★誰か僕の小説を作ってくれたまえ(薔薇)★

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459数学・物理 100の方程式
歯を立てないように気をつけながら時間をかけて大きさと硬さを堪能した。途中で貫かれ
た時の快感を思い出して危うく達しかけたけれども、彼の手に阻まれて不発に終わった。
焦らされるかとの危惧は、すぐに奥に指を入れられて立ち消えた。
一つになって揺さぶられて、体を引っくり返されてまた貫かれて。様々な体位で交わりな
がら、次はどうされるのかと期待していた。
―――彼を待ち、脚を開くだけの日々がいつまで続くと思っていたのだろうか。

五日目の夜、零時を過ぎても彼は来なかった。
今夜は他の男のところへ行ってしまったのかと嘆きつつ、毎朝自分の目覚めを待ってから
帰った彼なら事前に『今夜は来ない』と言ってくれそうなものだと訝った。
………前日まで、夜に来る約束も当日の連絡も全くなかったのは綺麗に忘れていた
時計と玄関のドアを見比べながら、いっそ電話をしようかと思い立ったその時になって、
ようやく彼の携帯の番号を知らないことに気付いた。
460数学・物理 100の方程式:03/06/21 02:54 ID:hds/AuIe
聞く必要もなかった。毎晩彼の方から来てくれたし、来ればやることは一つしかない。
仮に尋ねようと思いついたとしても、セックスの合間に番号を聞きだすような高等技術の
持ち合わせはないから無理だったろうけれども。
そして彼もまた自分の携帯の番号を知らないはずだ。この部屋の電話番号も。
少なくとも、自分は話した覚えはない。
おそらく花輪に聞けば判るだろうが―――まさか聞けない状況にあるのか。
(親に夜遊びを咎められたのならまだいい。もし事故に遭っていたら)
焦燥にかられてテレビに目をやりかけ、慌てて頭を振った。
一介の高校生が事故に遭っても速報にはなるまい。万一あるとしたらそれは確実に―――。
次々と浮かぶ暗い予想を必死で否定し、無事を祈りながら彼の訪れを待った。
途中、緊張のあまり吐き気をもよおしてトイレで二度吐いた。何度うがいをしても口の中
は苦く、喉がひりつくような感覚も消えなかった。
まんじりともせず、痛む胃を抱えて玄関のドアを見つめ続けた。