天下の暴論/漫画家 さかもと未明
『電車男』がヒットしてからでしょうか、黒縁メガネにチェックのシャツの浮世離れした方々が、昔以上に秋葉原界隈を、闊歩するようになりました。
万一にも「ボクのエルメスに会えるかも……」なんて思っていないかと想像し、私胸が痛くてなりません。
だって、あのような美女があなたたちを好きになる可能性は、残念ながらゼロですもの。
さらに申し上げると、幼女やメガネなどにフェティッシュでコアな発情の仕方をすることを「萌え〜」とおっしゃいますが、
それは、幼児性愛とフェティシズムという「変態性欲」であって、本来的な萌えではないと思うんですね。
ロリータでなければ発情しないなど、諸外国ではチャイルド・ポルノ愛好者として逮捕されてもおかしくありません。
そういった犯罪スレスレの方々を「オタク」ともちあげ市民権をもたせてしまったオタクブームが、私本当に口惜しくてなりませんの。
そもそも、今のオタクといわれる方々に”オタク”と名乗る資格はありません。
本来、オタクとは修行僧、もしくは修験者のようなものです。
コミュニケーション能力に欠けた引きこもりではありますが、俗的な欲望をあきらめる代わりに、
ひとつのことをつきつめていく異常な能力を獲得した人たちが真のオタクです。
ですから、クリエーターなどとして大きな力を発揮してきたのです。
オタクとはある種の優秀な人々の呼称だと私は思うんですね。
(
>>2につづく)
週刊文春 5月18日号 より
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