hey!三戦板これからもヨロシク! トーナメントで萌えpart15
ドアの前で弓兵は立ち止まる。
ふぅっと一呼吸して自分を落ち着けようとするが、
高ぶる胸はその程度では治まりそうにない。
それでも意を決してドアをノックする。
ガチャッ。
弓兵がドアを開けた途端、大勢の人間が弓の元に駆けつけた。
「ゆ、弓タンーー!!ウワァァァァン・゚・(ノД`)・゚・負けちゃったんだよぅ〜!」
「ゆみたんゆみたんがんがったけど駄目だったの。
ないていい?ウワァァァン・゚・(ノД`)・゚」
「・(´Д⊂ヽ弓タン弓タン。弓タンに会うまで泣くの我慢してたんだよ。
もうないていい?」
「・゚・(ノД`)・゚・ウェェェェン・゚・(ノД`)・゚・負けちゃったよ〜
応援してくれたのにごめんよ〜・゚・(ノД`)・゚・ 」
弓兵は込み上げるものをグッと堪えて、精一杯微笑んだ。
「泣きたいときは、思いっきり泣きましょう!
今日だけは、泣いてもいい日なんですから。」
弓兵の言葉と優しい笑顔に、皆が一斉に泣き出す。
今日のパチスロの頑張りは凄かった。
今まで三戦の武将として数多くの戦に出陣したが、
こんなに胸が熱くなったのは初めての事だ。
だからこそ勝ちたかったし、勝って欲しかった。
「泣くなおまいらまだ三戦がある。弓たんがいる」
「弓たん 三戦優勝までがんがろうね 」
「うちらは負けちゃったけど弓たんはずっと支援するぞ」
「三戦の時は全力で逝きます。」
涙をポロポロ零しながらも、
パチスロ達は口々に弓兵に決意を語る。
「どうもありがとう。一緒に頑張りましょうね。
これからもどうぞよろしくお願いします。」
最後まで笑みをたたえたまま、弓兵はパチスロ板を後にした。
「(参ったなあ…。せっかく我慢してるのに、
あんな嬉しい事言うんだもん…。)」
弓兵は勢いよく顔を上げて夜空を見る。
今日は絶対に泣かないと心に決めていた。
自分がすべき事は、共に泣く事ではなく、
彼等の涙を笑顔で受け止める事─、そう思ったからだ。
成り行きで突然始まったパチスロとの交流だったが、
もうずっと以前からの仲間のような、そんな強い絆を感じている。
「(もし三戦が勝ったら…。今度は自分がみんなの前で
泣かせてもらおうかな…。それまで涙は取っておかなきゃ…。)」
両頬をパンッと叩いて「よっし!」と一声上げ、
弓兵は家路を急いだ。
この素晴らしい出会いを神様に感謝しながら──。