わたしには才能が無い。
節子はそう思っていた。
完
原稿が上がらないのだ。
目の前の紙をひたすら手垢で汚しながら、自分に神が降りるのをまっていた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
俺様用しおり
∧_∧
( ´∀`)< 今日はここまで読んだ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ここまで読んだ
しかし降りてこなかった。
完
そうだ!確か冷蔵庫にキノコがあったはず。
形をどうとるかで詰まっていた節子は、せめて近い形をと、台所へ走った。
台所では兄がズボンのポケットに手を入れてポリポリかいていた。
節子は同人描きだった。
大手にはほど遠かったが、まだ中学生。
クラスの仲間数人とサークルを発足させ、いつかは壁にと野心を燃やしていた。
このキノコ、ぱさぱさしてる・・・
昨夜は電話で親友のカスミと相談していて瞼が重かった。
左手に持ったキノコがやたらフニフニと歪んで見えた。
クニクニさせながら、二階の部屋へ戻る。
しかしそこで世にも快感な出来事が節子を待っていようとは誰も知らなかった。
だが母だけは知っていた!!
(中略)
(後略)
完。
13 :
スペースNo.な-74:04/04/30 00:07
と見せかけて復活。
そう…
死んだはずの父が復活していたのだ!
…まさか。幻じゃ…ない。
ふと手元を見ると持っていたはずのキノコが無くなっているのに気づいた。
そして呆然としている節子をまえにして
おもむろに復活した父が喋りだしたのだ。
ひげ…
「?ひ…ひげ?」
みんなにはナイショだよ?
それはそうだ内緒に違いないというか誰も信じないだろう
目の当たりにした節子を除いて…。
最初の父の一言を前にしてお互いの間を
沈黙の時間が過ぎる。
「と、ところで…」
節子が切り出した
入稿徹夜明けの夢の中で対話しているんじゃ…
と思いながら、頭の中で次の言葉を必死で探す。
冷蔵庫にあったトコロテン、どこにあるかしらない?
すまん!節子俺が使っちまった!
頭をカーペットにふれんばかりに頭を下げる父
「…使ったって?
あれ食べるモンでしょ、」
疑問の前に怒りが走る
「それに入稿明けはカスミと一緒に食べるって
いつも言ってるのに!!」
「すまん!節子!!だがタカシが使ってみろって言うんだもん、しかたないじゃん!」
父は子どものように逆切れした。
そこに兄のタカシが現れたのだった…
「おぅオヤジぃ!
で、どうよ?」
妹を前に意味ありげにニヤニヤしながら現れるタカシ
「あ!タカシー聞いてくれよー節子がさー…」
まったく子どもじゃないのか?と疑いたくなる。
「節子が家長のオレをつるし上げるんよー」
「トコロテンひとつで…」
節子爆切れ!
「ふたつだクソオヤジこの∴Φ¥!!!」
言葉にならない
そしてふと節子は言葉を止める。
父の身体を見てしまったからだ。
父は死んだのだった。
そう、父の身体は
ダッチワイフならぬダッチハズバンド
中学生の節子の頭の辞書に載ってない答えはそれだった。
生きていた頃の面影を精密に模写した
顔から発せられる声はかつての父そのもの…
「………」
「!!??」
節子絶句
心地良いまどろみに包まれながら節子は気を失った。
34 :
スペースNo.な-74:04/04/30 03:23
親友のカスミの声がした。
目覚めた節子は見知らぬ世界にいて驚いた。
そしてカスミの隣で妙な兎が片言で語りかけてきたのだ。
「ようこそ、剣と魔法の世界クラナドへ!」
節子は呆然としていた…
逃げちゃだめだ
逃げちゃだめだ
逃げちゃだめだ
逃げちゃだめだ
逃げちゃだめだ
節子はただただ現実を受け入れるしかなかった
という夢を見た。
兎は節子に剣を差し出した。
「キノコブレードをどうぞ」
キノコブレードを受け取った節子は、あまりに唐突な展開に驚いた。
さあ、魔王ユエルを倒しにいきましょう!
魔王ユエル???
カスミの言葉にわけがわからない節子は気を失いそうだった。
「はーっはっはっはっは!見つけたぞ勇者節子!」
聞き覚えのある笑い声に、節子が振り向くとそこには
黒マント姿の兄タカシがいた。
「出たわね!魔王ユエルの手先!節子、キノコブレードを抜くのよ!」
だが、現実を認めたくない節子はキノコブレードを投げてしまった。
しかし!
キノコブレードは仲間にして欲しそうに節子を見ている!!
どうしよう…
→仲間にする
一人でオナってろクズが!
→仲間にする
一人でオナってろクズが!
スルーする
タカシに食べさせてみる
焼く
くそっ!
選択肢が多すぎて選べねぇやんか!
どうすりゃええねん!?
節子は関西人脳をフル回転させた。
42 :
スペースNo.な-74:04/04/30 04:44
お兄ちゃんの触りたい・・・
ふとした衝動が節子の心に電気のように走った。
下部も熱く湿っているようだった。
節子??
親友のカスミが声をかけた。
気が付くと自分のベッドの上、親友のカスミが心配そうに見下ろしている。
カスミが続ける―。
「原稿どこ?印刷所っ!急がないとっ!」
徹夜明けで朗々と脈絡の無い夢を見ていたのだろう。
「ごめんカスミ!原稿上がったまま寝ちゃったみたい」
机の上に散らばる原稿を急いで拾い集め
着の身着のまま学校指定のジャージ姿で節子は家を出た。
駅に至る道すがらカスミが心配そうに節子に尋ねる。
「ところで、あの原稿おばさんやお兄さんに見られてたりしないよね…。
見られてたりしたら合わす顔ないよ…特にお兄さんとか。」
そもそも同人に誘ったのはカスミからだったのに体面を気にしすぎだと節子は思う。
やりたいことやってるだけなのに…。
お嬢さん風で少しクラスのみんなから浮いているカスミが節子に声をかけてきたのは
いつだっただろうか―
「ダイジョブ!部屋にこもってる時は勉強してると思って遠慮してるみたいだし…。」
「でも、なんでベッドで寝てたんだろ?」
ジャージで印刷所に急ぐ自分に後悔しながら会話は続く。
カスミと話す傍ら、節子は昨晩のことを思い出そうとしていた。
何故か死んだ父が生き返ってて、兄と変なこと話してて…。
あれもきっと夢の一部だったのだろう。
ベッドに運んでくれたのは兄だろうか。
「…何か変なことしてないでしょうね…」
小さい頃よく変な悪戯をされたのを思い出し、節子は不安になった。
「原稿なんだけど…今回はどんなカップリングにしたの?」
カスミが興奮しながら節子に尋ねる。
今の話題は自分達の新予定『卓球の王様』本、通称ピンキンのカップリングについてだった。
カスミは普段おとなしい分、この手の話題では節子も驚いてしまうぐらい過激なので、
節子の方が周りを気にしてしまう程だ。
「息子×父親」
節子は嘘をついてみた。
「えっ……」
「マジっ!」
カスミが仰天しながら訊き返す。
「それ考えつかなかった、…超盲点だよ…。」
「それって第一話にしか出てこなかったあの?」
カスミの言葉は尽きない。
「確か第一話で瞬(しゅん)くんのスーパーサーブを右目に受けて
卓球界から忽然と姿を消したあの父親?
でも確かに乗り越えていく存在としてはアリ!」
早口でまくし立て一人納得するカスミ。
「でっ、どっちが受けっ!」
「うわっ!カスミ、チョッ、ちょっとまった!」
大声で話を続けようとするカスミを必死で抑える。
駅に近づくにつれ人通りが増えていた。
流石に節子も人目が気になる。
「ほんとカスミ先生には困っちゃうよね。」
「ピンキンを語りだすと神が降臨するというかとまらなくなっちゃうしさぁ…」
今日のカスミ先生はいつもと違う。
初めてのオフセット印刷!
これからはイベント直前にコピー機の前で
内職をする必要も無いっ!
ピンキンファンのカスミのはしゃぎっぷりは節子にも良くわかる。
だからと言って街中で同人話を繰り広げるのはやめて欲しい。
自分が同人をしていることは、周りには絶対秘密にしたいのだ。
…だが。
「あれ、節子ちゃんじゃない」
印刷所の前で、よりによって兄の親友である佐藤に出会ってしまった。
節子は急に意識が遠くなった。
あぁなんてこったい!
よりによってこんなときに発作がでなくても…
そう節子は
「せつ、せつこ…節子、節子!」
急に地面に倒れこんだ節子をカスミと佐藤が介抱している。
「大丈夫デブか?
ナルコレプシーとか言うらしいデブ
目の前で見たのは初めてデブ」
佐藤の額から止め処も無く汗が流れ落ちる。
「うーん」 目を覚ましかけた節子の顔に佐藤の汗が落ちる。
「うわキショッィー!」
節子は飛び起きた!
「ふぅ…いつもどおりの展開デブが…正直ショックデブよ…。」
一息ついた節子は平謝りに謝る。
「あう、佐藤さんゴメンなさい!」
「アイスが溶けるから仕事に戻るデブ。」
佐藤は道の脇に寄せていたコンビニ袋を拾い上げると
印刷所に入っていく。
佐藤の大きな背中が印刷所のドアに吸い込まれる。
「あ……」
言葉も無く事の成り行きを見守る節子とカスミ。
やりたい事をやっているだけだと開き直ってみても
兄の親友に同人原稿をチェックされる事態は想定していない。
節子は背筋に冷たいものを感じた。
「どうしようカスミぃ…佐藤さんここで働いてるぅぅ」
カスミは↓
テーブルの上にあったガラス製の灰皿で佐藤さんの頭を殴った。
無言で。
何度も殴った。
佐藤さんが動かなくなるまで。
佐藤さんが立っていた辺りの床が赤く染まるまで。
「これで大丈夫だよ(はぁと」
カスミの肌は返り血で光っていた。
「カスミ!あんたの目つき今、とても怖いんだけど…。」
意を決して印刷所に入った節子たち一行は印刷所の片隅で
オペレートをしている佐藤を見つけた。
「よかった受付はしてないみたい」
安堵する節子だったが
節子の傍らで佐藤を見るカスミの目は怪しく光っていた。
敵には回したくないマジで節子は思った。
「佐藤さ〜ん☆」
カスミはすすす…と佐藤の元に寄っていった。
「なんデブか。今忙しいから後にして欲しいデブ」
カスミは佐藤の耳元で囁いた。
「…超大手のエロ同人作家、パンチョ佐藤さん」
「なっ、何故それをを知ってるデブ!!」
「…コミケでサークル参加してるのを何度か見ました。
かなりえぐいもん描いてますよね〜中学生の女の子を無理矢理…クスッ」
カスミの台詞に、節子はなんだかいやな予感がした。
節子は兄から聞かされていた。
大学生ながら実家の印刷所を切り盛りしながら
地域防犯にボランティアで参加しているということを…。
確かに登下校時の児童、生徒を見守る人間が炉利では不味すぎる。
カスミの露骨にエグイ…否、修正。頼もしさに節子は言いようの知れない
恐怖を感じると供にこの件が無事終了するであろう事を願った。
カスミと佐藤が何やら話をまとめたようだった。
晴れやかな笑顔でカスミが戻ってきた。
60 :
スペースNo.な-74:04/05/01 18:21
「節子、これ・・・」
カスミはスカ−トのポケットから取り出した物を節子に手渡した。
カスミ・・・これ・・・これってぇ〜
それはキノコの形を成した電動の玩具だった。
かさの部分はキノコよりも小さい。
「思ったよりも柔いでしょ」
キノコ玩具は節子の右手でクニクニと弾力に弾んでいた。
「カスミ・・・これ・・・は??」
「節子用に買っておいたのよ。形取るのに手間取ってるって言ってたじゃない」
「でもどうやってこんな物・・・手にいれたの?」
キノコ玩具・・・どうやら佐藤さんから買ってきてもらったらしい。
デブの兄ちゃんに注文するカスミの勇気・・・節子はちょっと感動していた。
凄い・・・
「あの・・・カスミ・・・」
「もちろん使ってるよ。節子も使ってみたら?:」
ああ・・・私の青春はどうなってしまうのか・・・
しきりに同人家業の厳しさ?を体感し始めて間も無い節子であった。
そしてカスミの後ろの方で佐藤さんの唇が左上がりに釣りあがっていた。
眼光もキラリと光っていたのだろうが、幸いキノコ玩具に目がいっていた節子は
気が付かないですんだ。
「節子っ!聞いて、ここからが重要!」
カスミが強い力で節子の両手を握る
「印刷代ただにするからモデルになって欲しいんだって…。
で、私がコーディネイトするから節子がモデルていう訳。」
「いい取引でしょ!」
思いがけない展開に即座に反応する節子
「えー!!マジ?」
「そ、マジ。」
カスミ即答。
カスミは佐藤に目配せをして
印刷所の裏方にグイグイと節子を引っ張っていく。
「ちょ・・・ちょっと待って!カスミ・・・何のモデルなの??」
節子の脳裏にはあれよあれよの姿しか浮ばなかった。
そんな自分にポッと赤らめたりする。
「キノコブレード・・・」
佐藤の口から妙な呟きが発せられていた。
だいじょぶ任せて!
他人事のカスミが強く請け負う。
な何がだか…。
自称コーディネーターのカスミを恨めしく思う
節子の右手には、キノコ玩具がクニクニと動いていた。
それはまるで今後のナニかを暗示するかのようだった・・・
魔王ユエルは僕がやるデブから、
キノコブレードを構えて殺陣をしてみてっ!
ふぅ、ちゃんとやらないとただは無理デブよ。
自腹なんデブから。
カスミたんは撮影ヨロ。
大きな佐藤の体がめまぐるしく動き回る
印刷所の裏にある4畳位のプレハブが佐藤の個室らしい。
壁面に壁のように詰まれたマンガやDVDに戸惑いながらも
言われるがままポーズを取り撮影を進める…
ふと佐藤の動きが止まる。
何か不満らしい。
わざとらしいジェスチャーでポンと手を叩き、
早口で騒ぎ出した。
そのコスがマッチしてないデブ。
全然らしくないデブ。
主人公の東郷萌え(とうごう もえ)タンは
そんなジャージコスはしてないデブ。
自分的には充分萌え路線なのデブ
でもしょうがないデブ。
こんな時もあるかとも思って……。
佐藤がごそごそと押入れから何かを取り出した。
ジャーンこれデブ!
佐藤が引っ張り出したのは↓
フリフリのメイド服を戦闘用にかたどった
キノコブレードのコスチューム!
しかも異様に短くて少し動けばパンツが見えてしまう!!
「こんなん誰が着るか!!」
「節子、印刷代のためよっ!」
「いやああ―――っ!」
カスミの早業で、節子はあっという間に着替えさせられてしまった。
72 :
スペースNo.な-74:04/05/02 07:22
その微妙に見えそうな衣装を気にして細い両足をクネクネと動かす。
そして、まだ幼く繊細、そっと触らないと崩れてしまいそうな肢体をもじもじさせる。
節子はその両手を思わず小さなお尻を隠すために後ろにやったが、そうすると今度は
前が見えそうになり、「あぁ・・・」と穂のかに発して思わずかがみこんでしまった。
「いいデブ!!節子ちゃんこそ僕の求めてた理想のモデルデブ!!」
「ただ・・・」
「ただ・・・???」カスミが問いかける。
「ただ・・・ナニかもう1つ足りないんだよなぁ・・・」
「節子ちゃん、さっきカスミちゃんから貰ったキノコの玩具を咥えてみて欲しいデブ」
節子は不安げにカスミを見遣るが、彼女は既にカメラを携えている。
腹をくくり、節子はキノコの先端を咥えた。
「そっちじゃないデブ。キノコの頭をペロペロ舐めるデブよ」
佐藤の言う通り先端をチロチロと舐める節子。
少しかがんだせいで、スカートが捲れてしまう。
「節子ってば中2にもなってクマの綿パンツなんか履いてるの?」
「いやっ!」
カスミの言葉に、節子は真っ赤になってスカートを抑える。
「う〜ん、そのパンツじゃちょっとデブ。そうだ!」
佐藤はまたしてもゴソゴソと押し入れから何かを取り出した。
掌に純白のふわふわと乗る布地を佐藤が繊細な手つきで広げていく。
ムフゥー!やっぱり『萌ちゃん』は白に限るデブね。
薄い布地の向こう越しに佐藤が暑苦しい笑顔が透けてみえる。
だめっ!…カスミ、これはさすがにNGでしょ。
節子が必死でカスミに同意を求める。
「佐藤さん。それって
カスミセンセー頼りになる…と、節子が思った瞬間、
別料金でしょ、当然。」
カスミが微笑む。
堕天使の微笑を間近で見た。
後に節子は語ったという。
・・・・・・
「あーなんかわけわからない話になっちゃった―」
原稿とにらめっこしていた目をこすりながら節子は椅子の背もたれによりかかった。
「やっぱり私には才能ないのかなー」
てろりんてろてろてろろろろん♪
ベッドの上に放り投げた携帯が鳴っている。
誰からだろう?
76 :
スペースNo.な-74:04/05/03 06:29
「…もしもし」
「うんこーー!!!」
「・・・・・は?」
「うんこォーーーーーーーーーー!!!」
「・・・・・・・」
「うんこっこ!」
「あ・・・あの・・・もしもし????」
電話の向こうからしきりに叫ぶ謎のうんこの声。
まったくわけがわからずぽかんとしていた。
「なんじゃくそっ!」
ブンッ!
携帯を壁に叩きつけて破砕してしまったっ!
後悔しても後の祭り…。
床に散らばる『元』携帯電話。
78 :
スペースNo.な-74:04/05/03 06:41
はっ・・・・!!!
我に返る節子。
これじゃカスミと原稿の打ち合わせが出来ないじゃない・・・
痛ッ!!!
破損した携帯の破片で右手人差し指を切ってしまった。
傷口のえぐれた身から流れ出す赤い液体・・・
血・・・なまめかしい・・・・
そう節子はおもっていた。
「いやいや痛いって!はやく手当てをしなくちゃ。」
しかしそれにしても気になることがある。
さっきの電話の声はカスミの声だった。
そう言えばここ三日ほどカスミは学校に来てなかったっけ。
それにしてもいきなり電話してきてこれはちょっとふざけ過ぎじゃない?
ったく、こっちは原稿できなくて苦しんでるってのにさ。
でもカスミは真面目な子だからあんな事するはずないのになぁ…
おかしいなぁ〜
お姉ちゃんどうかしたの?
携帯を壁にぶつけた音が隣の部屋に聞こえたらしい。
私より2才下、まだ小学6年の弟がつぶらな瞳で私の怪我した指を除き込んでいた。
弟は袖口から手が見えるかみえないかぐらいの
少しゆとりのあるサイズのパジャマを着ていた。
「ま・・・まお・・・何で下何も履いてないのよ」
「だって、お姉ちゃんこっちのほうが通気性あって気持ちいいんだもん・・・・」
まおと呼ばれたその少年は、パジャマを上だけしか着ていなかった。
「痛そう・・・大丈夫???」
弟のまおが私の顔を心配そうに覗き込む。
「まお、薬箱とってきてくれない?」
「ううん・・・お姉ちゃん、まおが血止めてあげるよ」
まおは自分の事をまおと言う。
そのまおは私の指を自分の唇に持っていきかぷっと中におさめた。
「…ったく薬箱とってきてっていってんの!あんたのおしゃぶりじゃないのよ、私の指は」
「わかったよぅ…おねぃちゃん」
まおはしぶしぶ節子の指から口を離し、一階にある薬箱をとりに行った。
節子はある事に気付いた。
今まで、形が取れなくてキノコを参考にしていたが生の参考書が側にいる事に
気付いたのだ。
まお・・・そうだ・・・まおのがある!
きっと恥かしがるに違いないが、まおはわたしの言う事に逆らったためしが一度もない。
それに、変にまともな資料を求めて、資金投げ打ってエグそうな物は見たくない。
資料にするならせめて、可愛い物が・・・・
「おねえちゃん」
薬箱をかかえ、まおが部屋に戻ってきた。
「まお、大切なお願いがあるんだけど聞いてくれない?」
「いやー」
「…」
まおは薬箱を置いて
とててて、と自分の部屋に戻っていった。
幻聴なのか、どこかから「くそぉ〜〜〜!!!!」
と悔しがる声を節子は耳にしたような気がした・・・
さて、原稿の続きを・・・
翌日、玄関のインターホンからあの「うんこーーー!」
の声が響いてきた。
とか言う出だしはどうかな…
いやだめだ、これじゃアホ過ぎる。
大体うん○なんてすぐに言うのは小学生くらいしかいないだろ。
今書こうとしてるのはシリアスモノなんだから…
こんなんじゃいつまでたっても原稿があがらないよ。
さてと、真面目に考えるかな。
神宮寺はタバコに火を付けた。
助手の洋子が相変わらずねと言うようなそぶりでこちらを見ている。
さて、今日の依頼は・・・と
っておい!
今度はパクリかよ!
あーもうネタ詰まってきたよ。
何を考えても面白くないものになりそうだし。
あーもー寝よ。
明日は良いネタが浮かぶと良いな…
おやすみ。
ぐぅ
・・・・・・って〆切まであと三日しかないんだった!
あーもう寝たいのに寝れないー。
しくしく
そう言えば明日は叔父様が遊びに来るとか言っていた。
そう・・・とってもステキな叔父様なのだけど、困った事に叔父様は弟のまおにぞっこんなのだ。
変な事にならなきゃいいけど・・・
そう思いをふけらしながら節子は床についた。
まー変なことが起きてもあたしは原稿があるから見に行けないけどね…
・・・
つーかね、なんであたしの身体はベッドに向かっていくのかな?
〆切まであと三日しかないから寝れないっての!!
寝るなら練ろ!
節子の頭に神が囁く。
94 :
スペースNo.な-74:04/05/03 10:29
あたしのベットには黒い塊がカサカサと這っていた。
きゃぁ〜流石に寝れないわぁ〜
大人しく寝るのを諦めて台所からとってきた珈琲を粉のまま何杯か飲む。
カフェインが胃に来るがこれで暫く睡魔は無い。
ただ動悸が速くなるのと軽く震えるのはどうにかならんかなー・・・と思いつつ机に向かう節子。
しかし三日で何が描けるだろう。今どれくらい出来てたっけ・・・。そういえば今何時だっけ・・・ふと時計を見る。
午前2時を回っていた。
もうこんな時間だったのかと、考えるだけで過ぎ行く時の早さに気がめいっていた。
眠気もこないし、もうちょっと大人ならタバコでもと思うんだけど・・・
ふと思い出したように机の引出しをあけると、中にしまってあった黒い物を取り出した。
両手に持たないとズッシリと重く、節子の小さな片手にはいささか手に余る代物だった。
この銃が好きだった。ありふれた銃器ではあるが、装弾数が15発という所がいい。
一発の重みよりも、骨のきしむ音がするくらい打ち込めるのがいいのだ。
胸に10発程打ち込んでも、残りが頭に5発打ち込める。
集団戦だと、いちいちマガジンは取り替えてられない。装弾数が物をいう。
せめて4丁ぐらいは携帯しておくのがベターではないだろうか・・・
そう思いをふけらしながら、叔父様から習った事を反復してみる。
自分の手には両手で1艇が限度なのがつらい。まだまだ私自信が実践向きではないのだろう。
そう思い時計の針は3時を指していた。
薄暗い部屋に指し込む青い光に照らされて珈琲の渋みとはうらはらに力のない甘い溜息をもらしていた。
そうか、もう朝か。
「さーてと」
節子は銃を机の引き出しに戻す。
「原稿あるって言っても私は学生の身。やっぱ学校に行かなくちゃね。」
珈琲をぐいと飲み干して1階に降り、節子はシャワーを浴びた。
節子は忘れていた。
あの(
>>76-79)電話の事を。
まさか叔父のせいでカスミがあんなことになっていようとは…
98 :
スペースNo.な-74:04/05/04 16:28
玄関を出ると誰かが入ってくるのとかち合わせた形でぶつかってしまった。
節子の顔は、男のYシャツに正面からうずもれた形となった。
あ・・・叔父様、神宮寺叔父様・・・
神宮寺と呼ばれたその男は、すこしいかつい顔だちをしており体格の良い体つきに
しなだれたスーツとネクタイをして節子の目の前に立っていた。
節子ちゃん、久しぶりだな。すまなかったね突然。
上から低い声が発せられ、多少威圧感を感じたが、叔父様は根は気の良い人である。
わたし学校があるので、そう言ってそそくさと立ち去る形となった。
叔父様は探偵業をしており、助手にはとても美人のお姉様を従えている。
だけど、最近上手く行ってないのかめっきり顔を見せなくなった。
まあいい、とにかく今日はカスミに色々問い詰めなきゃならない事があるのだ。
節子はいつも使っている自転車にまたがり
学校へと急ぐ。
今日は暑くなりそうだ。
頬をかすめる風が節子にそう思わせる。
そんなこんなで学校についた。
途中、猫が踊ってたり男同士で告白してたり女痴漢がいたり電波っぽい血文字の落書きを見たり
侍を見かけたり烏が子供と遊んでいたり他にも色々あったがそんなことはどうでもいい。
なるべく速く記憶から消すようにして教室に入る。
カスミがいるかどうか確認する節子を見て反応するクラスメイト。
相変わらずいつものクラスだ。
ただ一つを除いて…
102 :
スペースNo.な-74:04/05/14 14:36
この時期に、何故か転入生だという
しかも双子。美少年、美少女の双子だ。
美少年の名前は正太、美少女の名前は炉莉といった。
節子は名前だけで彼らの親がオタであると判断し、早速家に押しかけることにしたのであった。
104 :
スペースNo.な-74:04/06/07 17:00
しかし、それは悪夢の始まりだった・・・
ああ、おそろしい…窓に、窓に
106 :
スペースNo.な-74:04/06/08 13:38
窓に・・・ま―どうしましょう!
ぷっ・・・最高!
空気が凍った。
108 :
スペースNo.な-74:04/06/14 00:18
禍々しい怒気を放ちながら節子は彼らの両親に詰め寄った。つんのめったと言った方が正しいかもしれない。
109 :
PLUTO:04/11/03 21:24:33
「いたたっ・・・失敗しちゃったなぁ。」
可愛らしく下をペロッと出しているが、目が笑っていない。
だが目は白目だ
空気は再び凍った。
「私はギャグの才能もないんだわ!」
顔を覆って泣き出す節子。
そんな節子に、両親はそっと何かを差し出した。
113 :
スペースNo.な-74:04/11/09 19:28:02
「さあ、これを・・・」そういって差し出したのは、一杯のグラタンだった。
114 :
スペースNo.な-74:04/11/11 02:39:20
グラタンはくらさんだった
やあ!くらさんだよ!
115 :
スペースNo.な-74:04/11/11 09:27:22
その時たまたま発生した時空連続体の歪みの中から、
気持ちの良さそうなソファが現われた。ソファはまだ地上15cmをふわふわただよっている。
116 :
スペースNo.な-74:04/11/11 17:18:00
節子はとりあえず座ってみた。
117 :
スペースNo.な-74:04/11/11 18:23:19
節子とソファーはぐるりと一回転した。いやそうではない。
重力場があちらこちらと変わるのでそう錯覚しただけだ。
が、節子は落ちまいとしてソファーにしがみついていたので
ふらふら漂うソファーから下りるタイミングを見失ってしまった。
118 :
スペースNo.な-74:04/11/11 18:45:37
そうこうしてるうちに
新たに発生した時空の歪みに節子はのみこまれた。
119 :
スペースNo.な-74:04/11/11 21:28:18
くらさんと共に……
120 :
スペースNo.な-74:04/11/11 22:39:41
ここは時空のすき間。どこでもない場所。
どちらを見てもまっしろ。
節子は立っているとも横になっているとも分からない奇妙な感覚に混乱していた。
確かな感覚が欲しくて声をだしてみた。
「あー、だれかいますかぁ〜?」
121 :
スペースNo.な-74:04/11/12 01:10:06
返事はない。
しかし耳を澄ますとどこかでカリカリという音がする。
節子が注視していると、何もなかった空間に次々と道が、車が、街が
出現していくではないか。驚いてビルを見つめる節子の目に
巨大な物体が飛び込んできた。銀色のそれには見覚えがあった。
(なんだか……あれ……そう、Gペンに似てるわ)
よくよく見れば空一面、必死こいて手を動かすカスミの巨大な顔!
節子は悟った。
ここは、原稿用紙の中の世界だ。
122 :
スペースNo.な-74:04/11/12 19:08:14
やはりなにかが変だ。
よく見るとビルはありえない程奥行が狭かったり、奇妙に変形している。
まるでアトラクションのセットだ。なんてヘタクソなの。
トラック程に大きい軽自動車がバタバタ音をたてて通り過ぎた。
一瞬、節子は自分の置かれた状況を忘れて微笑んだ。
と、通りの向うの細い路地から人影が這い出して来た。
節子はよく目をこらして見た。
「!」…ひと?ひとじゃない。良く似ているが関節の構造が違う。
ヒトモドキは生気の無い左右非対象の目で節子の姿をとらえ、ゆっくりと向かってきた。
ヒトモドキは、長さが違う足でこっちにギクシャクと歩いてくる。
焦点があってるのかあってないのかわからない・・・。
その赤くハイライトをいれたつもりらしき目をキョロキョロと動かしこちらの様子を伺っていた。
節子はこわかった。いやむしろ痛かった。
「この子は、まさか・・・。」
「!?」
125 :
スペースNo.な-74:04/11/12 22:25:32
「く、くらさん!?」
「ぼくドラ○もん」
すると、節子の体が紙片となり崩れ周囲に舞った。
くらさんは流石に驚いた。
節子は一冊の本となりくらさんの手に降り立った。
「こ・・・この本は・・・」
ミクロネミコン。
ばったもんの魔導書だった。
128 :
スペースNo.な-74:04/11/13 07:43:22
破壊ロボ、どらえもんXが現れた。
→魔道書を読んでみる
ドラえもんXに話しかける
魔道書をどらえもんXに投げつける
「ぎしぇェェェェェェェェ!!!!!!!!!」
するとどうだろう。
節子の股の間から、見慣れない・・
黒くて大きくて硬くて光ってて臭くて奇妙な声をあげるせーぶつ
が生えていた。
節子はそのいきり立ったせーぶつを
よくよく観察したが、どう見てもハリウッド系なうえ萌えの欠片もなく気に食わない。
と、一瞬にしてその黒いものは消え失せた。どうやらカスミのネタから
「没」扱いになったらしかった。カスミも煮詰まっているようだ。
入稿までの期限が刻一刻と迫る。
仕方なく節子は萌えキャラの極意を伝授することにした。
133 :
スペースNo.な-74:04/11/15 23:28:27
節子は吐き捨てるように言った。
「なんで、黒くて大きくて硬くて光ってて臭くて奇妙な声をあげるせーぶつ すぐ死んでしまうん?」
「それはね、貴方のお父さんだからよ・・・」
ててさま。
節子はそっと呟いた。
胸の奥が暖かかった。
そんなことは初めてだった。
136 :
スペースNo.な-74:04/12/15 09:12:51
そして、節子は静かに息を引き取ったのだった…
137 :
スペースNo.な-74:04/12/17 15:03:13
節子は闇をさ迷っていた。
自分はいつから節子と呼ばれていたのだろう・・・
昔はアル・アジフと呼ばれていた事もあった。
何か頭の隅で鍵がかかっている。
幾千の星々の中で記憶の糸をたどりながら鍵を開けるすべを捜していた。
しかし、思い出せない。何者かに検閲されているのだ。
そう、同人の妖精さんが。
思い出せない、なのに頭の片隅にある扉がいつまでも気になってしまう。
まるで指先をカリコリと鈍い刃物で削るようなもどかしさに節子は苛まされていた。
そして彼女は決意した。
140 :
スペースNo.な-74:05/02/12 16:35:38
ごーとぅー
141 :
スペースNo.な-74:05/02/12 17:05:37
ごーとぅーまきを拉致しようと・・・
142 :
スペースNo.な-74:05/02/25 05:02:11
しかし困ったことに節子は後藤まきなんて知らない。
143 :
スペースNo.な-74:05/02/25 07:38:47
仕方がないので、節子は電子レンジの宇宙人を誘拐することにした。
と思っていたけどやっぱり知っていた
しかしそれはAV女優の後藤まみのことであった
そして足が臭かった
147 :
スペースNo.な-74:05/02/26 02:08:01
「とりあえずやるしかないわね…!」
頭に日本一のハチマキを巻いて、節子は家を飛び出した。
向かった先は後藤まりの家。
そしてたどり着いた。
表札は『後藤まさる』
149 :
スペースNo.な-74:05/02/26 06:05:54
「たのもー!!」
とし子は思い切り叫んだ
150 :
スペースNo.な-74:05/02/26 06:48:08
とし子が叫ぶとまさるが出て来てこう言った。
151 :
スペースNo.な-74:05/02/26 08:32:08
え、なに?ぼく面白いこと言えないけど
152 :
スペースNo.な-74:05/02/26 09:14:51
とし子はその言葉にどうしても納得がいかなかった
まさる「納得してくれないなら犯すよ?」
154 :
スペースNo.な-74:05/02/26 17:26:02
ちょっと待ったァ!
節子が現れた
節子はなぜかハイレグ水着姿だった。
そんな節子を見たまさるは、即座に勃起した。
そして折れた。
それを見たとし子の一言は
「インポ」
159 :
スペースNo.な-74:05/02/27 11:01:43
その言葉を聞いた節子は何かがはじけて、まさるに飛び掛った。
160 :
スペースNo.な-74:05/03/03 09:25:52
ハイレグ姿で、だ。
161 :
スペースNo.な-74:05/03/07 18:14:23
「ばか!」
節子はまさるを叩いた。
「オリキャラなのに、個性が無いのよ!名前も平凡過ぎるわよ!売れる萌えが描きたいなら、勉強しなさい!!」
節子はとし子をぶった。
「出会いにも、ヒネリをいれなさい!セリフの1つ1つを活かすの!!」
愛のムチを受けた2人は、うつむいた…感動していたのだ。
久々のまともな書き手が帰って来た事に1は喜んでいた。
しかし、この後その喜びが絶望に変わることを1は予見できなかった・・・。
164 :
スペースNo.な-74:05/03/09 22:29:22
驚いたのはカスミである。
描きかけの原稿用紙に、どんどん絵が浮かび上がってきたのだから。しかも
「このタッチは…節子!?」
そう、左顔ばかりが上手く、指のバランスが悪いのは、間違い無く節子の描き方だった。
「節子ぉおお!!」
カスミは叫んだ。
「もっと動くのよ!もっと話すのよ!!さあ早くッ!!!」
原稿さえ埋まれば、後はどーでもいい…そう思うカスミであった。
165 :
スペースNo.な-74:05/03/11 15:54:33
164の心の声に聞こえたのは言う間でもなかった。
166 :
スペースNo.な-74:2005/04/04(月) 06:57:14
そのときとし子は思った
「…カスミって誰だっけ」
今までの流れを全て打ち砕く様なその一言に1は悲しくなり小股で走って泣いた
168 :
スペースNo.な-74:2005/04/04(月) 22:59:06
しかし家政婦は見ていた
169 :
スペースNo.な-74:2005/04/05(火) 08:23:25
どうしてすぐエロくなるのよっ
170 :
スペースNo.な-74:2005/04/05(火) 14:16:57
「まぁまぁ」
悦子は優しく宥めた
171 :
スペースNo.な-74:2005/05/14(土) 11:34:16
家政婦は叩かれて座り込んでいたまさるにそっと手を差し伸べた。
「まさるさん、あなた何か言いたいことがあるんでしょう」
まさるは一瞬家政婦を見つめ、意を決したように節子に言った。
「俺、絵が描きたかった訳じゃないんだ。ミュージシャンになりたいんだよ」
節子はまさるのその告白に驚きを隠せなかった。
そして脱ぎ始めた
で、すぐに着た。
お約束の吉本ギャグだ!!
174 :
スペースNo.な-74:2005/07/01(金) 00:17:48
すぐに着たはずなのに、服は何故か一枚足りなかった。
そう…下着だけが消えていたのだ。
母さん、僕のあのパンツどこに行ったのでせうね
ほら、家政婦さんに脱がされたあのミ●キー柄のトランクスですよ‥
176 :
スペースNo.な-74:2005/07/02(土) 19:41:37
けれどパンツの行方よりも、柄はミッキーなのかミルキーなのか…
そればかりが気になって、いつしか脳内は疑問符で溢れ返っていた。
((ピンポーン♪))
そんな中、まさる家に来訪者がやってきた。
すかさず玄関まで飛んでいった家政婦さんがまさるの名を呼ぶ。
「まさるさん、相田さんという方がみえましたよ。」
「あ…そうだ、今日は媛芽ちゃんとの約束があったんだ!」
相田 媛芽(あいだ ひめ)。彼女はまさるが通う中学校の同級生だった。
178 :
スペースNo.な-74:2005/09/26(月) 21:58:34
媛芽はヒップホッパーだった。見事なフロー、そして叙情詩的なリリック。華麗だ。ちなみに媛芽は『姫』という名で、元KICKのリーダーLITTLEの新アルバム『LIFE』の7トラック目に参加している。勿論、彼女自身のオリジナルアルバムも注目だ。
媛芽 a.k.a. 姫
oh yeah
179 :
スペースNo.な-74:2005/09/26(月) 23:07:43
そして彼女は言った。
「
>>169テンプレになにも書かれてないからだよ」
180 :
スペースNo.な-74:2005/09/27(火) 00:44:12
さらに畳み掛けるように彼女は言った。
「まーさるっ セクーs(ry」
181 :
スペースNo.な-74:2005/09/29(木) 23:04:26
とどめの一言「MIC CHECK 1,2」
しかしまさるはホモでイン歩だった…
183 :
スペースNo.な-74:2005/10/17(月) 15:14:33
媛芽はそんなまさるの存在を秘密裏に同人のネタにしようともくろんでいたのだ!
お約束の展開である。
184 :
スペースNo.な-74:2005/10/19(水) 10:32:25
ここからまさるの復讐劇が始まる!
185 :
スペースNo.な-74:2005/10/19(水) 16:51:48
186 :
スペースNo.な-74:2005/10/25(火) 22:56:01
媛芽がまさるをdis
しかし、まさるはニヤニヤ笑うだけ。
媛芽はあることに気づいた。
まさる、毛深い‥!
189 :
スペースNo.な-74:2006/01/31(火) 18:38:01
それはまさるの大いなる悩みのひとつだった。
190 :
スペースNo.な-74:2006/05/20(土) 10:13:43
そして媛芽はそれをむしりとり
一本の筆を造り上げたのだった…。
191 :
スペースNo.な-74:2006/06/29(木) 07:47:22
媛芽から筆を受け取ったまさる。そして、まさるは媛芽の体を筆でコチョコチョとくすぐり出した。
0
193 :
d:2006/08/07(月) 03:47:50
klfdakdla
w;lqwl;sdaddsadqwrweqw
wqekwewqeqwl
dlsadlsa;dlw
e;lwelwq;elq
s;las;alsq;
媛芽が妙な笑い方をするものだから、まさるは驚いて、無意識に彼女の脇腹に軸足のしっかり乗った重いミドルを叩き込んでいた。
しかしその渾身のミドルは、媛芽の指一本で止められていた。
196 :
k:2006/10/09(月) 21:00:00
efwerwe@r
ewrwerwer
gdfgfdfg
tertertert
gfhdfhgh
yeryrtytyry
hghgfhgfh
媛芽の指はいきなり触手になり、まさるの腕をがっちりと掴んだ。
そしてその触手はまさるのあそこにのびて…
200 :
スペースNo.な-74:2007/02/18(日) 02:51:14
201 :
スペースNo.な-74:2007/04/07(土) 01:56:51
まさるは
泣いた
そこで目が覚めた
203 :
スペースNo.な-74:2007/11/05(月) 20:03:11
なんだ、ゆめか。
204 :
スペースNo.な-74:2007/11/08(木) 00:52:45
あれ?...股間がヌルヌル・・・
205 :
スペースNo.な-74:2007/11/09(金) 00:33:26
・・・・・俺・・・・女になってる!!?
206 :
スペースNo.な-74:2007/11/10(土) 22:42:40
股間を触り気付く
207 :
鯨:2007/11/11(日) 13:17:37
「・・・っあ、は、は、こ・・・もとさ、ちょ、待って、待って」
「なーにー」
「駄目、です・・・も、無理、はなして」
品川が脇のテーブルに手をついて必死に倒れ込みそうになるのを耐えつつ
俺にそう告げました。よっしゃ、イかせたろやないか。
俺は品川のパンツを下にズラしてぐちゃぐちゃのそれを取り出しました。
品川の体がびくっと反応します。
俺がそれに顔を近づけていくと、え、え、と焦ったような声が頭上から聞こえます。
ちゅ、と音を立ててそれに口付けると品川が息を呑みました。
腰がふるふると震えています。もうホンマに無理っぽいです。
「く、ち・・・放してくださいっ!河本さん・・・!」
「もうええって。観念せぇや」
「冗談・・・っうぁ!」
品川が何か言おうとした気がしますが聞く気は無いのでもういいです。
そのまま品川のそれを口に含んで、頭と手を器用に動かします。
品川は頭を仰け反らせて白い喉元を露にしました。
少し口を離して鎖骨、喉仏・・・をちょっと舐めて堪能した後もう一度
息子をほおばります。 すると、
「あ、や、やだ、いっちゃ・・・ぁああ・・・んん!」
「っ」
イきました。
俺の口の中に苦い液体がびちゃびちゃ入ってきます。
俺は品川に見せびらかすように少し舌を出して白いものを見せ、
息を荒げる赤い顔を見ながら口内のものをもきゅもきゅ転がし飲み込みました。
品川は数秒「ありえねぇ!」という顔をして、「はぁぁぁぁ・・・・・」と
大きいため息をついて項垂れてしまいました。
208 :
スペースNo.な-74:2007/11/13(火) 18:22:32
「はっ 中学生か俺は・・・・」
そんな夢を見て一人布団で落ち込む朝
おかしな夢ばかりみているせいで、慢性的な寝不足が続く。
このままではいけない。
いっそスポーツでもしてみようかと考え、ツタヤで山登り雑誌を手に取る。
「阿蘇山地獄めぐりか……行ってみようかな」
流し読みをしていたまさるの隣に、フードを被った人影が現れる。
「YO、M・A・S・A・R・U。読みは、『しね』」
それは媛芽、いや、a.k.a姫だった。
まさるは戦慄した。思わず雑誌を取り落とす。
「どした、びびったか? ママの選んだパンツにチビッたか?」
いつの間にかマイクを構えた姫は、すでに戦闘体制だ。
ツタヤの店内は一瞬にしてバトル会場となる。
カウンターの店員はターンテーブルを取り出し、レコードに針を落とす。
「……この曲」
レコードノイズ、そのすぐ後にはピアノの音。
悲しげなメロディーに、まさるは聞き覚えがあった。
はっとするまさるを見て、姫は口元を歪める。
「思い出したか? まさる。いや、「幕張の帝王」「ヲタそうな香具師は大体友達」、MASA−RU石井」
「――!」
まさるの頭を、記憶の電流が走りぬけた。
そう、そうだ。俺は、
「コミケに、出なくては!」
「そうだBrother。思い出したか?」
「ああ。全部な。この曲――Lose yourself。エミネムが俺にプレゼントしてくれた」
「そうさ。あんたは奴の夢を叶えなくちゃいけない」
「夢――」
エミネムの夢――それは。
211 :
スペースNo.な-74:2008/02/18(月) 00:20:00
ネムネムの木を探すこと
ネムネムの木…
ネムネムの木…
いったい何の事だったか思い出せずに、まさるの頭は混乱した。
「とにかく家に戻るか」
まさるはTSUTAYAから出て、もう夕陽が傾きかけた通りを家路につく。
家に戻ると母親が夕飯の支度をしているのか、急に空腹感を感じる臭いが鼻腔をくすぐった。
「まさる、もうご飯やで!」
「おう」
母親の言葉に返事すると階段を上がり、自室に戻る。
漫画の散乱した勉強机の前に腰掛け、ネムネムの木について想いを馳せた。
「ネムネムの木ってなんやったっけ…」
213 :
すぺ ◆.EcUKTtzGA :2008/03/13(木) 08:26:24
ネムネムの木。
それはきっと太い木に違いない。
太い? 何が太いかっていうと、樹木にとっての身体、幹のことだ。
まさるの両手では抱えられないほどの巨体が、まさるの頭に浮かぶ。
「そうだ、明日ネムネムの木を調べに図書館へ行こう」
そう思い立つのに、さほど時間はかからなかった。
よし、善は急げとばかりにまさるは手持ちのカバンから携帯を取り出す。
二つ折りを開き、カラフルなスクリプトの動きを見せる画像が目に飛び込んでくる。
7時の数字がちらつく。 まだ寝るには早い時間だ。
「え〜と、ねむねむの木だから、と」
ぴ、ぽ、ぱ。
軽快な音と共に次第に移り変わる画像。
柔らかな指腹が、滑らかに動く。
使い慣れたボタンが凹んでゆけばゆくほど、目的の男の番号へと進行するようだ。
「あなたは神か?」
215 :
すぺ ◆.EcUKTtzGA :2008/03/13(木) 11:18:48
「いきなり電話してきたと思ったら、何を言い出すのよ」
口頭一番のギャグをツッケンドンな毒で返してきたのは、
幼馴染でもあり腐れ縁でもある行動派女子、梅子。
「最近嵌ってるって聞いたからさ、デスノート」
「用がないなら切るよ」
「すんませんでした」
俺の謝罪をふん、と鼻息ひとつで吹き飛ばす。
相変わらずのようだ。
「んで?」
梅子は明らかに面倒そうな声色だが、俺は知っている。
「何かあったの」
この女はなんだかんだで、姉御肌で優しい奴だってこと。
「ちょっと尋ねたい事があるんだ」
「だから何さ」
「それがな〜……」
「はよ言え」
「いや、なんつーかさ、笑われるかもしれんからさ」
「いいから言えっつってんだろ」
「ねむねむの木、って知ってる?」
ぽちっ。
笑われるどころか、電源を切られたようだ。
無機質な機械音が右耳に入り込む。
216 :
スペ ◆abHz61oKv6 :2008/03/13(木) 11:19:10
「……ネムネムの木、気になるからさ、だから明日図書館行こうって……」
「それを先に言え」
二度目、三度目のコールでやっと出た梅子は
すっぱりとよく切れる刃物のような切れ味で俺を断罪した。
「ほんと、しょうがない奴だね、まさるは」
217 :
スペースNo.な-74:2008/03/13(木) 11:24:30
「で、あいつも誘ったの?」
「ああ、あいつ来るっていうからさ、梅子も来て欲しいんだ」
久しぶりに遊ぼうぜ、っていうと腐れ縁のふてぶてしい顔が容易に想像できた。
「……あいつを先に誘ったんかい」
「どうした?」
「なんでもねぇよ」
また電源を唐突に切られる。
どうやら先に、あいつ、もう一人の幼馴染である男を梅子より先に誘ったのが
物凄く不服であったらしい。
俺は物言わぬ携帯をベッドに放り投げ、一人呟く。
「梅子は相変わらず、気分やだな」
眠ろう・・・
こんなスッキリしない時は寝て頭をリセットした方がいい。
色々考えてる事がうつらうつらしている内に、うやむやになっていく。
やがて・・・
コンコン
??
コンコン
ベット側の窓ガラスに音がする。
「俺だぜ!」
「秋生!!」
学ランの下は胸元と言う少しワイルドな出で立ちで現われたのは同級生の秋生だった。
「飲もうぜ!」
彼の左手に下げられたコンビニ袋の中に缶ビール思わしき影が幾つか見えかくれする。
「しかっし、暑ぃなー」
上半身学ランだけの彼は襟元をパタパタと煽っている。
「そうか・・・?」
「まあ、熱くなるのもいいかもな・・・」と俺
「ん?何の話だよ」
「いや・・・ちょっとな・・・」
そう言うと秋生はフローリングの床にあぐらをかき、ビールと摘みを取り出した。
「飲んで熱い夜を明かそうぜ!」
そう言って乾杯もせず缶ビールをグイグイ飲み始めた。
220 :
スペ改めスペル ◆A7K0T9z3w6 :2008/03/13(木) 13:09:05
目を瞬くと、始めに気づくのはポップの匂い。
鼻から吸い込んで肺に到達する前、自分の口からも同じ匂いが
するのに気づき、眉をひそめる。
と、同時に。
「いてぇ……」
じんわりと頭に広がる鈍痛。
「くそっ」
じくじくと居つく痛みに思わずうめく俺。
221 :
スペル改めリオ ◆w/SKvIBpIg :2008/03/13(木) 13:17:23
ため息をつき、目の前に転がる男を見下ろす。
俺は今、ベッドの上にいるから、そいつはフローリングの
冷たい床の上を寝っ転がっている状態だ。
「秋生」
呼びかけると、ぴくりとも反応しない。
「しょうがねぇな」
俺はそう言いながらベッドから降り立ち、
未だ夢の世界の住人であるワイルドに定評のある秋生の
ケツをまさしく蹴っ飛ばした。
「おぅっ!?」
「もう朝だぞ、秋生」
「え?……あ、んだ、まさるか」
「……まだ酔っ払ってんの?」
ろれつの回らない秋生は、ぼさぼさ頭をかきながらむくりと
起き上がる。そうしてぼんやりと視点の定まらない顔でいたが
しばらくして、大変だ! と騒ぎ出した。
「やべぇぞまもる!」
「んだよ、飯はまだだぞ」
「俺、パンツはいてねぇ!」
「どうしたよ?お前、酒弱かったっけ?」
右手を額に当てた俺を見て秋生が話し掛ける。
「いや・・・ちょっと」
「こんなもんは飲む量で鍛えられるもんだ、吐いてもいいぜ俺が介抱してやんよ」
ニヤリと屈託のない少しワイルドじみた顔で背中を叩かれる。
やがて記憶が薄れてきはじめる。
223 :
222:2008/03/13(木) 13:21:04
被ったw
222→221で
はき忘れたんだろ。
いやいや、確かにはいてきた!
そりゃそうだろ。
はっ、まてよ、そういや昨日の俺はしゃぎすぎて頭に被って
裸踊りしてなかったか?
「遅い!」
梅子が仁王立ちで図書館の前でオニのような形相でいる。
俺はほんの少し気後れしながらも、苦笑いを浮かべながら
彼女に近寄ることにした。当然、あまり意味は無かったが。
「ったく、何分待たせんのよ」
「悪い……」
「どうせ、またあの秋生が来てたんでしょ」
相変わらず梅子の洞察力は鋭い。
というよりも、女のカン、ともいうべきか。
彼女はふんっ、とまた鼻をならし、軽蔑するかのようなまなざしで向かい側
からやってくるであろう、もう一人の幼馴染に視線を投げかけている。
そこにはまだ、人影は無い。
「んでもって、秋生、またしょうもないパンツ被りを披露したんでしょ」
「な、何故わかった?」
「前にね、コンパやってね。そんとき来てた秋生と話があって……あんた、まさるとの
話で盛り上がってね」
「……なぜ俺が」
「共通の話題? ってやつよ。それで、あいつ、途中で酒ガンガン飲みまくってさ」
「あぁ……それで」
「頭にパンツはいて踊りだしたんだよ」
頭にパンツ履いて盆踊りする酒グセってのも珍しいな・・・
パンツは必須アイテムなのかとほくそ笑みながら梅子との会話に安堵感を覚える。
よかった・・・・そう思えて、図書館へ向かうためのバスに乗り込んだ。
バスが発車した時、猛烈な勢いでバスを自転車で追い掛ける男に梅子が仰天する。
「ちょ・・・何?秋生?」
「ええ?」
おおおおおおおおおおおおお!と雄叫びを叫んでるかのような形相で自転車をバスンに向けて走らせている。
まさに全力疾走だ。
「何何??何やってんだアイツ・・・」
口元で、まさるぅー!と叫んでる気がする。
梅子はそれを感じ取ったのか、ちょっと膨れっ面でこっちを睨み返した。
計画通り!
そう、計画通りだ!
バスは、信号やバス停で停まらないといけないし、あまりスピードも出せない。
十分に間に合う!
俺は、まさるに言わなきゃいけない事があるんだ・・・
秋生・・なんて言ってたんだろう・・・
あの日、秋生は車に轢かれて脳髄をぶち撒けて死んだ。
あれからもう一週間か・・・
なんでやねん、と梅子が突っ込んだ
なんでやねん、か・・・随分と冷たいな・・・
そうだ、感傷に浸っている余裕など無いのだ。
宇宙暗黒大魔王による、地球侵略作戦が開始されたのが、つい三日前のことだ。
「ねえ、おにいちゃん・・あきらここわいよぉ・・・」
ふと見ると、幼い妹が身を寄せてきた。
妹の頭皮から、ミルクのような小動物のような匂いが薫る。
気が付くと、思わず抱き締めていた。
驚いた。ほとんど無意識の行動だった。
それほどに俺は疲れ果てていた。
何かに縋りたくて仕方がなかった。無性に温もりに餓えていたのだ。
「さああきらこ、しゃぶるんだ」
そんな妄想が聞こえるかのように隣の親父はヨダレを垂らしている。
「ったく、ごまかさないの!」
梅子がまさるの頬をひっぱった、相変わらずバスの後方を自転車で追う秋生をよそに。
「ちょっwあんたっ!自分の妹に何してんのっ!?」
梅子が俺の顔面を激しく殴打した。
はっ!いかんいかん、俺は何をしていたのだ。
どうやら、立て続けに起きた不条理に精神が混乱していたらしい。
うん、もう大丈夫だ。
「わぁーっ☆みてみてーっおにいちゃん、あのひとじてんしゃでバスにおいついてくるよっ!」
そんな間の抜けた声を上げるのは、俺の妹のあきらこ(7歳)だった。
「お、おまえこんな所で何してるんだ?」
自転車で迫ってきた秋生の声が響いた
「隣の幼女から離れろーそいつは爆弾だぁーある意味爆弾だー!」
まさると梅子は仰け反った。
「ずいぶんと面白い話をするじゃない」
梅子はぴくぴくと、口の端を痙攣させながら……もう一人の幼馴染である
腐れ縁、松男に強い視線を投げかける。
松雄。
名前はずいぶんと、立派な木のような気がするが
本人曰く、影で相当いじめられた名前だとニコニコしながら口の端を上げる。
目元は涼やかで甘いマスク。いわゆるイケメンである。
「で? 松雄ジンギスカンが何用? まさかわざわざここまで
来るとは、ね」
「ははは」
梅子の毒々しい発言にも馬耳東風である彼のあだ名がとして当時、
使用されたのが松雄ジンギスカンであった。
爽やかな白い歯が覗く。
「そんなこというなよ、梅子。せっかくこうやって久しぶりに再会したのに」
「そうそう。俺、ひねくれちゃうよ?」
俺と松雄があわせて反論すると、梅子はぶつぶつと、だからまさるは駄目なのよ、と
のたまう。比較的細いであろう腰にも両手をあて、ふくれっつらの顔をして
明後日の方向を向く。
この二人は昔っからそうだった。いつも顔を突き合わせては、いつのまにか
ケンカに発展する。そうして最後にはいつも……。
「なぁ、まさる、梅子が悪いよなぁ?」
「違うっ! 断固として松雄のせいだっ!」
二人のあまりの成長の無さに、俺は笑ってしまった。
「なぁ、宇宙暗黒大臣はきっとアンコ派だよな!?」
「ありえないっ! 絶対ツブアン派よっ!」
彼らは長々と、図書館の前でどうでもいい論争を継続させ
通り過ぎる人々の失笑と冷笑を買っている。
無論、俺の妹っぽいやつも。
「秋生……」
と、少女(推定7歳)が呟いて窓から飛び降りたので。
俺にはその後の消息を辿ることができないし、術も持たない。
いつの間にやら到着した図書館前。
爆発事故と秋生の生存状況を知るのはまた、のちほど。
239 :
数は ◆w/SKvIBpIg :2008/03/13(木) 22:05:56
見上げると、外観は近代建築の賜物である有名デザイナーの造りであるらしい。
以前ニュースで見たことがある。
名前、は世界的に、ってやつだ。
まぁ、俺には関係のない話ではあるが。
三人並んでガラス張りの自動ドアへと歩み、やっぱり三人並んで
涼やかな空気が頬をなでる、かぐわしい本の香りに包まれた
図書館へと足を踏み入れた。
真新しいであろう、絨毯。
あたりは人がまばらにおり、老若男女さまざまの年代の人々が
思うさま読書にいそしんでいる。音楽はクラシック。
多分、カノンだろう。聞いた事がある。
「へ〜ずいぶんと綺麗だね」
開口一番、いつもの梅子節がなりを潜めている彼女に、
イケメン丸出し松雄が
「ははは、梅子とは相容れない異世界だな」
と、爽やかに笑う。
……俺は梅子と松雄の睨み合う世界から離れ、いそいそと目的のブツである
もちもちの木……いや、なんとかの木を探しに書籍という書籍が詰め込まれた
棚の間に体を滑り込ませた。
240 :
かずは ◆w/SKvIBpIg :2008/03/13(木) 22:11:41
静かな空間に、誰かがページを捲る音が聞こえる。
滅多に来る事のない世界なせいか、俺は興味本位に館内を散策していた。
棚、の横には書籍の案内、ジャンルが書かれたプレートが張られてある。
真新しい図書館らしく、プレートも照明に反射して煌く。
「……わっかんねぇなぁ」
きょろきょろと四方を見回しては見たものの、こういう本というものを
探るには俺ではどうやら役不足なようだ。
大きめなソファが窓辺に幾つか設置されている。
その一つにどうみてもくたびれたサラリーマンが一人、いびきをかいて
この安らかな空間を破壊しているのを尻目に、
俺はカウンターへと向かった。
司書に尋ねたほうが手っ取り早いと思ったからだ。
気が付くと、黒服の集団に取り囲まれていた。
ガスマスクを装備していて顔は見えない。
だが、こんなに目立つ連中にもかかわらず囲まれるままるでで気が付かまかった。
気配も足音も完全に消されていた。
明らかに異質な集団。
まるで宇宙のよな、暗黒のよな漆黒の群体。
「報告では、行動を共にしているはずなのだがな・・・・」
ガスマスクの一人が言った。服ごしにも分かる屈強な肉体。だが、女みたいな声だった。
ガスマスクが一歩踏み出す。凄まじい威圧感、内蔵が締め付けられる。
「あきらこちゃんは、何処だ?」
「『チャン』は、天意無崩拳継承者に代々受け継がれる忌み名・・
あきらこ=チャン。否、あきらこ海王と呼ぶべきか・・・」
あきらこ海王っ・・・!?
聞いたことがある・・・
若干七歳にして海王の称号を得た女児がいると・・・
まさか俺の妹だったとは!
その頃、某地下闘技場。
青龍の門に立つ一人の女児。
「おいで、れつおにいちゃんのリベンジだよっ☆」
見据える先、白虎の門の薄闇の奥、獣のごとき双眸が凄絶に煌めく。
否、獣にあらず。さりとて人にやあらん。
女児は人ならざるものへと、声を張り上げ叫ぶ。
挑むように、歌うように。
「天意無崩拳251代目あきらこ海王、おしてまいる!!」
「グオオオオオォぅオオオオオオオオッッっ!!!!!」
244 :
スペースNo.な-74:2008/03/14(金) 09:57:39
「なっ、なんだっ!?」
ぞわり、と急に寒気がし、身震いをする俺。
「まさか……」
館内の静けさに沿って、小さく呟く。
背中にたらりと汗が流れるのを自覚する。
どうして……。
どうして俺はいつもこうなんだろう。
朝、靴紐を結ぶのもいつも以上に時間がかかって
嫌な予感がしていたのだ、そういえば、と考えてしまわせる要因があまりにも
脳裏にちらつく。バスの車窓から流れる秋生はどうでもいいとして、
梅子も松雄もそういうことには疎いと……いや、
案外鋭いのかもしれない。
そうだ。
俺だけが、知らない秘密。
そのはずだったのに。
「俺がコシアン派だってこと、バレたかな……」
そういえば。
妹、どうしてるかな。
ビル50階から飛び降りて3分で戻ってきたり
カナダ行ってクマーと遊んでくるわと一人旅をして片手になにやら
生臭いものを背負って帰ってきたり。
まさるは(少々)おてんばな妹の、可愛いらしい顔を思い出していた。
秋生が窓から叫んでいた。
「やらぁああ!!!!」
何だ何だとバスからみんなが外を見る。
全力疾走で自転車を漕ぎながら、叫んでいる。
「やらないかぁー!!!今夜、待ってるぞぉーーー!!!」
バスの乗客から口ぐちにウホッと声が漏れ、まさるの顔が赤面した。
みんな、まさるの方をみて言った。
アッー!
梅子は黙っていた。
そんなバス内での光景を思い出したのか、不機嫌に梅子は本をペラペラめくり、異世界の物語り読んでいる。
民明書房『伝説の秘拳・天意無崩拳』
梅子は、ページを捲りながら思わず失笑する。
書かれている内容が明らかにフィクションなのだ。
人間がビルの50階から飛び降りて3分で戻ってきたり、熊と戦ったりとありえない事ばかり書かれている。
「こんな異世界の物語、あるわけないっつーのっ!」
思わず、本にツッコミを入れてしまった。
こんな目茶苦茶まかり通るはずがない。大嘘もいいとこだ。
梅子はそう思っていた。
そう、この時、確かに梅子はそう思っていたのだ・・・
「天意無崩拳の修行者は、××省の人里はなれた山奥の秘境を、拠点とする・・・・・
其の修行法は特異で、ネムネムと呼ばれる、この地方にのみ生育する特殊な植物を用いる
・・・・・ね。はいはい。なによこの本、バッカじゃないの?」
これは、ある窓拭き業者の証言である。
ええ、忘れもしません。あの日、わたしは高層ビルの窓拭きをしていました。ほら、こう、ゴンドラを吊して外から窓を拭くんですよ。
そこで・・・変なものを見たんですよ。
三つ向こうのビルの屋上で人が戦っていました。
それもよく見ると全裸の大男と七歳くらいの女の子なんですよ!
あっけにとられていると、大男の方が身を屈めました。
クラウチングスタート、いや、もっと低い態勢です。なんといいますか、動物みたいな動きでした。
それから、急に女の子が吹っ飛んだんですよ。いや、何が起こったか分かりませんけど。
女の子はくるくる回りながら、三つビルを飛び越えて私のすぐ近くの壁に着地しました。
不思議なことに、衝撃は全く感じない軽やかな着地でした。
その直後、女の子は、凹凸の無い壁面をバク転みたいな動きで、一瞬で屋上まで駈け登るんですよ。
一方、大男もビルからビルへと飛び移ってこっちに来ました。
それからはもう分かりません。ほら、ゴンドラからじゃ屋上は見えませんからね。
おそるおそる、屋上に上がってみたのですが。その時にはもう何処にもいませんでした。
あれは、いったい何だったんでしょうね・・・・・
都市伝説か・・・梅子の前の席で読みながら、まさるが呟いた。
「何?」
梅子が、まさるの1人言に反応する。
「いや、なんかビルをバック転で上る女の話しが書いてあって面白いなぁと・・・」
「友達の友達に聞いた話っとかってやつ?あんまり信憑性なさそうだねそれ、ありえないし」
梅子が興味無さそうに呟いた。
閉館時間まで粘ったが、結局なにも成果らしい成果は上げられなかった。
「ところでさぁ、あんた、私を放置して何処ほつき歩いてたのよ?
あんまりヒマだったからバカ本よんでたんだからね」
「あぁワリイ、ワリイ、なんか寝てたみたいなんだ。よく覚えてねえんだが」
「へぇ、優雅にお昼寝してたんだぁ・・それで放置されてる私を想像してハアハアしてたのね」
あ、ちょと怒ってる。やっぱ、待たせて寝てましたってのは失礼だよな。
「いや、わかんねえ。記憶がないんだ。きっと何者かに記憶を消されたに違いない!」
俺は、大真面目に言った。
もちろん、そういう芸風のネタだ。
「・・・・・・・黒づくめの、男達に?」
「は?ナニ言ってんのおまえ?」
予想に反して、梅子の反応は真剣なものだった。
「えっ、いや、あのバカ本に書いてあったのよ。黒服の男達が記憶を消しにくるぞーって都市伝説が・・・
かっ、勘違いしないよでよねっ!そんなの全然信じてないんだから!怖くなんかないんだからっ!」
・・・えっ、黒服?
そのことばが、何故か妙に引っ掛かった。
閉館時間まで粘ったせいか、あたりはすっかり暗くなっていた。
梅子も、曲がりなりにも女の子の端くれである。家まで送ることにした。
途中、酷い生ゴミの臭いがした。
路地裏、蓋の開いたダストボックスを見つけた。多分、あれの所為だろう。
「あれ?」
よく見ると、ダストボックスに誰かが寝ていた。
子供のようだ。年は七つくらいか・・・・
「って、おいおい・・・・」
見覚えのあるツインテールに赤メガネ。俺はダストボックスに駈け寄った。
「あきらこぉ!こんな所で何、し、て・・・・」
生ゴミに埋もれて寝ていたのは妹だった。だが、いつもとは様子が違った。
「ぇっ、ぁ、ぉにぃ・・・ゃ、ぁ・・ぅ・・・」
酷く弱々しい、虚ろな目で俺を見上げる。
「お、おいっ!どうしたんだよ、それっ!?」
「ぇへへ・・・・」
痙攣し、どこか悲しそうな顔ではにかむ。
妹には、左腕が無かった。
「ぁきらこ、食べられちゃった・・・・」
どぐっどぐっ、と血が吹き出す。ゴミ袋に溜まった血は、明らかに致死量を超えている。
「ふん、流れ星か。」
男は言った。
あたりは、月もなく星明かりしかない深い闇・・少なくとも、日本国内には存在しない無窮の暗黒である。
「忌まわしき星じゃ、儂がかような星を見る時は、決まって誰かが死ぬるのじゃ・・・」
男は、氷柱のように尖った岩に座禅を組み、ただ夜空を、ただただ夜空を眺めている。
まるで、すばらしい思い出を懐かしむように。
「あきらこ=チャン・・・おぬしは、今どうしておるのかのぅ・・・・」
「あきらこっ、おいっ、あきらこっあきらこぉーっ!」
救急車・・・117番しなくては!
俺は、携帯を取り出そうとする。だが、焦っているせいか何処に入れているのかもわからない。
慌てていると、目の前に落ちている携帯が目に止まる。妹の携帯だ(黒頭巾のウサギみたいなキャラのストラップがついている)
俺は、その携帯を手に取る。画面にはアドレス帳が表示されている。誰かに連絡しようとしていたのだろうか。
カーソルが表示されている名前は『おいしゃさん」だった。
256 :
リオ ◆w/SKvIBpIg :2008/03/17(月) 00:46:28
西洋、ヨーロッパでも月を仰ぎ見る事ができる。
その一部では(地域によっては異なる場合があるが)歳をくった婆さんのように見える
地域もあるらしい。日本では、お月様といえば兎である。 決して、黒頭巾の兎ではない。
その類、であるらしい妹の携帯ストラップ……が不自然な動きを垣間見せたのは
このときであった。お気づきであろうか。黒。この色をよくよく覚えていてほしい。
「この兎……」
見覚えがある。
「願いをかなえるという……」
兎は願いをかなえるのかよ、という突っ込みは抜きにして今のまさるは非常に切羽詰って
いた。冷静さを欠いている。だが、今はそんなことを考えている場合も暇も無い。
「と、とにかく、この……おいしゃさんに電話を……」
妹の携帯をいじくることがない紳士思考のまさるは、初めて扱う未知の携帯機器の
操作に手間取る。誤って戻るのボタンを押してしまったのだ。
「げっ」
それでもようやく見つけたおいしゃさん、に一縷の望みを託し、コールボタンを強く押す。
背中に嫌な汗が流れる。目だけを動かし可愛い妹の様子を確認しながら、
聞き覚えのある音がワンコール、ツーコール。ぶつっ。誰かが出たようだ。右耳から
雑音がする。車の音らしい。どうやら相手は外にいるらしい。そして、まさるが言うよりも早く、先方が
先に喋る。まさるは愕然とした。
「へい、ドクターマシリト、ドクターまさる、ドクターごっこ、巧くいたね」
明らかに日本語に不自由な男の声であった。
「アキラコたんのブラットタイプはとってもレアだかラそこいらニャ、ストックはナッシングだろーねェ」
『おいしゃさん』は、やたら嬉しそうな、弾んだ声音で言う。
「ブラザーブラットがネセサリーだ。掘った芋いじるな!アキラコたんのレスキューには、2500CC以上のブラットがニードだ!
アカギはアンダスタン?2500CCはフェイタルなボリュームだ。
コンビニエンスにほいほいドレインしてヨクナイ、あァつまりダ、どうしてもアキラコライフ、レスキューするっテェなラ・・・・
キミ、きっと死んぢャウヨ・・・・・・・ぷくくくくっっ!!」
「是非にあらず!」
死ぬだと?それがどうした。
俺は一瞬で服を脱ぎ捨て、手刀で手首を切る。
ばたばたばたっ、と鮮血が妹に降り注ぐ。
「妹よ、兄の血をもて死中に生を得よ!再び蘇るのだ!」
背後で梅子が叫ぶ。
「ばかぁっ!!まさる、あんたバカよ・・・・本当の大バカよっ・・・・!!」
258 :
rio ◆w/SKvIBpIg :2008/03/17(月) 17:22:45
口、顔、首元に鮮やかな赤が落ち、染められてゆく。
そう……赤い色。もたげられた頭、伏せられた瞼が開き、2、3度ぱちくりと瞬く。
まさるはそんな様子に安堵した後、ぐらりと体が傾くのを止められずにいた。
「兄ちゃん!」
「まさるっ」
妹と梅子の声が遠くに聞こえる……何故?
そんな疑問を心の中に残しながら、まさるは意識を失ったらしい。
ぷつっ。
携帯を切るよりも早く、まさるの意識が消えてしまった。
梅子は呆然と、その場で立ち尽くしていた。
どうすればいいのか。そのことのみが、梅子の脳裏をリフレインしていて何をどうすれば
いいのか、何もかも分からなくなっていたのだ。つまりは役に立たないということ、
混乱状態、と呼ぶべきだろうか。まさるの妹は未だ動けないらしく、はよ動け動けこの虫野郎!
と、自らの手足に向けてうめくように、焦るような声色で、わずかばかり動く口で
必死になっている。一方、そんな現場にようやくたどり着いた松雄ジンギスカン改め松雄は
なんじゃこりゃ、とお腹に手を当てながら赤い現場に立ち尽くしていた。
こんなてんやわんやな場所に、あいつが颯爽と現れた。
それは。
秋生!
260 :
rio ◆w/SKvIBpIg :2008/03/17(月) 18:03:11
ゆっくりと、意識が浮上する。
ゆらりと湯気のような視界が、すっきりとしたものに変わるに時間はさほど
掛からなかった。まさるは痛む手に眉をしかめつつ、今どういう状況かを早急に確認するため
頭を動かそうとした。すると、誰かの声がした。
間白い部屋。妙に薬臭い部屋に響く。大丈夫か。
どうやら秋生らしい。声が秋生。そうだ、秋生のはず。
松雄、梅子、妹のあきらこ。
首だけ動かして、声のするほうを見ると、やはりワイルド秋生だけがいた。
他の三人は今、はいないらしい。
秋生はこんな病室を和やかな空気にしようと、微妙な冗談を言い始めた。
「働けど働けど我が暮し楽にならざりじっとてを見る」
「……」
「動けど動けど我が思い楽にならざりじっとまさるを見る」
「こっちみんな」
そういえば、妹の携帯ストラップはクロミ様ってキャラだったっけ・・・・
と、俺はどうでもいいことを思い出していた。
クロミ様は、サンリオのキャラで、マイメロちゃんのライバルなのだ。
バクが喋った
「掘った芋いじるなゾナ!」
幻聴か・・・・・・・
どうやら、俺はまだ安静を要する状態のようだ。
そういえば、妹はどうなったのだろうか・・・何故あんなことになっていたかは分からないが、
俺よりシリアスプログレムなのは確実だろう。(梅子は、まあ、大丈夫だろう。怪我もしてないし)
「秋生、あきらこ・・俺の妹はどうなったんだ?」
「ああ、言いにくい事だが・・・お前の処置は、医学的に完全に間違っていた、あれで助かるなら奇跡だな・・・・」
・・・・・・・・・間違えてたのか!?
「きっと、お前の必死の思いが、奇跡を起こしたんだろうな・・・・」
「えっ、あ・・・それじゃあ・・・・?」
「あきらこちゃんは、隣の部屋で寝てるよ。命には別状はない。だが・・・・・・・・・・・・・」
その後に続く言葉は、あまりにも想像を絶するものだった。
265 :
リオ ◆w/SKvIBpIg :2008/03/18(火) 11:41:24
秋生は遠い目をしている。
そして……
「俺がアッーになっちゃったけどな」
といった。
俺はどうリアクションをとるべきだろうか。
秋生は窓際で黄昏ている。まさるとしてはこんな、いつもと違う様子の
秋生は見たことが無かった。無論、しょうもないギャグもそうだが。
こいつはこいつなりに励まそうとしているのだ、クロミ様も微笑んでくれるに
違いない。
「おめでとう」
「祝福するのかよ……俺がそういうキャラになっていいのかよ」
「モウマンタイ」
親指を立ててぐっジョブと言ったら、こいつ。
秋生はうれし涙を流しながら病室を去っていった。
ベッドのそばにある物を置くスペースには、あいつが食い散らかしたメロンが
無残な姿で残されている。
サイレンがアッーーーーーーーーーーーーーーーーー〜
と鳴り響いていた。
町中の人々は口々にウホッを連呼し始め、それがまるで輪唱のように響き渡る
ウホッウホッウホッ
まるで密林奥の原住民が祭りをしてるかのような如何わしさがあった。
「殺れっ、戦闘員たちよ!今宵こそは『仮面テコンダー』を血祭りにあげるのだぁっ!!」
うきーっうきっうきーっっ!!
「テコーォンっキーック!!」
うきゃー、きーきぃききー!!
「テコーォンパァーンチっ!」
むきゃーっ!
「テコーォンッチョーップ!!」
うほぉおおーっ!!
どかーん!!!
仮面テコンダーは、悪逆非道を尽くす邪悪な猿どもと戦う正義のテコンドー戦士である!
仮面テコンダーは、某国で作られた子供向け特撮ドラマである。
そのDVDが何故か机の上に置かれている。
ところで、ここは何処だろうか?
妹は今どうしてる?何故、左腕が無くなっていたのか?
ネムネムの木は?仮面テコンダーとは?図書館での記憶の欠落も気になるところだ。
他にする事も思いつかないし、とりあえず妹のところへ向かうことにした。
そして、先に告白しておこう。
この後、すごい萌展開が俺を待ち受けているんだ。
「死ぬよろし!」
突如、何者かが棒の様な物で、俺に殴りかかってきた。
咄嗟に手で防ごうとする。だが、その刹那、俺はそれが只の棒では無いことを理解する。
棍棒、否、これは三節棍!手で防げど折れ曲がり防御を素通りするは必定。
・・・・しからば!
ギィンッッ!!!!!!
一閃!三節棍は真っ二つになり、見当違いの方向へ飛んでいく。
「あいやー、鉄芯を通した棍を、マサカ手刀で切断するとわ・・・・・・・!
オミソレシマシタぁ、サスガわマサル様ネ!」
それは、チャイナドレスの、お団子みたいな髪型の女の子だった。
少女は、強い意志を感じさせる切れ長の目で俺を見つめ、微笑んだ。
「ワタシ、名前は“萌=展開”言いますネっ!呼ぶ時は、萌ちゃん呼ぶよろし」
272 :
疲れたからやめるw誰か書いてけ〜 ◆w/SKvIBpIg :2008/03/20(木) 09:45:14
「世の中、って理不尽だと思わないか」
「そうだね」
素敵に輝く白い歯並びを持つ松雄と、豊かな髪を風に揺らす梅子の二人が
川原の土手上で、とある人物の行く末を見守っている。
無論、まさるのことだ。
「いつの間に病院抜け出したかと思ったら……アホか」
松雄はため息混じりに嘯くと、
梅子も同意する。
「そうね……超健康ね」
先ほどまでの息切れをないものとしてしまった二人は、散々探し回って
棒になってしまった足を休めるために土手の上に腰を下ろし、
まさると格闘している奇妙な少女の姿を眺めていた。
夕日が血湧き肉踊る彼らの、獣のような動きをより鮮明に映し出し、さざめ煌く
水面の表面にも赤い色が反映している。
まるで彼らの行く末を暗示しているような。
そんな気がしてならないと、二人の奇妙な腐れ縁の幼馴染は不安そうな顔を
している。想像しているものも、おそらく一緒なのだろう。
さらにそんな彼らの背後には。
黒く、兎の形をした影……まるでクロミ様のような虚空が
悠然と佇んでいる。おそらく、まだ誰も気づいてはいないだろう。
やがて争いをやめた二人の下へ、幼馴染ズは駆け寄った。
すると、影はひっそりと姿を消す。
残るのは、一陣の爽やかな風のみ。遠い空、山裾にはまだ雪が残っている。
風枝も鳴らさずにいるのだから、これから春の訪れでもやってくるのであろう。
三節棍を叩っ切った直後、少女は、すぐ傍の大型の旅行鞄から無数の武具を出し、
それらで次々と攻撃を繰り出してきた。掛け値無しの殺気。殺す気でかかってきてる。
仕方ないので、俺は、その全てをかわす。剽を弾き、槍をへし折り、青竜刀を拳で砕く。
少女は、ついに全ての武装を失った。だが‥‥‥‥
「ここからが、本番アル。覚悟するヨロシ!ワタシ、慣れない武器より、こちのほが強いヨ」
少女は、地に手を付き、前屈みの姿勢をとる。クラウチングスタート、否、もっと低い。
例えるなら猫科の大型肉食獣を彷彿とさせる。おそらく、形意拳の一種だろう。
そして、俺は理解した。これこそが少女の真の戦闘態勢なのだと。
「七星虎咬拳。ここからのワタシ、本物の虎より強い。本気の本気、殺す気でいくヨ!」
いいだろう、とっとと終わらせよう。この茶番を。俺は少女を見据える。
「来ませい」
「参るっ!」
土が爆ぜ、少女が駈ける。虎の顎を模した両腕が、俺に喰らいつこうと唸りを上げる。
勝負は一瞬だった。
腕を絡め、足を払い、一転し、地面に叩きつけるように馬乗りになり、少女の首に手を掛ける。
存外、か細い。力を込めれば容易くへし折れよう。
あいや〜、と少女は両手をあげる。
「勝負あり、だな」
『慣れない武器より、こちのほが強いヨ!』、と少女は言った。
つまり、武器を使うことにより、自らにハンディを課していたということになる。
そして、少女は実力差を理解したからこそ、全力で向かってきたのだ。
「一体、何が目的だったんだ?キミ、最初っから勝つ気なかったみたいだし・・・・・・」
「はい、でも殺す気だたのは本当ヨ。殺そとしても殺せないの確認したかったアル」
ますます意味不明である。大体、何故に殺されそうにならねばならぬのだ。
「ワタシの一族の女、代々、強い男との赤ちゃん生まねばならぬ掟アル。
より強い男と子を成すのが、一族の女の使命であり、憧れであり、生きる喜びネ。」
少女は、馬乗りされた体位のまま、うっとりとした目で俺を見つめる。
「ワタシ、きと確信したヨ。こういうの、運命いうアルよ・・・・」
少女の、女の子女の子した気配が強くなっていく・・・・なんか嫌な予感がする。
「マサル様、どうかワタシを、孕ませてくださいアル!」
ぐおおおぉっ!そ、そんなこと、いきなりいわれてもぉ!?
「お願いしますっ!絶対、迷惑はかけないアルから!一人でも立派に育てるヨッ!」
やべぇ、変な告白されたせいで、この子メチャメチャかわいく見えてきた・・・よく見りゃおっぱい大きいし・・・・・いや!しかし、
「だっ、駄目だ駄目だっ!できねえよ、そんな無責任な事!それに、キミ、まだ、こ、子供だろ?」
「ワタシ、今年で十●歳アル!もう、子供も産めるネっ!!」
十●だとぉ・・・あぶねえあぶねえ、見た目よりやばいじゃねえかよ!
「あきらこチャンがいるからアルか・・・・!」
えっ?なんで、ここで妹の名前が?
「ワタシ、知ってるアル!あきらこ、おにいちゃんと将来を誓い合たて!結婚するて!」
えっ、しらないよ!何、それ?
あ、梅子が冷めた目で俺見てる?
その様子を、遠方より眺める者たちがいた。
皆、一様にフード付きのマントに身を包み、体型、性別、年齢、人種、全てが判然としない。
「驚いたな・・・七拳星が一人、萌=展開を、こうも容易く破るとは・・・・・」
「しかも、あの男、手加減してたみたいだね。『七星虎咬拳』を、殺さずに、それも傷一つ付けずに止めるなんて、このボクでも難しい。」
「フン、奴は七拳星の末席。我らの中で最も弱い。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「萌ちゃんっ・・・・・・あんな、あんな奴の・・・どこが、いいんだ・・・・・・・!」
「マサル、と云ったか・・・流石は、奴の血を受け継ぐだけのことはある」
梅子の冷めた視線を感じる。それは、俺を蔑んでいるかのようだった。
(あーあ、痛いなぁこいつ、ナニ妹と結婚の約束なんてしてんだよ、という心の声が聞こえるかのようだった。)
「いや、妹は関係ないから!あのね、日本じゃ妹とは結婚できないんだよ?法律で決まってるの!」
「だたら、だたら、ワタシと子作りを!」
いや、それはできない。十●歳の子に手を掛けるなんて、そんなの鬼畜の所業である。
と、その瞬間、ぞくり、とした悪寒を、否、戦慄を感じた。
巨大な威圧感、空気そのものが震えているかのようだ。気が付くと其処には妹の姿があった。
左腕は、やはり、無い。長袖の寝巻がぱたぱたと風に揺れている。
それは、紛れもなく俺の妹のあきらこだった。だが、この威圧感、そして、梅子とは違う種類の冷たい、凍てつくような眼だった。
「おまえ、本当に、あきらこ・・・なの、か・・・?」
初めて見る妹の姿だった。だが、何故か懐かしさを感じた。
「あきらこチャンっっ!!」
萌は、弾かれたように前傾の姿勢をとる。この少女の臨戦態勢である。
極端な前傾姿勢、相対的にお尻が高く突き上げられる。後ろから見ると素晴らしい眺めである。
だが、今はそれを楽しんでいる場合ではない!妹は片腕なのだ。
『七星虎咬拳』といったか、あんな攻撃をくらったらひとたまりもない!
「おいっ、やめろぉっ!」言いおわるやいなや、少女は飛び出していた。
一瞬にして最高速度に達する。駄目だ、もう追い付けない!
一度見たから分かる。瞬間的超加速、これが『七星虎咬拳』なのだ!
瞬間だけ人を超える。獣のように、目の前の敵を引き裂き、貪る。
俺との戦いで負った傷は、もう血が止まってる。
おそらく、大量のアドレナリンが分泌されているのだろう。(アドレナリンには、止血作用もある)
『七星虎咬拳』という、その超人的運動に対応するため、大量のアドレナリンを分泌できるように訓練されているようだ。
意味なく、躊躇なく、本気で俺を殺しにきたり、瞬時に、妹を敵とみなし攻撃にかかる。
この攻撃性も、アドレナリンの過剰分泌に拠るものだろう。
その両腕が、獰猛な虎の牙が、妹に襲い掛かろうというその時、爆発するように、宙を舞った。
一瞬でチャイナドレスはズタボロになり、散乱する。
少女は激しく回転しながら、ゴミクズみたいに墜落し、ひしゃげる。
その時、萌=展開の意識は吹き飛び、遠い過去を回想していた。
所謂、走馬灯というものである。
虎が襲い掛かろうとしている。動きは、ひどくゆっくりと見えるが、体はまるで動かない。
あぁ、きっと自分は、これで終わりなんだな、と恐慌の中、どこか漠然と悟っていた。
次の瞬間、虎が吹っ飛ぶ。
目の前には、師父の姿。
上半身は何も着ず、鋼のような肉体を惜し気もなく晒している。
だが、その顔は常に、よく分からない妖怪のお面を被っていて、一度も見たことが無い。
妖怪のお面は、どこか虎に似ていた。
虎は、頭から血を噴き、よろよろと遠ざかる。
未熟者の自分が見ても分かる、この虎は、脳に深刻な損壊を負った。もう、助からないだろう。
『七星虎咬拳』奥義、『虎突打』。師父の一撃である。
自分は、師父に救われたのだ。
「展開。抜かるな。手負いの獣は手強いという。こいつらは、命の尽きるまで血を求める。おぞましき毛だものよ」
虎は、少し離れた所で屈み込む、よく見ると、そこには小さな、子供の虎がいた。
「師父、これは親子なのでしょうか?」
親子なのだろう。仔虎は、親虎の乳に吸い付いて、何やら母乳を吸っているようだ。
「この虎は、命の最後、血を求めずに我が仔を案じていたというのでしょうか・・・・
獣は、仔のためになら優しくなれるのでしょうか・・・・・?」
血を流し、それでも我が仔を慈しむその母親の姿は、とても美しく見えた。
「戯言なり。仔を持てば、その仔のために更なる血をもとめる。それこそ、呪われし獣の性よ」
師父は、どこか不愉快そうにその場を去る。
でも、師父。この虎は今、血を求めてなどいませんよ。
子供がいれば、獣は変われるのでしょうか。
優しい、優しくて暖かい、美しいなにかに。
呪われた獣の性から、解き放たれるのでしょうか。
「ほら、展開。こっちのほうが可愛いよ」
拳虎さまは、私の髪をいじりながら、穏やかに微笑む。
今まで、ほととんど無造作に分けてた髪は、頭の両端でお団子みたいに纏められていた。
拳虎さまは、師父の実子で、そして私の婚約者だ。
生まれた時から、決められていた。いつの日か私は、この人の子を産むのだ
生まれてくる子供は、師父の孫だから、師父もきっと喜んでくれると思う。
「展開、父からの言付けだ。明日の夜明け、僕と一緒に山頂へ来い、だそうだ」
「まあ、なにかしら?拳虎さま、私たち、いよいよ結ばれる日が来たのでしょうか?」
「いや、展開にはまだ早いよ。」
拳虎さまは、おかしそうに苦笑する。拳虎さまにとって、私は、年の離れた妹みたいなものなのだ。
いまだ、手を繋いだ事すらない。
「新たな試練を与える、と言っていたよ。父は嬉しそうだった。展開は百年に一人の天才だって・・・。
僕が十七年かけたのを、わずか四年で追い越した、てね」
そうなのだ。今の私は、拳虎さまより強い。拳虎さまには、屈辱だろう。
一回り年下の子供、それも女の子に、生涯かけて築いてきたものが、やすやすと追い抜かれてしまったのだ。
「それでも、展開は、拳虎さまをお慕い申しております。
この技も、ただ貴方のお役に立ちたいがために磨いたもの。拳虎さまあっての私なのです。」
拳虎さまは、くくっ、と笑った。どこかギラギラした、少し恐い笑みだった。
「よしてくれよ、展開。僕にも意地がある。」
拳虎さまは、そう言って私の手を握る。胸が早鐘を打つ。こんなことは、初めてのことだった。
「次は、僕の番だ。君に追い付き、追い越してみせる!なに、力は僕の方が強いんだ。
だから、展開。みていてくれ、きっと君に相応しい男になってみせる。」
それは、決意の表明だった。
この時、きっと初めて、拳虎さまは、私と向かい合ってくれたのだ。
うれしくなって、拳虎さまの手を握り返す。
大きな、とても大きな手の平だった。
「これより、最後の試練を与えるなり!」
それは、あまりにも唐突で突然で突拍子もなく、甚だしく馬鹿馬鹿しく不条理極まりなかった。
なんの前触れもなく、拳虎さまの体は、真っ二つに喰い千切れた。
師父の手によって。拳虎さまの、実の父親の手によって。
「『七星虎咬拳』は、呪われし獣の拳!情けは無用なり!」
拳虎さまから、血が噴き出す。はらわたが飛び出す。腸管が破れて糞便が撒き散らされる。
その目にはもう、あたたかな光はない。死んだことすら気付かずに即死していた。
「展開よ!お前の技は、もはや儂に並ぼうとしている。」
私の中で、何かが切れた。
私の中で、何かが壊れ、
「あああああああああああああああああぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!」
私の中で、何かが目覚めた。
無我のうち放った技は、師父の鎖骨と胸骨と背骨と心臓と肺臓と肝臓と腎臓と脾臓と大腸と小腸と胆と胃と三焦と膀胱とを、
根こそぎに喰い破っていた。
「見事なり!!」
ごふっごふっ、と師父は、お面の口のあたりに空いた穴から、血を噴き出す。
「展開、忘れるな!その、燃えるよな怒りを!焼け付くよな憎しみをっ!
それこそが『七星虎咬拳』の神髄!ただ一つ信じるべきもの!!」
師父のお面が、外れて落ちる。拳虎さまそっくりな、穏やかな笑みを湛えていた。
「これにて、『七星虎咬拳』、伝授されたなりっ!!!」
師父は、断末魔のように叫び、果てるようにくずおれ、地面に落ちた衝撃でバラバラに四散した。
収束・・・無の境地が辺を支配する。
終わった、戦いは終わったのだ。
まさるは読んでいた本を静かに閉じた。
感動だった。
出版社は勿論、民明書房。
著者はご存じ、大河内民明丸。
本の題目は、「魔拳・七星虎咬拳!〜著者自身の取材に基づく衝撃の実話!中国四千年の怪奇魔性!」
289 :
スペースNo.な-74:2008/03/25(火) 18:57:38
後書きを読み始めた
290 :
スペースNo.な-74:2008/03/25(火) 19:22:02
後書きを、読もうとしたら、謎のメモが挟まっていた。
よく分からないが、竹田潤司さんという人の支持者によるものらしい。
意味不明さにぽかんとしていると、不意に誰かが腕に抱きついてきた。
「あいやー?マサル様、何してるアルか?」
チャイナ服に、お団子みたいに纏めた髪、切れ長のつり目。
まるで絵に描いたような、萌絵に描いたようなチャイナ系美少女が其処にいた。
少女は、俺の手と手の平を合わせ、指を絡めてくる。
「マサル様、手、大きい・・・・・・」
何故だか寂しそうな声だった。
「あいや?マサル様、アレ何あるか?」
流れる景色の中、少女の指差す先には、アゼ道の中やけに浮いた小さな森があった。入り口の辺りに赤い鳥居が立っている。
「ああ、日本の神社は大体ああいう背が高い木に囲まれてるんだ」
しかし、ずいぶんと遠くにきてしまったものである
。朝一の便で出て、もう日が暮れようとしている。本当は、目的地に着くまでの間眠っていたかったのだが、
同行する少女は、俺が寝てる間に貞操を奪おうとするおそるべき獣性を秘めているのだ。
さすがは支那人である。下手に手を出すと面倒なことになるのは必定であろう。
俺は読んでいた本をバッグにしまう。ようやく着いたか。
『つぎは〜、よもつひらさかぁ〜、よもつひらさか〜』
よもつひらさか、そこは人知を越えた魔法の国。
目的地は、よもつひらさか3ちょうめ・・・
そこのけそこのけとお馬が通る
297 :
スペースNo.な-74:2008/04/20(日) 17:04:11
はくばにのったルルーシュさまが
「死ね!!」
「生きる!!」
「ぎ、ギアスが効かないだと・・・・っ!」
それを、遠くから眺めるおのこありけり。
舌なめずりする秋生なり。
ヨーコさんのおっぱい揉みたいと呟いた。
Ding Dong Dong っていう漫画とかゲームとかの同人小説が掲載されていたサイトがどうなったか知ってる人はいませんか?
最後に見たのが確か5年くらい前なのですが・・・
「ギアスが、効かないデブ・・・・!」
白馬に乗ったルルーシュさまは、よく見るとルルーシュさまではなく、ルルーシュさまのコスプレをしたキモデブであった。
「なんデブか、そのリアクションは?ここは、よもつひらさか3ちょうめ、魔法使い及び魔法使い見習いの巣窟でぶよ?
そんなパンピーなリアクションで、一体、ここに何しに来たデブか?」
そう、ここは、よもつひらさか3ちょうめ、魔法使い及び魔法使い見習いの町。
俺は早くも、常ならざる瘴気をひしひしと感じていた。
「妹・・・『あきらこ』という女の子を探している・・・・」
「ほう、我らが天子、この町の生き神、究極幼女神あきらこ様に逢いたくて来たデブか」
ラード男は、まるで敬虔な狂信者のような、熱のこもった口調でそう言った。
「そうそう、撮影会が、明日の2時からあるデブよ」
さ・・・・撮影会だと!?何だそれはっ!何故だろう、無性に吐き気がする!
「ほう、その様子じゃ知らなかったデブね?しかし、この時間ではチケット屋は閉まってるデブよ。明日も祝日だから開いてないデブね」
チケット・・・カネまでとるのか?
「だが、安心するでぶ!僕についてくるデブ!」
そこは、とても可愛らしい、しかし、いかがわしい店だった。
妹のあきらこが描かれた看板や、巨大あきらこフィギュアで飾り付けられた、異様な光景が広がっていた。
「喜ぶデブ!この、あきらこショップで15000円以上の買い物をすれば、撮影会のチケットも、無料でプレゼントされるデブ!」
あきらこショップでは、あきらこが、フリフリの衣装やスクール水着、体操服などを着た姿が印刷された
写真や小物や衣服などが、軽くぼったくりな価格で販売されていた。
目眩がする・・・何故に、俺の妹が、“こんなトコロで”“こんな扱い”をうけているというのだ・・・
「っの・・・馬鹿っ・・・・・!」
俺は、決意を新たにする。
一刻も早く、こんな所から、妹をつれ帰らなければならない。
308 :
スペースNo.な-74:2008/07/10(木) 10:58:20
続きはまだかw
俺は、店の隅で11600円ぶんの“だぶりゅーちゃん10さい”のグッツと、早売りLOを5冊手に取った。
妹の写真なら、もっといかがわしいのを、既に大量に保有している。
レジのおじさんは、俺が持ってきた商品を見ると、無愛想な表情をわずかに綻ばせて言った。
「にいちゃん、だぶりゅーちゃんが好きなのかい?」
「最愛の人さ」
俺は、一秒も迷わずにそう言った。
310 :
スペースNo.な-74:2008/07/19(土) 00:37:22
「……はぁっ?貴様今何と?だぶりゅーちゃんは俺の嫁だあぁ!」
暫く静かに時が流れた。それはおじさんが表情を一変させるのに充分な時間だった。おじさんはもはやわけの分からぬことをわめき散らしている。どうりで無愛想だった訳だ。
俺はそれを聞くだけ聞いて息を整え
「…もういいっすか?」
ところが俺のそれに合わせて、大音量で
『あーさーもよーるーもこーいこがれーてー』コードギアスのオープニング曲が流れる。
はっきり言おう。おじさんのわめき以上に煩さかった。あまりの煩さに些かムカッとしながらその音源の方向に睨みを効かす。
「ウェーハッハッハッ!シャーリーは 結果的に死ぬニダコーネリアはギオスヒャングダンでルルーシュにつかまって収監されるニダしかし後で混乱を乗じて脱出するニダ
シュナイゼルと合流するニダ扇はチォハブズンググック【超合集国】の日本解放作戦実行の時に千草(ヴィレッタ)と再会するニダしかしこの出会いによって扇はゼロに懐疑を抱いて組職を裏切ろうと心に決めるニダ
ディ−トハルトは ヴィレッタを人質にして組職を裏切ろうとする扇にそのまま副指令官役目を遂行しなさいという脅迫をするニダ扇は汎用した人物だがそうだから個性的なメンバーたちを一人も集めることができるということが理由ニダ
チォハブズンググック【超合集国】にはブリタニアに食われなかった中華連邦勢力とEUの残存勢力が参加しているニダチォハブズンググック【超合集国】の余分の司令官は星刻ニダサソングゴム中 朝比奈は核爆発に荒されて命を失うニダ
彼が残した最後の一言が黒の騎士団がゼロを裏切る決定的なキーワードになるニダゼロがブリタニアの皇子ルルーシュという事実を黒の騎士団は ゼロが今まで自分たちを弄んでいたのだと判断するニダ
描いて扇は裏切り勢力の最先鋒に立ってゼロを抹殺しようと思うニダC.C.は C.C.としてのすべての記憶を失って平凡な女に転落するニダスザクは 結局ルルーシュが記憶を取り戻したという事実が分かるようになって彼と1:1で出会いを持とうと思うニダ
しかしそんなスザクの行動は普段彼を疑ったシュナイゼルによって監視されていたし, 結局スザクを会いに来たルルーシュが自分がゼロと告白する瞬間シュナイゼルの親衛隊によってルルーシュは逮捕してしまうニダ
スザクとルルーシュの交わした対話は皆録音されていたし今まで一すべての事がギアスを通じて人々を操ることで可能だったというその内容は後に黒の騎士団裏切りの重要な素材になるニダ
一連の事件が自分を落とし穴に落とすためにスザクが構えた仕業だと思ったルルーシュは結局ドエチァッアがドン人間の心を捨てて完全な魔王で目覚めるニダニーナは 自分が開発したアトミックボムフレイヤの破壊力を 'ただちょっと強い爆弾' 位にしかに認識していないニダ
スザクはルルーシュとの対決でフレーは弾頭を発射してこれが東京租界に落ちながらおおよそ千万人近い死亡者を出すニダそしてこれを通じてナナリーも生死不明になる租界外郭にあったアッシュフォード学園は無事ニダ
312 :
スペースNo.な-74:2008/07/20(日) 21:49:34
皇帝は 全世界の遺跡を機動させてラグナロクに接続しようと思うニダこれを通じて古い世界を破壊して新しい世界を創造しようと思うニダカレンはグレンソングチォンパルグックシック【紅蓮聖天八極式】をひいて脱出に成功するが
結局ルルーシュとスザクのけんかをやめさせることはできないニダすべての黒の騎士団がゼロを裏切る中にカレンも選択の岐路に立つがルルーシュがそんな彼女を求めるために一嘘に心の傷ついて彼のそばを発つニダ
しかしルルーシュの最後の一言が去ろうと思ったカレンに彼の本気を伝える鍵になるニダロロは ギアスを使えば使うほど心臓に無理になる弱点を持っているニダ
黒の騎士団が皆裏切る中にロロだけは唯一に蜃気樓を導いてルルーシュを求めようと努力するがブリタニアと黒の騎士団連合軍の執拗な追い討ちを弾き出すために必要以上にギアスを使った結果結局命を失ってしまうニダ
ギルフォードも結局オレンジの道を歩くニダ皇帝知らずにギアス恵大韓情報を集めていたシュナイゼルはコーネリアがすべての情報とルルーシュと係わる情報を総合して何やら構えようと思うが黒の騎士団はルルーシュを渡してやる代わりに日本を解放させようと要求するニダ
ディ−トハルトも結局にはルルーシュを裏切るニダ(あなたの放送はここで末です)玉城も裏切るニダ黒の騎士団メンバーの中に明白に裏切りの意志を見せない人はカレンだけニダ扇は二度ゼロを裏切ろうとするニダ
一番目はヴィレッタと会った直後だったがディ−トハルトによって阻止されてしまうニダしかし二人の番目であるシュナイゼルの暴露後にはディ−トハルトさえゼロに懐疑を抱くようになりながら彼の裏切りを阻む者は誰もいなくなるニダ
C.C.が記憶を失って平凡な女になったことに責任感を感じたルルーシュは彼女の左手薬指に指輪を嵌めてくれて自分と一緒にいなさいと話すニダC.C.はルルーシュを '殿さま'と呼んで彼のそばを発たないニダ
ニューオレンジは神さま気体【ジークフリード?】とともにルルーシュの仲間になるニダ親衛対的な感じニダ!」
313 :
スペースNo.な-74:2008/07/21(月) 19:34:17
う・ん・ち・く
韓国バレ KANKOKU-BARE
アニメの下請けである韓国人業者による日本アニメの情報流出のこと
放送前の動画がネット流出したり、ブログでネタバレを公開されたりしている。
ブログでは、「これは嘘ニダ冗談ニダ」と断っているが、アニメのストーリーはネタバレ通りに進行している。
厳密にいうと細部で違う所もあるが、これは
@早売りジャンプの感覚で虚実入り交じったネタバレをしている
Aこのチョンも完全に把握していない
の二つの可能性が考えられている
314 :
スペースNo.な-74:2008/07/24(木) 19:43:29
その、右の人が運転するような街頭宣伝車は、コードギアスのオープニングテーマをバックミュージックにしながら
コードギアスのネタバレらしきものを演説しながら走行していた。
俺は、その(以下、人権擁護法案が成立した暁には、摘発される可能性があるため省略します)
315 :
スペースNo.な-74:2008/07/25(金) 19:25:42
懐かしい匂いがする。硝煙の匂いだ。
俺は、フランスにいた頃を思い出す。
「大丈夫アルかぁ、マサルさま〜?」
服に付いたコンクリ片を払っていると、萌が駆け付けててきた。
全身が鮮血に染まっている。どうやら、返り血のようだ。
「こわかったアル・・・まさか、あんなことになるなんて・・・・・」
そう言って、俺の腕に抱きついてくる。
歳不相応の大きな乳房が押しつけられる。
その図々しさに、無性に腹が立つ。
俺は、ポケットからリモコンを取り出す。
「あぁっ、だっ、だめアル、マサルさまっ!」
スイッチを入れ、出力を最大限に設定する。
「だっだだぁめだめだめだめだめっ!やめてっ、やめてやめてやめてっっ!!マサっ、あっあっ、ぁぃやぁ、ぅ、うぁぁぁぁぁ!」
萌は、ビクビクと痙攣しながら、だらしなくへたりこむ。
俺は煙草をふかしながら、去年のことを回想していた。
俺はフランスから某国に向かう客船の中にいた。
船は信じられない程激しく揺れ、船内には凄まじい騒音が轟いていた。
「ちっ、わざわざ普通の船で移動してたんだが・・・・・見つかったか」
俺は、机の上に置かれたアタッシュケースを見ながら呟く。
「だいじょうぶだよ、おにいちゃん」
部屋の隅、妹のあきらこが、スカートを脱ぎながら言った。
妹は、下半身には下着以外なにも着ていなかった。
「おにいちゃんは、あきらこがまもるもん」
うんしょっうんしょっ、と大型の旅行鞄を引きずってくる。
鞄を開け、二門のGAU-22/A 25mmガトリング砲をベルトでたすきがけにし、軍刀を専用のベルトで腰に佩刀する。
そして最後に、飛行脚(ストライカーユニット)X-32J『雷霆』に足を収める。
『雷霆』は、エネルギー推進方向を可変させることにより垂直離発着が可能な数少ないストライカーユニットである。
通常のストライカーユニットでは離発着の際、一定距離の滑走路を必要とするが、垂直離発着可能な『雷霆』ならば、滑走路の無い一般客船での離発着が可能だ。
その瞬間、窓の外に赤い閃光が走る。刹那にして大量の海水が蒸発し、大規模な水蒸気爆発を起こす。
凄まじい爆風に窓硝子は爆ぜるように砕け散るが、その災禍は俺には届かない。
目の前には、青白く輝く魔法陣が空間に描かれていた。あきらこの魔法障壁である。
「おにいちゃん・・・あきらこ、いくね」チラリ、と妹の視線がこちらを向く。どうやら、俺に何か言ってほしいようだった。
「ああ、とっととやっつけてきてくれ」
気を遣ったつもりだったが、あまり気のきかない言葉だなと思ったが、妹は満面の笑みで返してくれた。
「うんっ!まかしてっおにいちゃん!すぐやっつけてくるから!」
そう言うと、妹は1ミリの助走もせずに、硝子の割れた窓から空へと飛び出して行った。
ゼロ助走からの離陸。これは『雷霆』の性能よりも、むしろ、あきらこのポテンシャルによるところが大であろう。
さすがは、世界で七人しかいない超甲種ウィッチだけのことはある。
「みつけた!」
客船からおよそ300メートル地点、鉛色の巨大な立方体が空中に浮かんでいた。
その表面は滑らかで、周囲の景色を鏡のように映していた。
あきらこは、接近しながら二門の機関砲による水平射撃を敢行する。
銃撃を受けながら、立方体の鏡面の所々が赤熱化し、怪光線が放たれる。
あきらこは、怪光線を魔法障壁で弾きながら、緩旋回で回り込みながら射撃を続ける。
「えっ・・・あれぇ?」
しかし、奇怪な現象が起こっていた。立方体が、怪光線を放つため赤熱化した部位が、ドロドロと溶解していた。
だが、鏡面のあきらこが映った部位だけは、さざ波すら立たず滑らかなままである。
鉛色の立方体は、あきらこの鏡像だけ残し融解し崩れていく。
赤熱した溶解物は、海面に落ちると、よほど高温であったのか水蒸気爆発で水柱があがる。
立ちこめる水蒸気で、視界が塞がれる。
その瞬間、魔法障壁を何かが激しく叩きつける。先程の怪光線とはに違う衝撃づある。
危険を感じ、旋回し離脱する。水蒸気から出て見ると、それは、明らかにガトリング砲による攻撃だった。
「ぇ、うそ・・・!」
水蒸気から飛び出し追撃する敵影を見て驚く。
それは、左右逆写しの、鉛色をしたあきらこだった。
『∞タ!&£リ$&;%#¥℃°ハ☆♭ゑΞσ$?@+名*♀★ハヌ※@♪マξД‰Å∬∫』
鉛色のあきらこは、元気いっぱいに頬笑んだ。
320 :
スペースNo.な-74:2008/08/30(土) 23:50:11
この世界には、超甲種ウィッチ、あるいは特別甲種ウィッチ(特甲種ウィッチともいう)と呼ばれる、全てのウィッチの頂点に立つ七人のウィッチが存在する。
通例としてこの七人のウィッチは、素敵な二つ名で呼称される。
百鬼夜行(ファントムレギオン)
航空事故(ハードラックダンス)
死兆星(ディザスター)
不法占拠(ジャンクヤードジャック)
罪人倶楽部(ギルティギルド)
聖十字(サンタクロス)
雷霆(ライトニング)
以上の七つが、七人の最上位ウィッチの二つ名である。
このうち、雷霆(ライトニング)は史上最年少の幼女であり、そして、その二つ名は彼女の航空戦闘技術から名付けられたものであった。
321 :
あきらこ:2008/08/31(日) 11:37:06
ねぇねぇ、つづきはつづきはー?
322 :
スペースNo.な-74:2008/11/26(水) 01:57:44
323 :
スペースNo.な-74:
ぐだぐたやね