FF・DQかっこいい男キャラコンテスト・第4幕

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5625の人
というわけで、初登場の身で
5主人公とヘンリーの純愛(?)ものをアプさせて頂きます。


「─…?…。ヘンリー…?どうしたの…?」
「あ、悪いなリュカ。起こしちゃったな…。
うん…ラインハットの事が気になっちゃってね。」
「ラインハット…そうか。いよいよ明日 お城に乗り込むんだもんね。
眠れないのは無理ないかも…。そうだ、ブドウ酒あるよ?
少し飲むと落ち着くかも。飲む?ヘンリー。」
「……。」
「ヘンリー?大丈夫?…どうした……っ」
突然、リュカはヘンリーに抱き締められる。
サンタローズの一夜。
───遠くで梟が「ホゥ」と鳴いた。
5635の人:02/01/11 18:57 ID:mvQIgAfC
「いらっしゃいませー!お客様2名様お着きだね!」もう日がとっぷりと落ち、
人々は一日の疲れを取る為にそれぞれの家路へ帰ろうとしていた。
そんな夕暮れに 若い2人の男がサンタローズの宿屋に入っていくなり、
威勢の良い宿屋の女将の声が 宿のカウンターホールに響いた。

サンタローズ。そこは以前リュカの幼なじみであるビアンカ
の一家が宿屋を営んでいた町であった。
「バイバイ、またねリュカ!」と無邪気に笑っていた金髪のおさげの女の子と
まさか10数年も別れる事になるなんて思わなかったあの日々。
哀しい、父との別れ。辛い、夢も希望もなくなるような 奴隷の日々。
それらの日々を乗り越えて 再びこの町に訪れようとはリュカは思っていなかった。
感慨深く、懐かしく思い、父と泊まったこの宿屋の内部を見渡す。───と、
カウンターホールにあるバーにたむろしていた数人の男達や客相手の若い娘と
目が合った。彼らはリュカを ぼうっとした顔で眺めていたようだった。
目が合った途端、彼らは慌てた様子で目をそらす。
その様子に気付いたヘンリーは「またか…。」とため息をつきながら
リュカの腕を掴み、疲れているから 早く部屋に案内するようと
女将に言うなりさっさと奥の客室へ行ってしまった。
5645の人:02/01/11 18:57 ID:mvQIgAfC
客室に案内した女将がカウンターに戻ってきた時、
そこは今の若者2人についての話に花が咲いていた。
「見たかよ 今のあんちゃん。何てぇキレェな面してんだ。」
「あぁ、まったくだ。ありゃぁその辺の女よりもさぞかし味も
ようろうよ。」ヘへヘと笑う男達。
「あたしなんて 今まであんな綺麗な男、見た事もないよ。」
バーの娘も ほう〜っとうっとりとした表情でつぶやく。
王家の血を引くヘンリーとリュカは そことなく漂う気品のある顔立ちであり、
それが人々の目を引いたのだ。ヘンリーの方がいくぶん背が高いのだが
2人ともすらりと背が高く、しなやかな手足。均整のとれた体つき。
そして端正な顔立ち。いやがおうにも人々の目が集まってしまうのだった。特に───
リュカの持つ不思議な瞳。優しく、聖母を思わせるその眼に見つめられると
獰猛な魔物達でさえ 仲間になってしまうほどで その瞳には
人間にも魔物にも心を動かされる何かがあったのである。
5655の人:02/01/11 18:58 ID:mvQIgAfC
2人ともその憧憬な、または好奇な目にさらされながら奴隷の日々を過ごしてきた。
幼かった2人が月日とともにたくましく、美しく成長していく様は
奴隷達にムチをふるう男達にとっては 言うまでもなく欲望の的になっていた。
夜な夜な、手篭めにしようと襲いかかる男達に立ち向かうのはヘンリーだった。
「守ってやらなくちゃ。リュカは俺が守る──!」
ヘンリーを守って無惨にも殺されたリュカの父、パパスに対する懺悔の気持ちで
あろうか、いつの間にかヘンリーはリュカは自分が守ってやらなければないないと
思うようになった。ヘンリーもリュカも元兵士や魔導師だった奴隷によって
毎日戦いの基本を学び、もともと身についていた戦いのセンスが開花され 日に日に
たくましい戦士へと成長していったから 奴隷をムチ打つ男達などには手も出させなかった。
5665の人:02/01/11 18:59 ID:mvQIgAfC
そのような日を過ごしてきたせいであろうか、ヘンリーは
好奇な目で───舌舐めずりするような、いやらしい目で眺めまわす
視線にはとても敏感になっていた。
「リュカを、見るな。」
そう思いを込めて 一国の姫を守る忠実な騎士のようにリュカを守ってきたのであった。
「初めまして、ヘンリーくん。
ボク、リュカって言うんだよ。ねぇお友達になろうよ!」
そう言って 可愛らしい目を太陽のように輝かせながら 王宮の一室で独りぼっちで
泣いていたヘンリーの冷たい心を溶かしてくれた大切な存在。誰の手にも触れさせたくない。
リュカと離れるなんて、耐えられない。苦い痛みを胸に感じながら
ヘンリーとリュカは宿屋の一室に入っていった。
5675の人:02/01/11 19:00 ID:mvQIgAfC
ヘンリーの故郷、ラインハット城に君臨する女王が実は偽者で魔物であるという真実を
つきつめた2人は、その魔物を倒し再び王権を取り戻そうとしていた。
王の座に座るのはヘンリーでなく、彼の異母兄弟(…名前忘れてもうた 藁)なのだが、
王の補佐役としてこれからラインハットの国を再建していかなければないないので
必然的にリュカとの旅は 今夜で最後になる。もう、何週間も前から
ヘンリーはこの事が気掛かりで夜もろくに眠れなかった。
リュカと別れる。この先、もう二度とリュカと旅は出来ぬであろう。
それが、たまらなく辛い。
リュカも、「ヘンリーと一緒に旅するのはこれで最後なんだね。
寂しいけど、またラインハットに行くから いつでも会えるよね。」
などと言い、ヘンリーの心境など分かっていない様子であった。
5685の人:02/01/11 19:00 ID:mvQIgAfC
それも当然だな…──独りごちてヘンリーはふッと笑う。
リュカを守るという気持ちが いつの間にか恋い焦がれる想いに
変わっていった事など、リュカには考えもしないであろう。
その思いを断ち切るかのように、部屋に入るなりヘンリーは浴室に向かい
冷たい水を浴びた。「今夜で最後なんだ。あいつと、一緒に過ごすのは。」
呪文のようにヘンリーの頭の中を その言葉がぐるぐる回る。
あいつの声を、ずっと忘れていたくない。
この体にあいつの熱を…刻みこんでおきたい。
───馬鹿な事を考えているな、と自分で苦笑しながら
「しっかりしろ。明日はラインハット城の運命を左右するかもしれない
闘いを控えているんだぞ。今は、それだけを考えろ。」
自分の気持ちを むりやり押さえ込み勢いよく浴室から出た。
5695の人:02/01/11 19:04 ID:mvQIgAfC
リュカは その日の戦闘の激しさで疲れきってしまったのかぐっすりとベットで眠り込んでいた。
「リュカ。風呂空いたぞ。起きろよ、ほら。」そう声をかけながら揺り起こそうと顔を覗き込む。
綺麗な、ツヤのある漆黒の髪。長いまつげ。形の良い唇。
つい、と知らずうちにヘンリーはリュカの唇を指でなぞる。
もうこの口から あの優しい声が聞こえなくなる───リュカにはリュカの運命が待ち構えていて
その道はヘンリーは共に歩けないと悟っていた。
こいつは俺なんかと一緒にいるような奴じゃないんだ。何か、大きなとてつもない事を
きっといつの日か成し遂げるのだろう。漠然とヘンリーはその事を感じていた。
自分の手から 大切な宝物がすべり落ちていってしまうような気持ちになり
たまらなくなってリュカの唇へ自分のそれを近づけようとした刹那。リュカは目を覚ました。
「…ん…。あれ、ヘンリーお風呂から出たんだ。」パッと見開いたその瞳。
優しい、優しい瞳。見るなりヘンリーは 思わず涙が出そうになった。
「お、おう。お前も早く入って来いよ。明日は早いんだぞ。」リュカに見られないように
くるりと後ろを向き ベットにもぐり込んだ。
何かを決意したような思いが ヘンリーの心を満たした───。
5705の人:02/01/11 19:05 ID:mvQIgAfC
真夜中。
もうじき雪が降るであろうと思われたその夜は寒かった。
安い宿屋の部屋はどこからか隙間風が吹いて来て、ヘンリーの緑がかった髪の毛を
かすかに揺らす。隣ではリュカが規則正しい寝息を立てながら気持ち良さそうに
夢を見ていた。その華奢な背中を見つめていると 一緒に野宿した時の事、
初めの大きな町、オラクルベリーで服を買い 奴隷服以外の服に腕を通し
大喜びした時の事など 様々な思いが駆け巡っては消えた。
ギシ。
リュカの眠るベットに近いづくと古いそれは 音をたてる。
鼻筋の通った端正な顔に 今さらながら見とれているうち そっと肩に手がいく。
「ん─…?」
寒い空気の中、自分の肩に人の手の温かさを感じたリュカは
夢から現実に引き戻されつつ薄目を開けた。
5715の人:02/01/11 19:06 ID:mvQIgAfC
「─…?…。ヘンリー…?どうしたの…?」むにゃむにゃ、とくぐもった声で
リュカは 何で自分のところにヘンリーがいるんだろう、とボ〜っと
思いながら訪ねた。
「あ、悪いなリュカ。起こしちゃったな…。うん…ラインハットの事が
気になっちゃってね。」自分の寝ているすぐそばに座る友を見やったリュカは
何の疑問も持たずに「ラインハット…そうか。いよいよ明日 お城に乗り込むんだもんね。
眠れないのは無理ないかも…。」と気を遣った。本当にヘンリーは
明日の事が気にかかり 眠れないのだと、そんな友の心境を思いやる。
リュカは、そういう人間であった。すっかり目を覚ました彼は
「そうだ、ブドウ酒あるよ?少し飲むと落ち着くかも。飲む?ヘンリー。」
少しでも勇気付けようと ベットから起き上がりサイドテーブルに置かれた
ブドウ酒に腕をのばず。
「……。」ヘンリーは黙ったまま。
「ヘンリー?大丈夫?」そんな彼の様子を心配したリュカが顔を覗き込む。
「…どうした……っ」
突然、リュカはヘンリーに抱きしめられた。一瞬何が起こったのか分からない。
リュカが 今一度同じ質問をしようと口を開いた瞬間。
「……っ…!」
ヘンリーの唇に その言葉は呑み込まれた。
5725の人:02/01/11 19:07 ID:mvQIgAfC
今、何が起こっているのか。何故、ヘンリーは自分にこんな事を…?
わけが分からぬままリュカは動けなかった。
ふっとヘンリーは唇を離す。「お前が、好きなんだ。」一言告げる。
おはようのキス。ただいまのキス。愛情を示すその行為は
リュカの今までの生活で 何度となく見て来た事だった。
好き。お父さんが好き。サンチョが好き。ビアンカが好き。ゲレゲレ(藁)が好き。
リュカにとっては 好きとはそういう事なのだ。キスも、同じ意味。
愛情を示す為の、何て事ない行為。たった今ヘンリーにキスされた彼は
なーんだ、そういう事かとでも言うように
「ぼくも、ヘンリーの事が好きだよ。」太陽のような笑顔で返す。
あぁっ…、リュカ!
ヘンリーはそんな無邪気な彼に どうしたら自分の気持ちが分かって
もらえるのだろうと思い泣きたい気持ちだった。
5735の人:02/01/11 19:08 ID:mvQIgAfC
何年もの、秘めた想い。それをどんなに必死に口に出したとして
リュカはきっと、いつもの笑顔で。
「どうしたの?」心配するように、愛くるしい瞳でヘンリーに言うだろう。
自分の事より、いつも友や仲間の魔物達に気を配るリュカ。
こんなにも愛おしい存在であったのだと再認識したヘンリーには
もう、理性のヒモを きつく結んでおく事はできなかった。
「お前の言う好きとは違うんだ。違うんだよ。俺は…お前がずっと…っ」
きょとんとした表情で半開きのままのリュカの唇を再び塞ぐ。そのまま口内へ。
「……ッ…!」
初めてのその行為にリュカは身じろぎする。そのままベットへ組み敷かれ、
何が何だかわからぬままヘンリーの唇に喰われていた。頭の奥がじぃんと
しびれてくる、奇妙な感覚。いやだ、こんなの。リュカの目に生理的な涙が
滲んできた。
「…っふ……」
やっと唇が離れて 一気に深く息を吸う。
ヘンリーはそのまま唇をリュカの頬へ。首筋へ。耳へ。そして耳たぶを甘く噛む。
「……は…っあ…や、…っ」
リュカは くすぐったいような、むずがゆい感覚に思わず声を出す。
何度も、何度も耳を甘噛みした後 そのまま首筋をゾクリと舐める。
「あ…ッ……」
今まで 聴いた事もないような良い声でリュカが鳴く。
自分では思ってもみない甘い、声。自分自身の声に赤く、赤くなりながら
必死でヘンリーの胸板を叩き 抗議する。が。声を耳にしたヘンリーは
自分の想いに火がつき、もはや止められる術を見いだせなかった。


疲れました、ここでギブっす。てか、自分はその行為におよぶまでが
萌えるんでありますー。書きたかったのはこのへんなのでござる。
続きのバトンを誰か受け取って下さらんかのぅ。長い駄文 スマソでしたー。