http://light.kakiko.com/sionta/NouSuper.htm オピオイド
最期にもたらされる残酷な救い
快感物質と呼ばれる脳内麻薬には、エンドルフィン、エンケファリンなどがあります。
オピオイドとはエンケファリン、エンドルフィンなどの総称を示します。
オピオイドは阿片などの麻薬に極めて近い構造をもちます。
オピオイドの大量分泌により、精神活動の麻痺や感情鈍麻といった状態に入ります。
これは、闘争も回避もできない深刻なストレスにさらされた生物に、「最期の救い」をもたらします。
精神活動の麻痺や感情鈍麻によって、完全な降伏と受身の態勢をとり、現実感のなさによって、
生物は「静かに捕食者の餌食となる」のです。
長期間反復的に回避不能のストレスにさらされた個体は、脳内オピオイド受容体の感受性が上昇します。
これは阿片などの麻薬を反復投与された個体に見られるものと同じ、生理的な反応です。
オピオイド受容体の感受性が上昇した個体は、強烈なストレス刺激……自分で自分の命を危険に晒したり、自分の身体や心を痛めつける行為……なくしては生きていけなくなります。
オピオイド(快楽物質)の過剰放出は、大脳辺縁系の扁桃体(へんとうたい)、海馬(下説明あり)
などにダメージを与えることで知られています。