二代目(有)田中工業の恥ずかしい過去を暴露する会

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1田中先生秘書
二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakMの過去を芋掘りして晒します
2田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:26:55
二代目(有)田中工業 ◆K4mBfIP43w(二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM )
田中が昔書いたエロ小説保存場所
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112929133/263n-
3田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:27:58
317 : ◆jJO3v.CakM :2005/07/03(日) 21:47:29 ID:d0sBuWqM
>>280
遅まきながら、適当なうpロダ指定して頂ければ
ここに投下したSSアップさせてもらいます。

前スレ最後辺りで権藤さんSSを駆け込み投下させて貰って
1ヶ月ほど仕事の都合でネットできなかったのですが
遅ればせながら、ご覧になってくださった方(居らしたら)ありがとうございました。

319 : ◆jJO3v.CakM :2005/07/04(月) 06:38:44 ID:BGU+YFJl
>>318
紹介して頂いておいて何ですが、txt系ファイルはアップできない模様です。

今の所ネットが土日ぐらいしか出来ないものでして
また一週間後あたりに訪れます。

4田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:28:59
371 :1/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:16:56 ID:KY5g5yEA
突如として暗闇に浮かんだ蒼白の顔に、勘九郎はあわや絶叫する所だった。

花見町から十数キロは離れた山奥である、もう真夜中近い夜更けなこともあって
懲りずにまたもや山篭りを始めた勘九郎のテントを訪れる者等居ようはずもない。
テント内を照らすカンテラの揺らめく炎に映し出されて
テントの入り口、外へと繋がる暗黒の空間にぼう と浮かぶ
その能面のような顔は現世の物とは思えなかった。

「…あら、誰かと思ったら勘九郎君じゃないの」
テントの隅に後ずさり、まだ唇の端をひくつかせていた勘九郎の耳に
どこか聞き覚えのある声が響いた
とは言えどその声は場違いな程冷静であり
道中ばったり友人に出会ったとでも言いたげな調子のそれは
今、この状況下にあって十分過ぎるほど異様な物に感じられた。

声の主の全身がカンテラの淡い灯りに段々と照らされ
やっとそれを認識できるほどに勘九郎の精神も回復した。
「あ、あんた高校教師の…?」
やや小柄な背丈に不釣合いなマント姿、艶のある長い黒髪に一度見たら忘れられようはずもないその顔
よもや突然の来訪者が茅原智香であったとは、勘九郎にも思いもよらなかった。
5田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:30:05
372 :2/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:18:40 ID:KY5g5yEA
ほぅ と吐き出した息が微かに白く煙り、夜の大気の中へと溶け込むように霧散していく
いくら冬ではないとはいえ、夜の山の冷気は勘九郎でさえ身に刺すように感じる程であった。
「よし、まずはここに座って体でも温めるニャ」「…ありがとう」
昼のうちに割っておいた薪で焚き火を熾し、携帯用のパイプ椅子を開くと
勘九郎は智香の方を振り向いてそう勧めた。

「よっこらせっ…と」
テントの入り口を背にし、やっと火勢の安定してきた焚き火に向かうと
勘九郎は智香の横に積んだ薪の上に腰をおろした。
ふと空を見上げると、暗くなってきた頃には見えていた星々は厚い雲にすっかりその姿を隠している
それと同時に山の頂きから生暖かい風が一陣、勘九郎の頬を撫ぜるように吹いていった。
「(湿気を孕んだ空気といい、これは一雨来るかもニャー)」

「…ねぇ」「ん、何かニャ?」
魔法瓶の湯で作ったコーヒーの湯気が、智香に手渡したカップから微かにくゆる
脱いだマントをテントの中へ広げ、お馴染みのジャージ姿になった智香は
自分の膝の辺りに置いたカップを見つめたまま、ぽつりと勘九郎に語りかけた。
「聞かないの?私が何故こんな所に来たか」

落ち着き払った声色でそう言い放ち、変わらず下を向いたままの智香を前に勘九郎は口ごもった
勘九郎も智香の『悪癖』については重々承知している
こんな時間、こんな山奥に、それも女の身で、たった一人
頭の中で幾度問答をしてみても、答えは辿り着きたくない『それ』に行き当たってしまう…。
6田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:31:47
373 :3/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:20:51 ID:KY5g5yEA
「いやそれは…」「季節の食材を探しに山へ来たら、迷ってしまったのよ」
――――決着は一瞬だった
意を決して纏まらない考えを纏め、何とか無難に返答しようとする勘九郎に
何時の間にか顔を上げ、しかし目は伏したまま智香はさらりとそう言ってのける。

「そ、そうじゃないかと思ってたところだったんだニャ、はっはっは」
吐き出す科白の白々しさに幾ばくかの後ろめたさを感じつつも、内心勘九郎はほっとしていた
以前餅つきに駆り出された時のように、余計な一言で彼女を傷つけることは避けたかったのである。

暫し、勘九郎にとっては辛い沈黙の時間が続いた。
「(やはり、あんまりにわざとらしい物言いだったか…?)」
無言で焚き火の炎に煌々と照らしだされる智香の目鼻立ちは、言葉にし難い威圧感すら放っている
それなりに寒いはずの外気の元、汗がじわりとトレーニングウェアを着込んだ背に滲んだ。

パチリ と焚き火にくべられた薪が音を立てて爆ぜるとほぼ同時、智香の両の瞳は勘九郎を見据えた
その眼光は背筋に寒気すら覚えさせ、僅かではあるが勘九郎は反射的に身を竦ませる。
だが、智香が発した言葉は勘九郎にとっては意外な物だった。

「この前の学園祭の時はありがとうね」「え?あ、ああ」
予想だにしなかった智香の一言に、思わず素っ頓狂な声で勘九郎は相槌を打った。
「あなたったら、喫茶店が閉店したらお礼を言う間もなく姿を消してしまって」

智香のその言葉で、勘九郎にとっては苦々しい記憶が蘇ってくる。
宿敵であるアイツ『鬼丸美輝』に如何な理由でも、如何に普段通りであろうと 公衆の面前で打ちのめされるのは彼にとって決して気持ちの良い物ではない。
お役御免となった後、満身創痍の体を引きずりつつ 裏門から誰にも会わないように帰ったのは無理も無い話だった。

「…ふん、礼などいらないニャ、俺はアイツと戦えるなら何処へでも赴く、ただそれだけだニャ」
そんな回想は?(おくび)にもださず、超然とした態度で勘九郎は智香に言ってのける
しかし、コーヒーをひと啜りした智香が次に発した言葉は 予想外という点において、先ほどの更に上を行くものであった。
7田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:33:05
374 :4/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:22:59 ID:KY5g5yEA
「ねぇ、勘九郎君は何故鬼丸さんを虐めるの?」
暫くの間、勘九郎は智香を前にしていることも忘れて
あんぐりと口を開き、二の句を継げなかった。
「…いやいや、俺の聞き間違いだよな、うん――――誰が誰を虐めてるって?」
「勘九郎君が、鬼丸さんをよ」

声をわななかせつつも、不自然な作り笑いで訊き返す勘九郎を気にもせず
続けてさも平然と智香は言い放つ。
耳に手を当て、智香の方へと身を乗り出してしかとその文句を聞くと、勘九郎は笑みを凍りつかせた。
「(『あれ』のどこをどう見たら俺がアイツを虐めてるように見えるんだニャー?)」
「(いや、それを認めたら、俺がアイツより弱いことになるニャ)」
「(しかし、ここで『ああ、そうだニャ!』と言い切ってしまうのも…)」
動きを止めたほんの刹那、勘九郎の脳内では勝利への欲求と自尊心が喧々諤々の争いを繰り広げる。

「理由は訊かないけれど、いい歳をした男性が女の子を虐めるなんて、決して褒められたことではないわよ」
そうこうしている間にも、智香は追撃の手を緩めない
話だけ抜き出して聞けば、状況はそのまま叱る教師と叱られる生徒である。
「(い、いかん!何か一方的に話が進んでいるニャ!!)」
腹の内に何か釈然としないしこりを残しつつも、一旦勘九郎は智香の誤解を解こうと意を決した。

「ちょっ、ちょっと待ったぁ!」
「なに?言いたいことがあるならば、私で良ければ幾らでも聴くわ」
立ち上がって異議を申し出ようとする勘九郎に
智香は依然として温かい眼差しを向けることを止めようとはしなかった。
…もっとも、その『彼女なりの』温かい目つきは
勘九郎にとっては心臓を鷲掴みにされるような物にしか感じられなかったが。

「違う!違ーう!!」
何とか智香のペースを振り切ろうと、勘九郎は頭をぶんぶんと左右に大きく振りつつ否定する。
「俺はアイツに…!」
8田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:34:43
375 :5/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:25:03 ID:KY5g5yEA
すぐ頭上で明るい物が踊るように揺らいでいるのを無心で眺めつつ
勘九郎は意識を取り戻していった。
それが頭上に吊り下げられたカンテラの炎であり
自分の体がテントの中へ仰向けに倒れていると理解できたのはそのほんの数秒後であった。

何時の間にそのような状態になったのかは、ぼんやりとした頭ではすぐには思い出せない
体はというと、何かに圧し掛かられているような
そんな気だるい圧迫感に満たされて急には動かせなかった。

耳の中は、キィンと耳障りな高音が鳴り響いているように感じられる
しかし、それに重なるテントを外側から激しく叩くような音で
外は土砂降りの大雨になっているということはそれとなく認知できた。

頭を捻り、足元の方の入り口から外を見渡すと
それほど遠くは無い距離に艶かしい位に赤い炎が、何かから幾重にか立ち上っているのが見える
自身の炎に照らし出されたそれは恐らく倒木であろう、土砂降りの雨の中で未だ燻り続けていた。

「(あれは・・・雷が木に落ちたのか?)」
まだチカチカと目の奥底が明滅を繰り返す中、早くも勘九郎は状況を把握しつつあった。
落雷を受けた木は幸いにしてテントの向きとは反対側に倒れたようである
朧げに確認できるその大きさからしても、もしこちら側に倒れてきたら
テントは勿論のこと、確実に自分達まで押しつぶされていたであろう。

軽く目を閉じて記憶の切れ端を繋ぎ合わせ、状況を整理してみる。
恐らく落雷の瞬間だったのだろう、あの時強烈な閃光によって
突如として眼前は白一色に埋め尽くされた。
間髪を入れず全身が振動するほどの爆音が轟くと
急に何かに飛び掛られたような衝撃を体に受け、それと共に意識は暗転した
智香に釈明しようとしたその間際のことであった。
9田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:35:53
376 :6/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:27:33 ID:KY5g5yEA
…茅原智香!
その名が脳裏に思い浮かぶと共に、勘九郎の頭は一瞬にして覚醒した
「(あの教師は…!?)」
最悪の事態が頭に去来し、脱力していた全身に瞬時に血が通ったようにカァと熱くなってくる。

――――探さなくては――――!
そう思うが早いか勘九郎は上体に力を入れ、何とか身を起こそうとした。

しかし、その心配は束の間の杞憂に終わった
僅かに頭を起き上がらせた所で、自分の腹辺りにうつ伏せになっている智香の黒髪が見えたのである。
あの時の衝撃から察するに、落雷と同時に反射的にテントの前の自分目掛け
飛び込んで倒れこむ形で難を逃れたのであろう
勘九郎よりは遥かに小柄な智香の体は
勘九郎の長躯に乗り上げる形ですっかり収まってしまっていた。

智香の安否を確認して、へなへなと勘九郎の体から力が抜けていく
「(さっきから圧し掛かられてるような感じはこのせいだったのか…)」
再度仰向けにテントの床に頭をつけ、その冷たさを感じると
ふぅと勘九郎は頭上の空間に脱力と安堵の入り混じった息を長く、そして深々と吐き出した。

「優しいのね」
雨の降りしきる最中、あれからどれくらい時間が経ったであろう
何時目を覚ましていたのか、智香がぽつりと呟いた言葉で、勘九郎は引き戻された。
「いや、別に受け止めたことに礼なぞ…」
「そうじゃないの、私がここに来た理由のことよ」
礼なぞ要らないニャ、そう続けようとした勘九郎の言葉を遮り
智香は勘九郎の上でうつ伏せになったままゆっくりと語りだした。
10田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:36:49
377 :7/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:30:25 ID:KY5g5yEA
「本当はね・・・今日も皆に顔のことで嫌われてしまって
授業が終わって気がついたらこの山に居たのよ」
智香を上に乗せたまま勘九郎は後ろ手でゆっくりと上体を起こし、智香の話に耳を傾けた
「解ってて黙ってくれたんでしょう…?自殺する為によ」

無言で勘九郎は智香の独白を受け止めていた。
たしかに智香がここを訪れたときに、無理もないとはいえ勘九郎はそんな想像をしていた
それが後ろめたいことの様にも感じられ、勘九郎はただ黙っていることしかできなかった。
「あなたにお説教したのも、そう。自分の情けなさを教師らしく振舞うことで誤魔化そうとしたの」

「――――滑稽よね…」
一息に話した智香は勘九郎の腰に回した腕にきゅうと力を込め
伏せた顔を更に勘九郎へと埋めるようにしてそう漏らした。
「普段はあれ程死ぬ死ぬなんて騒いでるのに
いざ危なくなったらあなたの胸に飛び込んでまで助かろうとするなんて」

「もう止めるニャ」
耐え切れずに勘九郎は智香の告白を止めようとする
勘九郎にそんな気を起こさせる位に、智香の言葉は聴く者の心に迫る程の悲痛さに満ちていた。

しかし、勘九郎の声にも耳を傾けず、智香の独白は続く。
「私なんて、私なん‥て…」
最後の方は掠れ、既に声にとしての形を成していなかった
それを代弁するように勘九郎の後ろに回された智香の手と、小さな肩は小刻みに震えていた。
11田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:37:46
378 :8/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:34:03 ID:KY5g5yEA
「!」
軽い驚きと共に、智香の肩の震えは止まった
突然に勘九郎が抱きかかえた肩へと、服の上からでもその腕の逞しさが伝わる
その腕は力強く、しかし優しく智香の肩を包み込んでいた。
「頼むから、もう止めてくれだニャ…」

いつの間にそんな感情が生じたのか彼にもわからなかった
しかし、悲嘆に暮れる智香に勘九郎はある種のシンパシーを感じていた。
それは裏返せば即ち生への執着でもある智香の自殺願望
そして勘九郎の美輝に勝利するまで自分の人生は始まらないと思う魂と、どうしても勝てぬ現実
そんな実存への渇望同士が織り成した心の共鳴だったのかも知れない。

――――ただ、その時の勘九郎は智香を放っておけなかった。
打ち震える智香の、小さな背中を見ると共に
避けえぬ感情が湧き上がるのを心の何処かで彼は感じていた。
その想いを言葉には出来ず、気がつけば智香の頭を抱え込むようにして
肩を強く抱きしめている自分が居た
そうしなければ、目の前の女性は儚げに消え入ってしまいそうに思われたのである。

少し動きを止めた後、勘九郎の腕の中で智香は息を荒げ、激しく肩を上下させていた
しかし、今度のそれは先までのものとは違う、勘九郎にもそれは理解できた。
服を通して、熱い何かが勘九郎の肌へと滲みこんでいく
引っ切り無しに石つぶてが叩きつけられているような雨声の中
ただ黙して勘九郎は智香の肩を抱擁し続けていた。
12田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:38:44
379 :9/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:35:51 ID:KY5g5yEA
ピチョンピチョンと雨滴が音を立て
テントの入り口付近に投げ捨てられたカップへと雨水を溜めていく
すぐ傍の焚き火も降る雨の勢いに負け
今は黒い燃えさしが微かに白煙を立ち上らせているのみであった。
「…」
不意に言葉が発せられたように感じ、勘九郎は智香に視線を戻した
もう肩を揺すらせることも無く、どうやら智香も平静を取り戻した様子であった。

「――――何かニャ?」
精一杯の優しい声を繕い、勘九郎は智香にそう語りかけた
しかし、智香はそれに返答はせず、顔を勘九郎の腰付近へ伏したままである。

自分の気のせいだったのか…?、そう考え直した直後。
「…な…!」
唐突にか細い手がトレーニングパンツの後ろから、勘九郎の素肌へと滑り込んできた
腰の後ろに組むようにして回されていた智香の手は
今や勘九郎の腰周りから尻の方へと直に接触してきている。

余りに突然のことに、勘九郎も口を金魚のようにパクパクと開閉させるのみ
智香の真意を量るどころか、顔面を紅潮させたまま思考することすらままならなかった。

混乱する意識の底、智香の言葉だけが今度こそはっきりと形を成して、勘九郎の耳に届いた。
その一言で辛くも正気に返ると、何時の間に起き上がったか
顔のすぐ下に智香がその顔を寄せていた。

『お願い…』
そう智香が発した一言が意味することは、智香の目を覗き込むと同時
いかに鈍い勘九郎であれど察せた。
涙で潤んだ、その乞い求めるような瞳の帯びた熱にドキリとし、思わず勘九郎は目を背ける。
13田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:40:04
380 :10/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:37:54 ID:KY5g5yEA
「じょ…、冗談はやめるニャ」
思わず上ずった声で勘九郎はそう返す
そう動揺する程に先の智香のまなざしが蟲惑的に思えたことには流石に触れなかった。
「でないと死んでしまおうかしら」
冗談とも本気ともつかない、そんな言葉に反応して勘九郎は再度智香の方を見つめ返す。

そんな勘九郎の様子に智香はふっと微笑むと、コツンと額を勘九郎の胸へとつけた
「ごめんなさい…でもね、そうでもしないと自分が無くなってしまいそうなのよ」

力なくそう呟いたかと思うと、再度智香は顔を上げて勘九郎と眼を合わせた。
智香の目から一筋涙が零れ落ちていくのが見える、
その悲愴を秘めた瞳に、いつしか勘九郎は沈黙を保つことで
智香の願いに答えることしか出来なくなっていた。



ジャージの胸元をはだけると、透けるように白い肌に安価そうな白の下着が張り付いていた。
軽く躊躇しつつも勘九郎がブラジャーの下へと手を滑り込ませると
一瞬ピクリと全身を強張らせたものの、勘九郎に身を任せるかのように智香の肉体は緩んでいく。

智香の緊張が解けるのを見極めていたように、勘九郎は手先を動かしていった
勘九郎の手指に収まってしまうくらいの、やや小ぶりな乳房を労わるようにして
最初は緩やかに、次第にやや力を込めて愛撫し続ける。
14田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:41:48
381 :11/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:40:32 ID:KY5g5yEA
「くっ…ん」
じわじわと滑りこんでいった手のひらが胸の先端を掠めたその時
智香はそんな声を出して堪えるようにして目をつぶり、軽く首を竦ませた。
かと思うと、そんな様子を伺っている勘九郎の視線に気づき
軽く顔を赤らめ、顔を横へと背けてしまう。

表情では必死に平静を装おうとする智香の、そんな仕草に堪らない物を感じつつ
ゆっくりと勘九郎はブラジャーの止め具を外していった。
肉付きは余り良くはない智香の胸板、やや薄めながらもツンと形のよい乳房がそこに在った
白磁のようにきめの細やかな艶かしい肌に、桜色の品のよい乳首を伴ったそれは
弥が上にも勘九郎の興奮を高めていく。

腰の上辺りにちょこんと座っている智香の体を抱き寄せると
息のかかる位の間隔に顔を寄せ、ゆっくりと舌先を智香の胸に這わせていく。
それに呼応するかのように、智香もその体を緊張させ、痛みに耐えるような吐息を断続的に漏らす
しかし、それが拒絶を意味する物ではないことを勘九郎も、又智香自身も自然に受け入れていた。

焦らすように舌と手で胸を責め、勘九郎は智香の肉体を割り開いていく。
機が熟したのを見極め、勘九郎は智香の温かなジャージズボンの中へと両手を進入させ
太ももと下着の隙間へと滑り込ませていく。

「待って…」
ジャージの中の下着へと掛かった勘九郎の双の手を
やんわり制止するように智香は手で上から押さえた
その行為に勘九郎は何も言わず、ゆっくりと智香の顔を見上げる。
「その…自分でするから」
多分に恥らいを含んだその智香の提言に勘九郎は改めてゴクリと唾を飲んだ。
15田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:42:46
382 :12/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:42:26 ID:KY5g5yEA
捩れた白の下着を屈んで脱ぎ捨てた智香は、下に横たわる勘九郎を跨ぐようにして立っている。
怖々勘九郎があらわとなった部分に顔を寄せると
その視線を拒むかのように黒く、ビロードのように密になった恥毛が確認できた
とはいえど生えている範囲のさほど広くは無いそれは
申し訳程度に智香の性器を覆い隠しているのみであった。

くちり…
邪な高揚がそうさせたのか、不意に勘九郎が智香の秘部に指を押し当てると
微かながらではあるが、確かに卑猥な粘液の音が耳に届いた。
陰毛を透してはっきりと見える、人差し指と中指で割り開かれた鮮やかな緋色の部位は
白蝋のように血色の薄い、一種病的な美しさを持った智香の肌にあって
ナイフでざくりと裂け目を入れたような、そんな生々しさを伴った淫靡さをより一層醸し出していた。

綺麗だ。
そんな自分らしからぬ言葉が思わず口を衝いて出そうになる
言葉にしていれば、確実に智香は恥じ入ったであろう
寸時浮かんだ野卑な考えに慙愧の念を抱きつつも
そのような感情が自ずと沸き起こるのを勘九郎は止めることはできなかった。

そのまま、ぬるりとした粘液で既に濡れそぼった肉口の周辺を
なぞるようにして数回指で撫で回すと、ゆっくりと勘九郎は指を進めていった
一本…二本と立て続けに内部へと入り込む指先を
智香は声を押し殺しながらも秘裂へと受け入れていく。

その小さな体躯の通りに、窮屈な智香の肉壁は当初指の侵入を軽く拒んだ
しかしそれも束の間、蠕動を繰り返すように収縮し勘九郎の指を緩慢に奥へ誘っていく。
「ま、まずい…」
まるで指先一点に体中の全神経が支配されたかのような感覚に囚われ、堪らず勘九郎は小声で呻いた。
それでも愛液に濡れた襞に包まれた指を、揉み扱くようにして智香の肉体は容赦なく熱しあげ、
今や勘九郎の怒張は外からもはっきりと分かる程にトレーニングパンツを押し上げている。
16田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:43:30
383 :13/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:44:30 ID:KY5g5yEA
奇妙な快感に耐え切れなくなったのか、僅かな理性で抵抗しようとそうしたのかは判らない
思わず勘九郎が指先をくにりと折り曲げたその時だった。
「ひっ…、あぅ!」
中腰のまま切れ切れに吐息を漏らしながらも、勘九郎の愛撫に耐え忍んでいた智香の膝が大きく揺れる
と、そのまま糸の切れた人形のように、勘九郎にもたれかかるようにして崩れ落ち
両膝をぺたりと地につけて智香は勘九郎の股の上に座り込んだ。

突如として性器に与えられた智香の肢体の重みに限界を迎え そのまま勘九郎は下着の中に精を漏らした
未だ服越しに続く智香の痙攣に呼応させるかのごとく、ビクリビクリと自らの体も引き攣らせ
その波に合わせ、2度3度と勘九郎は射精を繰り返す。
暫くの間、二人は動くことが出来なかった
身を寄せ合い、密着させて互いの呼吸同士を交えるように、荒く深く息を続ける。

意外なことに、先に動いたのは智香であった
薄暗くさえある灯火の元、陶酔覚めやらぬ面持ちで自分達の状態を認識する。 すると智香はおもむろに両手を股座に持っていき、丁度自分の性器の下敷きになった
勘九郎の股間を撫で付けるようにまさぐった。

まだ射精の疼きの残る部位を智香に弄ばれ、くっ と短く勘九郎は呻いた
しかし、それをつとめて無視するかのように、智香はにちゃつくパンツの上を撫で回し続ける。
「凄い…こんなに」
恍惚とした声色で智香が発した言葉は勘九郎の精液を指したのか、自身の愛液を指したのか
いずれにせよ智香の両手の当たるそこは、二人の体液でぐしゃぐしゃに濡れ渡り 智香が手を動かすと、ねちゃりと糸を引くほどに粘りついていた。

と、智香は四つ這いに体を後退させ、頭を勘九郎の股座へと移動させると ゆっくりとした手つきで勘九郎のトレーニングパンツを下着ごと押し下げた。
半脱げになった勘九郎の下半身から、まだ半分起立した男性器が智香の眼前に鎌首をもたげている
拍動に合わせるかのように未だひくつくそれは、白濁液にまみれて厭らしく光沢を放ち
射精直後にも拘わらず、先の智香の手つきで再び硬さを取り戻しかけていた。
17田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:44:41
384 :14/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:47:22 ID:KY5g5yEA
一瞬驚いたような表情を浮かべるも、恐る恐る手を伸ばすと
えいとばかりに、そのまま智香は顔を近づけて口にした。
勘九郎の汗と淫水の入り混じった、むせ返るような臭気に寧ろ快感すら覚えつつ
舌で、唇で、こびりついた樹液を啜り尽くすようにして智香は勘九郎の性器を貪った。

一心に肉柱をねぶる智香を前に、勘九郎は長座のまま智香からの刺激を甘受していた
息継ぐ音を間に挟み、智香が指先や舌先で亀頭の周辺を刺激する度にあわや声をあげそうになる。
そして、そんな普段からは予想も出来ない智香の乱れぶりに
再び勘九郎が陰茎をいきり立たせるまで、然したる時間は要さなかった。

一通り勘九郎の一物を口で掃除し終えた智香が顔を離すと、唾液が筋になって糸を引く。
それを拭うことすらせずに、息遣いを荒げたままの智香は上半身を起こすと
膝を着いたまま勘九郎ににじり寄っていき、勘九郎の性器の上にピタリと動きを止めた。

そのまま静止し、呼吸と共に体を上下させる智香の意図は勘九郎にも伝わってくる
しかしながら、今このような状況下にあっても、勘九郎は智香と関係を結ぶのには些かの躊躇いがあった
流される勢いのままに自分の欲望をぶつけ、後に智香を余計苦しめることになるのではあるまいか…?
「本当に…いいのか?」
一糸も纏わぬ目の前の智香の、瘠せ気味な肉体の放つ妖艶さに中てられ
戸惑いながらも勘九郎はそう切り出した。

それに答えるかのように覚束ない足取りで立ち上がると
智香は手指を陰部へとやり、腰を迫出して勘九郎に見せ付けるように押し広げてみせた。
すっかり出来上がってしまっているのか、愛液に濡れ、黒く妖しげな光沢を放つ毛の下に覗く膣口は
ぽっかりと口を開き、そこから白みがかった蜜を滴らせている。
そんな事をしてみせる智香の、自分を見下ろす窃なさの入り混じった物欲しげな視線に
最早勘九郎は何も言うことが出来なくなった。
18田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:46:00
386 :15/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:48:56 ID:KY5g5yEA
自身も衣服を脱ぎ捨て、床に敷いた智香のマントに勘九郎が身を横たえると
膝をついた智香が上に乗りかかり、先ほどと同様の体勢になる。
再度自らのとば口を押し広げた智香は そのままゆっくりと勘九郎の怒張へと腰を下ろしていった。

勘九郎の陰茎をもう一方の手で支え、下を向いて位置を模索しつつその先端を自らに突きつける。
その拙げな智香の手つきと、恥ずかしさを押し殺しつつも熱心な顔つきに 勘九郎の胸中には、むくむくと嗜虐心が募っていく。

うまく亀頭の先端を合わせた智香は勘九郎の肩に手をつき
そのまま自らに導きいれるが如く、徐々に下ろす腰を深めていく。
「あっ…は…」
智香が甘い声をあげ、亀頭の全てを中へ受け入れた時ぐらいであろうか
勘九郎は智香の腰に回した手で、智香を急に引き寄せると 突然腰を浮かし、ズンと叩き込むかのように全部を智香の中へと押し込んだ。

智香にとっては巨大な、勘九郎の性器が瞬時に入り口から全てを埋め尽くし
子宮口までノックする快感に、声にならない悲鳴を智香が上げる
眼球を上へグルリと回して白目をむき、頭を真白に塗り尽ぶしていった。

そのまま勘九郎へとしな垂れかかり、智香が自我を取り戻すまでにはやや時間を要した。
ほんの短い時間とはいえ、快楽に軽く気を失ったらしき自分に顔を赤らめ
勘九郎を突き放すようにして智香は身を起こそうとする。
それを見逃さずに勘九郎は再度腰を動かし、智香へと再び突き入れた。
「かっ…!勘九郎君っ!」
今度は気こそ失わなかったものの、先と同じほどの波に思わず智香は身を捻り 消え入りそうな声で勘九郎の名を呼んだ。

それに口で答えずに、勘九郎はピストンする運動を繰り返し 深く激しく智香の肉襞へと摩擦させていく
智香も無言でその腰使いを受け入れ、次第に勘九郎に合わせるように 浮かせた腰を上下させ、互いのリズムを同調させていった。
19田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:47:42
387 :16/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:50:04 ID:KY5g5yEA
「…どうかしたのかニャ」
下にしている勘九郎に対し、智香の時折見せる嫌々をするように顔を背ける仕草が気になり 突き上げる運動を緩め、勘九郎は疑問を呈した。

少しの間をおいて、そんな勘九郎の不安げな表情に気づいた智香は それでも顔を背けつつポツリと口にする。
「顔…怖いでしょう?」
そんな返答を耳にして、勘九郎は途端に動きを止めた。

「・・・」
智香と繋がりつつも、目と口を完全に結び、眠ったように勘九郎は言葉を発しなかった。
暫し、奇妙な静寂がテント内に訪れる
突然の勘九郎の異様な行動に、智香も恐る恐る覗き込むように、顔を勘九郎の顔面へと近づけていく。

突然勘九郎が目を見開き、智香の腰にあてていた手で、素早く智香の背を捕らえたのはその一瞬のことだった。
「…!」
あっという間のことに智香は何もできずにただ驚愕の表情を浮かべるばかり 気がつけば、寝そべっている勘九郎に抱き寄せられ、口と口とをあわせていた。

未だ状況を掌握できていない智香を置いて、智香の口腔へと勘九郎は舌を侵入させていく
智香の舌へと自分の舌を絡ませ、口唇を愛撫し、智香を抱きしめる腕の力を強める… 互いに汗ばんだ肉体を隙間無く密着させ、ただ唾液と粘膜が絡み合う淫猥な音がテントを占めていった。

智香が起き上がろうとしたのか、勘九郎が智香を起き上がらせようとしたのか
ぷは と息を吐き出す音と共に二人の唇は離れ、その交歓は終わりを告げた。
つぅと唾液を一筋口から引かせ、トロリとした目の智香は乱れた黒髪を整えることも忘れ、未だ陶酔の中にあった。

『――――そんなことないニャ――――』
微かに下から響いてきた勘九郎の声に、智香は我を取り戻した
途端、先ほど以上の激しさで下から身を突き上げられる。
突然に与えられた身を捩るほどの快感に、上半身を弓なりに仰け反らせ
天を仰いで顔を歪ませつつも、智香は瞑った目の端に涙を滲ませていた。
20田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:48:47
388 :17/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:51:04 ID:KY5g5yEA
そこから先は言葉は要らなかった
ただただ互いの欠片を補うように求めあい、相手の肉体で埋めていく。
互いの肉体を打ち付けあう音、激しく降りしきる雨音、そして粘液の鳴らす水音が
渾然一体となって耳に届き、二人を急き立てるがごとく燃え上がらせた。

そんな中、不意に発せられた智香の声に勘九郎は意識を研ぎ澄ました。
「あの灯りの前で…していると、自分の命を間近で見ているみたい…」
智香の途切れ途切れの呼吸音に交じって、捻り出した言葉が耳に届く。
勘九郎が頭上に視線を向けると、変わらずにカンテラの炎が揺れ動いている
その灯りに照らされ、テントの内部に揺らいで映る智香の陰影は 智香越しにまるで舞踏でもしているかのように勘九郎には感じられた。

そのような想いに囚われると同時に、股間の辺りが疼き、限界が近いことを物語る
「もっ、もう駄目だニャ!」「お願い、このまま…!」
慌てて半身を起き上がらせ、身を離す為に後退ろうとする勘九郎に対し そう告げた智香は両の足を勘九郎の胴に回し、固定するままに腰を思い切り密着させる。

緊迫感とその刺激に耐え切れず、すぐさま勘九郎は二度目の精を放った。
勘九郎に抱きついた智香は、身を縮こまらせるように竦め、最深部でその精を受け止める。
立て続けの射精の余韻に時を忘れて二人が浸った後、勘九郎からゆっくりと体を解いた智香は ふら付きつつも立ち上がると、力を無くした勘九郎の肉棒を名残惜しげにズルリと引き抜いた。
「んっ…」
勘九郎の性器によって広げられた性器はだらしなく膣口を広げている
少しの間をおいて、そこから吐き出した精液がコポリと溢れ出し 智香の太ももを伝い、鈍く光る跡を残し、足へと零れ落ちていった。

「やっちまったニャ…」
ゴロリと寝転んだ勘九郎は片手を目の前に当て、後悔の入り混じる声色で力なく漏らした。
「…ごめんなさいね」
何時の間に横に来たのか智香がその横に身を横たえ、子猫のように身を寄せてくる
そんな申し訳なさげな智香の黒髪に目に当てていた手を回すと 勘九郎は全てを許したかのように、そのまま智香の頭を優しく抱きかかえた。
21田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:49:44
389 :18/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:52:05 ID:KY5g5yEA
しっとりとした雨後の靄(もや)を切り開くようにして
差し込んできた柔らかな日光が朝の訪れを告げていた。
あのまま眠りについたのであろうか、未だ朦朧とする中
日の光を浴びた智香の見返る姿で勘九郎は意識を取り戻した。

「おはよう。その…昨日はありがとう、ね」
相変わらずの仏頂顔をしつつも、頬に赤みをさした智香は少し照れくさそうにそう礼を述べた。
見れば腰の辺りに衣服を引っ掛けたのみで何も纏っていない勘九郎に対し
智香は頭だけを出して既にマントを身に纏い、朝靄の中に佇んでいた。

「もう…行くのかニャ?」「ええ、何とかやっていけそうな気がしてきたわ」
入り口から覗く朝焼けに向かいつつ、智香は少し間を置いた。
「…あなたのお蔭よ」
そう一言、はにかんだように呟くと同時に智香は勘九郎から顔を背け
外へと一歩、また一歩と踏み出して行った。

「…へっ」
照れたように勘九郎が微笑返し、その後ろ姿を見送ろうとした丁度其の時のことだった
ふいに足を止め、くるりと智香は踵を返す。

「そうそう、余計なお世話かもしれないけど、お礼にあなたの力になってあげるわ」
突然の智香の申し出に勘九郎は不可解さをありありと浮かべた。
「ズバリ言うけど、あなた鬼丸さんのことが好きなんでしょう」
「・・・は?」

あまりと言えばあまりな智香の発言に、勘九郎は思考することも忘れ、あぐらをかいたまま固まる。
それを別の意味に受け取ったらしく、一瞬『やはり』といったように目を細めたかと思うと
のべつ幕なしに智香はまくしたてた。
22田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:50:50
390 :19/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:53:13 ID:KY5g5yEA
「やっぱり・・・言いだし辛いのはよくわかるわ
  ――戦する姿を見ていて、薄々そうじゃないかと――
    ――な人を、つい虐めてしまうことを心理学では――
      ――の悩みならば、私でよければ幾らでも相談に――…」

一方的に繰り広げられる智香の理論展開に
疲労のせいもあってか勘九郎の脳の情報処理は追いつかなかった。
「じゃ、そういうわけで私の方から早速鬼丸さんにアプローチしてあげるわ」
「あ、ああ…?」
うっかりと適当な受け答えをした自分にハッと気づき、絶句と後悔の表情を同時に浮かべる。
そんな勘九郎の反応を知ってか知らずか、智香は身を翻し
暁の中にわけいるようにして歩き出していった。

「ちょっ、ちょっと待っ…!」
座ったままの姿勢から一瞬で跳びあがり
テントから飛び出た勘九郎は智香を探して辺りを見回す
しかし、そこには最早誰の姿も無く、白む空に照らされたもやの中
朝の訪れを告げる小鳥達の囀りが時折耳に届いてくるのみだった。

ややもせば、昨夜肉体を交えたはずの、先ほどまで話していたはずの智香の存在が
夢・幻のごとく感じられてしまいそうな空気がそこには満ち満ちていた。
爽やかなはずの朝ぼらけの中で、未だ体の内に昨夜の熱を秘めつつも
心の何処かしらで薄ら寒いものを勘九郎は確かに感じていた。
23田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:51:34
391 :20/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:54:18 ID:KY5g5yEA
「知らないわよ。昨日は定期テストの採点で校舎に泊り込みだったもの」
ラーメンの最後の一啜りをさも美味そうに胃へと納め
普段どおりのむっつり顔に戻った智香は
あれから急ぎ山を下り、花見町へと舞い戻った勘九郎へと素っ気無くそう答えた。

「…んな、昨日のあれは・・・?」
「先生昨日の夜もうちにラーメン食べにきてたもんねぇ」
カウンターの智香にお冷のおかわりを注ぎつつ
勘九郎の話を遮るように美輝が話に割り込んできた
鬼丸飯店の中、そんな美輝にいつもの挑戦をすることすら忘れ
勘九郎は言い知れぬ悪寒を覚えていた。

「いや、しかし。じゃあ、昨日のあれは何だったんだ!?」
「妙に拘るな。お前先生に何かしたのか?」
「…いやいやいや、なぁんにもないニャー」
美輝の痛い指摘に空元気で誤魔化しつつも、不可解な現実に勘九郎は頭を抱えていた。
「(そういやあの山、たまに自殺者が化けて出るとかいう噂を聞いたことがあったような…)」

額に脂汗を浮かべて黙り込む勘九郎を尻目に、智香はスープまでラーメンを完食した
それを見計らって、こしょこしょと美輝が小声で話しかけてくる。
「…こんなもんでいいのかい?先生」
「ええ、ありがとう」
「しかし何だってあのデカブツに口裏合わせてくれだなんて?」
「あなたの言うことならば彼も信用するんじゃないかと思って、ね」
24田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:53:31
392 :21/21 ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:55:33 ID:KY5g5yEA
智香の言葉に、一人店の片隅で苦悩を続ける勘九郎に呆れた目を向けながら美輝は呟く。
「そういうもんかねぇ・・・」
「ところで鬼丸さん、改まってお話があるのだけど」
「うん?今度は何だい」

勘九郎の方に一瞬視線を向けたかと思うと、智香は続けた。
「あなたに…いえ、あなたの将来に関しても大事なお話だからよく聞いてね」「はぁ」
狐につままれたような面持ちの美輝を一瞥すると、智香は再度勘九郎の方を振り返った
智香の視線にも気づかずに勘九郎は懊悩し続けている。
「(生霊…なんてことはないよニャー)」

ふと湧いた考えに智香の方をチラ目で見た勘九郎と智香の目が一瞬交わる
と、照れたように勘九郎は慌てて智香から視線を外し
下を向いて悩み続ける素振りを続けた。

そんな勘九郎に智香はクスと軽く微笑みを浮かべると
気づかれないようにチロリと悪戯気に舌先を出し
片目を閉じてこっそり目配せをしてみせるのだった。
25田中先生秘書:2006/05/28(日) 08:54:25
393 :おまけ※お好みで加えて下さい ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:56:58 ID:KY5g5yEA
ズゴン

「こんなもんでいいのかーい、先生?」
「何だか私の言いたかったこととちょっと違う気がするのだけれど…」

急速に溶暗する意識の元、最後に勘九郎の目に映ったのは
こちらを覗き、申し訳なさそうな表情を浮かべながら頭を掻く智香だった。


394 : ◆jJO3v.CakM :2005/07/24(日) 23:59:46 ID:KY5g5yEA
以上です
原作でニャーと先生がちーとも絡まないのに痺れを切らして書いてみました
ブシレンジャー寸劇とか見ると仲は悪く無さそうなのに…。

仕事の都合で、明日からはまた土日辺りまでここを見ることが叶わない為
連投でのお目汚し失礼しました。

417 : ◆jJO3v.CakM :2005/07/30(土) 23:52:47 ID:mNqreYnO
371からSS貼らせて頂いた者です
読んで下さいました&乙コール頂きました方々ありがとうございます。

>396
今の所何もなしです…、期待させてすいません
仕事落ち着いてきたらまた投下したいです。
>397
基本的には太田×美輝好きなので、次はそれでいきたいかと
もしくはおかみさんの話になる予定。

それでは繰り返しですが皆々様ありがとうございました。
26田中先生秘書:2006/05/28(日) 09:00:02
218 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/26(金) 21:56:39
って言うか ええ加減にしとけや!
219 坂井 ◆ueOubo7P8I 2006/05/26(金) 22:13:44
>>218
何が?
223 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/26(金) 22:45:40
>>219
いやいや、人のトリを使ってオイタしてるヤシらよ!!!!
230 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/26(金) 22:57:26
もうやめてー


この後狂った田中先生は他スレのコテに意味不明な喧嘩を売り歩いてゆく・・・
27田中先生秘書:2006/05/28(日) 09:04:09
464 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/27(土) 02:35:34
>>462
ええから消えたり。用ないねん。カスwww
488 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/27(土) 02:43:35
>>481
なんでおまえはつまらんことしかできんねん?

悲しい生い立ちなんやろなぁ。。少しだけ同情せーへんw
496 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/27(土) 02:46:40
>>490
暇やったから馬鹿にしたでけやでwなんぞ文句あるんやったら住人さん迷惑かかるから

わしのスレこいやカスwwwこれへんやろけどなwほな〜!!


オアシス14
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/4649/1148339827/
28田中先生秘書:2006/05/28(日) 09:08:35
523 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/27(土) 09:02:19
>>522
完全なる自爆やなw
526 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/27(土) 09:05:54
あかん流れやな〜。自爆というより猛爆!!必死!!  ^^
534 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/27(土) 09:12:46
>>532
それが田中クオリティー!パンティーは夜のお供!  爆!!!烈!!!


【多田恋】あうとろー大学【やっと彼女をゲット!】
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/4649/1148480712/

風車さんを煽りまくる

29田中先生秘書:2006/05/28(日) 09:14:13
635 名無番長 2006/05/27(土) 06:30:11
またソフィーに絡めない糞小手か
648 ○○○ ◆pa93TFwTok sage 2006/05/27(土) 06:34:32
>>635
私を叩いてるのはソフィーさん?
659 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/27(土) 06:36:40
>>648
わしが言うてんのやで。。

おんおれをシバキあげるまでの辛抱やからなw ^^
675 男万超 ◆pa93TFwTok sage 2006/05/27(土) 06:43:05
>>659
田中さん、私は初心者なので飲み込み悪いのですが、どういう意味ですか?
685 二代目(有)田中工業 ◆jJO3v.CakM ネット麻痺亜 2006/05/27(土) 06:45:36
>>675
何べんを言わさすところがベテランやのぅ〜ww

もっぺん言うたるぞ。シバク(意味わかるなぁ?)言うこっちゃ。


オアシス14
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/4649/1148339827/

いきなり現れて女コテをしばくと脅す田中先生
30名無番長:2006/05/28(日) 09:31:37
31名無番長:2006/05/28(日) 10:44:57
すでに>>1お前が超ウザイ
32名無番長:2006/05/28(日) 10:47:01
>>31
田中乙!
33名無番長:2006/05/28(日) 12:20:07
恥さらしアゲ
田中工業のスレが立ってるじゃねーのww
ありがとよw
もっと乱立させようぜww
35名無番長
二代目(有)田中工業 丈二 ◆fyYBCac4QQ

田中の分身
エロ小説がばれて必死になって荒してますwww