援しなければならなくなったわけだ。」

そして時計の針が21:00を回る。
「もうすぐ多国籍軍来るぞ。」
「戦況気になるな。」
「30差ぐらい。21:30からの一斉が楽しみではある。」
「多国籍軍の爆撃ぶりしだいではかなり本気をださんと。」
21:25時点での票数が発表された。
三戦1472票、総督府1510票。

ダウンの活躍で、想像以上に差は詰められていた。
「あと1分で21:30か・・・。」
狼住人達の注目は、投票所に集中していた。
******

6月4日21:14─。

少年達は、昼間呼びかけた板へのフォローを終え、突撃に備えていた。
要請を受けた板が次々に少年達を訪れ、協力を約束していく。
殆どの板が参加してくれる事になったものの、
果たしてどれ程の票が入るのか、全く見当も付かない。
戦況は未だ三戦不利である。
5349/15:02/06/09 14:15 ID:pqG/YvOc
突撃時間が刻一刻と近づく中、ダウン住人が少年達の元を訪れた。
「こっちで票はつめた。あとはお前ら次第だ。
 頼むぜ・・・三戦を勝たせてやってくれ・・・。」
「50〜100ぐらいまだ離されていると思う。合同ラシ頑張れ!!!! 」
彼らの言葉に、少年達は拳を握り、天高く突き上げた。
「今は自分達の…みんなの力を信じよう!よっし行くぞっ!! 」
元気良く駆け出していく少年達の眼は、希望に満ち溢れていた─。
******

6月4日21:00─。

ダウンは第一回の連Qを行った。
差はかなり詰める事が出来た。…が、休むことなく続く狼からの票で、
総督府の背中を捕らえるには至っていない。
「30分まで持ちこたえれば援軍が来るぞ。堪えろ!!」
「多国籍・・・・・多国籍・・・・・・」
多国籍軍の突撃で逆転し、更に差を付けなければ、
その後来るであろう総督府支援の突撃をかわす事は出来ない。
誰もが祈るような気持ちで投票所を見つめていたその時──

◆◆ 超多国籍三戦支援連合 一斉突撃大作戦 ◆◆

    間 も な く 作 戦 開 始 !!!!
同盟・友好の垣根を越え、心から三戦板を支援する有志が
今ここに集結! 三戦板、勝て!絶対に勝ってくれ!
   貴 板 の 勝 利 を 信 ず る !!!!

─ 人々はこの直後、伝説の目撃者となる…。
******
53510/15:02/06/09 14:15 ID:pqG/YvOc
6月4日21:30─。

投票所にいた人々は、目を見張り息を呑んだ。
リロードする度、20、30と積み上がっていく票。
投票所を埋め尽くす『<<三戦>>板に一票』の文字。
パッと見ただけでは把握しきれない程、多数の参加板。
開始時間を5分過ぎても、その勢いは止まる事はなかった。

「も・・・・ものすげえ・・。さすが40板合同ラッシュ。」
「どうだ! 三戦さん・・・頑張れ! 」
「なんかムチャクチャな勢いで票入ってる!
 ジャストに投票したのにえらく出遅れたように見える・・・。」
「すごいなぁ。。自分も30でいれたのにすげー後ろだ。」
「すごいラッシュだねー、感動…。」(以上、競馬板)
「超多国籍三戦支援連合すごい!」(少女漫画板)
「一斉投票すげー!!! 」(パチスロ板)
「一気に抜いたな。」
「5分で200票…壮観でしたな。」(以上、ライトノベル板)
「すごいラシだったなぁ。」(レゲー板)
「凄いな…ラッシュ。」(プロレス板)
「多国籍軍すごかったな。」(葉鍵板)
「プレスを見てたら感動しちゃって、
 自票を投じてしまった・・・。」(オリンピック板)
「すげー、一気に100票以上三戦に入ってるよ。」
「三戦逆転!」(以上、特撮板)
「いやあ、キモ、、、じゃなくてスゴかったです。
 一瞬で200票くらい入りました(w」(酒・Bar板)

誰もがただ「凄い」としか言えない。
開始宣言からの10分間で入った票は、実に240票あまり。
53611/15:02/06/09 14:16 ID:pqG/YvOc
しかも最初の5分間だけで200票弱を叩き出すという、
驚異的な作戦となった。
作戦に参加した板の多くは、既に敗退していたり
住人数の少ない板である。
しかも当日昼近くからの告知であったため、
既に投票を終えてしまっていた者も数多かった。
そんな状況でありながら、これだけの凄まじい作戦になると
誰が想像しえたであろう。
それはまさしく伝説と呼ぶに相応しいものだった。
少年達が呼び起こした大きなうねりは、流れを完全に変えた。

少年達の元には、参加板から労いの言葉が続々と届いていた。
自分達が思っていた以上の規模に驚きながらも、
参加板に感謝を述べて回る少年達。

「もうなんといったらいいのか」
三戦住人が、感動の面持ちで訪れた。
「言わなくてヨシ!!今はとにかくガンバレっ!! 」
「奇跡は起きるぞ!!」
一人の少年の言葉に、皆が大きく頷いた。
奇跡は起こる。必ず─…。
******

祈るような気持ちで投票所を見守っていたダウン住人達は、
思わず感嘆の声を漏らした。
「マジでスゲェ…。」
「合同ラシすげー」
「勝負が完全にわからなくなってきた!!」
「これマジいけんじゃねえの?」
「スゲーーーーーーー」
53712/15:02/06/09 14:16 ID:pqG/YvOc
その時送られてきた途中経過は、21:33の時点で
三戦1608票 総督府1528票 …!!
「ものの数分で逆転!?何が起こってるんですか!?」
投票所を揺るがせた一斉突撃は、たった3分で全てをひっくり返した。
「夕方まで170票有った差が・・・・。これは目の錯覚?」
「よし、後は俺達の力でこのリード守りきるぞ!」
「おい!他板の支援部隊も頑張ってます!俺達もまだ頑張ろう!」
意気上がるダウン住人達。
彼らからの票は、この後も途切れることなく続いていった。
******

21:30の投票を終えて戻ってきた狼住人が、苦々しげにつぶやく。
「……1分で100程入れやがったな連合軍。」
「一気に引っ繰り返されたな。」
その言葉通り、発表された途中経過は「逆転された」という
最悪のものだった。
しかし、その劣勢が狼たちに火を点けた。
「これから死ぬ気で祭ればなんとかなるはずだ。」
「さて、これで狼の突撃で150程入れなければならなくなったわけだ。
 お前ら気合い入れろ!」
「目標200で10:00からラシだ!」

2ちゃんねる一の独自集票力を持つ狼。
本気になった狼たちは、次々に投票所へ突入していく。
ここから、まさに死闘と呼ぶに相応しい闘いが
投票所で繰り広げられる事になる。
時刻は22:00。投票終了まであと1時間─…。
******
53813/15:02/06/09 14:17 ID:pqG/YvOc
22:01分時点での票数、三戦1882票 総督府1700票─。
21:00台の1時間だけで入った票数は、
総督府228票に対して三戦は485票。

「すごいラシでしたな・・・。」
ダウンの集計係が、集計表を見ながら思わずつぶやく。
逆転しただけでなく、かなりの差を付ける事にも成功した一斉突撃は、
流れを完全に三戦のものにした。
突撃終了後も、総督府への票を上回る勢いで、
三戦票が投じられていく。
22:33時点で、三戦は270票もの大差を付けるに至っていた。
「さすがの狼でもこりゃ逆転は無理だろ。」
その言葉に仲間が首を振る。
「狼なら分らんぞ…。お前ら最後まで全力で行くぞ!!」

総督府側の反撃も熾烈を極めた。
だが、止まる事のないダウンからの票に加え、
22:30からの半角同盟の一斉突撃は、完全に相手の猛攻を凌いでいた。
そこへトーナメント集計人・可憐車のコメントが伝えられる。
「今日の試合は5組を超えました。」

トーナメント史上、票数・規模とも最大を誇っていた本選5組。
それを超えた、という言葉に各陣営でどよめきが起こる。
一体今何が起こっているのか…。
誰もそれを把握しきれないまま、刻一刻と時間は過ぎてゆく。
ついに迎えた23:01─投票終了。
皆が祈るような気持ちで投票所を見つめる。そして─……
53913/15:02/06/09 14:18 ID:pqG/YvOc

265 名前:仮0@可憐車 ◆KARENZ0g 投稿日:02/06/04 23:07 ID:cgsK0H5e
三国志・戦国 総有効得票 2326票
顔文字 総有効得票 141票
ハングル総督府 総有効得票 1957票

─奇跡は起きた…。
終わってみれば、369票差の大逆転勝利。
18:00時点で、デッドラインを超えた170票あまりの差を
付けられていた事を考えると、これはまさに奇跡の勝利だった。
誰もが一度は敗北を覚悟したに違いない。
奇跡など起こるはずがないと思ったに違いない。
それでもこうして奇跡は起こった─…。

だが、忘れてはいけない。
この奇跡は偶然に起こったものではないのだ。
三戦の勝利を信ずる者達が、力の限りを尽くして呼び込んだ、
まさに起こるべくして起こった奇跡なのである。
この勝利は、トーナメントに携わる全ての人間の記憶に、
いつまでも残るであろう。
そして自らが苦境に立った時、人々はこう思うに違いない。

 『信じて力を尽くせば、奇跡は起こるのだ』と─…。

                     =おわり=
54014/15(おまけ):02/06/09 14:19 ID:pqG/YvOc

「そんなに俺を泣かせて、どうしてくれるのなぞがも。
 どうしてそこまでしてくれるんじゃあ…。」
少年達は萌え萌え団の問いには答えず、
ただ彼をじっと見つめている。

萌え萌え団が訪れた先々で、
少年達が一斉投票の参加を呼び掛けて回っていた。
その数は39板に上るという。
少ない人数でそれだけの板を回るのは、さぞかし大変だったであろう。
しかも一度だけではなく、二度三度とお願いに訪れているのだ。
簡単に出来る事ではない。
しかも、少年達は自分達のためにやっている訳ではないのだ。
「(どうして三戦のためにそこまで…?)」
萌え萌え団は胸を熱くしながら、少年達に問うた。

少年達は顔を見合わせると、キッとした表情で萌え萌え団に言った。
「萌え団さん泣いてる場合じゃねぇ!まだ、まだこれからだ!! 」
「そうだ!一斉突撃で、必ず逆転してみせるから見ててくれよ!」
彼らの力強い言葉に、萌え萌え団は零れ落ちそうになる涙を
必死で堪え、投票所へ飛び出していく彼らを見送った。
******
54115/15(おまけ):02/06/09 14:20 ID:pqG/YvOc

勝利の報を聞いた萌え萌え団は、真っ先に少年達の元を訪れた。
「抱き着くぞ!抱き着いてええかーーーーーーーーーー!!!! 」
少年達は、勝利に大貢献した事に少しも驕る素振りを見せず、
むしろ照れくさそうに笑いながら、萌え萌え団をからかった。
「この胸に飛び込んで来い!」
「何時でも来い!!! 」
「ギャァァァァァァァァァァ!!!!!!! 」
辺りが笑い声に包まれる。
そんな中、一人の少年がボソリとつぶやいた。
「これで少しは恩に報いる事が出来たかな…。」

少年達はあの日を忘れていなかった。
一番苦しくて、勝利を諦めかけたあの瞬間。
あの時三戦が与えてくれた力が、どれ程心強かった事か。
今日少年達を駆り立てていたのは、
そんな三戦に対する感謝の思いだった。
そして三戦もきっと、今日という日を忘れないだろう。
これからも続く闘いの中で、この日三戦と少年達との間に
築かれた絆は、いつまでも輝いて互いの胸に残るに違いない…。


番号振り間違えましたが、これでお終いです。
スレジャック、スマソでした。