ここは、自分の書いた小説が魅力があるかどうか、
皆に判断してもらうスレ。判断してもらう際に、
何部ぐらい刷るとが適当かと聞くのも良い。
できるだけマジレスキボンヌ。ジャンルは問いません。
そんでは。是非活用してくれさい。
ショートショート?
長編でも短編でも短パンでも来いやゴルァ!!
平成十五年三月二十五日。午前4時。
静かな風が吹く青白い寒空の下、この話の主人公、安藤麻美は、大きな赤いリュックと共に、家を出た。
今日家を出て行った事は、親には秘密だ。そう、世に言う家出である。
かといって中学生の麻美は、このままずっと家に帰らないわけでもない。
よく、女子高生やらが口にする「プチ家出」らしい。麻美は埼玉に住む、そこいらに居る普通の中学生だ。
笑ったり、怒ったり、泣いたり、なんら変わらない一日を過ごして生きてきた。
では何故麻美は家出をするのか、理由は、新たな自分を探すため。
今まで麻美は決して自分の足でちゃんと生きてきたことがなかった。
小さいころの麻美の生き方は親が決めてきた。希望や夢を持ったって、
幼少のころの麻美は嫌われるのが怖くて、「これがやりたい」だなんて
口にする事ができなかった。小学校からの麻美だって、
「いつも皆と同じでなければ変」この言葉が、いつも心の真ん中にあった。
麻美は決しておとなしい女の子ではなかった、どちらかと言うと、騒がしいグループの中にいて、
弱い自分をはぐらかしてきた。麻美には、本当に夢も希望もない。
して、やりたい事だってない。特技もない。言ってしまえばなにもない。
大切な物だって、友達だって。携帯のアドレス帳に入っている友達は、
一緒にいるときだけの友達。簡単に裏切れるし、裏切る。だから、
家出をして泊めてくれる友達のナンバーなんて入ってないし、いない。
麻美はこんな自分に嫌気がさした。嫌だ、辛い、逃げ出したい。
麻美は、こんな人間が自分だなんて、信じたくはないだろう。
だけど、これは認めたくなくとも事実。だから麻美はしっかり事実を
受け止めて、新たな自分を探そうと、家を出るのである。
そろそろ日が昇ってきた。どうやら、出発の時がきたようだ。
麻美は、愛用の青い自転車を東京に向けて、まっすぐ転がして行った。
続きは↓のスレでお楽しみください。
行き先は、家出する一週間前、インターネットで見つけた、
ちょっと不思議な寮といわれている、「小鳥寮」と言う寮だ。
家賃が無料で、精神的に不安定な人達が住むタメの寮である。
麻美が、寮に入りたいことと、自分が家出と言うワケありである事を、
そこの寮にメールで伝えたところ、管理人が、ワケありである事を許す代わりに、
そこに住む人達の悩みを聞いてあげて欲しいと言う返事が返ってきた。
麻美は、なんにもない自分が何か人の役に立てると思うと、とてつもなく嬉しかった。
ワクワクして、笑みがとまらなかった。埼玉から東京まで、カナリの距離ではあるが、
楽しみで、楽しみで、疲れなんか感じなかった。春の風が流れ、綺麗な髪の毛が風と踊る。
青い空がとても綺麗だ。麻美が景色に見とれ、自転車を転がしていると、
木でできた、ちょっと古風な大きな建物が眼に留まった。
白い看板がついていて、「小鳥寮」と書いてある。
どうやら、此処が麻美の住む寮らしい。麻美は自転車を投げ捨てて、
小鳥寮へと向かった。花や木に囲まれた庭、自然の香りが清々しい。
麻美は大きく深呼吸をし、胸に手を当て、ドキドキする鼓動を押さえながら、
インターホンを押しおた。手が・・・震えている。
体が熱くなってきて、鼓動が早まる。
続きは↓のスレでお楽しみください。
・・・・・・ガチャッ
「あら、いらっしゃい。貴方が、安藤 麻美ちゃん?」
優しそうな顔をした高校生ぐらいの女性が出迎えてくれた。
笑顔で微笑んでくれてはいたが、どことなく、悲しそうだった。
麻美は、震える声を抑え、勇気を出して、
「 はいっ!初めまして、メール致しました。安藤 麻美です。
宜しくお願いいたします!」
と言った。すると優しい顔をした女性は、
「・・・・此処に来て、「宜しく」なんて聞いたの、何年ぶりだろう。それじゃ、私からも自己紹介しなきゃよね。
初めまして、須藤 雪です。5年くらい前から、おじい様に此処の管理人を
やらせてもらっているの。
続きは↓のスレでお楽しみください。
あなたの部屋は、「水色部屋」よ。他にも3人の子が住んでいるの。
皆同じぐらいの年代だからきっと話しやすいと思うわ。」
雪の話を聞いて、麻美は嬉しくなった。これから、小鳥寮の人達の役に
立てると思うからだ。ただ、「宜しく」と言われたことが久し振りって、
どうゆう事なのだろう。その事が心に引っかかった。
雪は、洋風のお洒落な戸棚から何かのキーを取り出した。青く輝いて
いて、それは、それはもう綺麗だった。雪は、また悲しげに微笑むと、
ゆっくりと口を開いた。
「はい、これ。水色部屋のキーよ。なれない環境で大変かもしれないけれど、
頑張ってね。」
麻美は、キーを受け取ると、嬉しそうに笑った。なんだかうまくやっていけそうな気がしたからだ。
これからは、自分の足で、自分の意思で生きていける。そう思えた。
その後、風呂の時間、洗濯、食事について、などの話を沢山聞いた。
話を聞くたび、ワクワクしてくる。麻美は、話を聞き終えた後、
水色部屋こと新しい自分の部屋に向かった。水色部屋は2階の窓際に
ある。ドアが綺麗な水色で塗られている。ドアをあけると、大きい窓にカーテンが
かかっていて、水色のベットと青い戸棚がおいてあった。
麻美は赤いリュックを下ろすと、荷物の整理を始めた。折りたたみ式の
テーブルを組み立て、日記帳と筆記用具を取り出した。今日は、
ここの寮で共に暮らす人達の初めて会った感想を書き込もうと決めた。
麻美は、一刻も早く友達になりたくて、急いで2階を下り、リビングに
駆けていった。リビングのドアをあけると、夕食の準備をしている雪と
、1人の女の子がいた。真っ黒なワンピースを着て、日のあたらない場所にある、
真っ白な椅子に腰をかけていた。1人の女の子は麻美より、
一つか二つぐらい年下で(続きは↓のスレでお楽しみください。
真っ黒なショートカットの髪型で、とても華奢な体つきをしていた。
その華奢な彼女の顔は、とても弱々しく、今にも泣き出しそうな顔を
していた。麻美自身驚いたが、麻美はその子の事を知っていた。
もの凄い予知能力を持った女の子。米倉 吉良だ。一時期雑誌やテレビ番組などで
騒がれていて、なんの特技もない麻美は彼女の事をうらやましく思っていたのだ。
だが、その彼女は、半年前に忽然と姿を消した。理由は分からない。麻美は、
半年前とはずいぶん違うとても華奢な体に驚いた。麻美は話しかけるのを一瞬、
躊躇したが、弱い自分を殺し、声を掛けた。
「初めまして、私が今日から此処の寮に住むことになった、安藤 麻美です。
一人での生活は初めてだから、迷惑かけるかもしれないけど・・・・・」
麻美は、吉良の隣にあった、黄色い椅子に、ゆっくりと腰をおろした。
半年前とは言え、世間で騒がれた有名人と話すのは緊張するものだ。
言葉がでなくなってしまった。麻美はドキドキしたまま、吉良の返事を
待つばかり。雪の作っている夕飯の匂いがして、小刻みな時計の音がして、
沈黙が数分続いた。麻美は、何も言い出せずにいた。そんな時だった。
吉良が弱々しく小さな口を開いた。(続きは↓のスレでお楽しみください。
10 :
スペースNo.な-74:03/03/20 22:01
ちなみに、大きな話題ごとに区切られたものをスレッド、
略してスレという。すなわち、これ全体で1つのスレである。
そしてスレの中身にあたる、投稿の1つ1つをレスポンス、
略してレス。
張ってる奴、覚えときや。
「・・・・・・聞きたくない。」
それはとても小さな声だった。今にも消えてしまいそうな、かすかな声。
麻美は一瞬、やっと口を聞けたと安心したが、その言葉を聞いたときは、
とても驚いた。麻美は焦る気持ちを抑えつつ、声に汗を流して、言った。
「どうゆう事? せっかく仲良くしようと思ったのに・・・」
麻美の顔が曇った。それと同時に吉良は悲しそうな顔をしてこう言った。
「・・・・聞きたくないよ!だって貴方だって死んじゃうんでしょ!?
何時か消えてなくなってしまうものなら、最初から無くて良い・・・・。
なにもいらない!・・・・・聞きたくないっ!!!!」
麻美は驚いた顔をして、
「そりゃあね?何時かは私だって死ぬよ?だけどなんでそんな怖い
言うのさ。生きてるんだよ?アンタだって、私だって、
今、今此処にいるよ?若いアンタが何でそんな考え起こすのさ・・・・。
無理いじりまでして聞こうとは思わないけど。私、此処に住んでる人の
役に立ちたいんだ。」(続きは下のスレでお楽しみください。
>>10様
了解しますた。親切にセンキュウ。
麻美は、この時、焦らず吉良を見据えていた。きっと、此処で焦ったら、
この先、新しい自分なんて絶対見つけられやしないから。だから、だから、
しっかり受け止めようと思ったんだ。すると吉良は、重たい口を開いて、
ゆっくり、ゆっくり話していった。
「・・・・・私、私ね、半年前ぐらいかな?ちょっと、テレビとか、
雑誌とかで騒がれてたの。なんでかって言うと、私、ちょっとした予知能力を持ってるの。
例えば・・・そうね。あそこに置いてある、ウサギの置物が後10分で落ちるわ。」
吉良は、窓に置いてある兎のヌイグルミを指差した。吉良は、
大きなため息をつくと、また話を始めた。
「初めて、テレビに出た時にね、家族とか、友達とか、沢山の人が、
すごいね。って言ってくれたの、私、嬉しくてたまらなかったの。
私、この能力以外に何にもできる事なかったから・・・。
だから、だからね、私一生懸命、もっと、ずぅっと先の事を読もうとしたの。
誉めてもらいたかったから。けどね、この能力の頂点まで行った時には、
・・・もう、遅かったんだね。私、人が死ぬ場所、死ぬ年齢、死んでしまう理由が
判るようになってしまったの。そうだね、丁度半年前の時なんか、
死ぬときの顔まで判ったっけ。あの時は、辛かったなぁ・・・・・。」
続きは↓のレスでお楽しみください。
吉良の顔から涙がつたった。それでも無理して笑う彼女は、
見ていてとてもじゃないけれど、痛々しかった。吉良は涙を堪えると、
また、ゆっくりと話し始めた。
「・・・・それでね、私。仕事やめたいって言ったの。もう嫌だって。
そしたら、テレビ局から、すぐにポイッておいだされちゃったの。
ビックリしたんだぁ。でね、悲しくって、耐え切れなくなって、
友達に電話したの。そしたら、「なんだ、ヤメちゃったの?
面白くな〜いっ」って言われちゃってね。中には「そんな事で掛けて
こないでよ。」っていった子も居るのさ。あん時きゃ、お前の死ぬ時期
言ってやるぞ!って思ったけなぁ。それで、親に言ったら、友達見たく
裏切られるんじゃないかなって思ってさ、怖くなって。その時、
雪に此処に来ても良いよって言われたんだ。」
吉良は、泣いていた。笑っていた。確かに笑っていたのだけれど、
辛そうで、悲しそうで、痛々しくて。眼には大粒の涙があふれ出ていた。
麻美は、この話に一つの疑問が浮かんだ。だけれど、きっとこの質問は
聞いてはいけないことなのだろう。麻美は聞くのを一時と惑ったが、
意を決して聞くことにした。
「その・・・・さ。寿命とかが判るって言ってたじゃん?吉良は、
自分の寿命とか、死に場所とか、もう分かってる?」
すると吉良は涙を拭いて、こう言った。
「うん。寿命だって、死ぬときの場所だって、死ぬ理由・・・・・・。
全部分かってる。貴方の寿命も同じように、分かってるよ。」
麻美は正直、吉良が怖かった。自分の寿命が分かるなんて。
きっと吉良は自分の寿命を知りたいといったら答えるだろうから。
聞きたくなってしまう自分が此処にいるのに気づくと、
自分さえも怖く思えた。吉良は、怯えている麻美を、切なそうに
見つめながら、ドアの上にかかっている時計を指差した。
「ほら・・・・十分たったよ。」
その時だった。窓の外から、冷たい強風が舞い込み、パタッと
兎のヌイグルミが赤茶色のジュウタンに落ちた。
吉良は、立ち上がり、兎のヌイグルミを抱き上げ、先ほど舞い込んできた風と
同じような冷たい声で言った。
「ね・・・・? 言ったとおり。」
・・・・・見たいな。これを後5Pぐらい付け足して、
フルカラーの表紙にして、5円ぐらいで売りたいです。
いかがでしょうか?感想お待ちしてます。
(自分だったら買う。買わない。とか)
長文レスすまそー。ちなみに漏れは1れす。
イイね、空気が伝わってきたよ♪
18 :
スペースNo.な-74:03/03/20 22:30
同じく。雰囲気が伝わる丁寧な表現をしてるとおもた。
推敲の余地はあるけど確かに雰囲気は伝わる。
後はどう話を運ぶか、だね。"終わり良ければ"じゃないけどさ。
有難う御座いますた。
漏れは嬉しいです。
長文読んでくれた、17,18,19様の為にも、
最後までガンガルょ!
最後まで書き上げたらまた来ます。
他の皆さんの意見も聞きたいれつ。
いつでも、お待ちしています。
21 :
スペースNo.な-74:03/03/21 09:44
>>5 冒頭だけ読んだけどなんつーか、プチ家出の説明が長い。
新語やオリジナルの設定である場合ですら簡潔にすべき。
無駄に文字数をかけすぎ。
主人公の動機や背景にしても、エピソードを交えながら
少しずつ伝えていけばいいことで、直接的説明に頼る
方法は読むものを萎えさせる。
説明書を好んで読む人はあまりいない。
>>21様
ご意見有難うです。
なるほど〜。漏れの小説は説明書なワケですね!!!
ちょっと内容を軽くしてみまつ!
そしたらまた評価して頂けますかね?
漏れも、読者さんに想像を楽しませる事ができるような、
そんな本を作って生きたいです。
@ところで私はまだ小学生なので、同人のイベントにも参加する資格が
ないのですよ。義務教育を無事終了できたら、サークル参加したいのですが、
私の文章力は世間に通用する才能があるのでしょうか。
才能はこれから自分で作っていこうとも思うのですが・・・・。
皆さんの意見、お聞きしたいです。
それでは、乱文乱筆ですが、失礼させて頂きます。
最近の子は礼儀正しいな〜・・と素直に感心してみる。
がんがれ〜。
24 :
スペースNo.な-74:03/03/21 19:55
悔しさが滲み出てるなw
無能にありがちな傾向だ。
25 :
スペースNo.な-74:03/03/21 19:57
>>22 セリフの終りに句点は付けない。
点(・・・の事)は……にする。つまり、三点リーダ2個。
小説の基本だから覚えておこうぜ!
あとさ、同人でない普通の小説は創作文芸で晒した方がいいかも。
1ぐらいのレベルであれば(というか、ふざけた文章でなければ)レス沢山貰えると思うし。
カップリングだとか、やおいだとか、エロだとか、
そういうのは向こうで嫌われるからさ。評価貰えないんだよ。
だからここで評価して貰えたら嬉しいっす。
26 :
スペースNo.な-74:03/03/21 19:58
>>24は放置。そんな事いったら評価なんてできませんYO
27 :
スペースNo.な-74:03/03/21 20:05
小説の基本みたいなことを指摘されるレベルのくせに
評価者に逆ギレして嫌味を書いてくるヤツに才能があるとは
思えないが。身のほど知らずにもほどがある。
冒頭から説明である必要はないと思う。
同じだけ説明するにしても、
会話の中に組み入れるとか後に回すとか。
そうすることで米倉さんとの対比が引き立つかも知れないし。
道中の思いも入れた方がいいかも。
と、自分のことは棚に上げて言ってみる。
29 :
スペースNo.な-74:03/03/21 20:24
「同人小説として、アリかナシか」を見ていこうぜ。
同人誌またはウェブ上に展示して、そこそこイケるかイケないか。
「小説」を見て欲しいヤシは創作文芸へドウゾ
30 :
スペースNo.な-74:03/03/21 21:41
31 :
スペースNo.な-74:03/03/21 22:20
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[email protected] グローバル探偵事務局
内容は他の方に任せて。
まず冒頭、効果的にするためだと思うけど句読点が多く読みにくい。
>静かな風が吹く青白い寒空の下、この話の主人公、安藤麻美は、大きな赤いリュックと共に、家を出た。
ぶつ切りです。
かと思えば、必要であると思われるところに句読点がなかったり。
雰囲気も大事ですが、読み手を疲れさせないことも大事です。
あと、小説はセリフの行、カギカッコで始まるところ以外は1マス開けること。
カギカッコはそのまま改行後打ち始めて良いですが、地の文はスペースを
1個おきましょう。これについては、そうした分としなかった分でプリントアウト
してみると違いが良くわかります。
なんかネタスレのような気がするけど・・・
ほんとに小学生だとして・・・
今はまだまだだけど将来の可能性はあるとおもう。
現時点でこれだけ書ければ合格点。
高校生以上・・・
才能なし。小学校からやり直し。
細かいことだけど、
気になってしょうがないのでこれだけ言わせて。
>どうゆう事なのだろう
どういう、ね。
便乗デス。
以前某所にうぶしたものを、ちょっと修正したんものなんですが、
採点していただけると嬉しいです。
**********************************************************************
荒れ果てた街の中、この8年、少女は必死で生きてきた。
少女は孤独だった。
両親が殺されたのは、彼女が9歳のときだった。
彼女にとって、確かにそれは運命を左右する出来事ではあったが、
この街で毎日起きる犯罪のひとつに過ぎないと思えるようになるまでさほど時間はかからなかった。
彼女は生きるために何でもした。犯罪と日常の行為に境界線はもたなかった。
彼女が17のときだった。
夕暮れ時に川沿いの道を歩いていると、川原の橋の下から携帯の着信音らしき耳障りな音が聞こえてきた。
叫び声や銃声にすら、めったに気を留めることのない彼女だったが、
その「音」に殺意にも似た「衝動」を感じたことに、彼女は動揺した。
彼女の本能が警告を発していた。
「危険!」
彼女がこの危険な街で今まで生き延びてこれたのは、野性的な嗅覚で
危険をいち早く察知することができたからだ…… そう彼女は自覚していた。
今まで何度その恩恵に預かったことか…。
その彼女の本能が、今また危険を察知している。
「絶対に関わるべきではない!」
彼女は自分自身に強くそう言い聞かせた。
だが、彼女はその場を立ち去ることができなかった。
あの「音」には何かがある!
彼女の鼓動は早まり、冷たい汗が流れ落ちるのを彼女は感じた。
彼女は川原をゆっくりと降りつつ、橋の下に黒服を着た若い男の死体があるのを確認した。
銃で撃たれたのだろう。血が川に向かって流れた跡があった。
血は乾き始めているようだし、彼女も銃声は聞いていない。
もちろん周囲に危険がないか警戒は怠らなかったが、
川原を半ばまで下ると、無防備にも彼女は男の死体に駆け寄った。
男の懐から携帯の着信音が聞こえてくる。
彼女にはその「音」を耳にした覚えはなかったが、
それが、彼女にとって意味のある「音」であることだけは確信していた。
彼女は鼓動が一段と早まるのを感じた。
**********************************************************************
冒頭だけなんでつが。
ヲチはもうみえみえですが、彼女の両親が殺されたときに
彼女が聞いた音・・・みたいな感じでつ。
39 :
スペースNo.な-74:03/03/21 23:58
>>37 テキトーだがレス。
読むのに苦痛ではなかった。続きがあってももう少し読めそう。
ただ、「荒れ果てた街」とか「携帯の着信音らしき耳障りな音」とか
あまりにも芸がないのではないかw
ちょっと自分の伝えたいことを漏らすまいと言葉を詰め込みすぎる
きらいもある。
また読み手がどの時系列にいるのかも不明。17のときの回想から
そのまま17のリアルタイムに意識が飛ばされる。ちょっと不快だな。
批評にありがちな悪いとこ探しですまそ。
>>39 レスありがとうございます。
言葉詰め込みすぎですか、それってうざく感じると思うので気をつけないとだめですね。
読み手としたらかなり冷めるでしょうから・・・。
舞台設定が現代の日本とかじゃなくて、ありきたりですが
昔は治安よかった都市部→今は治安はとても悪くちょっと廃れ気味って感じなんですが、
それを「荒れ果てた街」で端的に表現してみました。(つもりでした。)
しょっぱなから解説長いとはじめで冷めると思いましたので。
>時系列
1段落目から2段落目の移行ですね。もっと読み手にわかりやすく
すんなり移行できるように気をつけたいと思います。
参考になる感想ありがとうございました〜。
41 :
スペースNo.な-74:03/03/22 01:51
>>40 荒れ果てた街なんてのは一言で終わらせずに、街の描写で
表現したいね。そのほうが文字数はかかるが、詰め込みの
印象はなくなる。解説が長いと読者は疲れるが、冒頭で気持ちよく
その世界を案内してあげるのも書き手のテクニックですよ。
主人公がすこし歩き回ってエピソードがともなえば、それは
解説のための解説ではないし。
ちょっとお聞きしたいんですが、ここではやおいも受け付けてますか?
もしOKだったら是非ご意見が欲しいのですが…
>>42様
ども1です。やおいは平気か?との事ですが、
小説であれば何でも良いですよ。
是非ご活用下さいませ。
>>23様
いやぁ。我はとんだ無礼者ですよ。はい!頑張らせて頂きます。
>>24様
うい。漏れは無能なので、此処で知識をつけさせて頂きます。
>>25様
おぉ。素敵なアドバイス有難う御座いました。すぐに修正させて頂きます。
>>27様
嫌味を言っているつもりはなかったのですが・・・・。
不快に感じられましたら申し訳御座いません。
これからも評価宜しくお願いいたします。
>>28様
なるほど。そういう手があったのですか!!有難う御座います。使わせていただきます。
>>29様
有難う御座います。行ってみます。
>>30様
や。別に意識してやったわけではないのですがね。
>>31様
はい。3月25日に卒業を控えている、12歳でござんすよ。
>>34様
お〜。詳しい説明。有難き幸せ!修正してみますね〜。
>>35様
先ほども言いましたが小学生っす。私って、小学生らしくないのですかねぇ〜。
自分としては自己管理がままらないフザけた厨房に思えるのですが。
そうですか〜。合格点を頂、うれしく思っています。これからもガンガリます。
>>36様
あ〜。なるほど。日本語ってムズカシイネ!!!
ご指摘有難う御座います。これからも宜しくです。
>>37・38様
ご利用有難う御座います。私はまだ人の事を評価できるほど
偉くはないので評価はできませんが、これからもお互い頑張りましょうね!
@それでは。引き続きレスお願いいたします〜。
45 :
スペースNo.な-74:03/03/22 08:43
もっと文をちじめたほうがいいんじゃない?
>>45 ×ちじめる
○ちぢめる
お前が言うな。それともネタ?
>42
21歳以上なら8○1板へおゆき。
専用スレあるから。SSを評価してくださいっての
だれか削除依頼だしてきてください
だれかこのスレの削除依頼だしてきてください
だれかこのスレの削除依頼だしてきてください
ありがとうございます
21歳以上じゃないのですが、2ヵ月後に行ける年齢になるので、それまで待ってみます
はっきり言ってしまえばね、1さんの小説面白くないです。
買って読もうと思えるような内容じゃないよ。
家出少女、不思議な寮、悩み相談で相手を癒す。そして主人公の成長(これは想像だけど)。
どこにでもあるようなありがちな設定。内容。
ありがちでもいいんだけど、もっと面白く見せるように工夫しないと。
それに肝心の主人公がこの物語に流されているだけのような気がする。薄っぺらい存在に見えます。
あと評価してもらうときは全部晒してからにしてほしかった。
終わりを見ないと本当のところなんとも言えないし。
その他欠点をあげればきりがないけど、小学生でこれだけ書ければまあ良いほうじゃないかな。
有名な作品とかを読んで勉強してがんばれ。
53 :
スペースNo.な-74:03/03/22 21:13
1がウザイせいで伸びない、典型的なケースだなここは。
54 :
スペースNo.な-74:03/03/22 22:00
だれかこのスレの削除依頼だしてきてください
1は名無しに戻って大人しくしろ。いちいち全員にレス返すのもウザ。
いや このスレ、カナーリ(・∀・)イイ!! と思うよ。
アマの未熟な文章(…という言い方は気の毒だがやっぱりプロじゃないからね)に
どこが良くないかをズバズバ批評するのは、作者本人は元よりROMなオレたちまで
勉強になる。存続をハゲしくキボン。sageでコソーリな。
漏れも存続きぼん
だけど1は大人しくしる
58 :
スペースNo.な-74:03/03/27 23:09
あげ!
59 :
スペースNo.な-74 :03/03/28 19:31
分かった〜。
大人しくしるよ。
60 :
スペースNo.な-74:03/03/29 12:23
あの…同人小説でもいいんですよね?
シャーマンキングの、夫婦ネタでもいいですか…?
ヤメロ、と言われたらやめます。(でも評価して欲しいけど・・・
61 :
スペースNo.な-74:03/03/29 13:00
>>1 読みやすかったよ。センテンスが短くて簡潔なのはいいね。
でも1の小説には、「少しでも小説を勉強した人なら絶対これはやらない」ってことが目立つ。
やっちゃいけないこと連発というか。(紋切り型の表現ってわかる?それが多い)
自分探しっていうテーマも、陳腐過ぎるね。(今時、テレビのバラエティ番組でもやってるし)
このままだと、1と同年代か年下の、小説を読み慣れてない人にしか受けないと思う。
62 :
スペースNo.な-74:03/03/29 21:17
>>60
オケ。寧ろ御願い。
63 :
スペースNo.な-74:03/03/29 21:18
つーか、ここ同人小説晒すスレっしょ?違うの?
やおいもエロも何でも来い!
65 :
スペースNo.な-74:03/03/31 02:14
>>60 取り敢えず、
>>25基本を徹底しる。
空気的に良い感じだな、と思いました。
えーと、今は寝不足で頭が回らないので、詳しい評価はまだ後日にでも……。
他のひとよろすく(他力本願age)
>60
一人称で語らせる場合、一本の小説の中に二人の語り手がいるのは
やめておいた方がいいかと。
長編なら場合によってそういうやり方もありでしょうが、
短編でやると印象が散漫になりがちなので。
タイトル通りに葉を巡るアンナとハオの確執というテーマに絞るのなら、
前半の葉の一人称部分はいらなかったんじゃないかと思います。
葉のハオに対する心情はアンナに推測させ語らせる、
もしくはアンナと葉に会話させることによって、かなり伝えられるのでは?
思いつく場面をそのまま無制限に作中に取り入れるのではなく、
全体のバランスを考えて書かれると、作品全体が締まると思います。
自分が何を書きたいのかを明確に持って書かれている方だと思うので、
ほんの少し工夫すれば格段によくなると思います。
それと、これは個人的な好みになるのですが、
「五月蝿い」と書かずに「うるさい」と素直にひらがなで書いた方が
伝わりやすいかなと思います。
恥ずかしながら、昔なんて書いてあるのか読めず、
いちいち引っかかってしまったことがあるので。
いろいろ書いてしまってすみません。頑張って下さい。
一つの作品の中で一人称が入れ替わる作品にしては
読みやすい印象を受けました
その代わり、話から受けるインパクトも散漫になりがちで
読後「結局何を言いたかったのかな」という感が残りました
メッセージ性が強ければいい、というわけではありませんが。
微妙な3人の空気感を伝えたかったのならOKかと。
最後に葉の一人称になってますが、
ハオとアンナに集約してメリハリつけたらもっといいかもしれませんね。
66氏も言ってますが、
「五月蝿い」「此処」など、漢字で書くのもいいですが、
雰囲気に合わせてひらがなに変えてみるのも良いかと。
これからもがんばってくだちい!
個人的には好きなマンキンネタだったのでウマーですた
68 :
60・64です。:03/03/31 23:55
(´・ω・`)66様、67様、アドバイス有難うございました。(涙)
氏ね。とか言われるんじゃ…ないか、と思っていたのですが、
こんな素晴らしい指摘等々、頂けるなんて思ってませんでした…。
本当に有難うございます。(゚∀゚)
一人称は、一人に語らせる事にします。
思わず、色々な視点から書いてしまい、後日よくよく見ると、意味不明。
自分の頭の中で話は進行しているので、自分はいいのですが、
読む方は…難しい(というか、謎)ですよね…。(´・ω・`)
葉が霊視に目覚めて…という、なんとも無謀なネタだったんですけど、
そこを書いていない…?(逝ってよし自分)
ハオとアンナのメインの小説のようになってしまって、(実は葉が主役)
書きたいこと、沢山ありすぎて、かなり散漫になってる。
一つに絞って、書き直してみます。
(オフラインの為に…)
三人の微妙な空気が伝われば、かなり嬉しいのですけど…(汗)
あと、妙に漢字を使う癖、治します。(手痛い癖…)
対象年齢の事も考えまして、なるべく平仮名に。
アドバイスのお陰で、成長できると思います!
本当に感謝です。頑張ります!ヽ( ・∀・)ノ
いつか、デビュー(?!)する時まで!!←何にデビュー…。
69 :
スペースNo.な-74:03/04/03 00:08
同人誌デビュー。w
やぱ小説だからか、進みが遅いな。ショボーン
70 :
スペースNo.な-74:03/04/03 11:42
もっと読みたい
71 :
スペースNo.な-74:03/04/03 17:18
72 :
スペースNo.な-74:03/04/03 17:57
71>
怖い…。いくら、世の中の青少年達が荒れていると言っても、
こういうものは世間に曝すべきでないと思いますが。
書くのは自由ですけど。
71さんも、よくこんな作品、見つけましたね?
71のはよくかけてるじゃん。
残酷描写に目を奪われるなよ。本質を見ろ。
74 :
スペースNo.な-74:03/04/04 10:22
>本質を見ろ。
なぜか勝ち誇ったつもりになる厨ちゃんねらが
非常によく書く言葉ですね。
プププ・・・・・・・ ヲェッ
普通にオモロイ
>>72 オカルト板で見つけた。
>>73の言うとおり小説自体、残酷描写とかよく書けてると思う。
ホント痛いほど…。
でもこの作者の人格を疑う。ローラーで潰そうとかよく考えつくよな…。
>>71 面白いけど後味悪すぎ(;´Д`)
こういうのが好きな人はいいだろうけど……私は好きだけど。
読者を選んでしまっている時点で、魅力もなにも言えないな。
せめてオチが綺麗に決まっていれば救われたのに。
78 :
スペースNo.な-74:03/04/04 19:39
言い回しとか描写がまだまだだね。
発想はおもしろいかもしれんけど。
>>71 漏れその人のスタンスとか凄く好き。
なんか感性が似てるのかな。
漏れはプロットとか構成に重点おいて読むほうだから好きになりそうにないはずなんだけどねw
四年位前だから14のときからちょくちょく見てたけど、そういえばこの人デビューしたんだよな。。
正直『いいのかよ!?』とおもたw
81 :
スペースNo.な-74:03/04/05 01:01
別に普通に読めたが。
作り物めき過ぎて残酷とも思わなかったがな。
なんかポルノな雰囲気がするがw
落ちがもっと光るように書けたら面白かったのに。
作者が残酷描写を書くのが楽しくなり過ぎたのが敗因かな。
ここに勝ったつもりの奴が居るよ〜
たすけて〜
>>71 じいさんになったら口調変わってるのにワラタ
84 :
スペースNo.な-74:03/04/05 16:33
85 :
スペースNo.な-74:03/04/07 00:23
そのスレ読んだ。初めの方の発狂ネタが面白かった。
精神的にジワジワ追い詰めるのがいいなぁ(あ、別に、変な人じゃねぇぞ、漏れは)
スレ違いスマソ。
さあ晒せ
86 :
スペースNo.な-74:03/04/14 01:10
あげ
87 :
スペースNo.な-74:03/04/14 01:13
ここは、自分の書いた小説が魅力があるかどうか、
皆に判断してもらうスレ。判断してもらう際に、
何部ぐらい刷るとが適当かと聞くのも良い。
できるだけマジレスキボンヌ。ジャンルは問いません。
そんでは。是非活用してくれさい。
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
90 :
スペースNo.な-74:03/05/02 19:30
あげてみるか
92 :
スペースNo.な-74:03/05/08 20:07
一番上のやつは文章がなんか脚本みたいだね。
ざっと目を通したが、起承転結のまるでない話ばかりだ。
オンラインSSにはよくあるけれど。
状況を書くんじゃなくて、ストーリーを書いて欲しい。
申し訳無いが面白くない。
>94
台詞で状況説明してるのが多いから、まずは台詞を削り、説明的な地の文章をやめてみたらどうだろう。
伝えるために全部を説明するんじゃなくて、ある程度説明を省いて読者に想像させると
いいんじゃないかな。
例えば、路地裏で寝ていたなら、仰向けの場合真っ先に目に入ってくるのは見上げる壁で狭くなった空だろうし、
横向きなら汚れた壁だと思う。そういう風景を「路地裏」という言葉を使わないように描写して行けば、
読者は、狭くて寝ていても誰も気にしない(人通りが少ない)ような路地裏なんだな、って想像すると思うよ。
ついでに、フォント指定が読みにくくてかなわんです。
あと、背景画像は斜めはやめた方がいいと思う。文字を横に追って行くのに、
斜めの線があると目が疲れる。
特に背景へのこだわりがないんだったら、薄い色で無地の方がいいと思うよ。
>93ですた。スマソ
>93
楽しんで書くのが一番だよ。
気負いすぎず気を抜きすぎずガンガレ。
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
保守上げ
まったくの素人なので、どこがつまらいとか言えないが
正直おもしろくない
102 :
スペースNo.な-74:03/07/04 00:46
hosyu
103 :
スペースNo.な-74:03/07/04 00:51
104 :
スペースNo.な-74:03/07/05 18:59
>>93 俺も絵しか描かない全く℃素人なので評価できないが、
フォントが激しく見難くて読む気にならないYo…。
ページの端から端まで字がダーってあって目がチカチカしちゃう。
<table>〜</table>で設定でも良いからもうちょっと横幅も読みやすくして( ゚д゚)ホスィ
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
109 :
スペースNo.な-74:03/07/22 00:04
ホシュホシュ
まだ晒す気の香具師がいるならば
アプロダに晒したほうが良い
111 :
スペースNo.な-74:03/07/22 19:16
今更だが
>>15の小説激しく読みたい・・・
何か情報あったらきぼんぬ
112 :
スペースNo.な-74:03/07/22 19:29
113 :
新宿歌舞伎町発:03/07/22 19:32
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まだ完成してない小説なんですが、
雰囲気とか面白いかどうかを評価していただけると幸いです。
街が黄昏色に染まってゆく。
日々繰り返される光景。
オレは欄干もない廃ビルの屋上に座りそれを眺めながらつぶやいた。
「オレ、なんで生きてんだろ……」
ただ漠然とそう思う。
別に生きていくのが苦しいわけじゃない。
友達だっているし、成績も良いわけではないが悪すぎるわけでもない。
毎日それなりに笑いながらすごしている。
ただ。単調に流れるだけの時間を感じていると面倒臭くなってくるのだ。
これからも『生きていく』ということが、
……まあ、だからといってここから飛び降りて人生を終わらせる気はない。
でも……もし、誰かにここから突き落とされそうになった場合。
オレははたして抵抗するだろうか?
「って、こんなつまらんこと考えてるなんて、思春期を謳歌してるよな〜、オレって」
まるで他人事のようにふざけながら、オレは立ちあがる。
夕方ともなると冷えるのだ。
「さてと、帰るか」
ズボンをはたき、カバンを取ろうとしたオレに、
↓
「はやまるな!」
いきなり声がかけられた。
下に降りる階段に男が立っていた。
なんだ?
「君が良くても、君の親御さんは悲しむことになるんだぞ!」
は?
……
………
オレはビルの下に目をやる。
「げっ」
道いっぱいに人だかりができ、消防隊が用意したのだろう。トランポリンのようなものが既に展開されている。
「………」
あー、
「地面は固くて痛いんだぞ!」
もしかして、
「骨も砕けるし!」
みなさん、
「内蔵だって飛び散るんだぞ!だから」
誤解してらっしゃる?
「自殺なんて止めなさい!」
↓
やっぱりしてるよ・・・
ギャラリーが期待の目で見てる……
気のふれた青年を救おうと警察や消防の皆さんも必死の眼差しだ……
なんか後には引けない状況が整っているような……
でも、こんなことで死ぬのはさすがに忍びなさすぎる。
閻魔『どうして、飛び降りを?』
オレ『ギャラリーの期待を裏切れなくて……』
閻魔『逝ってよし』
………
いやだ〜。絶対に、ヤだ!こんなつまらん理由で死にたくない!
と、とにかく、落ち着いてここから脱出することを考えよう。
どこかに、脱出経路は―――
↓
『あ』
辺りを見まわしたとたん死角からオレを取り押さえようと忍び寄ってくれていたレスキュー隊員と目が合ってしまう。
隊員は中腰の体勢のまま後退。
そして無線で『失敗しました。救急車の配備急がせてください。いつ飛び降りるかわかりません!』
取り押さえられるんだったら言い訳もついてたのに……
活路を自ら断ってしまった……。
しかも
『いつ飛び降りるかわかりません!』
何気に急かされてるし……
どうしよう。
↓
『実はドッキリで〜あはははは〜っ―――』
……だめだ。殺される。
あーっ!オレにどうしろってんだ!
「救急車到着しました」
死ねってことっすか……
「ん?」
さぁっと風が吹き何かが舞い落ちてくる。
オレはなぜかとっさにそれつかんだ。
「……カラスの羽」
グラ
つかむ体勢が悪かった。
バランスを崩し、とっさに出した右足の下に地面はなく、
ごわっという風の音と共にオレは落下。
内臓の浮き上るような無重力感と、コマ送りで迫ってくる地面を見ながらオレは気を失った。
↓
そして今オレは、
「あははははははははははっ」
笑われていた……
「あはあはあは、はーはーはー……ぷっ、ぷふふふふっ。あははははははははははははははっ」
白衣を着た二十四、五ぐらいのその医者は涙を流し、腹をよじりまくりながら力の限り笑いまくる。
「ぜーぜーぜーっ。いや〜。ゴメンゴメン。あー頬が痛いよまったく」
葉弥栄精神病院。
体に怪我がないということでオレはそのままここにつれてこられたのだ。
「いや〜『ギャラリーの期待を裏切れなくて飛び降りた』なんて気前がいいね〜」
手をぱたぱたさせながらウンウンとうなずく。
「いや、そんな気前良さいらないです。ところで、コレからオレはどうなるんでしょうか?」
「ま〜、一週間ほど入院かな?」
「……やっぱり」
自殺志願者と勘違いされたんだから当然か、
↓
「落ち込むことないよ。社会勉強だと思って気軽に、気軽に」
と、医者は気軽に言いながら、
「ところで、部活には入ってる?」
脈略なく話題を変える。
「はあ、剣道部に入ってますけど」
「そうか〜、そりゃちょうどよかった」
アゴをさわりながらまたニヤニヤする。
「まっ、今日はもう遅いし、ゆっくりと寝なさい」
「はあ」
というノリなお話です。
コピペよりつまらん。
自殺という衝撃的な1stシーンなのに、キャラクター(主人公)に魅力が無さ過ぎる。
日和見主義のどーでもよい妄想など、読者は見たいと思わないだろう。
衝撃的なシーンに、衝撃的なキャラをぶつけることにこそ、オープニグ(掴み)の意義がある。
また、純文学的な点からみても妄想にもう二ひねりも三ひねりもほしい。
彼がなんとなく自殺風の行為をすることに、社会構造に潜む病理や現代人の心の歪みなどを反映して欲しい。
さらにいえば、もっとドロドロと、リビドーめいた、猟奇めいた、何かの問題定義となる視点を、
キャラクタ、状況に語らせるべきだ。
123 :
スペースNo.な-74:03/07/23 00:13
自殺なんてカチャ&ターンでいいだろ
問題はそこからだ。
コメントする気にもさせない。
「小説どうこうホザいてる香具師は文芸板逝けや」
というレスはありませんか〜?
飛史の小説を勝手にリライト!
俺的にはちょっと面白い文面で好き!!
真っ赤な太陽が沈み、街は闇へ消されてゆく。
毎日の風景である。
欄干さえも撤去された建物の屋上から足を提げながら、オレはひとり呟いていた。
「なぁんで生きてんだろなぁ…」
それは漠としていた言葉だった。
人生への不満というわけじゃない。
友達はいるし、成績だって特別悪くはない…良くもないけど。
ただ、単調な時間という『流れ作業』に、時折嫌気が差すというだけ。
これから先もその『流れ作業』に乗ってゆく自分に…。
しかしだから言ってここから頭を下げて人生を終わらせる気は毛頭ない。
けれど…もし、誰かにここから突き落とされそうになった時、オレは抵抗するだろうか?
「って、アホなこと考えてないでさっさと帰ろか」
自分の思考を鼻で笑いながら立ちあがると、不意に寒気を感じた。
「へっきし!〜〜うぅ、この時間になるとやっぱり肌寒くなるな…」
↓
『ドサッ』
痛い…………。
「ワーワー、学生が落ちてきたぞ!!」
ふと、オレの周りで喧騒する声に気付いた。
「当たった…ノストラダムスの大予言が今頃になって当たったぞォ!!」
『世紀末、7の月、人類滅亡…』
人類ってオレ1人かい!!
渾身のツッコミは…ぐちゃぐちゃになった口からは出て来なかった。
「イジメを苦に自殺…かわいそうに…」
オレの亡骸を見て勝手なことを口にする奴もしばしば。
「ハンバーガー食ってるときに自殺するんじゃねーよ!!」
「迷惑なガキだぜ!!」
こうしてオレの一生はその幕を閉じた。
HAPPY END
映画って本当に面白いですねー、さよならさよなら!
128 :
スペースNo.な-74:03/07/23 15:11
大幅にリライトしてみた。
屋上から見える街が真っ赤に染まる。
やがて濃紺が地面からわき上がり、あたりを闇でつつんでゆく。
道行く人は急ぎ足に、何かに彷徨うでもなく、ただひとつところへと向かう。
要するに、明日もこの繰り返しだ。
たぶん、だいたい同じ時間に、だいたい同じ人間が、だいたい同じように、歩いていくんだろう。
日々繰り返される光景。
欄干もない廃ビルの屋上にいると、こんな光景が、たまらなく鬱陶しく見えてくる。
「……僕、なんで生きてんだろ」
ふと口をついて出た言葉がそれだった。
別に生きていくのが苦しいわけじゃない。
平均的な高校生。友達だっているし、成績も良いわけではないが悪すぎるわけでもない。
特に悩みはない。(彼女いない歴17年なのが……いやこれはまぁ仕方ないと思っているけど)
毎日それなりに笑いながらすごしている。
ただ、単調に流れるだけの時間を感じていると、明日も同じ事の繰り返しかと思うと、
何となく、うんざりしてくる。
もう一度、ぐるりとあたりを見回すと、僕はため息をついた。
……まあ、だからといって、ここから飛び降りて人生を終わらせる気はないけど。
そう心の中でつぶやいてみたけど、まるで嘘をついてる気分だった。
その2
嘘をついてる?
僕はビルの真下をのぞき込んだ。
黄昏はもう終わり、真っ暗な夜が、ビルの下に澱んでいる。
まるでそこは、深い海のように、静かで、何か揺らめいているようで、真っ暗だった。
……もし、誰かにここから突き落とされそうになった場合、僕ははたして抵抗するだろうか?
まずい。
そんな感覚が、自分の中に、むくむくと大きくなっているのが分かる。
まずい。
「なっはっは、俺もセンチだなあ。青春だね青春。うん」
まるで他人事のようにふざけながら、僕は立ちあがる。
そうでも言わないと、こんなろくでもない考えを振り払えなかった。
「さてと、帰るか」
これ以上、ここに居る事におそれを感じた僕は、コンクリのかすのついたズボンをはたき、カバンを取ろうとした。
その時−−
あとは明日。
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
うるせーウンコ!きめーんだよ帰れウンコ野朗!!
くせーくせー!!ウンコマン。下痢。糞。カス野朗!!!
いつまでも粘着質にこびり付いてねーでさっさと流されてろや。
臭ぇんだよウンコが!汚ねぇ!!
居るだけで醜悪。居るだけで害。居るだけでウンコ。
存在自体が糞!ウンコビーム!!このウンコ野朗!!
ウンチク述べてんじゃねーぞウンチ君。
イカスミで真っ黒に染まってんじゃねーぞウンコが。
エノキなんかひり出しやがって。サナダ蟲かと思っちまったじゃねーか。
だからテメーはいつまで立ってもウンコなんだよ!!
下痢ウンコが。テメーはカスの中でも究極を極めたカス。
「僕のウンコをあげるよ」
いや、いらねーって!!
余計なお世話。むしろありがた迷惑。
テメーはせいぜい鼻くそ君と耳くそちゃんと馴れ合ってるがいいさ。
ああーもうウンコウンコウンコウンコウンコウンコウンコウンコ!!!!!!!!
135 :
スペースNo.な-74:03/07/31 14:51
>>133 >「僕のウンコをあげるよ」
>いや、いらねーって!!
にちょっとだけクスリときた。
136 :
スペースNo.な-74:03/07/31 16:42
漏れはウンコビームにワラタ
∧_∧ ∧_∧
ピュ.ー ( ・3・) ( ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
= ◎――――――◎ 山崎渉&ぼるじょあ
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
139 :
スペースNo.な-74:03/08/20 12:55
俺は秘史の小説面白いと思う。
自分の意志ではなく、周囲の意志で自殺させられる。
しかもその周囲は、一人の男の自殺を止めるという
偽善を装っている。
結局他人は、自分の害にならない騒ぎなんて、祭りにしかすぎないのだ。
例え、それが人の死であっても。
先日発行した本の一部です。
あまり長くしても読みづらいかと思ったので
最初の、それも半ページ分のみです。
ポプン同人ですが、よろしくお願いします。
キャラの名前は半角にした方がよかったでしょうか…。
人間というのは、どうしてこうも祭り好きな種族なのか。
城門の前、ユーリは大きなため息をついて両腕を目線まで上げた。
手首から肘へ、するりと音を立てて紺青色の布が滑り落ちる。
普段は隠している素肌が現れ、ユーリは少しばかり顔をしかめた。
着慣れた服、例えばシャツだとかコートだとかは、
少し動いただけで腕が露出してしまうことはない。
それがこの、『浴衣』とかいう衣服では、
ほんの些細な動きだけで肌が見え隠れしてしまうのだ。
ユーリは再度ため息をつくと、腕を体の横へと下ろした。
と同時に、先程まで露になっていた両腕が紺青の布に隠された。
>>140 このシーンについて、「描きたいのは何か」をまず考えるべきではないでしょうか。
何が言いたいかというと、書き出しと、内容がうまく繋がっていない印象を受けます。
ワタシは、ユーリが普段着ない、肌があらわになる浴衣を着て、とまどって、苛立ってるのが
この文章のメインであると判断しましたが、いかがでしょうか。
だとすると、
「人間というのは〜種族なのか。」
という部分と、その後の浴衣の描写にズレがある気がするのです。
あと、両腕を上げるとロケットパンチになってしまうので、ポーズも考えるべきでは。
たとえばこんな風に変更したものはどうでしょうか。
まったく--。
城門の前、ユーリは大きなため息をついた。
ついで、彼は試すように左腕の肘を折る。
と、するりと音を立てて、腕にかかっていた紺青色の布が滑り落ちた。
白く透き通るような素肌があらわになり、ユーリは少し顔をしかめ、腕を伸ばし、布をかけ直した。
--着慣れたシャツや、コートなら、こんなことにはならないのに。
それがこの『浴衣』とかいう衣服では、ほんの些細な動きだけでも、肌が見え隠れしてしまう。
いや、腕だけならまだいい。
うっかりしていると襟元から胸がはだけるし、大きく歩み出ると、脛から太股のあたりも見える。
できるかぎり大きな動きをしないように心がけると、肌を見られたくない自分を拘束しているみたいに思えてくる。
人間は、祭りのたびにこんなものを着るのか。
ユーリはこんな服を着なければいけない状況を呪いたい気分で一杯だった。
ジツはポップンはやったことないんですけどね(汗
ユーリって見てl痰ゥとオモタ
保守ついでに自作を晒してみます。
既に発行済みのものです。長いので導入部のみ。
本当はSS晒したかったんだけどデータ吹っ飛んだので(ノД`)
改行が少ないため、2chでは非常に読みづらいと思われますがご容赦下さい。
ちなみにダーク系なフォモ小説です(w
次から↓
鉄格子を通して渡された書類にサインをすると、神尾は少しだけ脣をゆがめた。
これが、表情の変化が稀薄なこの男の、微笑みなのだと私は信じている。
彼は私から紙を受け取り、事務的な手つきで台帳に綴じこんだ。
毎月黒い台帳が厚みを増していくにつれ、私の中の投げ遣りな空虚感も膨らんでいく。本の厚みは、私がここに幽閉されている年月そのものであった。
「それではまた来月……報告書はその時に。二ヶ月分お願いしますよ」
神尾はネクタイを直しながら云った。
「ええ――でも中村院長の具合がよくならなかったら、どうしましょう。僕が替わりに書いてもよいでしょうか」
「構いませんよ、あなたなら。でも、橘君は止めてもらいたいですな。
彼は我々の間ではひどく評判が悪い。毎月アルコールを三瓶も補充しているが、ほとんどあの男が飲んでしまっているのでしょう?
腕は確かなのかもしれないが、人格は最悪だ。厄介払いされたのかもしれませんな」
私は赧くなった。神尾はちらと私を見、ああすみませんと謝意など全く感じられぬ声で詫びた。
「あなたのことを云っているのではありませんよ。あなたは立派な方だ。
患者の検診は、ほとんどあなた一人で行っているんですってね。
中村氏の報告書にも書いてありましたよ。全く分け隔てなく接していて、患者たちからも慕われていると」
「さあ……」
曖昧に微笑むのが、私の悪い癖である。
橘などはこれをひどく嫌がるのだが、これが私の仮面であり、最後に残った牙城なのだから仕方がない。
笑いの裏で、私は奥歯を噛み締めた。
「ああ、お時間を取らせました。それではこれで」
踏み固められた土の上に置いた鞄を抱えようとかがんだ瞬間、懐から鈍い音をたてて鍵の束が落ちた。
神尾はさっとそれを拾って仕舞い込むと、何事もなかったかのように、黒い服の釦をかけた。
あれは、この門の鍵なのだろうか。
この病院にひっそりと暮らす人々――中村院長ですら持っていない、だから決して開けることの出来ないこの門の――
「来月の今日、ここに居て下さいね、月島君」
うわの空で、私はうなづいた。
重たげな鞄を提げた神尾が小さくなっていく。
背中の向こうには、なだらかな下り坂が続いていた。
その先に、かつて私たちの居た、〈外〉の世界があった。
夕闇の中で、螢のように小さな光がひとつふたつと灯される。
私たちは世捨て人であった。
いや、世界が私たちを捨てたのだ。
143です。
クッキー食いのこした……逝ってきます。
小説は改行が少なすぎてエラーが出たため、
適当に改行しました。
台詞のところも改行したので読みにくくなってしまいごめんなさい。
148 :
スペースNo.な-74:03/08/28 08:38
たぶん、プロにはなれんだろう
149 :
スペースNo.な-74:03/08/28 09:02
アマにもなれん
>>143 主語が現れるまでが長いのね。文が頭でっかちで、複文が多いの。
「○○○○○○○○で、×は△。」
まずは単文だけで書いてみよう。もし、話の流れがブツ切れになってしまったら、
話の展開を変えたり、つなぎの文章を補ったりして、なめらかに読めるようにする。
どうしてもやむを得ないところだけ複文で書く。すると、読みやすい文章になるよ。
個人的な好みでは143の小説好き。
>143は三人称のほうが向いてるんじゃないだろうか。
個人的な好みを言えば、もう少し描写を押さえ気味にしたほうが
今鼻につく「自分の世界に酔っ払ってる」感は薄れるんじゃないか。
自分の作り出した世界に酔っ払うのは当然のことだけど
(その世界とか物語って自分で「イイ!」と思うもののはずだからさ)
でもそれを人に伝えようとするなら
酔いをさましてからのほうがいいと思うよ
世界が私たちを捨てたのだ、あたりのくだりはすごく好きだ。
がんばればいい書き手になると思うよ。
154 :
スペースNo.な-74:03/09/03 00:47
レスを消費してすみません。お時間がある方、ご意見いただけましたら幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『……さ…』
それが腹の底であれ―――名を、呼ぶ事はどうしてもできなかった。そういえば、こんな
風に、思いを馳せて口にのせた事のない呼び名だったと…ただそれだけの事で、平時に
おける自分達の相関が窺い知れると、ぼんやり思う。
だが…それでも自分が今、あのダンジョンの一角で袂を分ったままの青年のよすがに思
惟を傾けてしまうのも確かで……
自らが命を科しても守護すべき、尊い血脈の継承者。その存在をけして忘れた訳ではな
くとも、こうして胸襟に余人が入りこむ余地を自身に許していることが、自分でも不可解だと
思う。
だが―――
痛みに感じたのは、その名を呼べなかった事だろうか。彼の存在に思いを馳せる自分を、
主に対して後ろめたく感じた自身の負い目に対してだろうか。
だが、それでも…脳裏を掠めた細身の青年の安否に、自分は確かにこの後ろ髪を引かれ
ていて…
……気の毒な男だと思った。そして実際に、面と向かってそう吐露した。成人を果たして
いる、それも年長者に向かって告げるには、あまりに不躾な言葉であったかもしれない。
それでも、彼の青年を取り巻く全てが、酷く自滅的に思えて…悪党然として振舞う彼に、
そんな自虐を止めさせたくて―――せめて怒りなりとも、彼が自身の情動を晒す姿を、自
分は引き出してしまいたかったのだ。
それでも、束の間その衝動が見え隠れしたのを最後に…彼は再び、平時のようにその擬
態めいた容色を取り戻してしまった。
自分では駄目なのだと、そう自らを納得させる事がひどく胸に重くて……
王家に仕える騎士として。この身の存在意義を以って、国と王家に無用の波風を立てた
彼を、糾弾する事は不可能ではなかった。情とは根底を別にする部分に培われた自身の
忠意と職責は、それほどに重い。
だが、それでも―――冷徹に全てを断じてしまうには、あの青年はあまりにも不憫すぎ
た。彼の『悪事』の根幹にあるもの…その証憑とも呼べる存在を、自分はもはや、この目
と耳で、確かめてしまっている。
不心得者として手にかけるには―――あまりにも、悲しすぎた彼の人の魂。
貴方は―――気の毒な、人だ…
彼の存在に向けて、自分が突き付けた言葉の一句一句が、追憶の底からよみがえる。
その言葉に束の間激情を覗かせた青年のよすがも、ただ一言報復のように返された、切
ない底意からの叫びも…
それは……彼の不憫さに向けられた、都合のいい同情にすぎなかったのかもしれない。
そこに居合わせたものならば、自分ではなくとも彼に伸ばす差し出し手を惜しみはしなかっ
たかもしれなかった。
解っている。そればかりの事を以って、自分は自分の胸襟にしこったものを、感傷と片付
ける事もできるのだ。
だが―――
同情もある。おそらく彼に向けられた思いの大半は、そんな欺瞞めいた自己満足による
感傷で…
だが、それでも…
こんな情動を、自尊の塊のようなあの男は認めないだろう。同じ男として、守るべき存
在を背負うものとして、ここまで歩みを続けてきた彼を、自分も過小評価はしたくない。
それでも―――同情して何が悪いと、そう声高に叫ぶ自分が、そこには確かに存在し
た。
自分は同情する。彼の人がどれほど拒もうとも、自分は何度でも同じ言葉を繰り返す
だろう。
ただ一人で宿業を戦い抜こうとするあの孤独な魂の―――けして肩代わりはできない
と知っているからこそ、自分は頑なにそうするのだ。
感傷でも構わない。自分は彼ではないのだからと、そう割りきって他人の立ち位置を
選ぶくらいなら、この情動に、いっそそんな埒もなさない名前をつけられたほうがましだ。
それに―――
それ以上自身のもの思いを言葉にしたら、立ち戻る事ができなくなりそうで―――瞬
き程の刹那、●●は続く言の葉を躊躇った。
それを認める事は、恐らくはこの身を形成する自意識の、根幹を揺るがされるほどの
大事であり…迫りあがる衝動を、咄嗟に飲み下してしまいたい衝動に駆られてしまう。
だが…それでも……
”私達を、助けてくれるんでしょう……っ!“
ふとした隙をついて、幾度となく耳朶によみがえる、青年の切迫した叫びの声。
あの声を…自分はどうしても、うち捨ててしまうことができなかった。
同情もする。感傷と呼ばれれば、きっとそれまでなのだろう。だが、それでも……
それでも―――この身に何の感慨も抱かせない『他人』にまでこんな負い目を覚えるほど…自分は人
のいい気性はしていないー――
ゆらゆらと、不明瞭な光景を形成する視野が歪む。
ここがどこであるのかまでは、いまだ身動きが取れず総身の感覚を取り戻しきれてい
ないこの身にはわからなかった。
それでも、自身が敵中に拘束されているのだという事だけは、思惟を傾けるまでもなく
得心できたから―――
王子の安否も、■■との『決着』も―――全てはこの場より脱してからのことだ。まず
は我が身を守りおおさなければ、自分は自分が得難い存在として思い定めた者達を、
守り筋を通すどころか再び見える事すら敵わなくなる。
まずは、ここから抜け出して。
全ては……それからのことだ…
吐き出した呼気で、ゴボリと水流が乱される。
総身の完全な覚醒を焦れるような思いで待ち望みながら―――主君や件の青年がそ
うであるように、大きな分岐を迫られている自身の立ち位置を…●●は、この時確か
に知覚していた……
以上です。よろしくお願いいたします。
>>154-158 とりあえず「―――」と「…」を多用しすぎだと思う。なんだか文章が見難い。
あとは三点リーダーは二つ連続で使うのが基本だ。>「……」
あとは設定がわからないのに独白ばかりで
評価してもらう文章としてはちと不適切かも?
160 :
スペースNo.な-74:03/09/03 01:23
内容の意味がわかりません。
刹那は時間の単位で瞬きするより短い時間を表すものです。
まばたきするほどの時間は一瞬、という言い方がよく使われますね。
>瞬き程の刹那
「役不足」ほどではないのですが避けたい表現ですね。
「確かで……」「惹かれていて…」など、途中で打ち切られている文が
一寸目立つかなと思ったです。
また、最後にむやみに”…”や”―”をつけない方がいいかなとも思いました。
(このあたり好みで分かれるかもしれません)
あと全体的に、一人称の独白文なのか3人称で主人公の心理描写を中心にしているのか、
そのあたり中途半端に混ざってしまっている感じがしました。
一人称なら「自分」ではなく「俺」「私」などを使ってみてはどうでしょうか。
162さんの言うとおりだ。「北の国から」じゃないんだから。
あと、冒頭部分の「ダンジョン」だけ浮いている。
なんでこれだけ外来語なの?書いてて違和感なかった?
指摘済みだけど日本語があやしすぎ。
そうでなくても思わせぶりな文の構成が見にくくて、とても全文読めないよ…
>自らが命を科しても守護すべき、
たとえばこれ。
「自ら」ちゅうのは「語られている本人」ってことよ?
これではこの文で一人称で語ってる男=守護すべき、尊い血脈の継承者=自分自身
になってしまうでしょ?
ここで使われるべきは「己れ」。
(ついでにいうと漢字も間違えているし。タイポにしても人に批評されようというときに
無神経だよ)
そして「腹の底」には言外の意味があるので、こういう場合に使うべきではないとオモ。
私は「こいつは何を企んでいるのだろう?」と何度か読み返してしまった。
意味が取れなくて読むリズムが狂うのは、「悪い文章」。
素直に「胸の内」で何故いかんの?
ぱっと見の印象は、それらしい語彙を羅列しただけのへ(yr
言葉の意味を分かって使ってるとはとうてい思えないんだよな…
リア工辺りのようだけど…硬質の文体に憧れているのだろうけど
まずは自分の身の丈にあった、わかりやすい言葉で「ておには」から固めるべきだとオモ。
>>164 「自ら」と「己れ」の違いが分からんでしゅ。
元の文章のままでも意味は通るでしょ。
「自らが〜」を「自らの〜」という意味にとればの話だけど。
#俺なら「自らの〜」で書く。
おのずから=「〔「己(おの)つ(助詞)柄(から)」で、他から力を加えることなく、それ自身の力で、が原義〕」
みずから=「〔「身つから」の転。「つ」は助詞、「から」は「それ自体」の意〕」
三省堂提供「大辞林 第二版」より
これでわかるかな…?
「自らの」に換えてもヘンなのは一緒だってことも。
ついでにいうと、「己れ」は代名詞ね。「自ら」は副詞(代名詞としての用法もあるようだが)。
種類が違う。
>>166 わからん……
goo辞書↓の、一番目の名詞的用法じゃダメなのか?
--------
みずから ―づ― 1 【自ら】
〔「身つから」の転。「つ」は助詞、「から」は「それ自体」の意〕
(名)
自分。自分自身。
「―をかえりみる」
(代)
一人称。多く、身分ある女性が使う。古くは男性も用いた。わたくし。
「―は九重の内に生ひ出で侍りて/源氏(乙女)」
(副)
自分から。自分自身で。
「―志願する」「社長―指揮をとる」
――を持(じ)・する
誇りを持って、自らの態度を固く守る。
>元の文章のままでも意味は通るでしょ。
>「自らが〜」を「自らの〜」という意味にとればの話だけど。
>#俺なら「自らの〜」で書く。
キミは最初に
それ(自ら)は名詞ではないと自分でいってるじゃないか(藁
>>168 言ってないよ。
俺は一貫して、「自ら」を名詞として「自分」という意味に置き換えて考えているよ。
165で書いたのは、
「が」を「の」の意味にとることができるけど、俺なら最初から「の」で書く。
という趣旨だ。
私もこの場合は、”己の”の方を使用するのが適切だと思う。
すでに164が指摘しているけど、この文章だけでも誤字が二つもあるから、
こんな議論になるんだよね。
>自らが命を科しても守護すべき
”科する=刑罰をおわせる” この場合は”命を懸けても”が適切。命を罰してどうする。
普通の文章に直すと、”自分の命を懸けても守るべき”となるから、
”自分の”は、”命”に係る。
”自ら”は、一般的に活用している語に係るので、自らの命という使用法は不自然だと思う。
名詞としての使用法もあるみたいだけど、現代では一般的ではないのではないかな。
例文も古典ばかりだったし、自らを省みるの”省みる”も活用しているし。
どうでもいいけど、だが…それでも……を何回も出して韻を踏んでいるつもりなのかな?
思わず何回出たか数えちやったよ(w
だが、しかし、あれ、それ、……、――は、あまり使わないのが吉かと思う。
〜して、〜だから――とかで文章を止めるのは、若い女の子の言い回しのイメージがある。
命を懸けなければならない青年剣士?らしき人物が使う言葉ではないと思うが、どうだろう?
文章は簡潔、正確に。無駄をそぎ落とせ。一回読んで意味が通じるようにダイエット汁!
>>170 > 文章は簡潔、正確に。無駄をそぎ落とせ。一回読んで意味が通じるようにダイエット汁!
| -`).。oO(それが難しいんだよにゃぁ……
まぁ、そのために推敲というものがあったりするわけだけれど。
>>154氏は、カコイイ台詞や言い回しなどを詰めようとしすぎてちぐはぐしてしまったのではないかと。
其れで文章として不自然なものになってしまっていると思うですよ。
とりあえず、今から一寸自分で読み返してみると色々と引っかかる節があると思うので、
それらに気を配ってみるといいかなと。
文章についてはさんざ既出ですし、日本語を直すスレじゃないので、これくらいで。
内容としてはプロローグか回想に位置すると思うねんけど、
主人公が微妙に欝入ってとりあえず吹っ切るまでの思い悩みかたが
じくじくと描かれている点はステキです。
この後、守るべき者のため守護者となるか、奴との決着をつけるためだけに狂刃を振るうのか――
それとも、自らの意思を目的を持つことすら赦されぬほど運命に翻弄され続けるのか。
とりあえず生き延びる決意をしたは良いけれども、それが何のためなのか、
そして自分の意思なのかという、此処から如何様にも転がる分岐点である雰囲気は
上手いとも思います。
ただ現在の状況説明というか、どうして主人公そうなっているのかについて
もう少し語りがあるといいかなと思いました。以上。
172 :
スペースNo.な-74:03/09/04 21:10
154は「クールな文章が書ける自分、カコイイ!」とでも思ってこれを
晒したのか?読んでると、頭がわいてるとしか思えないんだが(w
まあこれを機に、糞みたいなオナーニ小説(ぷ を書き散らすのは
やめておけってこった(w
てゆーか
>ご意見いただけましたら幸いです。
とかいっときながらシカトってなんだかな。
ご意見いただくだけで何のレスもなしかよ。
ひとつふたつならまだしも、こんだけアドバイス受けといてさあ。
礼をいえとはいわないが、黙って晒したならいざ知らず…
まあ165=154なんだろうな。
未発表の長編小説の一部です。
ご意見・ご指摘等よろしくお願い致します。
--------------------------------------------------------
胸郭に溜まった鬱々とした気分を深いため息と共に吐き出し、そして──■■
はふと、足を止めた。
爪先から視線を外して、緩々と顔を上げる。
先程まで無人だったはずの前方の廊下に、いつのまにか──
女が一人、ぽつねんと佇んでいた。
暗色のワンピースを纏った背中をしんと伸ばして、窓の外を眺めている。
やがて■■の気配に気づいたのか、女はゆっくりと首を回した。
「あ…」
やつれた頬の辺りに一瞬の驚きの色を過ぎらせた女は、だが、すぐに淡い微笑み
を緩々と広げた。早足にこちらへ歩み寄り、■■の前で立ち止まる。
「…こんにちは」
栗色の目を細めて、女は軽く頭を下げた。
安物の洗髪石鹸の匂いがふわりと流れた。
「貴女…」
嗅覚が──記憶を喚起する。
「●●さん──」
漸く言葉を発した■■に、「そうだけど」と返して、女──▲▲の母親は
ちいさく笑った。
「なんだ。忘れられてるのかと思ったわ。反応ないし」
「いいえ…いいえ、そんなこと、でも…吃驚しちゃって…」
緊張した頬の筋肉を和らげながら、改めて■■は女を眺めた。
ほとんど化粧気のない顔に浮かんだ表情は穏かで、安物ながら清潔な服装にも、
精神的な落ち着きを取り戻している様子が感じられる。
きちんと巻き上げて結んだ髪の襟足の後れ毛を指で除けて、女は言った。
「すぐ戻んなきゃいけないのよ。休み時間なの今」
「お仕事…変わられたんですか」
「食堂よ。給料は安いけど、仕事は楽。きつい仕事したってさ、誰のためにも
ならないんじゃしんどいわ」
さりげなく女は笑う。
唇の端が僅かに震えていた。
適当な相槌を打つことができず、さりとて安易な慰めの言葉をかけることも
躊躇われて、結局■■は窓の外に目を遣った。
互いの出方をそろそろと探り合うような沈黙の後──
「ああ──そうだそうだ」
何の前触れもなく、女は明るい声を張り上げた。
腕に下げていた籐の籠に手を突っ込んで、中身を掻き回している。そのうち掴み
上げたものを見て、■■はああ、と声を上げた。
長いことごめんなさいね──そう言って女は、四つ折りにしたハンカチを差し出
した。
「一応洗濯してあるけど、使う前にもう一回洗ったほうがいいわ」
「すみません。別にそんな新しいものでもないのに…」
よく見ると、四隅に施された花模様の刺繍がそろそろ擦り切れ始めている。
■■は僅かに赤面し、女の手から慌ててそれを受け取った。捨ててくれてもよか
ったのに──とは言えなかった。せっかく返しに来てくれた足労に対して、それ
では礼を失している。
そそくさとポケットに仕舞い込んでから、とりつくろうように■■は口を開いた。
「ええと…じゃあ、もしかして──わざわざ届けにきてくださったんですか?
今日は…」
「え?ああ…そういう訳じゃないんだけど」
右肩をやや竦めると、女は籐の籠の中からちいさな紙袋を持ち上げて見せた。
「取りに来たの。これ」
ひと呼吸置いて、あの子のね──と囁くように続ける。
「入院してた時の、まあ…身の回りの品って云うの?大したものはないんだけど、
ノートとか。取って置いてやろうかなって思って」
「…ええ」
「事務の人は宅急便で送ってくれるとかって言ったけど、職場からそんな遠くない
し。それにね──」
視線をぐるりと回して、女は言った。
「わたしね、ここあんまり来てないでしょ。お見舞いも来られなかったし、あの
子がどんなところで何してたのか全然知らなくてさ。今教室も見て来ちゃった。
広いのね。吃驚した」
奇妙にはしゃいだような高い声で発せられた言葉の語尾は、冷たく硬い壁に弾か
れて四方に乱れ広がる。その反響が空気に溶けあってしまう頃、唇の端に残る笑
みを僅かに歪めて、女はぽつりと呟いた。
「悪い母親だったわよね、わたし──」
込み上げるものを堪えているのか、痩せた喉元のあたりを掴んで顔を背ける。
それはほとんど独り言のように聞こえたので、■■は敢えて何も言わなかった。
確かに彼女は母親としての義務を完璧になしとげていたとは言い難いかもしれ
ない。だが、だからと云って悪い母親だと決め付けることなど、他人には決して
できないと思う。彼女がどんな母親だったのか、それは▲▲が一番よく知ってい
ただろうから。
暫くの間俯いていた女は、そのうち我に返ったように顔を上げた。
「ごめんね。もう──行くわ」
籠を持ち直し、赤くなった目を擦りながら緩々と微笑む。
「割と時間厳しいの。せっかくこの不景気に雇って貰ったから、クビにはなり
たくないし」
「すみません。その…お茶もお出しできなくて」
以上です。
長くて申し訳ありませんが、お願い致します。
154です。皆様、色々と真摯なご意見をありがとうございました。
周囲にこういったアドバイスを求められる人がいないこともあって、こういった
批評の場があることはとてもありがたかったです。
↑の方でリア工あたりだろうとのお言葉がありましたが、実はこれでも三十路間
近の人間が書いたものでして、十年以上にわたる癖で文章の型というものがすっ
かり固定してしまい、どうすればそれを柔軟なものにできるかとここしばらく思
案しておりました。
長年染み付いてしまった癖を直すことはなかなか難しそうですが、ここで頂いた
ご意見を参考にして、今より少しでも読みやすいものが書けるように心がけたい
と思います。本当にありがとうございました。
2chでは個別にレスすることをうっとおしがる方もおられるようですので、
補足させていただいたほうがいいだろうと感じました部分についてのみのレスに
て失礼させていただきますことをお許しください。
>163様
実は抜粋した文章はとあるPCゲームのパロディでして、そのゲームの舞台とし
て「●●のダンジョン」といった名称が出てくるのです。先に補足しておくべき
だったのですが、あまりにあからさまにジャンル割れをしてしまうのもどうかと
思い、敢えてぼかした部分を抜粋させていただきました。評価をお願いした身で
ありながらぶしつけであったと思います。申し訳ありませんでした。
>171様
過分なお言葉を頂きまして、ありがとうございました。
↑でも述べましたように今回の文章はオリジナルの存在するパロディであり、尚且
つ抜粋という形をとってしまいましたのでなおのこと解り難い内容であったと思い
ます。申し訳ありません。 にもかかわらずキャラクターの心情や今後への展望
など、好意的な目で読み取ってくださった貴方様に感謝いたします。ご指摘いただ
いたことに気をつけながら、鋭意努力していきたいと思います。
>173様
173様はじめ、お言葉を頂きました皆様に、お礼のレスが遅くなってしまっ
たことを深くお詫びさせていただきます。感謝の気持ちを込めてゆっくりとレ
スをさせていただきたかったのですが、その時間をすぐにとることができず、
ここまでのびのびになってしまいました。お願い事をした身でありながら、本
当に申し訳ありませんでした。
それから最後に一つだけ補足させていただきたいのですが、ご指摘の>165
様は私ではありません。165様にご迷惑をおかけすることになっては申し訳
ありませんので、長々うっとおしいとは思いましたが訂正させていただきます。
他にも沢山の身になるお言葉を、皆様本当にありがとうございました。言葉の
誤用、三点リーダーや「―――」の目に余るまでの多様など、本当に恥ずかし
いことだらけですが、お言葉を参考に、今後の自分の文章を改善していけるよ
う努力していきたいと思います。本当にありがとうございました。
厚顔ながら、この先、自分で改善の跡がみられるようになったと思えたときに、
またここでご意見など頂戴できましたら嬉しいです。
それでは、長々と申し訳ありませんでした。名無しに戻らせて頂きます。
>154
「ダンジョン」ですが、日本語に訳されてはいかがですか?
具体的に「地下牢」とか「迷路」とか「洞窟」とか。
私自身はそうしています。
原作でそう表されていたということですが、それが「必要」な表記なのでしょうか?
例えば固有名詞として使われていた…とかでなければ、違和感のある表現は
避けた方がよいと思いますがどうでしょう。
181 :
スペースNo.な-74:03/09/04 23:31
>>174 初めてこのスレを見た、読み専門の者ですが感想を書いても良いですか?
なんかわざと難しい漢字を使おうとしている気がしました。
吃驚とか。びっくりじゃ駄目なんですか?
>>174 私も
>>181と同じ感想を抱きました。
>淡い微笑みを緩々と広げた
など「ゆるゆる」とひらがなで書くのもまた情緒があると思いますよ。
普段使わないような感じがたくさんありますと
別に読めるのですが文章のテンポが悪くなる事が多いです。
あとはやはり――の多用が気になりますね。
描写も二人の人間が会話しているシーンにしては多すぎな気もします。
もうちょっと減らした方がいいかもしれません。
>>154氏
丁寧にレスどうもです。
成る程、パロディでしたか。
個人的に二次創作は「元ネタ知ってる人が愉しむもの」と思っているので、
それならキャラや状況の説明については省いてもよいかと思います。
私個人の感想が、もし何かの参考となることが出来れば幸いです。
>>174 情景を全体的に包んでいる、何気なさとせつなさがそこはかとなくステキですね。
長編の抜粋ということでしたが入院していた(?)女の子の行方など気に掛かります。
でも、なんか、知らないほうがよさそうな結果な気が――
という雰囲気が伝わってくるところが良いと思いました。
だけども皆が仰ってるように、「吃驚」などの一寸難しい字が流れを止めてるように思います。
雰囲気を出すためなどに地の文などで遣うのはよいと思うのですが、
会話として読ませているときにそこで引っかかると、折角の流れが止まってしまうのではないかと。
想定している読者にもよると思いますが、通常はひらがなでよいのではないでせうか。
| -`).。oO(……しかしウチも妙な字を遣いたがるからなぁ……
みょんな読ませ方には浪漫を感じますから仕方ないですよね (ぉぃ
| -`;).。oO(つーか御免なさい『吃驚』読めませんでした。何かとオモタ
「まあ。そんな処でどうなさいましたの?吃驚するじゃあありませんか」
「御免なさい。出立の前に、どうしても貴女にお会いしたくて」
「…必ず帰ってらしてね。屹度よ」
…てな風に漢字が多いと、こうレトロというか懐古風味を感じるのは
私だけ?
現代が舞台の小説には、なんとなくそぐわない気がする。
174のは、些末なことだけど「安物の洗髪石鹸」が非常に気になった。
具体的にどういうものかお聞きしたい。
というのも、「シャンプー」の語感が合わないから
「洗髪石鹸」に置き換えてるとしか思えないから。
「洗髪石鹸」は基本的に安くない。買う人少ないからね。
貧乏くさいのを演出したいなら、「安物の化粧石鹸」でしょう。
こういう安易な発想はどうかと思うよ…ここだけで
他の部分まで体裁を繕ってるだけの、雑な書き手なんだなと思ってしまう。
就活で落ちてる間に凄く進んでた……
遅レスですが、批評して下さった方、ありがとうございます。
確かに読みづらい…というか、読者を受け入れない雰囲気があるなとは
以前から感じていたので、
具体的にどこがいけないのか指摘してもらい大変ためになりました。
これからも精進していきたいと思います。
流れぶった切ってすみません。
>174
言文一致体と文語体を混ぜているのはまずいんじゃない?
時代考証が無いのでわからんが、「宅急便」はクロネコヤマトが所有していることを覚えといて。
「緩々」を使いすぎ。「ゆっくりと」・「ゆるやかに」・「おもむろに」なども使おう。
「吃驚する」はルビを振らない場合平仮名にしたほうがいいと思う。初め「きっきょう」って読んじゃったよ。
レスありがとうございます。
先入観のないようにあえて書かなかったのですが、この小説は一応ファンタジー
というか、近未来っぽい(けど懐古趣味)な異世界が舞台になっています。
名詞に関しては、そういうものだということで……
「洗髪石鹸」は(シャンプーも存在しますが)この場合古臭い雰囲気を出した
かったのであえて使いました。「宅急便」は他の言葉に直しておきます。
「緩々」を使いすぎ、は自分でもそうだろうなと思っていましたので、以後気を
つけます。漢字については、この話ではレトロな雰囲気を出したかったので、普
段使わないものを多用している傾向が確かにあります。
色々なご指摘ありがとうございました。
参考になりました。今後も精進していきたいと思います。
そういう微妙な仕掛け作るなら、ますます世界観は統一しないと。
というか…作家自身の内で、小説世界はきちんと構築されているの?
なんだか読んでてちぐはぐな印象を受けました。
(これは154氏のを読んだときも感じた。非常に情緒的な感想ですまないのだけど
作家自身が己れの小説世界の内に存在してる気配が薄いんだよね…
臨場感・空気感が伝わってこないというか…)
>一応ファンタジーというか、近未来っぽい(けど懐古趣味)な異世界
に「宅急便」はないでしょ。この一言が世界観を壊してるのに
作家が気付かないのは問題だと思う。
「洗髪石鹸」だって、そういうあるのかないのかわからない曖昧な名称
(現実にあるのは「洗髪用石鹸」)を使うなら、
「シャボン」とかちょっとノスタルジックな言葉の方がよっぽど世界観に近いのでは?
それとも、どうしても「髪の匂い」に拘らなければならない理由があるの?
>>188 >女は軽く頭を下げた。
>安物の洗髪石鹸の匂いがふわりと流れた。
と本文にあるから、
【頭が動いた拍子に、洗髪料の香りが漂った】としたかったんじゃない?
顔や体などの肌を洗ったものより、髪を洗ったものの方が香りやすいし。
>>187 シャンプーというカタカナ語を使いたくなかったのならば、
「安物の洗髪剤(もしくは洗髪料)」でも事足りたのでは?
シャンプーと石鹸(洗髪用)は、成分的にも全く別物なので、
語感で安易に「シャンプー」→「石鹸」と置き換えるのはやめた方がいいよ。
洗髪に石鹸を使っている立場からみると、ちょっと引っかかったので。
いろいろ書いてしまったけれど、頑張れ174。
189が現れたのでいってしまおう(ニガワラ
「洗髪石鹸」に引っかかったのは、
「むしろ香るのは『酢』の匂いでは?」と思っちゃったのも理由のひとつなんだよね…
(いや実際に匂ったり指摘されたりしたことはないが)全てがぶち壊し。
こういう人間もいるので、187じゃなくても
思いつきで適当な言葉を当てはめるのは、本当にやめた方がいいよ。
ちょっとしたことで作品世界は壊れてしまう(萎えるともいう)からね。
>>190 あ、なるほど酢か。
たしかに174小説の女性は貧しいみたいなので、手軽な酢を使っていそうだね。
(悪い意味ではなく、単純な想定です)
スレ違いスマソ、依頼どうぞ。
189でも190でも無いが
174が何故ここで酢が出るのかわからないかもしれないから補足。
石鹸を洗髪に使った場合石鹸はアルカリ性なので
髪を元の(弱)酸性に戻すために酸性のものをリンス代わりに使います。
アルカリ性のままだと髪の毛が絡まりまくって櫛も入りません。
(個人差はあるが)
無臭のクエン酸を使う人も多いですが普通の酢を薄めて使う人も多いです。
石鹸洗髪を行う場合の常識です。
以上!
おいおい、174は女性だろうからそんなことは知ってるだろ?
男のおれでも知ってるぞ。女性の髪を表現するのに必要だったからな〜。
ってか、知らんかったらコワイよ、ちょっと。
「女性だから」知ってるかどうかはおいといて
…シッテタラ アンナコト カカナカッタトオモ…
まあわかんないことをわかんないまま書くのはマズー(;´Д`)ということで。
初めて書いてみたssです。ご意見ください。
耳慣れた轟音が聞こえた気がして、銀は耳をそばだてた。
山中ではない。麓の方からだ。間を置いて二発目。降りしきる雪の間をぬって、とぎれとぎれのかすかな波長。
しかし力強く尾を引くその音を、銀はただひとつしか知らない。間違えようがない。
呼んでいる。
里に下りなければ。今すぐ。
銀は傍らの、同じくこの銃声に覚えのあるはずのジョンに同意を求め視線をおくった。
「行ってこいよ」
総大将の突然の異変にとまどう同志たちを制して、ジョンは頷いた。
「待ってるんだろう?」
雪をけたてて銀は家路を駆け急ぐ。向かい風が天からの結晶をつぶてのようにたたきつけるが、ものともしない。
行く手には間もなく、幼い日を過ごした、年経た小屋が見える。そこには自分を育ててくれた懐かしい人がいるはずだ。
小屋の開いた戸から一人の老人が歩み出た。周囲には幾人かの人間が、青ざめた顔で老人と、現れた若犬とを
交互にみくらべている。そのなかには老人愛用の村田銃を手に提げた医師と、銀の友人である少年の姿もあった。
(銀、どうした、はよう来い)
老人は両の手をひろげ、銀を呼ぶ。
ああ、やはり。待っていてくれたんだ。
銀は勢いよくその懐にとびこむ。かつての主人は膝を折って迎えてくれた。記憶の中より小さくなったようなその身体は、
自分が大きくなった証だろうか。熊犬となるべく訓練をうけていたあの頃、子犬だった頃よりずっと。老人の武骨な手は
かつてなくやさしく、銀の身体を撫でさする。銀にはそれが、くすぐったくてうれしくて、皺の刻まれた主人の顔をさかんに
舐めた。風と雪はかわらず吹きすさんでいたが、不思議と冷たくはなかった。
ふいに、自分を抱きしめる主人の身体が重みを増す。銀は思わず間近の主人の顔を覗き込んだ。自然を相手に戦いを
生き抜いてきた老人は満ち足りた、穏やかな笑みをうかべている。
「クウー…ン…」まだ残るぬくもりに包まれながら、主人の魂がその身体から離れていったのを、銀は感じとった。
人間の弔いは、骸を火で焼いて石の墓に骨を埋めるのだと、世間慣れした仲間の一人が教えてくれた。
あの老狩人には二子峠の土こそが、永眠の地に相応しいのではないかと銀には思われたが、人間には人間の理由が
あるのだろう。銀は人間の流儀など知らない。自分たちのやりかたで彼を見送ることにした。
前日までの吹雪がやみ、よく晴れた朝。ようやっと芽吹きはじめた奥羽の遅い春の上に積もった名残が、陽にとけて
道をぬかるませる。竹田のじっさまを乗せた車は、村の唯一の火葬場へと続く沿道をゆっくりと走っていく。銀と、そして
ともに戦った同志たちはその脇を守るように列をなし、胸を張ってその車を送り出す。
銀は主人の魂の行方に思いをはせる。
父さんにはもう会えただろうか。そこでもまた赤カブトと対峙しているかもしれない。自分もいつか行くその場所で、父や
先に逝った仲間たちと、武勇伝でも語りながら待っていてくれるだろうか。
そう思うと、なにかやはり、老人は父や仲間たちとともに奥羽の山に眠っている気がして、車が見えなくなると銀は一声
長く咆哮し、楽園へときびすを返した。
いっと思う。原作は知らないけど(タイトルは多分、知ってる…)、
短い中に今の主人公の状況、主人公の思慕や過去、いろんな情報が詰まってる。
情景も浮かんできます。
ただ細かいとこをつっこむと、冒頭の
> 耳慣れた轟音が聞こえた気がして
読み進めるとこれは村田の音だとわかるけど、「轟音」は激しすぎるんじゃない?
発破になら、ふさわしいと思うけど。
村田銃の銃声(というのかな?)を実際に聞いたことはないけど、旧式だということで
乾いた軽い音が連想されるし。
あと「。」と「。」を混ぜて使ってるのが気になったです。
批評をお願いします。
某生徒同士の殺し合い小説の七原→三村みたいなフォモ文です。
自分が生き残ると共に、
愛する者を失った。
俺の心は、
一体どこに?
−忘れ物−
あの惨劇から五年の月日が経った。
俺が犯罪者になった時から一年も経たない内に、
法律は白紙に戻され、
あの忌々しいBR法もなくなった。
今の日本は、平和だ。
あの事なんて誰一人思い出す者はいない。
まるで始めから無かったかのように。
沖木島は今では立入禁止にされている。
その立て札も無視し、中へと入っていく。
もう帽子もサングラスも必要ない。
照りつける太陽が今の平和を物語る。
この島で、鳥の声なんて、
あの気分が悪くなる鳥達か、
可愛らしいバードコールでしか聞いた気がしない。
「よぉ、三村ぁ。」
「元気だったか?」
「元気かなんて可笑しいか。」
「俺の方は元気だよ。」
「今は誰も被害に遭ってない。」
「あの法は無くなったんだ。」
「俺達が生まれるのにあと一年遅かったら良かったのに。」
「ホント…、良かったのに…。」
「まぁ飲めよ。」
「今日はお前の誕生日だろ?」
「あれから五年だ。」
「酒も飲める歳になった。」
「俺達は『大人』になったんだ。」
「まぁ、お前は五年前も飲んでたけどな。」
風が俺の髪を靡かせる。
自分一人だけの笑い声が静かに響いた。
『俺はみんなと生きて帰りたかった。』
そんな事はキレイ事でしかなくて。
俺は、
お前と…。
―――ノブよりも川田よりも杉村よりも誰よりも、
ただお前と生きたかったんだ。
以上です。
本文では一行ずつあけてます(セリフの部分は二行ずつ)。
どなたかよろしくお願いします。
きっついいい方するけど、これ「小説」ではないね。
ただ情景を散文詩的に写しているだけ。改行も無駄に多すぎ。
本文では一行空けだそうだけど、なにをかいわんや、です。
「小説」じゃないなら、まあよくある文章だな、ですむと思うけど。
なぜこのスレにこの文を上げたの?
>>198 >>200の書き方は確かにきついけど間違ってはいないなあ。
この文章で何百ページもの小説は書けないからね。
自分もプロローグぐらいでしか使わないな。こういう文章は。
独白の散文詩を書くのは好きだから
導入部でよく使う事は使うんだけどさ。
今度は長編を書けるような文章を晒してみ?
文章自体は嫌いじゃないよ。
このあとに小説が始まるんなら導入部としては結構好き。
202 :
スペースNo.な-74:03/09/13 20:28
なんか文章貼られても評価する人が減ってるからageとくか。
>>71 ひょっとしてひょっとすると基地外じみた才能あるのでは?と思わせたが、
最後は***ただの短編SF***になってしまった。(ププ
>青少年に深いトラウマを与える可能性がありますのでご注意下さい
禿藁
トラウマの意味わかってんのカナー?
ドイツ語で「夢」っていう意味だから。
青少年に色んな夢を持たせるんだろうな。
206 :
スペースNo.な-74:03/09/15 23:02
最近文章を晒して評価を求めるくせに
その後の反応が無い人が多いなー。
自分で求めて評価貰っているんだから
何らかの反応を返して欲しいなあ。
ワガママか?
207 :
スペースNo.な-74:03/09/19 10:39
勇気をもって晒しにきました。二次創作です。〇〇は母親、●●はその息子、××は息子の友人です。
「じゃあ、いってきます、母さん。晩飯は食ってくるし……ひょっとしたら泊まる
かもしれないから、先に寝ててね」
ベランダで洗濯物を干していた〇〇が振り向いた時には、すでに玄関では鍵のか
かる音が響いていた。
もちろん乾燥機はあるのだが、〇〇は日に晒された洗濯物の匂いが好きだった。
それは息子も同じで、彼も子供の頃から柔軟仕上げ剤や乾燥機を使ったものより
も、少しばかりゴワゴワしたタオルやトレーナーのほうが好きだったようだ。
オフには相変わらず当たり前のように、掃除洗濯はかつての分担のまま手伝ってくれる息子だったが、本人が乾燥機を使いたがらないところを見ると、以前そんな
もの買わなくていいよと言っていたのは、別に買えない経済状況を慮ってのことだけではなかったらしい。
だいたいこんなに天気のいい日は――〇〇は青空に顔を向けると思わず目を細
めた――洗濯物干しは、素敵な労働だ。
どちらかといえばどんよりとした日が続いた晩秋だったが、今日は久方ぶりの上
天気だ。まだ紅葉が残っていればデートには最適の日だけど……泊まるかもしれな
い、という言葉を思い出し、〇〇は微笑とも苦笑いともつかない曖昧な笑顔を浮か
べた。
『相手が××くんじゃね』
カゴの底の、最後の洗濯物を振り、手際よくシワを伸ばしながらハンガーにかけ
る。いい色に褪せたブルーのダンガリーシャツを眺めながら、もう母子で兼用はできないわねと一人ごちた。高校の中ごろまでは部屋着は息子と兼用できたが、今自分がこのシャツを着たら身ごろも袖も長過ぎるだろう。
男性らしさの漂う肩幅の広いシャツは、〇〇を新婚の若かりし自分に引き戻した。お腹には●●がいて、あの人は横でシーツを干すのを手伝ってくれていた。
その時は思いも寄らなかった。
あの人が●●の顔を見ることもなく、逝ってしまうなんて。
とりあえず以上です。よろしくお願いします。
>>207 >もちろん乾燥機は…
>だいたいこんな天気のいい日は…
の「もちろん」と「だいたい」がおかしい気がします。
乾燥機ってどの家庭にも必ずあるほど普及はしてないと思う。
「だいたい」も前の文とのつながりが弱い気がします。
あと子供は学生のような感じですが、学生だとしたら休日をオフと表現するのにも違和感を感じました。
俺が感じた違和感はこれくらいです。
読み専門の人間なので「こう書いた方がいい」ってアドバイスはできませんが。
がんばってください。
209 :
スペースNo.な-74:03/09/19 18:00
>208
ありがとうございました。
設定では子供はプロ野球選手(22、3ぐらい)なので、
シーズンオフなわけです。
そんなわけで「もちろん」と使わせていただきました。
「だいたい」は確かに弱いかもしれません、他の表現を考えてみます。
ファンからは●●ちゃん、と呼ばれているようなキャラで母子家庭と
いう原作設定なので敢えて子供っぽい(マザコンっぽい)口調にさせて
みましたが、学生と思われたのではこれも考え直す必要がありそうですね。
がんばります、アドバイスありがとうございました。
あぼーん
>197さん、批評ありがとうございました。
「轟音」よりも乾いた音、ですか…むずかしいですね。
>「。」と「。」を混ぜて使ってるのが気になったです。
これは気がつきませんでした。無意識にやってたみたい。
もっと見なおしてみますね。
>207
全体的に文法が変。
振り向かなくても音は聞こえるので、振り向く限りには何らかの映像描写が必要。
「もちろん乾燥機」は余りにも唐突過ぎる。事前に、天気がいいので天日干し云々があると自然な流れになると思う。
息子を彼と呼んでしまうと、日本的感覚では距離を置いているように見える。
「相変わらず」・「〜まま」の併用は二重副詞なので回避。
「慮ってのことだけ」の「だけ」は不要。この一文で強調するのは「慮る」ことではなく「乾燥機を使いたがらない」=「天日干しが好き」になるはず。
――部に囲まれた個所は前文の補足であるから、本来は抜いても文章が通じなければならない。しかし、抜いてしまうと「天気のいい日は、洗濯物干しは」と二重主語になっている。助詞「は」を続けるなら、読点にして強調のための連続主語文にすべき。
母親が息子のことをしみじみと語ってるのは好き。
まぁ一意見とゆうことで。
ん〜全体として、そんなに違和感なかったけどな。読みやすかった。
それよりえらい文法に厳しいらしい212の
> まぁ一意見と*ゆ*うことで。
こっちの方が気になったよ(藁
>>213 まあでも自分も「もちろん乾燥機」はちょっと気になったな。
ちょいと唐突だ。収入が多い人なら必ず乾燥機を買うものでもないと思うしね。
「もちろん乾燥機を買う余裕が無いというわけではなく、
実際に乾燥機は洗濯機の上に鎮座しているのだが」
とか書いてあったら収入が多い家なんだなというイメージがわきそうだが。
まあでも全体的に読みやすくてほのぼのしていて好きだなと思う。
>213
好きなんだよ、「ゆう」が。訛音が好きでね。
文語調のときは「いう」にするけど、口語調のときは「ゆう」を使ってる。
基本的に言文一致体を使うことが多いんで、音便を使い勝ちなんだな。
それにしても「ゆう」は不人気だなあ。明治近代小説以降文学界に取り入れられてる語なんだが。
しかし、「行く」の表記では訛音である「いく」を使わずに正音である「ゆく」を使うのが好きな212であった。
「ゆく」は好きだよ。
関係ないけど六甲颪をきくたびに「なんて美しい日本語」トカ感動する(w
「ゆう」はイカン(ww
セリフで「あのひとがゆってました」とかならわかるけどさ。
まあしかしここ見てていつも思うのは、ここに私の駄文(文字通り)を晒したら
赤ペン入りまくりだろうな〜ってこと。文法とか全っ然考えてないからな…
私は読みやすくててをにはがちゃんとしてて、書かれた語句
(ダンジョンとか洗髪石鹸とか轟音とか…)に違和感なけりゃ
つるっと読んじゃいます。
アドベンチャーゲーム用のテキストはスレ違いですか?
「ゆう」・「いう」の訛音は「いく」・「ゆく」の訛音と同じなんだけどね。どっちも前者が方言及び音便で後者が正音。
「いう」派の人が「いく」を平然と使っているのを見ると、所詮なまりでも標準語に選ばれてしまうと正しい日本語と化してしまうのかと思わないでもないな。
('A`)
220 :
スペースNo.な-74:03/09/21 02:21
207です。
>212さん
あんまり文法とか考えていなかったので、色々ご指摘ありがとうございます。
まだまだぜんぜん駄目だなぁと感じました。精進いたします。
「好き」と言っていただける部分があってよかったです。
>213、214さん
ご指摘ありがとうございます。やはり二次創作ということで甘えている部分が
あるのだと気づかされました。
ほのぼのしていて好きとおっしゃっていただけて嬉しいです。
これからもがんばってまいります。
>217
いいんじゃないの? 別にさ。
でも吉里吉里スクリプトのコピペというオチはカンベンな
……ト書きは微妙?
ト書かぁ・・・。
ここはどっちかっていうと向かないと思うが、皆いかに?
恥を忍んで晒してみます。
すいませんが二次創作のフォモです。○○(年下)×■■(年上)で。ちなみに■■視点。
コピーが辛いので50部位でオフにしたいのですが耐え得るシロモノでしょうか?
「参考意見で聞きたいんだけど」
もったいぶった○○の口調に、■■は手にした煙草と彼を交互に見比べた。
椅子の背もたれを抱えながら座っている彼の様子は、普段■■が彼に向かってしているのと同じものだ。
しかも昨夜遅くに身一つで転がり込んできた○○は、今日は上から下まで■■の服を勝手に借りていたから、
違うのは上目使いで自分を見つめる大きな瞳と寝癖の残るくせっ毛くらいだった。
(…後はこの潮の香りくらいか)
さすがに一回のシャワーでは落ちないらしいその香りが、彼がここしばらくの間、
海の傍から離れずに仕事をしていたことを物語っている。
少し自分の髪のあたりにもそれが移っているかもしれない。
小首をかしげながら、■■は貼りついたような無表情を見せる彼を見下ろした。
サイドテーブルに置かれたライターをもう片方の手で取って、ほとんど無意識に火をつける。
「人生の先輩として、か?」
くわえ煙草になってから、ゆっくりと言葉を返す。○○はこくりと頷いた。
「ホントは恋人として聞きたいけど」
冗談なのか本気なのかすらあいまいな棒読み具合で、嫌だったらいいよと、彼はさして興味が無さそうに付け加えた。
そんなことを言っているくせに、○○の耳は期待でぴくぴく小刻みに動いている。
■■はその言葉には答えず、軽く眉を上げた後に煙を吐き出した。
(素直に聞きたいって言えばいいのに)
こんな仕事をしているのだから、この青年ももう少し自分の内面をカモフラージュする術を持っていても良い気がする。
もっともこれが、ごく一部の親しい人間にだけなら、それも彼のチャームポイントの一つであると言えるかも知れないが。
「お答えできる範囲内だったら喜んで」
○○の妙な切り出しにくさを察して、■■はそれ以上の突っ込みはせずに彼の前を素通りし、
カメラケースの前に座り込んで中を物色しだした。
久しぶりに晴れた朝だったから、
彼が連れて行けと駄々をこねなければ一人で外に写真を撮りに行こうと思っていた。
冒頭部分ですが。よろしくお願いします。
妙な改行具合ですがウェブ用ではないものなので
適当に文節で区切ってコピペしてしまいましたすいません。
>223
タバコを呑んだらまずは一煙くゆらせるものだ。そしてすべて噴き出したあと、セリフを吐く。
咥えてから一服入れない内に喋りだす奴なんて見たことないぞ。
タバコ関係の描写がかなりビミョーなんだが、223はタバコを吸ってる?
考えたりするのもタバコを吐き出した後じゃなくて、タバコを呑みながら・吐き出しながら、のほうが多いけど。
ひょっとして、おれだけ?
ぎゃ!
>224
ね。
>226さん
すばりタバコは吸って無いです。
やっぱり脳内は駄目ですね…修行あるのみです。
ご指摘ありがとうございました。
>224
タバコのとこ以外はいい感じだと思うよ。
50部だと赤確定かもしれないけど、完売するといいね。
ガンガレ!
私の小説もお願い致します。
同ジャンルの方には褒められますが、
ジャンル自体があまり人がいないため、やむなく読んでいるのでは、と
どうしても思ってしまいまして、2chで晒す場所がないかと探しておりました。
ジャンルは芸能のホモです。よろしくお願いいたします。
目の先数メートルのところで、Oの手がひらめく。
Sはそれを、キャスター付きの椅子に逆向きに座り、背もたれに顎を乗せながら見つめた。
レコーディングも押し迫ってきた今日は、スタジオの空気がピリピリしてどこか居心地が悪い。
Oも例外に漏れずピリピリしていて、S以外のメンツは全員ダメ出しを満遍なくくらい、終わりがないかのような演奏地獄に嵌っていた。
その間Sはあまりに暇なので、ミキサールームに居ついてOを見ていることにしたのだ。
Oは苛立ちそのままにそわそわと動くので、飽きることがなかった。
「G!そこもう一回!何度トチれば気が済むんだ!」
「Y!今のギター、三本しか弦が鳴ってない!もう一回!」
「T、お前ちゃんと飯食ったのか!?いいか、気合入れて叩け!」
彼の手は動きを止めることなく、指を指し、頭の横で振られ、キューを出し、
隣のスタッフの頭をはたき、チャンネルのつまみを調節し、考え込む時は鼻の下に当てられる。Sは飽きることがない。
ひらめく彼の手は綺麗だ。空気をはらみ、柔らかくかき回し、鋭く突き刺す。
これが何かに似ているのだが、Sはそれが何だか思いつかない。
長いと突っ返されましたので、二つに分けます。
彼の手自体はどこにでもある、男ならばほぼ誰でもが持つ普通の手に過ぎない。
格別白いという事もなく、細いという事もなく、精悍ということですらない。
だが、彼の手がひとたび彼によって動きを与えられると、まるで何かの舞を踊っているように美しいものへと変わる。
Sが手を見つつ思いに耽っていると、Oはいつの間にか卓から離れ、Sの横を通り過ぎようとしていた。
どこ行くの、Oさん、と声を掛けると、疲れた様子のOは少し笑って、ちょっと外の空気を吸いに行くよ、と言った。
俺も行きたい、と口を開いた瞬間、Oは苦笑して、ぽん、とSの頭に手を置く。
「ちょっとだけ、一人にさせてよ」
すぐに帰ってくるからさ。
言うなり、ひらっと右手をひらめかせて、Oは外へと消えていった。Sには目に最後にひらめいた手の残像と、頭に温もりが残される。
SはOを目で追った体勢のまま固まって、ぱちぱちと瞬きを繰り返した。
分かった。ようやく分かった。
彼の手は、彼の歌に似ていたのだ。
冒頭が下がっていない行は、もともと前の行から改行しない行です。
サイトに上げている文章なのですが、今回こちらに書き込むにあたり、改行しました。
自分ではくどくないように気を遣っているつもりなのですが、
やはりどこかくどい気がします。
くどいというか、一文に詰め込みすぎな気がする。
一度にできるだけ表現しようとしてるせいかな。
あと、ひらめくを使いすぎだと思う。
同じ言葉を繰り返さずに、他の言葉を使っていろんな面から表現してみては
細かいトコ感覚で言葉を使いすぎだよね。
> 格別白いという事もなく、細いという事もなく、精悍ということで す ら ない。
この「すら」とか。意味不明。
>Sが手を見つつ思いに耽っていると
誰の?この文では「Sが(自分の)手を見つつ」になるけれど…
>ひらっと右手をひらめかせて、
は、ださいと思う。個人的な感想だけど。
「バタバタばたつかせる」とか「ぐずぐずとグズつく」とか、シツコイでしょ?
このひとだけじゃなく前々から思ってたんだけど
仮名を記号にするのやめてほしいんだよね…
関係を把握するのに余計な労力がかかるし、感情移入しにくい。
今後は適当な人名に置き換えてくれないかな。
>>234 仮名ってなんだ?と思ったけど、固有名詞のことだな。
>233-234
ありがとうございます。とても勉強になりました。
なるほど…(;´Д`)精進あるのみですね。
これから、言われた箇所に気をつけて書いていこうと思います。
ありがとうございました!
仮名、今度から気をつけます。すみません。
状況描写ばかりで心情描写がほとんどないのはわざとなんだろうけど、読んでてやっぱビミョーかな。
体言止めを用いて、サッパリとした文体を所々に入れるなんてどう?
231自身も「くどい気がする」と思ってるみたいだし、文節を意識して文章を作ってみてはいかが?
>>235 私も今このスレを読んで、最初「かな」と読んでしまった。
「かめい」なのね。
>>231-232 遅レスになってしまったけれど、私も少し引っかかったところを。
>だが、彼の手がひとたび彼によって動きを与えられると
「彼の」「彼によって」が、個人的にくどく感じられた。
どちらかを削れば、文章のリズムがいい感じになると思う。
(例:彼の手は、ひとたび動きを与えられると〜美しいものへと変わる。)
ほっしゅ
hosyu
241 :
スペースNo.な-74:03/11/13 19:06
保守るなら揚げるがよかろう。
自分の文章力がどうか知りたいので晒してみます。よろしくお願いします。
「あの〜……すみません」
スーパーを出て少し経った頃、道端で知らない女の人に声をかけられた。
眼鏡をかけ、ピンク色の着物を着た若い人だ。道でも尋ねたいのかな?
「ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど……」
そこで一旦息をつくと、真剣な顔をしてトンデモナイことを言った。
「私を、雇って頂けないでしょうか?」
「は?」
一瞬固まる。
「……ダメでしょうか」
女の人はまだ真剣な顔をしている。
言葉を失うとは、こういうことなんだなぁと実体験した。
「いや……ダメっていうか……」
ぐるぐるしてる頭からは、歯切れの悪い言葉しか出ない。
どこから見ても中学生(高校生に見えなくもないだろうが)な制服姿の僕に、雇用依頼をするのは、ダメとかそういう問題以前だと思う。
「じゃあ、いいんですか!?」
パアッと明るい顔に変わった。どうしてそうなるのか。
もしかしてドッキリの撮影か、それとも罰ゲームか。僕は、隠れてこのやり取りを伺っている人がいないか周りを見渡した。
誰もいない。
……マジか?
「ダメ、だよ。ムリ」
いつのまにかジリジリと端に追い詰められていた。背中に硬い塀を感じる。
キラキラしていた女の人の笑顔が、あっという間にどんより曇った。
よく表情が変わる人だ。こんなときに何だが、面白い。
「そうですか……分かりました。失礼します」
肩を落とし、トボトボ向こうへ歩き出し……角を曲がって視界から消えた。
「なんだったんだ……?」
僕はしばらく、彼女の消えた方向を見つめていた。
まるで狐につままれたようだった。
>242
中学生が夏休みの課題で「小説を書く」というお題を貰って書いたような文章に見える。
あるいは昨日今日小説を書こうとしはじめた人の文章ともいえるのではないだろうか。
紋切り型の文末といい状況描写の簡略といい、およそ高校生以上の文章とは言いがたい。
少なくとも国語の教科書でまともな小説を読んでいればこんな文章は思いつかないであろう。
以上がこの文章を「小説」として見たときの印象。
これがゲームのシナリオとかならこんなもんではなかろうか。
ゲームなら設定もある程度ならいいかげんでいいし、状況描写もイラストが補ってくれるので省略されてもかまわない。
ちなみに「言葉を失う」とは、「言わなければならない時であるのに言うことが出来ない」ことで、242の文章での使用は妥当でない。
「言葉を失う」はふさわしいセリフが既に心中では用意されているにも関わらず、言い出せないこと。既に「有る」から「失う」のである。
この場合、「唖然」・「呆然」といった語が相応で、「閉口する」といった行動が望ましいか。
「実体験した」ってのもおかしいよね。
「実感した」だと思うけど。
パァ・ジリジリ・キラキラ・どんより・トボトボなど、擬態語・擬音語・副詞を使いすぎ。
細かいけどこれらの語は音感に障ることもあるので注意しよう。
243〜244はあくまで個人的な意見なんで、ムカつくようだったら無視ヨロ。
243・245は〜
どした。
>244
ゴメソ
>243,245
>紋切り型の文末といい状況描写の簡略といい
状況描写の簡略は、確かにそうでしたね。ノベルゲーかライノベ目的で
書いたのですが、ライノベならある程度は必要ですよね。
しかし紋切り型の文末とは…? ちょっと意味が(言葉の意味ではなく)
分かりかねますので、ご教授頂ければと思います。
「言葉を失う」の意味も違っていたのですね、
やはり辞書片手に執筆しないとダメですね。
擬態語等の多用は、低年齢向け(w)なのでわざとなのですが、くどかったでしょうか?
>244
私もその部分は、自分で考えておきながらしっくりしていませんでした。
「実感した」ですよね。「言葉を失う」に引きずられてしまったようです。
批評ありがとうございました。
>247
読めばわかるけど、文末がほぼ過去形・終止形。また文法も主語・修飾語・述語の定型。
なんつーかな、247氏の個性が見えないのよ。
ほとんど変化のない文章で、描写方法も愚直なまでに標準的。
作者であれば強く表現したいところ、特に読ませたいところがあるはず。
それが全然見えてこない……気がする。
文章構築の定型を素直に表現しすぎてるように感じたので、「紋切り型」としました。
倒置法・体言止め・用言止めも用いたらどうかな? 使いすぎるのはまずいけど。
ごくたまには隠喩も入れると読者の想像を引き立てる場合もあるので面白いよ。これも使い方が難しいけど。
あと、ライトノベルならさ、もう少し心理描写もあったほうが感情移入できるんじゃない?
長文ゴメソ
中学生が、「狐につままれたよう」という表現をストレートに思いつくかちょっと疑問。
一人称の場合、その主人公の語彙や思考パターンも考えた上で言葉や表現を練らないと不自然になる。
「狐に〜」が出てくるような中学生でも構わないけどその場合は説明が欲しい気がする。
もっとも、私は今の中学生の実体を知らないからこういうものだと言われればそれまでだけど。
その程度の語が思いつかないとは思わんぞ。
国語教育で出てくるだろ、「狐につままれたような」なんて表現は。
むしろ定型句なんでテストに出そうな部類だと思うが。
なんとなーくだが、>247に「ぼろくそに言われてむかついてる」スメルを
感じるのは自分だけなのだろうか?
なーんかもにょる。
後は「低年齢向け」だからって書き方が
低年齢向け小説を馬鹿にしているようにも感じれるんだが。
易しく、そして美しい文章の低年齢向け小説なんていくらでもあるぞ。
いや私も感じてるから。
最初読んだとき「文章初めて書きましたって感じだなあ」とオモタが
247読んで「へえー自分じゃ自信あったんだ…」と驚いた。
申し訳ありませんが評価して頂きたく書きこみします。
小説は書き始めて1年ほどなのですが、
情景描写や心理描写の入れ具合がわからなくなってしまい、悩んでいます。
あと視点もぶれてしまう気がしてます……ご指摘頂ければと思います。
「……あなたのためなのよ」
母は何度も繰り返した。
綺麗な赤い唇が上下左右に動く様は、太郎に別の生物を連想させた。
そう、あれは――。
太郎は、記憶の糸先にぶら下がる映像をたぐりよせる。
以前、理科の授業で見たアメーバの動きに似ているのだ。
……気持ちが、悪い。
初めてそれを見たとき太郎は、吐き気をもよおすほどの生理的嫌悪を覚えた。
その嫌悪の中には、今まで知り得なかった未知のものへの恐怖も些か含まれていたのかも知れない。
だが、この嫌悪感はそれだけでは説明出来なかった。もっと得体の知れない何かがある。
太郎には、その嫌悪の源がおぼろげにだったがわかっていた。目を背けて見ないようにしていただけのことだ。
はっきりと浮かんだアメーバ映像は母の唇と重なりあって、綺麗なはずの唇が不規則で奇妙な動きを繰り返す只のアメーバに取って代わった。
「……あなたのためなの」
アメーバが近づいてくる。
自分に近づいてくる。
アメーバが唇に触れた瞬間、太郎は、全ての感情と感覚を重い瞼の向こうへ追いやった。
プロローグのみですが宜しくお願い致します。
>253
3行目の「綺麗な」は余計。後ろで「気持ちが、悪い」に続くのだから、美称表現はふさわしくない。
5行目は「たぐりよせた」かな。現在形にするなら次の行でたぐりよせている描写があるべき。
10行目で「それだけでは」と言っているのだから、表現は確定しておくべき。
嫌悪理由として「生理的」は確定しているが、「未知への恐怖」は「かも知れない」なので不確定。
12行目の「唇が」はあえて言うなら「唇は」だと思う。「取って代わった」の主語は「アメーバ映像」だから、「綺麗なはずの唇が」は本来不要。
「綺麗なはずの唇が」を生かすのであれば、前後の表現の変更がいる。
16行目に突然「自分に」が出てくるので、これまでの客観描写が台無し。
結局アメーバに嫌悪感を抱く理由が読者にはわからずじまい。
しかも読者に回答のヒントすら与えておらず、作者が自己解決してしまっている。あくまでこの時点までは。
「アメーバ」という表現は、12行目のものは別表現でもいいと思う。但し、「嫌悪」は使いすぎ。
「……」についても、何度も繰り返す発言に「……」はいらないし、接近してきて緊迫感を感じさせる場面での「……」の使用は意味が無い。
読点の使い方が平平凡凡としているので(作文ぽい)、もっと小説らしく効果的に挿入しよう。
あ、「綺麗な」は妖艶系の表現なら似合うと思う。
254さん批評ありがとうございました。
綺麗なという表現は今見てみると曖昧な表現になってしまってるなと思います。
ねっとりした雰囲気をだしたかったのと、母への気持ちが太郎の中で変化する
部分を書きたかったのですが文章が稚拙でした。
最後の部分の……は間を取りたかったのですが、その間というのも文章で書くべきだったなと後から思いました。
読点も悩んでいる部分で、あたりさわりなく入れてまいました。
詳しく書いていただいて大変参考になりました。ありがとうございました。
>256
がんばれ〜
昨日初めて書いたんですが、評価よろしくお願いします。
ちなみに、真ん中辺りの色々な事をしたのくだりで、
最初はもう少し主人公達に愛着をもたすエピソードを付け加えようと
したんですが、
どうにも話が思いつかなかったのでああいう書き方になってしまいました。
初めて小説っぽいものを書いたので、できれば優しく幼児に語るように
物凄い基本的な事とかでもどんどんお願いします。
評価いただければ是幸いでございまする。
尚、結構長いのでアプロダにうぷしました。
http://www2.makani.to/akutoku/upload/index.html ここの、[1070520993.txt] おかりしまつ・・・ です。
あげってしまった。。。正直スマンカッタ
>>258 まだ1章しか読んでないが、とりあえず気づいた点から。
・「初めて書いた」みたいな、読者に言い訳するのは姿勢として良くない。
読者は書き手の都合なんて知ったことじゃない事に注意した方がいいよ。
(まぁここに関してはどーでもいいと言えばどーでもいいが)
・全体的にキャラクター(とくに主人公)に魅力がない。
魅力がないというのはどういうことかと言うと、説明文ばかりで
そのキャラクターの心理や主観を明らかにしていなさすぎ。
基本中の基本である「人称」がまとまってないように見える。
・同じ言葉遣いは間をあけ、繰り返し使わないように。
「何事もなかったように」を連発すると違和感があるよ。
・三点リーダー「…」を「・・・」にしているけど、これは厳密に言うと間違い(らしい)
手持ちの小説見てみ。三点リーダーは「……」になってるハズ。
・句読点の使い方がまだまだぎこちない。読点を句点と間違えて打ってる気がする。
・序盤「壁にもたれながら注射回しながらを打つ7,8歳の少年達・・・」
は日本語的におかしいのでは?校正ミスかな。
→「壁にもたれながら注射を回し打つ7、8歳の少年達……」の方が無難かと。
引き続き。
・1章の「親父は何をさせたがってるのか」という引きを作ったのはいいけど、その引きに対する回答がない。
要するに俺らこんなグロい事やってんだよ、お前も覚悟しろよ、という勉強のために
親父は主人公を送り出したんだろう、と思うけど、そこまで説明してナンボよ。
せっかくいい伏線が張れるのに生かし切れてない。
・カナビスとか、テレフォンパンチとか、ランクとか、説明が無いまんまぽんぽんぽんぽん使いすぎ。
カナビス=マリファナ中毒?ランク=あの世界では人間をランク付けしている?
テレフォンパンチは、ボクシング用語か。
こういう系統の小説では常識レベルの単語なのかもしれないけど、
自分が知ってるからって読者も知ってるとは限らないと思うべき。自然に補足した方が良い。
カナビスとか、ランクとか、オリジナル世界の単語を作ると、読者はそこで理解するために読む流れを止め、
今後ストーリーに関わってくるんだな、と、アタマのなかで付箋をつける。
でも今回の話は短編だし、カナビスも、ランクも、ほとんど流れには関係ない。
流れを止めるのは極小にとどめるべき。もっとわかりやすい言葉で言い換えた方がいい。
サクサク続けたほうがテンポいいでしょ。
まだ続く
・つーか4章終わりあたりからやる気がどんどん消えてる気がするのは私だけ?
明らかに文章の流れが変わってる。集中力は章が変わるまでは必死に維持しる。
・場面転換が唐突すぎる上に、情景描写ができてないので、キャラクターがどこにいるのかわからない。
スラム街がどんなところなのか。公園てどんな公園か。モノだけ書けばOKってわけじゃないよ。
説明文をダラダラみっともなく続けるのも悪いけど、モノだけ書いて満足するのもダメ。
・そして全部読了。ストーリーについては好みが分かれるから個人的感想は置いとくが、
グロ書きたかったのかな。でも俺はあんまり面白いとは思えなかった。
グロを書きたいのならあえて踏み込め。後味の悪さがこの小説の面白さだと思ったのなら、
主人公の冷酷さから女の子に寄せる思い、そのヘンの変化をもっともっと深く掘り下げろ。
「いろいろあった」で終わらせるな。少ない文章でもうまい言い回しはもっとあるはず。
ラストの手紙だけで彼女に起こったであろうグロシーンを想像させるのはテクとしてアリだけど
それを引き立たせるのなら序盤の女食うシーンは暗示としてもっともっと生々しく書くべきだし、
手紙を読んだ後、どうしようもなくなった主人公の思いまで踏み込んでもいいと思う。
(まぁここは好みかもしれないけど)
ま、はじめて書いたのならこんなもんかなーと思いもするけど。
でも「こんなもんだね」とか言われて満足するかと言われたら満足しないだろう。
ちなみに、試みに聴いてみたいけど、
>>258は普段どんな物読んでるんだろ。
>>262 はい、258です、
物凄い勢いで丁寧なレスにサンクスでございます。
キャラの魅力の無さってか、ぶっちゃけキャラ立ってないだろって言うのは
自分でも分ってましたね、が、どうすりゃいいか分らなかったってのがホント
のとこです、その辺りを色んな人の文章を今まで見たいに読むだけでなく、
研究しようかなと思います。
昨日耳を澄ませば見てたらこのストーリーぱくっちゃえー
って思って妄想してるウチに書きたくなって
勢いで何も考えぬままにそのまま書きました(だから
途中のやる気のダウンもやっぱり見抜かれちゃいましたねw)
んで、出来上がった物はいいがどう手直しや反省してみようが分らないと思い、
とりあえず、評価してもらおうと思いこのスレに
流した訳なんですね、文章の書き方云々はド素人な物で全く良く分らなかったので
批判されたとこを中心に他の人の奴を見ながら地道に
レベル上げに励もうかと思います。
「色々あったですませるな」は正にその通りですね。もうちょい考えるべきでした。
ってことで、マジで勉強になりました、次の話も考えてるんで、言われた所
を中心に気をつけて書いてみようと思います。
んで、思ったのが、頭の中のイメージを文章にしてみるって、
物凄い面白いって事、はまっちまったYO!!
ちなみに、普段は村上春樹とか村上ドラゴンとか司馬遼太郎とか、
春樹は特に大好きです。あの主人公のやる気の無さとかw
ライノベ系だとブギーポップとかキノの旅とか
エマノンも好きっすね、そんなもんでっすわ♪
漫画ではベルセルクとか、ヒミズとかが大好きな感じでござりまする。
って事で真剣にレスしてくれて、マジありがと!!!
シロウトのクソ文をわざわざ時間を割いて丁寧に読み込み、
手間暇かけてきちんと批評してくれた人間に対し、
敬意も誠意もない野郎だな。
てめえの思いつきの暇つぶしに他人を巻き込むな。
>>264 うっわぁ・・確かに若干フレンドリーに行き過ぎた感はありました、
申し訳ござません・・・
>>266 うわー、凄い凄い、マジビックリ!!、書き方変えるだけでこんだけ
違うくなるんですね!!ほんとに勉強になります!!!!
重ねて御礼を、サンクスです!!
周囲に読んでくれる人がいないので、批評お願いします。
オリジナル小説の一部です。
明度の高い空の下──吹き抜けた風に、満開の花をつけた枝が重たげに揺れる。
春の嵐に攫われた淡紅色の花片は、幾度か柔らかに宙を撫でた後、刈り込まれた
芝生の緑に舞い降りては不規則な紋様を無数に描いた。
車椅子の背凭れに細い身体を預けて、女は瞬きひとつしない。
暗紫色の膝掛けに、重ねた褐色の手に、波打つ長い黒髪の上に、音もなく花は降
り積もる。螺旋のかたちに吹き上げられる花片の行方を見守るが如く中空の一点
に据えられていた大きな漆黒の瞳が、その時──ゆっくりと視線を滑らせた。
「…誰」
微風にさえ掻き消されそうな儚い声は、だが、違うことなく心の深奥を貫き通した。
押し込めた記憶の掛け金が弾け飛び、奔流のように溢れ出す。
暖かい手のひら。
エプロンに染み込んだバニラの匂い。
陽光を浴びて輝く長い漆黒の巻き毛。
ふっくらとした褐色の頬に浮かぶ、
屈託のない微笑み。
きらきらと表情を変える、大きな瞳──
──お母さん。
喉元に競り上がる言葉をぐいと呑み込んで、■■は固く唇を結んだ。
震える呼吸を整えてから、ゆっくりと笑顔を作る。
「とても──いいお庭です」
そろそろと頭を巡らせ、方向を探り、やがて女は長い睫を瞬いた。膝掛けの上を、
細い指先が落ち着きなく彷徨い始める。
「あなた──あなた、どこ」
「ご主人は今僕のためにお茶を淹れてくださっています。すぐ戻られますよ」
できる限り柔らかな声で告げると、漆黒の瞳を覆いかけていた恐怖の色は僅かに
和らいだように見えた。
「……主人の、お客様?」
「ええ」
「驚かせるなんて、ひどいわ」
稚い少女のような舌足らずな物言いに、■■はちいさく笑った。
静かに芝生を踏み、歩を進める。
記憶の中の母よりも更に、女は華奢な身体つきをしていた。壊れものめいた細い
骨格。薄い皮膚。父親の血を濃く受け継いだ息子との数少ない共通点である褐色
の肌にかつての瑞々しさはなく、四十歳半ばという年齢以上の老いを深く刻んで
いる。それでも──その顔立ちは、変わらず美しかった。
見開いたような目をおずおずと細めて、女は漸く笑みらしきものを口元に浮かべた。
「初めていらした方ね」
「……ええ」
「主人は初めての方には必ずお庭を見せたがるの」
お花や木を植えるのが好きなのよ──細い指先を唇にあてて、秘密を教えるかの
ように囁く。
「おかしいでしょう。男の人なのに、お花が好きだなんて」
「とんでもない。庭造りを趣味に持つ男性は近頃とみに多いんですよ」
「そう──貴方も、お花は好き?」
「……僕は」
みすぼらしくちいさな古い家の玄関を季節の花で飾り立てていた母の姿、褪せた
セピア色の光景が、脳裏を過ぎった。土を触る所為で少し荒れていた細い指先は
今、しっとりとした毛織物の膝掛けの上につつましく重ねられている。
「わたしね」
フランの答えを待つことなく、女は言った。
「お花ってきらい」
「…何故です」
「だって…見えないもの」
大きな瞳の漆黒の虹彩に映る、きらめく世界。
弧を描く高い空。ちらちらと降る花。露を帯びて濡れる緑。
けれどそれはそこにあるものの姿をぼんやりと反射させる硝子と同じことで──
その内側は厚いカーテンに遮られ、闇に閉ざされている。
「昔は見えたの。多分そう。怪我…とか、それで。覚えてないの。変でしょう。
だから主人の顔も、見たことないの。顔も知らない人と結婚するなんて、おかし
いわねえ」
見えぬ目をフランに向けて、女はころころと軽やかな笑声を上げた。
幼い息子の前で、同じ顔をして笑ったことも知らず。
最愛の夫と引き裂かれ、息子を奪われたことも、彼女は知らない。
凄惨な陵辱の記憶も、その果てに脚と視力と過去を失ったことも。
何も。
だから、彼女はもう自分の母ではないのだ。
この身体に、彼女が『●●』であった頃のものは何も残されてはいない。
ラベルを剥がし中身を捨て、水ですすいで、全く別のものを詰められた瓶のように。
「おかしいでしょう。男の人なのに、お花が好きだなんて」
「とんでもない。庭造りを趣味に持つ男性は近頃とみに多いんですよ」
「そう──貴方も、お花は好き?」
「……僕は」
みすぼらしくちいさな古い家の玄関を季節の花で飾り立てていた母の姿、褪せた
セピア色の光景が、脳裏を過ぎった。土を触る所為で少し荒れていた細い指先は
今、しっとりとした毛織物の膝掛けの上につつましく重ねられている。
「わたしね」
フランの答えを待つことなく、女は言った。
「お花ってきらい」
「…何故です」
「だって…きれいに咲いたって、見えないもの」
大きな瞳の漆黒の虹彩に映る、きらめく世界。
弧を描く高い空。ちらちらと降る花。露を帯びて濡れる緑。
けれどそれはそこにあるものの姿をぼんやりと反射させる硝子と同じことで──
その内側は厚いカーテンに遮られ、闇に閉ざされている。
「昔は見えたの。多分そう。怪我…とか、それで。覚えてないの。変でしょう。
だから主人の顔も、見たことないの。顔も知らない人と結婚するなんて、おかし
いわねえ」
見えぬ目をフランに向けて、女はころころと軽やかな笑声を上げた。
幼い息子の前で、同じ顔をして笑ったことも知らず。
最愛の夫と引き裂かれ、息子を奪われたことも、彼女は知らない。
凄惨な陵辱の記憶も、その果てに脚と視力と過去を失ったことも。
何も。
だから、彼女はもう自分の母ではないのだ。
この身体に、彼女が『●●』であった頃のものは何も残されてはいない。
ラベルを剥がし中身を捨て、水ですすいで、全く別のものを詰められた瓶のように。
書き込みできなかったと思ったのですが、2重投稿になってしまいました。
すみません……。
度々すみません。訂正させてください。
ふっくらとした褐色の頬に浮かぶ、
屈託のない微笑み。
↓
ふっくらとした褐色の頬に浮かぶ、屈託のない微笑み。←改行なし
四十歳半ば
↓
四十代半ば
脚
↓
右脚
チェック不足でした。
お見苦しくして申し訳ありません。
ざっと読んだ「感想」。
美しい言葉を使いたいのだろう…というのはわかるけど、いろいろ
ちぐはぐな感じ。その言葉の意味を本当に理解して使ってるのかな?
というわけでひっかかる部分が多くてリズムよく読めなかった。
それは私だけかも知れないけど…
以下、引っかかった箇所を上げていくと……
>明度の高い空の下
「明度」とは「色の明るさ」のこと。「抜けるような青空」の表現だろうと
理解できるが、私の頭に浮かんだのは「白い空」
>音もなく花は降り積もる
黒髪は花に埋もれてしまうのですか?「降りりそそぐ」の方がよいのでは?
>瞳が、その時──ゆっくりと視線を滑らせた
瞳は意志を持ちません。わかりやすいよう、飾りを外してみましょう。
「瞳が、視線を滑らした」……おかしくありませんか?
>微風にさえ掻き消されそうな儚い声は、→誰の?
>だが、違うことなく心の深奥を貫き通した。 →誰が?誰の?
↑この文の中で一番わからなかったのがここ。
しかし多分、ここには上げられていない部分で主人公(■■=フラン?)が
すでに登場しているのでしょうから、この点はあげつらうべきではないかも
知れません。
>女は長い睫を瞬いた→「女は長い睫を瞬かせた」もしくは「女の長い睫が瞬いた」
>近頃とみに多いんですよ→「とみに増えたのですよ」
「とみに」というのは副詞です。
>季節の花で飾り立てていた
これは個人的な印象かもしれませんが「**立てる」という表現は
ネガティブなものだと思います。
> 大きな瞳の漆黒の虹彩に映る、
またまた個人的(かつ細かい?)感想ですみませんが、なぜわざわざ「虹彩」と
限定されるのですか?
虹彩は元々ものの姿を映すだけ。実際に見ているのは瞳孔から入った光の反射です。
> 幼い息子の前で、同じ顔をして→誰と?もしくは何時と「同じ」?
この一文は続く文と比べても違和感がありました。
まーこんな感じ。
これは私の「個人的感覚」ですので悪しからず……
>>268 全体を見ればまた変わってくるかもしれないんで、見当違いな事言ってたらごめんね。
三点リーダー(…)をひとつだけ使ってる時があるのと、ふたつ重ねて「……」の時とあるのはテクニックとしてやってるのかな。
話の本筋とは違うし、あんまりガタガタ言う間違いじゃないけど、ふたつ重ねるのに統一した方がいいんじゃないかと。
あと、これも王道でもないんだけど、視点がはっきりしてないからキャラクターの心理描写が薄い。
■■(たぶん男か)の視点で描いたのかな。
そのわりには語り口が統一されてないというか、表現が全体的に堅い。
たとえばその1のパラグラフ2、三行目「…見守るが如く…」というのは、ちょっと堅い気がする。
好みかもしれないけど、もっと気持ち柔らかくした方がいいかも。
その1のパラグラフ2の1行目や、その2のパラグラフ1、2行目とかにも表れてるけど、
キャラクターの登場があまりにも唐突すぎる。
たしかにその前に情景描写をやってはいるんだけど、
どんな場所なのかの説明をしているだけで、
その情景とキャラクターのいる場所の関連性がはっきりとしてない。
キツイ言い方だけど、起承転結の「転」ばっかりで、読む人が混乱するのではないかと。
まだ続く。
名前、消し忘れてた……
>273
レスありがとうございました。
一部分だけ切り取ってきたものなので、主語がわかりにくかったと思います。
>明度の高い空
これはそのまま「白っぽい青」の空、というニュアンスで使いましたが、
普通の表現でよかったのかも。
>瞳が〜
無生物主語のつもりで書いてしまいました。
飾りを外すと確かに微妙ですね。
>とみに
これは純粋に間違えました。
>同じ顔
「かつて」「今と」と入れたほうがよかったですね。
ニュアンスだけで使ってしまっている箇所もあるので、今後は言葉の意味に気を
つけて書くことを心がけます。ご指摘ありがとうございました!
なんか色々書こうとか自分なりに直してみたもの貼ろうとか思ったけど
あんまりいじくられるのも嫌だよね。
以下感想だけ。
やっぱり全体的に堅いというか、表現の固さが目に付くなーというのが感想。
「如く」とか「所為」とか「漸く」とか。
ガチガチな文章が好きっていうのもあるかもしれないけど、視点が■■(=フラン?)の視点で
ガチガチな表現を使うということは、その■■もガチガチな表現の心理を抱いている
人間だろうと読み繋げられる事もあるから注意した方がいいかも。
あと、
>>276でも書いたけど、
情景描写がシーンの説明だけになってて、
その情景のどこにキャラクターが居るのかがわからない。
「○○はどこそこのここにいた」とかを書けと言ってるんじゃなくて、
もっと自然な表現の仕方ってあると思うんだよね。
比喩表現を沢山使うのはいいけど、使いすぎると鼻につくよ。
ではがんばってください。
>268
母親は40代半ばだそうですが、全然口調がそうは見えません。フツーの女性ですね、20代の。
目が見えない人とも思えません。態度が極めて普通です。その辺の人みたいです。
恐らくはいいシーンのはずなので、「はあ?」と読者に思われては台無しではないでしょうか。
あと「無生物主語」の描写は完全に失敗してますのでもう一度推敲しなおしてみてはいかがでしょう。
主語を省略しすぎです。省略すべきでないところまで省略してしまっているので、ところどころ主観描写になっています。
読者に混乱を生じさせる元なので、明記するか表現を変えるかしてみては?
私はしょっぱなからどれが誰なのかわかりませんでした。
>278
抜き出す箇所が拙かったのかもしれませんね……。
表現が硬いのは自覚がありますので、もう少し柔らかめの表現に直してみます。
比喩の使いすぎは確かにありますね。気をつけます。
>279
口調及び態度は、そういう設定のキャラだということでご容赦くださいませ。
主語を省きすぎというのは意識してそうしているのですが、以前にも指摘された
ことがあるのでこれからは状況がちゃんとわかるように表現を変えてみます。
ありがとうございました。
オリジナル小説の導入部です。評価お願いします。
勇者サラマンド。
13にして王国を襲ったドラゴンをうち倒した男。
その後も国に降りかかる数々の難問を解決に導いた男。
わずか15にして勇者の称号を得た、大陸唯一の男。
けれど勇者は、突如として姿を消した。
数々の名誉も地位もうち捨てて。
8年で、彼は伝説になった。
だが、王国に闇が影を落とす今、再び勇者は姿を現す。
クールでニヒルなナイスガイ。サラマンド山田。
今、彼の運命が変わろうとしていた。
不穏な空気を感じ取ったサラマンドは、己に課した禁忌を破り、一路王都へと向かった。
国にも民衆にも、もう何の義理も未練も感じない。
何より、今では誰も彼の姿を覚えてはいないだろう。
『暁の勇者』
その名前だけが一人歩きしているのが現状だ。
まるで都合の良い神のように、何でも叶えてくれる魔法の呪文のように、人々はその名を呼ぶのだ。
そんな状況に嫌気が差して姿を消したはずなのに、今また、彼は王都へ向かっている。
『暁の勇者』
彼にとって重荷でしかないその呼び名が、今も彼を縛り続けているのだ。
迷いの森と呼ばれる難所にさしかかった時だった。
サラマンドは前方に、なにやら怪しい人影を見とめた。
怪しさこそあれど、危険を感じる事はなかったのだが、サラマンドは慎重を期して、静かに間合いを詰めた。
人影の正体は、小柄な少女。
ふわりとした優しい感じの服を着ていて、とてもこんな危険な場所にいるような格好だとは思えない。
最初、森に迷い込んだ村娘かとも思ったが、その背には華奢な体と服装にそぐわぬごついリュックを背負って、しかもよく見れば剣まで所持していた。
どうやら、ただ森に迷い込んだだけ、と云うわけではなさそうだ。
少女は見るからに疲労の色を隠せない様子で、それでも一心に前を目指して歩いている。
ただの迷い込んだ村娘ではないようだったが、手練の冒険者とはとても思えない。
この森は、そんな娘が、しかも一人で気軽に来れるような場所ではない。
一体少女にどのような理由があるのかはわからないが、如何にクールでニヒルなサラマンドであろうとも、この状況を見過ごす事はできなかった。
一歩また一歩と、ピンクのボンボンが可愛く揺れる少女に近づいていくサラマンドは、次第に、なんだか隠しようのない違和感を感じ始めていた。
更に近づいて、そして理解した。
彼女が持っていたのは、荷物だけではなかったのだ。
少女は、男二人をロープに縛り付け、引きずるようにして歩いていた。
それは確かに疲れるだろうと、サラマンドはしみじみと納得した。
察するに、彼女はひとりで森に入ったのではなく、 先の戦闘でその二人が戦闘不能に陥ってしまったが為にひとりになってしまったのだろう。
これでますます見過ごすことが出来なくなってしまった。
サラマンドは少女に声をかけるべく一歩踏み出した。
今では認めざるを得ない。
それは間違いだったのだと。
彼は良心など捨てるべきだったのだ。
完全なる失敗。
だが、それに気付く事が出来なかった。
今彼は、転落の人生への一歩を踏み出した。
けれどそれを知るのは、もう少し先の話になるだろう。
サラマンド山田は宿屋にいた。
あの森での出来事の後、サラマンドは倒れた男2人を蘇生させ(彼は勇者だけあって魔法も使えるのだ)少女の持っていた荷物を2人に渡すと、サラマンドはそのまま言葉も交わさず彼らと別れた。
彼は勇者サラマンド。その辺の旅人と馴れ合うわけにはいかないのだ。
件の3人組は、少女と少年と剣士風の男の3人パーティーのようだった。
見たところ剣士風の男の足を他の2人が引っ張り合っているように思えたが、運のないヤツだと思っただけで、敢えて何も云わずにその場を去る。
彼は暁の勇者サラマンド。
余計な詮索などせず、更には名を名乗ることも許されない。
それが勇者というものなのだ。
王都に向かってクールに森を抜けていくサラマンドの目の前に、突然、彼とは反対方向に向かったはずの3人組が目の前に現れた。
「なっ……!」
寝耳に水とはまさにこの事だ。鳩に豆鉄砲でもいい。
とにかく、これには流石のサラマンドも驚かないわけにはいかなかった。
彼らが対峙しているのは、モンスターの中でも最弱と呼ばれるスライムが4〜5匹。
手助けの必要すらない程度のモンスターだが、驚きのあまり呆然としているサラマンドの目の前で、あっという間に男2人が倒された。
「……マジ?」
思わず呟くサラマンド。
勇者に有るまじき言葉だが、出てしまったものは仕方がない。
唖然とするサラマンドの前で、残された少女は、2人が倒れたことなど気にもとめずに、持っていた剣を慣れない手つきでぶんぶん振り回すと、あっと云う間にスライムを倒した。
この事からも更にわかるだろうが、スライムとは、明らかに素人であると知れる少女の剣技ですら倒せる程度の敵なのだ。
少女が倒れた男達のことをまったく気にしていないのは、彼女が冷たいからと云うよりは、もう慣れた情景だからのようだった。
スライムを倒した少女は、地面に落ちた金を拾うと、手慣れた様子でさかさかと男達に紐を結びつけると引きずって行き始めた。
最初に自分が見た光景はこれだったのかと、サラマンドはぼんやりと考えた。
サラマンドは悩んでいた。
何故、反対方向に行ったはずの3人が自分の目の前にいるのか。
何故、スライムの一撃に彼らは倒されたのか。
何故、少女は黙々とそれに耐えているのか。
サラマンドには分からないことだらけだったが、
「ちょっと……」
「はい? ……あ、先程の……」
これはどうにも声をかけずにいられない状態だと判断した。
ここで助けなければ男が廃る。
当然、人として町まで送るのが礼儀と云うものだ。
サラマンド山田は宿屋にいた。
彼は1人ではなかった。
サラマンド山田は男は捨てなかったが人生を捨てたことにまだ気づいていない。
以上です。
長くなってしまいましたが、よろしくお願いします。
2ch用に改行してたのですが、
間違って改行されてないものをうpしてしまいました。
読みづらかったらすみません。
長文上げるひとは
できたら同時にテキスト形式のやつを
適当なあぷろだにうpして欲しいのココロですにゃー
>281
何となく迷宮説話系の流浪譚・虜囚譚っぽい。
hosu
290 :
スペースNo.な-74:04/01/05 21:56
>281
何か言ってやりたいのだが、どう言っていいのかわからない。
田口
混沌の渦。
何処とも知れぬ、荒涼とした世界。
世界の中心には一本の石とかした大樹があった。
樹は文字通り、天を支える世界樹であった。
もしこれが枯れたり斬られたりした日には、
そりゃあ目も当てられない天変地異が世界を見舞うことになるはずだ。
だから、その神聖な御神木に手を出そうなんて考える不埒なヤツはいなかった。
されど。
いま、世界樹の根元から、
不遜かつ凶悪な笑みを湛えてそれを見上げる筋骨隆々の巨漢に関しては、
どうやら例外といったほうがよさそうだった。
巨漢の男は股間に手を当てむんずと男根をとりだした。
天をも突き通すかという大男根である。
ややあって股をあけっぴろげにした男が言った。
「やい、世界樹よ。俺様のマラとお前の木の股どちらが強いか勝負しろ」
はて、珍妙なることか、なんと化石であった世界樹が蠢きだしたではないか。
木の根がもどもどと動いて形を造ってゆく。根と根があわさり。貝のごとくひっついた。
木のこぶが膨れあがり貝柱のごとく盛り上がった。
なんたることか、世界樹はその名のごとく子を生み出す器官をつくったのだ。
巨漢の男と、母なる世界樹の怪異なる決闘が今はじまる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
どうでしょうか、書き出しなのですが?
>292-293
自分としては普通に面白い。
文章もライトノベルとして考えれば及第点。
これでこの先単にやってるだけなら面白くないけど
なにやら珍妙なプレイがでてくるのなら面白そう。
でもなにやらピンク板向き?
この先書いちゃったら。
地の文が微妙に古語つかいだったり、現代口調になったりするのがちょっとアレな気はする。
ギャグで行くみたいだからいいのかなぁ。ちょっとわからん。
>>292の
「そりゃあ」を「それは」に、
「だから」を「それゆえ」に、
「不埒なヤツ」を「不埒な輩」にしてみた方がいいんじゃないかなぁと思うのだが。
というかさ、冒頭だけ書かれたって何も判断できないわけよ。
書くならあらすじを書いてくれ。プロットでもいいから。
>281
厳しい言い方になりますが、ご容赦を。
一文一文が粗雑、という感じを受けます。
もっと言葉のつながりや流れを大事にして欲しいというか。
読んでていてテンポの崩れるような表現が多々あって気になりました。
>292
書き出しなのでどうか、という質問には答えられないけど(全体見えないし)
上手だと思う。読みやすかったです。
創作小説の一部です。厳しい批評お願いいたします。
歴史小説(舞台は古代中国)なのですが、説明不足のような気がします。
背景を知らなくても面白いかどうか、それも含めてご批評下さい。
================================================================
「どうか、もうお構い下さいますな……」
掠れたか細い声が、牀を覆う帳の合間から流れ来る。薬湯の独特
の匂い。陰しか見えぬその愛妃の、篤い病の中での懇願に、この中
華をその意のままに動かせる唯一の男は、肩を落とし部屋を出る事
しか出来なかった。
そして女は、決して男にはその顔を見せようとはしなかった。
―――私の命はもう、長くはありますまい……。
そう告げた時、周囲の人々は一斉に私の声を押し潰すように否定
した。しかし私にはよくわかる。けだるいこの身体は既に起こす事
さえままならない。こうして口を利くのも億劫になる。鏡を見るま
でもなく、私の顔がさぞかし窶れているとわかる。楽士である兄が、
気恥ずかしく厚かましくも傾国とまで歌ったこの顔。次に化粧する
時は……。
察した時から、私は決してあの方に会おうとはしなかった。元々
私は身分もない舞妓で、病になっても良くて薄くかび臭い布団に寝
かされ、放置されるだけだった。医師も薬もなく、それが当たり前
だったのだ。
私が今この後宮で手厚い看病を女官達から受けられるのも、ひと
えにあの方の目に止まった為。そして今日までその寵愛が薄れる事
の無かった為。
あの方は私の顔かたちと、身体から生み出される舞を愛した。
299 :
スペースNo.な-74:04/01/21 05:01
いいと思うよ。
最初チョットスカしてるなと思ったが(w
第一印象に反して読みやすくわかりやすかった。
>>298 自分が歴史物を全く読まず、現代の文語しかわからないので
なんと言うか、自分に出来ない事をしている人に対する嫉妬心
と反発心があって、上手く測定できませんが。
結論は、上手い、です。
>298
個人的には「この中華を」という表現が気になったかな。
古代中国で中国の事を「中華」と表現するだろうかと思ったので。
単に「この国」で良いんじゃなかろうか。
>元々私は身分もない舞妓で、
>病になっても良くて薄くかび臭い布団に寝かされ、
>放置されるだけだった。医師も薬もなく、それが当たり前だったのだ。
後この文章がちょっと気になる。
あくまでこれは仮定か過去であり、現在は違うという強調が欲しい。
ちょっと一瞬頭が混乱した。
失礼だと思うけど例としてこんな感じに直すと良いと思う。
「元来私は身分が低い舞妓だった。
かつて病に罹った時は良くて薄くかび臭い布団に寝かされ、放置されるだけだった。
医師に見せられる事も無く、勿論薬が与えられる事など無かった。
それが当たり前だった。
今からは考えられない事。でもそれは私の中から消えない紛れも無い事実。」
このように過去は過去として過去形で強調した方が良いと思う。
その方がわかりやすい。
他には三人称から一人称への変化が突然でびっくりした。
どちらかに統一した方がいい気がする。
後ろの一人称を変えるのは難しいと思うから
前の三人称を一人称に変えたらどうだろう。
と色々書いてしまったけど全体的に上手いと思うよ。
でも確かにそうだね。もうちょっと説明が有った方が良いかもしれない。
私は298じゃないしこれは個人的好みだが
302のリライトより298のオリジナル文の方が
なんぼか好み。
文体が違うのでまずあり得ないと思うが、該当部分だけ302に直したとしたら
一気にクソ文に成り下がる。
つまり302もリライトを試みるなら、もう少し文体というものに
気を遣ってはどうかという話なのだが。
私も298のままの方がいいなあ。
三人称から一人称に変わる部分も、ああ前のは導入部なんだな、ってすんなり読めた。
あと302の言ってるところ、私は別の部分が気になると思った。
なんかもう少しエピソードがあったらいいな、と。
だけど普通に読んでる文にはあんまり気にならない。評価っていうか、そういう意味で
読んだら目につくという程度で。
一人称のくだけた感じもそのままでいいと思う。
>298
いいと思うよ。
導入部は帝である男の落胆する姿、愛妾(かな?)に拒絶された悲しげな表情が想像できて良かった。
語り部分は女性特有の涛々とした、やや突き放すような描写が傾国と呼ばれたその女性の雰囲気に合うように感じた。
自らを第三者的に表現する自嘲気味な文体は、なんつーかな、いかにも中華的な書き方に思える。もちろん、日本的な中華だけども。
末尾の一文なんて、自嘲文の一言に尽きよう。
個人的に欠点に思うのは、文中3ヶ所で使われている3点リーダ。
古典文には…なんて無いし、この文章を読む限り必然性は感じられないので省略してもいいんじゃないかな?
あくまで個人的になんで、参考ってことで。
>302
おれも303同様302のリライトに不満。文章が死んでる。298にあった情緒が雲散霧消しちまってる。
あと、リライトは反感買うことが多いから次から自重したほうがいいよ。
他のスレではリライトしてもうpろだに上げてリンク張って、読みたい人だけ読めるようにすることが多いから。
一ヶ月以上前に書いたものに、今さっき手直しを加えたものです。
よろしくお願いします。
墜落−−それは、戦闘機乗りが最も嫌う言葉だった。墜落といっても、その原因は
いくつもある。しかし彼等が嫌うのは、敵機に撃墜され、地に墜ちることだ。最も不
様で、恥さらしな行為−−己の腕の未熟さをアピールすることでもある。
だから彼女は苛立っていた。綺麗な長い金髪が目立つが、緑のカーゴパンツや茶色
のフライトジャケットは対比的に地味だ。しかしジャケットの右肩に縫い止められて
いる部隊章は、彼女の宝である髪と同じほど目立っていて、彼女にとっても髪の次に
大事な物だった−−金色の鷹のシンボル。空軍のエリートの証だ。これは彼女の誇り
であって、汚されることは許されない。しかし現に、彼女はこうして地へと降り立って
いた。つまりは、彼女のプライドは汚されたということになる。
だからこそ−−彼女は苛立っていた。
広いばかりで何も無い草原の上を、戦闘機が編隊を組んで飛んでいく。どうやら戦
闘は終わったらしかった。彼等が向かっていくのと逆方向に、黒煙を上げてゆっくり
と地に堕ちていく戦闘機が見える−−幸運にも彼女の僚機ではない。だが、問題なの
は、今彼女の上を基地に帰還するため飛んでいる戦闘機が僚機だということだった。
このままでは彼女は一人、基地に帰還できずに取り残される。とはいえ、僚機が着陸
できる場所も、そして恐らくは彼女が乗る空席も無いのだろうが−−。
苛立ちばかりが山積みになって、彼女は罵声を小さく漏らした。彼女の、「綺麗」と
「可愛い」の両方を備え持つ容姿からは想像も出来ない言葉を連ねる。彼女の恋人が
聞いたら卒倒するだろう−−残念ながらその恋人は、ここからは遠く離れた場所にい
るのだが。
思いつく限りの、そして記憶の隅から隅まで探して見つかった罵声の種類を一通り
挙げて、とりあえず彼女は黙った。冷静になる。いや、冷静になるべきだと判断して、
そうなろうと努力した−−その判断を下した時点で、もう充分冷静になりつつあるの
だろうが。とにかく、今すべき事を思い出す。思い出すというのは、空軍学校で各状
況に対する対策手段を教え込まれたからだ。
ふと、彼女は太陽を見た。生憎、曇っているが太陽は隙間から光を漏れさせている。
割と真上に近い位置だ。つまり真昼に近い。
さらに調子よく思い出して、彼女は自分の体をチェックする。衣服の破れ、怪我、
装備。ジャケットの上につけているハーネスがやたら重いが、ここで外す訳にはいか
なかった−−証拠が残るからだ。仕方なくハーネスを外すことを諦めて、代わりに
ブーツに縛り付けてあるダガーを抜いた。刃は曲がっておらず、輝きも失っていない。
これも彼女の宝だった。破損の一つも無いのは幸運としか言いようがないだろう。
身体のチェックを済ませて、あとは身の回りの状況の確認−−草原の真ん中。どう
しようもなく広い。どの方角が自分の戻るべき場所であるかは分かった。常に北の位
置は確認しているからだ。だがそれは大まかな道標でしかない。地図の類は持ってお
らず、標識はおろか道すらない−−。
自分の帰路がいかに不安定なものか確認して、彼女は一つ大きな溜息を吐いた。
以上です。オチなし。
言葉や表現にしょっぱなから違和感あるんですが…
#「撃墜*される*こと」は「行為」ではないのでは?
「己れの不様さをアピールすること」を「行為」と表しているの?
文の構成が変じゃない?
#「対比*的*に地味」ってのも変。私は寡聞にして知らないが、こんな表現あるの?
# >大事な物だった−−金色の鷹のシンボル。
「大事な物だった−−」で一旦文は終わり、「金色の鷹のシンボル。空軍のエリートの証…」と
続くんだよね?でも私は上のように一文として読み、何度か読み返した。
それともこの手法、もしかして倒置というヤツだろうか?むしろ逆効果。
あと、前振りを読むに「彼女」はどうやら撃墜されたようだが、それにしちゃ
>降り立って はおかしいでしょう。
たった20行足らずの冒頭でこれでは、続けて読む気にならないよ…
>>309 厳しいお言葉ありがとうございます。
お目汚し申し訳ございませんでした。出直します。
やっぱり他人に読んでもらうことは大切だと実感しました。
全体的になんか読みにくい。違和感があって、すんなり読めない感じでした。
読んでいくうえのリズム感(ていうのか?)と、言葉の選び方に気をつけたら
きっとよくなるんじゃないかと思います。
たとえば、1の3行目「〜苛立っていた」から、いきなり「綺麗な長い〜」とはじ
まるのは、少し不自然な感じがするので、あいだになにか入れたほうがいい
んじゃないかと思う。
あと、「彼女」という言葉が一文に重複してるのが多いのが気になった。
別の言葉に代用するとか、文をねりなおして抜くとかした方がいいと思う。
私が文章を書くとき、そういうことを気にするというだけなので、正しいかどうか
はわからないですが。
それから「−−」を多用しすぎ! あんまり使いすぎると「−−」の効果がうすく
なってしまうのではないか、と思います。
偉そうに書いてスマン。がんばってください!
なんというか、一度音読してみると、違和感とかに気づくと思いますよ。
>300->305
真摯なご意見、本当にありがとうございました。
こんなに頂けて驚喜しています。
>「この中華を」
古代中国にも「中華」という言葉は出てきますので、
普通に使っていました。
この男の権力の大きさを「この国」以上に見せたかったので
ここでは使っています。
>「元々私は身分も無い舞妓で〜」
確かに最後の部分(医師も薬もなく〜の部分)が、
少し唐突な文章になっていました。
エピソードを少し付け加えてみます。
>三点リーダー
確かに多いですね。余韻を持たせるつもりでつけていたのですが、
気をつけますね。
>「次に化粧する時は……。」
この三点リーダーは、実はキーワードで後に繋がるので、
わざとつけています。ダッシュに変更した方がいいかもしれませんね。
>三人称→一人称
304の言うとおりです。
(導入部としてわざと最初だけ三人称で書いてみました)
客観的視点からの情景も入れてみたかった為です。
あと読みやすかったとの感想も嬉しかったです。
これからも精進します。ありがとうございました。
オリジナルの代書の部分です。
評価お願い致します。
自分で書いていて説明しすぎ感がしているのですが
略いてしまうとわかりづらいような気もしています。
続きも読んでみたいかどうかなどお聞かせ頂けたらと思います。
部屋の壁に設置されているスピーカーから夕方の六時を告げるチャイムが鳴り響く。
職員室ではなく数学教官室の中で一人、山田太郎は自分の机に座って仕事をしていた。
傾いた陽光が、机に向かっている佐々木の右斜め前方から入り込んできて、
製作中の書類を明るく照らしてくれているので、自然と室内の明りをつけることも忘れて
時々電卓を押して計算をする以外は黙々とペンを走らせていた。
が、耳に届いたチャイムに現実に引き戻されたように目を瞬かせながら、
全体的に短い感じの黒髪を揺らして佐々木は顔を上げた。
前髪はセンターで分けて軽くサイドへと流して顔がはっきりと見える。
夕陽のせいで多少赤味の混じっている瞳は普段では黒く、目鼻立ちもすっきりとしているため、
黙っていれば全体的に物静かで取っ付き難い硬い印象を与えているかもしれない。
そんな佐々木が書き出していたのは、今年入ったばかりの中学一年生全員に取った
【修学旅行に関して】のアンケートの集計だった。
ペンを机の上において、統計を取った結果を書いた紙を取り上げて、顔前で揺らす。
「本当、好き放題書くよな……」
紙に羅列されているのは、東京ディズ●ーランドやら、大阪のユニ●ーサルスタ●オジ●パンやら
遊ぶところばかりの修学旅行の行き先。
子供達は知ることはないが、修学旅行というものは中学一年生で入学して少ししてから、
アンケートを取って場所をいくつかあげてしまって、二年生になってから担当の先生達が
何人かで予定のコースを周り、それを会議で選考して決めておき、
三年生になると行くことが出来るようにスケジュールが組まれている。
そのため、一年生持ちになると忙しいことが更に増えるのである。
もっとも、三年生は三年生で、高校へと進学するための手続きや、就職する子供達のためにと、色々なことが山ほど出てくるので一番楽な学年はやはり二年生なのは否めない。
佐々木は今年の三月に三年生を卒業させて、そのまま新入生である一年生を受け持つことが決まった後に、
これから経験する事になるだろうからと、修学旅行関係も担当にさせられてしまったのであった。
教員採用試験に合格して六年、この中学にやってきて二年目の今年ことだった。
「……一番下になるんだから仕方無いな」
先生というものは勿論一概には言えないが、佐々木の経験上ではやはり採用試験に
受かった者からの順列になっているような気がしていた。
どれだけの年齢に達していても採用試験に受かって始めて新人扱いなのだ。
だから、十年教育の現場にいた三十五歳で新人の人もいれば、まだ経験の無い二十二歳で新人もいる。
六年経ってもこの状態なのだから新人さんはもっと大変だろうなと考えながら、
自分の仕事がどんどんと増やされていくことにも溜息混じりになっていた。
「面白いことの一つでも見つかれば……まだマシかも知れないんだが」
そう呟いたときに教官室のドアがノックされて、数学教官室には佐々木一人なのに明りもつけていない。
普通なら誰もいないと思って何も言わずに入ってくるだろう同僚の教師ではないとわかると、
紙を机の上に置き戻すと、座っていた椅子をくるり、回してドアの方へと身体を向け直しながら佐々木は返事をした。
「開いていますよ。どうぞ」
こんな時間にやってくるのは遅くまで残っていた生徒が他の先生に使われて
何かしらプリントやらを運ばされているのかも知れないと考えた佐々木は
極上の先生スマイルで押し開いてくるドアから入ってくるだろう相手を迎え入れた。
313-314と長くなりましたが
ここにUPする際に改行などが若干違っているくらいで
殆ど書き換えてはいません。
よろしくお願いします。
きついことを言うようで非常に心苦しいけど、なんかとても読みにくいです。
例えばネット上でオリジナル小説を読むとき、私の場合だいたい頭3行くら
い見て、続きを読むかやめるか決めるのですが、これはちょっと、あまり全
部を見たい気がしません。
お話の内容じゃなくて、文章の出来(なんか偉そうでスマソ)の話です。
一文が長すぎてごちゃごちゃしてしまっているところが目につきました。
その一文にいろいろつめこみすぎてわかりにくくなってる気がします。
たとえば、「傾いた陽光〜走らせていた。」のところですが、一文の中に3つ
も4つも状況説明的な表現があるので、二文くらいにわけたらどうかな、
と思いました。
それから、これは個人的な好みというのもあるのですが、主人公の容姿の
説明とかは、「これから容姿について書くぞ!」という感じではなく、さり気なく
主人公の容姿を説明するような状況に持っていったほうが読み手の興味が
ひけるのではないかな、と思います。
説明が多すぎるというのは、修学旅行や「先生」という職業についての項だと
思うのですが、そこはとくに気にせず読めました。
あとは冒頭をもっと工夫した方がいいと思う。結構ありきたりなはじまりだしな
ので、「なんのお話なんだろう?」くらいに興味をひくような始まりだしにして
みてはどうでしょうか。
がんばってください!
>306
「僚機」は「友軍機」に変更したほうがいいな。遥か上空を飛んでいる友軍機の中から僚機を選別するのって難しいと思うぞ。
見たところレシプロ機のようだけど、説明がなきゃ情景も思い浮かばない。
文章そのものも稚拙だけど、単語の使い方もまずい。
基本的な言葉そのものの正しい用法を物にしてから臨んだほうがいいと思う。
何を言いたいのかはもちろん、何を書いているのかすらわからないでは文字通りお話にならない。
精進あるのみ。
>313
「代書」とあるのできつめに言います。
すみません、論外気味です。
複文に偏りすぎ。接続詞が単調。情景描写が漠然としすぎて説明文に体を為してない。誤字脱字多すぎ。観点が一致していない。文章不整合箇所ありすぎ。
山田太郎=佐々木?
続き云々じゃなくて、313はまずこの文章を丁寧かつ丹念に校正して、清書して、声に出して読んで、それからまた校正して、さらにまた清書してください。
一つの文章を高める努力を余りにも怠りすぎています。はしょりすぎです。
これが「代書」では、依頼した方に余りにも申し訳ないのではないかと思います。
せめて誤字脱字補正・文法誤用改正の怠慢は避けてください。
何様だよおれ、て自分でも思うけど、こりゃないよ、
>>313
>316
偉そうじゃないです。
レス下さってありがとうございます。
>「傾いた陽光〜走らせていた。」
傾いた陽光が入ってきたという文ではわかりずらいかと思いまして
読んでいる人にわかってもらおうと
あれもつけて、これもつけて…としているうちに大きく広がっていったようで
>318さんにも書かれていますが、広がり過ぎて余計にぼやけていったみたいですね。
もう少し短く纏められるように気をつけたいと思います。
容姿やお話の始まりに関してももう少し捻った方がいいようですね。
出来事として唐突に会話が始まるのもいきなり過ぎるかと思っていたのですが
もしかしたらそういった唐突さがあった方が興味を引くのかもしれませんし
その辺りも考えていきたいと思います。
説明の部分にはそれ程なかったようでしたので少し安心しました。
>318
>代書
これは小説の書き出しと書いたつもりだったのですが
前文消えた際に慌てていたことで打ち間違えていました。
実際に指摘されるまで気づきませんでした。
>山田太郎=佐々木?
そうです。本来なら佐々木何某と名前があったのですが
こちらに投稿する際に、名前は変えて置いた方が良いだろうと思い
変えていたのですが
投稿した際に、本文が長すぎると出て、全文消えてそれで慌ててしまい
名前の変換をする前の状態で投稿してしまいました。
どちらにしましても、共に確認していれば防げたミスだと思います。
申し訳ありませんでした。
>せめて誤字脱字補正・文法誤用改正の怠慢は避けてください。
メモ帳に書いて目に入るように貼り付けておきます。
長くなってしまいましたが
往復ビンタを食らった感じで目もさめました。
自分としてはこういった厳しい返事がもらえて嬉しいです。
ありがとうございました。
次に投稿するときは誉められるように頑張ります。
>>311 「彼女」という代名詞を使っているのは名前が未定だからですが、
「−−」と同じほど乱発してました。申し訳ありません。
文のリズムはあまり気にしてませんでした。自分でも引っ掛かるものはあるのですが。
>>317 「友軍機」という単語の方が仰るとおりあてはまると思います。
文を書くにはまだまだ勉強不足でした。申し訳ありません。
勢いだけで書いてしまい、文を読み返すということを全然しなかったので
出来の悪すぎる文章になっただけでなく、皆様の気分を害してしまって申し訳ありません。
厳しいお言葉を頂いて嬉しい限りです。
指摘、ありがとうございました。出直してきます。
代名詞を使うのは、それ自体は悪い事じゃないと思うよ。
私も代名詞でしか登場しないキャラなんてのを立てたことある。
尤もその時は「女性」「彼女」と使い分けたけど。
>これは彼女の誇りであって、汚されることは許されない。
>しかし現に、彼女はこうして地へと降り立っていた。
>つまりは、彼女のプライドは汚されたということになる。
>だからこそ−−彼女は苛立っていた。
しかしこの辺りとか、彼女彼女と確かに煩雑。
上で添削の弊が語られたばかりだが(そして私も同意だが)
例えばもう少し一文を長くして、
>これは彼女の誇りであって、汚されることは許されない。
>しかし現に、彼女はこうして地へと*墜とされ*ていた*───*(#と一文に
つないじゃう)つまり*それ*は汚されたということ*である*。
>だからこそ−−彼女は苛立っていた。
とか。
「彼女のプライド」とは「金色の鷹のシンボル」のことだよね?
なら「それ」という代名詞に置換可だと思う。
(ちなみに先には「誇り」と表現しながら、その直下で「プライド」というのは
どうかと。文章も表現もマズイといわれるのは、こういう気配りの無さも
あると思うよ)
個人的には*───*てのは、こういう時にこそ活用すべきだと思うがどうかな。
*を連発すんな。
読みにくい。
>>322 指摘してくださりありがとうございます。
推敲をせず勢いだけで書いていたことが気配りのなさとして表れたのだと思います。
これから精進しようと思います。ありがとうございました。
つーか、「推敲してなかった」みたいに書く人多いけどそれくらいやれよ。
自分のサイトにあげる小説だって何度か読み返して、せめて誤字脱字くらい調整するだろ。
評価してもらうっていう目的で書いたものなんだから、最低1回は読み直せや。
>>322 言葉を連ねることで全て説明しようとしているような、
ギクシャクした印象を受けます。
例えばこの部分。
>ふと、彼女は太陽を見た。
>生憎、曇っているが太陽は隙間から光を漏れさせている。
>割と真上に近い位置だ。つまり真昼に近い。
真上に近い位置=真昼に近い時刻、とは自然に知れるので、
最後の一文は省略してもよいのではないでしょうか?
どうぞご参考まで。
頑張ってくださいね。
313は
> 説明の部分にはそれ程なかったようでしたので少し安心しました。
とかいってる場合じゃないぞ。
それ以前の問題が大すぎて、説明云々の批評まで辿りつけないだけのことだから。
個人的には「国語教育はどうなってるんだ?」といいたくなるほどだ。
お願いします。パロ短編。
マイナージャンルなので、男同士でしたが、女同士にして名前も変えてみました。
あったかいね、なんて、本当は寒くてたまらないのに、どうしてか私はそんなことを言ってしまった。
繋いでいる頼子の手もやはり冷たかったし、直接身体が触れているコンクリートはどんどん体温を奪
っていった。
今年の大晦日はずいぶん冷え込むらしかった。東北地方や日本海側はもちろん、普段雪が降らな
いような地域でさえ、天気予報のマークには軒並み雪だるまが並んでいた。コートの襟を立て、マフラ
ーをしっかり巻いてきたが、手袋を忘れてしまったことは大失態だったと今更ながらに思う。
学校の近くのコンビニで待ち合わせたのは、X高校が私と一年後輩の頼子の家のちょうど中間のとこ
ろにあったからだ。別に二人で会う約束をしていたわけではなく、バレー部の一部、とりわけ親しい者同
士での初詣というのに参加することになっていたからで、実家が少し遠いサヤカやマスミに比べて比較
的近くに住んでいる私たちが二人で待ち合わせをすることになったのは、まったくもって自然な成り行き
で、何か特別な理由があるわけではない。
私たちが向かっているのはX高校の最寄りの駅だ。
そこから電車で二駅過ぎたところに比較的大きな神社があって、駅への道にはこれから初詣に行くので
あろう参拝客がちらちらと姿を見せ始めていた。
サヤカたちとの待ち合わせの時間は11時30分。私たちが駅に向かい始めたのは11時少し前で、ま
だずいぶん時間に余裕があった。だから頼子が公園に寄ろうと言ったとき、私は疑問を持ちながらも断
らなかったし、寒いのだって多少なら我慢してやろうという気になったのだ。
近所の中学生や高校生がたむろしているのではないかと思われた公園は、意外なほど人気がなくし
んと静まり返っていた。赤や黄色のペンキで塗り分けられた遊具の合間をぬって、頼子はコンクリート
で造られた真四角のベンチに腰を下ろした。吐く息は真っ白で、夜の深い闇によく映えて、空気の冷た
さをより自覚させるような色をしている。そのまま隣に腰掛けて、缶コーヒーのプルタブに爪を引っ掛け
る。携帯のボタンを探り、私はまだ数分しか経っていないことを確認した。駅までの道程は5分とかから
ないので、まだ急ぐ必要のない時間だった。
「ねえ、このまま行くのやめて、ふたりで年越しましょうよ」
コーヒーの湯気が吐く息と交じり合い、白い空気が立ち昇っていく中、それをかきちらすように頼子が言
った。頼子があまりにも突然、そして自然にそう言ったものだから、危うく私は肯きそうになってしまった。
「なに考えてんのよ、サヤカたちが待ってるんじゃん」
とっさに慌ててそう返したが、心の中ではそれもいいんじゃないか、と囁く声もあった。だから、頼子がも
う一度提案すれば肯くつもりだった。
案の定、頼子はサヤカや親友のマスミを待たしているのにも拘わらず、彼女らに対してあまりにも自分
勝手な主張を繰り返し、そして頼子のことをとやかく言えないようなことを考えていた私を肯かせたのだっ
た。
頼子はなぜかしきりに手を繋ぎたがった。
女同士で何を考えてるんだとか、確かそんなふうなことを言ったはずなのに、いつのまにか私の手はしっ
かりと捕まえられていた。冷え切った指先同士が触れ合ったとき、ぴしゃりと振りほどいてやろうかと思っ
たが、頼子の手は自分の手よりもずっと冷たくて、そうしてしまうのはなんだかほんの少しかわいそうな気
がした。
「あったかいね」
そう言った自分の声は、冴え冴えとした暗い夜空の中に自分でも情けなくなるくらいまぬけに響いた。
前述の通り、外は本当に寒かったし、繋いでいる頼子の手は自分の手よりもずっと冷たかったというのに。
「あったかいですね」
そう返した頼子の顔は笑いをこらえるようにひきつっていて、私は思わず下を向いてしまった。
あと15分で今年が終わる。新年を迎えるとともに、頼子は一つ年をとって、私と同じ年になる。
あけましておめでとう、という前に、誕生日おめでとうなんて私が言ったら、
そのあまりのらしくなさに、期待さえしていなかった頼子はきっと驚くのだろうと思う。
「誕生日おめでとう」
おわりです。
>329-331
時々一文が長すぎる。
>別に二人で会う約束をしていたわけではなく、バレー部の一部、とりわけ親しい者同
>士での初詣というのに参加することになっていたからで、実家が少し遠いサヤカやマスミに比べて比較
>的近くに住んでいる私たちが二人で待ち合わせをすることになったのは、まったくもって自然な成り行き
>で、何か特別な理由があるわけではない。
例としてこれなんかは一文が長すぎて読みにくい。
せめて二文ぐらいに分けたほうが良いと思うよ。
後は、「手を繋いでいる現時点」から「手を繋ぐまでになった過去」への
切り替わりが曖昧で咄嗟に過去に切り替わった事がわからなかった。
そのあたりをもうちょっとわかりやすくした方が良い。
それ以外はまあ細かい所は色々あるけど
私は特に指摘するほどでもなかったかな。
そして全体的に読みにくいというわけでもないし
ほのぼのしていて嫌いじゃないよ。私は結構好きかも。
そして本来はパロの男同士という事ですが
もしかして飛翔の笛の森のお二人でしょうか……?
だとしたら自分も大好きな二人だなぁ(゚∀゚)アヒャ
もし違っていたらスマソ。
文章がどうたらより、本来男同士で書かれているはずのストーリーが
女同士に置換されても違和感なく成り立つってのは…
>332
評価ありがとうございます。
>時々一文が長すぎる。
というの、実はいつも推敲してもらう友達にもよく言われるんですよ。
気をつけてはいるのですが、自然とこう、一文を長くしていまう癖がついているようです。
>過去との切り替わりの曖昧さ
指摘して頂いてから読み直してみて、自分でもわかりにくいなあ、と思いました。
他の部分もふくめ、読む人により確実に伝わるように書かなければいけない、という
ことを再確認しました。客観的な視線で読み直してみるように気をつけてみます。
本来のパロはビンゴです! まずわからないだろうと思っていたのですが、意外と
わかってしまうものなのですね・・・。恥ずかすぃ。
>333
やっぱ問題ありでしょうか。
登場人物を女に変える、っていうところで書き直した部分もあるのですが、
書いている人間である私が女なので、「このキャラだったらこう動くかな」っていうのは
あっても、どうしても女の思考になってしまうのかもしれません。
以前別の方にもそんなふうに指摘されたことがあるので、目下自分の課題です。
あ、なにか違う意味で書かれたならすいません。
一概に長文が悪いというのではなく(私は長文好き)、リズムが悪いのがいかんではないかと。
>別に二人で会う約束をしていたわけではなく、バレー部の一部、とりわけ親しい者同
>士での初詣というのに参加することになっていたからで、実家が少し遠いサヤカやマスミに比べて比較
>的近くに住んでいる私たちが二人で待ち合わせをすることになったのは、まったくもって自然な成り行き
>で、何か特別な理由があるわけではない。
ここだけど後2行がリズムを崩してる。
>比較的近くに住んでいる私たちが二人で待ち合わせをすることになったのは
まったくもって自然な成り行きであり、何か特別な理由があるわけではない。
とか、ちょっとしたことで印象は変わると思うよ。
>どうしても女の思考になってしまう
「想像」しようよ。男の気持ちをさ。
男の気持ちの動きが女と一緒では、女の私にとって「男の魅力」はないに等しいよ。
所有格や目的となる言葉が足りないから、長文を書いてもダラダラしただけで締まりがない。
きっと若い人だから、まだまだこれから伸びる事を頭に入れて、
はっきり言っちゃって申し訳ないけど、意味のない言葉を重ねる「駄文」の典型例。
言葉を惜しむ、無駄な文章を斬る、という心がけは必要だと思うよ。
>繋いでいる頼子の手もやはり冷たかったし、直接身体が触れているコンクリートはどんどん体温を奪
っていった。
ここでの主語は「コンクリート」のはずだけど、その前の「繋いでいる頼子の手もやはり冷たかったし」
という文と、主語―述語のつながりが一切無いから、両方とも文章が死んで意味が分からなくなってる。
あと、「やはり」って何だろう。その後の言葉が変にならない?
「つないだ頼子の手は、柔らかいけど、冷たい。
身体に触れてるコンクリートが、どんどん体温を奪っていく。」
二文に切ればふつうにこれくらいでいいと思うんだけど。
それと、文章が言い訳がましい。「〜だから」「〜というわけではない」「〜なので」が多すぎる。
もっとストレートに、それでいて想像できる綺麗な情景を表現する文章を心がけるべき。
「今年の大晦日はずいぶん冷え込むらしかった。東北地方や日本海側はもちろん、
普段雪が降らないような地域でさえ、天気予報のマークには軒並み雪だるまが並んでいた。」
東北地方や日本海側なんて言葉入れても意味ない。
天気予報のマークには…というのも説明臭い。
「今年の大晦日はずいぶん冷え込むらしく、さっき見た天気予報では、
普段雪が降らないような地域でさえ軒並み雪だるまが並んでいた。」
こんなくらいでどうかな?
>335
確かにそこの部分は、読み直してみるとおかしい感じがします。
なんとなく、最後は「〜というわけではない」という締めにしたくてそれに拘ってました。
なおして頂いた文、読みやすいです!
違和感を感じても、自分じゃうまくなおせなかったので参考になりました。
>「想像」してみようよ
一応想像して書いているのですが、リアルな感じにしようとすると、どうしても自分の
経験にもとづいてしまうので、多分そこがいけないのだと思います。
もっと豊かに妄想してみます。
>336
自分の文章は、私自身もポエミー杉と思うことがあるので、「駄文」というのは、
まさにそのとおりだと思います。言葉妄想型なので、つい気に入った言葉をいれ
ようとしてしまうのに一因があるのだと思います。
短い文で端的に、でも情感もありつつ、みたいな文に憧れて、挑戦したこともある
のですが、どうも納得いくようにいかないのです。ただいま研究中です。
なおして頂いた文章ですが、これも言葉の入れすぎっていうの、たしかに指摘ど
おりですね。
「今日はすごく寒い」という内容を、「普段雪が降らない地域でも雪が降っている」
ていうので表現したくて、でも直接的に「雪が降っている」という文は使いたくなか
ったので、「雪だるま」とかでてきたわけですが、
なおして頂いた文で、だいぶすっきりまとめることができるのだなあ、と参考になり
ました。
>335,336 ありがとうございました。
ふだんいちゃもんばっかりつけてるので、たまには自分の書いてるものを晒します。
風が吹いた。
ケインは馬首をめぐらせて、一面の麦畑を眺めていた。
緑の麦穂は太陽の光が差し込むたびに銀色に輝き、見ているだけで活力と希望があふれてくる。
やがて初夏になれば、この世界は黄金に変わり、この国に恵みと喜びをもたらすだろう。
風が吹くたび海のようにうねる麦畑を見渡しながら、彼はゆっくりと馬を進めた。
歌が聞こえる。雑草引きの子供達が歌っているのだ。
それはケインも幼い頃に歌ったことのある、この国の者なら誰もが聞いたことのある歌だった。
時おり調子が狂い、そのつど朗らかな笑い声が溢れる。
子供らの顔は土にまみれ、貧しく、けっして豊かとは言い難いかもしれないが、それでもその子らの笑顔を損なうことは出来ない。
いや、むしろ今の自分よりもはるかに似つかわしい、何の憂いもない、屈託のない世界の笑顔だった。
なんと平和な世界なのだろうか。
騎士であるケインにも、この麦と土と風の支配する大地が、いつも以上に大きく、美しく、そして失いがたく見えた。
この緑の世界が、戦場と変わると言われても、おそらく誰も信じようとはしないだろう。
だが、西方から五千の兵士が、馬を駆り槍をしごき、この国を目指していることは紛れもない事実だった。
帝国――そう呼ばれた、大陸でも屈指の強国が、この小さな、ちっぽけな世界を併呑しようとしているのだ。
だが、この緑の麦が実る世界にはまったく不似合いだ。
ケインは自分の甲冑姿もう一度みつめ、ため息をついた。
いや、何も考えるまい。ケインは首を横に振った……今はとにかく、感傷にふけるときではないだろう。
この土地を守るために、自分は戦わなくてはならない。ただ、それだけだ。
麦畑の向こうに見える小さな街と城をにらむと、彼は手綱を堅く持ち、馬に拍車を与えた。
ふだんいちゃもんつけてるだけあって、うまいなw
私の実力からしたらなんもつっこめん。
強いて言うなら
>だが、西方から五千の兵士が〜
と
>だが、この緑の麦が〜
が重なってるのが気になった。ねらってやってるっていう感じでもないし。
続き気になる・・・。
>子供らの顔は土にまみれ、貧しく、けっして豊かとは言い難いかもしれないが、それでもその子らの笑顔を損なうことは出来ない。
主語は?何が「子らの笑顔を損なう」というの?
>だが、この緑の麦が実る世界にはまったく不似合いだ。
主語は?何が「この世界には不似合い」なの?
あと、個人的には読点の煩雑さが気になった。文章がぶつ切りの印象だよ。
>>339-340 批評ありがとう。
やっぱり誰かに読んで貰うとダメなところが分かりやすい。
言われてみるとたしかにおかしいね。主語を入れてもう少し練ってみることにするよ。
読点の多さに関しても気を付けないといけないかなあ。
ちなみに
ああ、とつぶやいた
と、
ああ、と、つぶやいた
この場合文法的に正しいのは上の方なのかな。
「とつぶやいた」ってのがおかしい気がして、ついつい読点をガシガシ入れてしまうんだけど。
私が書くなら
ああ、とつぶやいた
○ああ、と、つぶやいた
だな。間違いなくw
そして私が読点打つなら
>騎士であるケインにも、この麦と土と風の支配する大地がいつも以上に大きく、美しく、そして失いがたく見えた。
>この緑の世界が戦場と変わると言われても、おそらく誰も信じようとはしないだろう。
今ふと思ったけど「いつも以上」っていうのは他の表現に比べてもたついた印象だね。
「いつにも増して」とかの方が、馴染むのではなかろうか?
ほしゅ
age
345 :
スペースNo.な-74:04/02/21 01:16
hosyu
春都市合わせのパロ同人、冒頭部分です。
小説本を出すのはまだ二冊目で、見苦しい点も多いと思いますが
どうか厳しい批評をお願い致します。
(人物等の固有名詞は書き換えております)
「ふうっ……」
装甲車内のシートに深く腰掛けると、エリカ(仮名)は大きな溜息をついた。
怪我人の護送も一段落して、ようやく一息つけたのだが、彼女の気分は晴れない。
尤も、エリカ自身はその場で指示を出していたのみで、
実際に動いていたのは実行部隊だったのだが、指揮をするという仕事も精神的に疲れるものだ。
加えて、現場の惨劇を引き起こした無法者の存在も、彼女の気分を曇らせる大きな要因であった。
「あーあ、どこに行っちゃったのかなあ恭一(仮名)達」
恭一と卓郎(仮名)、元々エリカは彼らと共に行動していた筈なのだが、
彼女が現場の指揮をしている間に二人の姿は消えていた。
おそらくは、ここで破壊行為を行い、多数の隊員らに怪我を追わせた張本人を捜しに行ったのだろう。
あの男の所在は今のところ判明していない。少なくとも彼女は把握していなかったのだが、
はたして情報部が掴んだのだろうか。
もしそうならば、自分も二人を追いたかったが、この場から指揮者が一人もいなくなるという訳にもいかず、
彼らが戻るまでエリカは現場で待機するしかなかった。
パロ同人だから、世界観は完成していて見当はずれのツッコミだとは
思うが、
「恭一と卓郎」って、何者?部下?同僚?
冒頭部分は、素直で整理されたもののほうがとっつきやすい。
エリカの思考内容と、状況説明と、微妙に作者の主観の入った
センテンスが、整理されないままズラズラ並んでいるので
読者側で整理しながら読まなければいけないのがつらい。
ビジュアルなイメージのわきやすい文章のほうが、
手っ取り早く読者を小説世界に引きずり込めるが、
これは好き好きなので、場合に応じて使えばいい手法だと思う。
文体等については、自分もセンスゼロなのでコメントできない。スマソ
ストーリー自体は、まだ何も始まっていないのでわからない。
一見して思ったのは「地の説明文がくどい」という印象でした。
いらない文章はごっそり抜いてしまうのはどうでしょうか。
以下、キャラクターの性格なんかを想像した上で個人的に改変しちゃいました。
お目汚しでしょうが、参考にしていただけると幸いです。
「ふうっ……」
装甲車内のシートに深く腰掛けると、エリカ(仮名)は大きな溜息をついた。
怪我人の護送も一段落して、ようやく一息つけたのだが、彼女の気分は晴れない。
実際に動いていたのは実行部隊だったのだが、指揮をするという仕事も精神的に疲れるものだ。
なにより、この惨劇を引き起こした無法者が、まだ捕まっていない。
「あーあ、どこに行っちゃったのかなあ、恭一と卓郎のアホは」
エリカはくちびるをとがらせて、指揮をしている間に消えた同僚二人の名をなじった。
救護活動を嫌って、この(場所の説明)で破壊行為を行い、多数の隊員らに怪我を追わせた張本人を
捜しに行ったのだろうけど、自分だってそっちの任務の方がずっと性に合ってる。
「なんでわたしだけみそっかすなのよ……」
指揮者が一人もいなくなるという訳にもいかず、 彼らが戻るまでエリカは現場で待機するしかなかった。
>347
「恭一と卓郎」は同僚でエリカは恭一の事を慕っているという設定です。
仰る通り文章の整理とイメージの湧く
読み手に分かりやすい文章というものをもっと意識しようと思います。
作者の主観と言うのは、私の文章の悪い点でしょうから
気をつけなければなりませんね。
>348
エリカ(仮名)の性格は原作とかなり違いましたが
(私の書いた文では彼女の性格を表現できていなかったのが悪いのですが)
とても参考になりました。
確かに348様の文の方がスッキリして読みやすいですね。
私の書き方だとエリカが二人を追いかけたい理由が不足だったんだなあと言う事も実感しました。
ただ主に削られた部分の『無法者』も重要人物(そもそも原作の主人公は彼)なので
そこをくどくならない程度に、どう折り合いつけて説明するか考えてみます。
347様、348様、ありがとうございました。
350 :
スペースNo.な-74:04/03/09 00:54
hosyu
恥を覚悟で晒します。飛翔系でやおいです。
二次創作とは関係のないお題で書いたものです。お題は「レトロ」です。
よろしくお願いしますm(__)m
今にも崩れそうな病院の廃墟。
夜ともなれば幽霊が出るといって誰も近寄らない。
何年前なのか、何十年前なのかはわからないが、相当昔から放置され完全に廃墟と化している。
こんなにボロボロなのに、基礎工事はしっかりしているのか崩れない。
いつもとちょっと違うルートで帰宅しようと思っただけなのに。
いつもより少しだけ遠回りしようと思っただけなのに。
ただ、離れがたくて。
「これは…ある意味壮観ですね」
晃は目を見開きながら不気味な廃墟をじっと見つめている。
「晃さん。気持ち悪くないんですか?」
「は?京さんは怖いんですか?」
「俺は気持ち悪くないかって聞いたんであって、怖いなんて一言も言ってません!」
仮にも仕事で殺しをたくさんしてきた奴が病院の廃墟なぞに恐怖を感じるものか。
ただ嫌いなのだ。古い物は。
京は踵を返し、すたすたと晃を置いて歩き始めた。
「ちょ…京さん?怒ったんですか?」
その声に京は晃に向けていた背中をくるりと戻し、正面から言い放った。
「ふーんだ!晃さんは、どうせ俺がいなくなったり飽きたりしたらすぐ古い過去にして他の人を見つけるんでしょ」
「俺なんかこの病院の廃墟みたいになっちゃうんでしょ」
突然、拗ねて晃を責める京がわからず、戸惑うばかり。
嫌いなんだ、古くなるのは。
廃墟なんか見てると嫌な気分になる。廃墟は過去を思い出させる。何故なら廃墟そのものが過去だからだ。
嫌だ。考えただけで目が潤む。いつか来るであろうその日を。
晃にとって自分が過去になる日を。
廃墟から京をめがけて過去が襲ってくる。
耐え切れない眩暈を感じて京はその場から消えた。
一人取り残された晃は、自分の言葉で京の機嫌を損なったと思い、どうやって機嫌をとろうかと鼻の傷跡を掻きながら難題に取り組み始めた。
すみません。名前欄にsageいれてしまいまいした。もううっかりもいいとこ。
逝ってきます(;´Д⊂
>「ふーんだ!晃さんは、どうせ俺がいなくなったり飽きたりしたらすぐ古い過去にして他の人を見つけるんでしょ」
唐突だ。一瞬なんのことを言っているのかわからなかったが
BL小説か。
京さんがご機嫌斜めになるには、もうワンクッション必要。
怒られるかと思ったのですが、聞かせて下さい。ここは自分の小説しか晒しちゃだめですよね?
自分、一人称も三人称も、テクニックっていうか、文体っていうか、すごく好きな字書きさんがいて、
その人の文章の癖とか姐さん方に教えていただけたら嬉しいんですけど…。
あんな文章書きたいとは思うものの、丸ごと盗むなんてできないし、(そもそもそんな技術ないし)
ジレンマです。
他人のサイトを2chに晒すのは、基本的にだめだなぁ。
先方にどんな迷惑がかかるかもわからないし。
ジャンルと、検索のヒントくらいならありかも。
>355
そうですよね。ヒント…伏字ならいいでしょうか。
最終幻想の七と、今は庭球をやってます。
Darling少年(英訳)ってサークルさんなんですが…。
ずっと読者だったんですけど、この人の小説を見て私も書きたいと思うようになりました。
どうか教えて下さい。
>>356 ポエムか、少女漫画のモノローグが連続したような地の文のスタイルは、
だいぶ前にコバルト文庫で一世を風靡した。
こういう文章のキモは「リズム」だ。
内容より、サラサラ流れる音楽的な雰囲気が大事。
あと、ときどき体言止め等で緩急をつけているのがわかるかな?
一人称や三人称などについては、読書経験を積まないと
なかなかスラっと出てこない。
心の中でちょっと揶揄気味に「大将」などと呼びかける箇所などは
日常生活だけでは養えないセンスだね。
健闘を祈る。
自分の信奉する字書きの小説を100回読む、とかかなぁ。
そうすると、知らないうちにめちゃくちゃ似てくる。
ていうか、相手のクセや文体を見抜くのも修行と思った方がいい。
こういうのは教えてできるもんでもないし…国語力とか言っちゃうとアレだけど。
まぁ、いくら上手くてもすぐに分かるようなコピーじゃ、読む人いなくなっちゃうから注意した方がいいよ。
パクリになっちゃえばオマージュじゃ済まされない時もあるからね。
それに、似れば似てきたで、今度は自分らしい文章の作り方に悩むことになるし…。
>353
ありがとうございました。
もっと読み手を考えて書くようにします。
文体は自分がはまった作家に気がついたら似ているって事が多いな。
自分以外にはほとんどわからないレベルだけど。
中には意図的に文体を似せるために写本をするひともいる。
過去に聞いた話だけど、某エロゲの二次創作を書く際、読者に
違和感を抱かせないためだけにゲームからテキストデータを全部抜きだし
手でその全てを書き写してシナリオライターのクセを身体に叩き込んだという
剛の者がいたらしい。
漏れにはとてもマネできねえが。
362 :
スペースNo.な-74:04/03/12 03:49
批評をお願い致します。マイナーなアニメのフォモパロディで、BとCができている。Aは隣の家に住む子供です。
小説の冒頭部分です。
-------------------------------------------------------------
流れ星、という懐かしい言葉を聞いたのは、Aの夜の外出に付き合っていたときだった。
嬉しそうに空を指差したその先をBは探したが、尾を引いて流れたという星の存在はこの目で確かめる事は出来なかった。
「折角流れ星が見られたのに、いつも願い事しそびれちゃうんだ。『あっ』って思うともう消えちゃう。消えるの、早すぎるよね」
「ああ、あっと言う間だな……」
静かな夜の町に二人の声がこだまする。
買い物からの帰り道、他愛もない会話を交わしながら、Bはなつかしの故郷に思いを馳せた。
今はもう存在しない、白くけぶる美しかった霧の国。
故郷○○国では星自体を見ることが滅多になかった為、流れ星の存在は殆ど認知されていなかった。
風が吹いて世界一面を覆う霧が薄くなった僅かの時にしか姿をあらわさない、遠い世界の幻のような存在だ。
日本で初めて溢れんばかりの夜空の星を見た時には、それが作り物なのではないかと手を伸ばしてしまったものだ。
流れ星、そんなものがあるならこの目で見てみたい。一瞬で燃え尽きてしまう星の一生を、この目で確かめてみたい。
子供の頃に見知らぬ流星に漠然と抱いていた遠い憧れが、不意にBの胸の中に蘇った。
「そういえば、もうすぐなんだ。流星群が来るんだよ。日本からもよく見えるって言ってた。××日、晴れるといいよね」
「流星群……?」
「そう、流れ星がたくさん流れるんだ。僕、×歳の時に見たらしいんだけど、全然覚えてないんだ。小さかったから」
「そうか……」
続きです。
よく解らない理由のまま隣の家で暮らし始めた子供たちとは、それでも毎日何かと顔を合わせていた。
料理を多く作りすぎてしまったから食べてくれ、重い物を運ぶから手伝ってくれ、買い物に付き合ってくれ。
わざわざ離れて住む必要があるのかと思うほど、気軽に家を訪ねてくる。
これまで、○○国でもこの日本でも仲間達とは寝食を共にしていて、気にはしないようにしていたがやはり落ち着かない日々だった。
隣の家に住みお互いに行き来するというのは、案外いい話だ。3人の気配まで完全にシャットアウトし、それでいて何かあればすぐに駆けつけられる。
側にいるのはいてもいなくても変わらないC。銅像のような、まるで空気のような男。はてのない命を持つBの唯一の同胞。
穏やかな日々、時折外国からの望ましくない来客はあるものの、平和な日常。
幼い頃は王宮という一般的ではない環境に育ち、子供でありながら大人のように振舞うように教育されてきた、長じては某国で感情の自由さえ奪われて生活してきた雲にとって、
この子供達とのつかず離れずの暮らしは故郷での休息にも似た心安らぐひとときで、Bはいつしか子供たちの来訪を待ちわびるようにもなっていた。
それは、自分でもついぞ考えた事のない暖かな変化だった。
>362
文章は達者なんじゃないでしょうか。
時折気にかかる表現がありますが、その辺は好みの問題だろうし。
ただ、362の文章と363の文章がなんのクッションもなく続いているのは
変な気がします。
というか、363の文章は同ジャンルの人間がわかっていることなら
別になくても良い文章なのでは。
逆に362さんのオリジナルな設定なら、言葉の羅列で説明するのでなく、
もっとうまく出さなきゃダメだと思います。
以前長編などを出しており、それの続編なのだとしても、
こういう説明文を読むのはまだるっこしいので違う方法で見せて欲しいです。
>>364 文章、達者ですか!?ありがとうございます…!
この話は、別の人が書いた話の続きを私が引き継ぐという形で、前の人と私の話のつなぎの部分を説明で補ったのですが、
確かに説明くさいですね。必要ない説明を削ります。批評ありがとうございました。
ところで、気に掛かる表現ってどこの事でしょう…?
多分ホント個人的好みの問題だと思うんですが、
>「折角流れ星が見られたのに、いつも願い事しそびれちゃうんだ。『あっ』って思うともう消えちゃう。消えるの、早すぎるよね」
れる・られるは地の文では当然気を付けるべきだと思うんですが、
セリフ、特に小さい子だと違和感があります。
文章内の様子から、キャラクターの性格的な問題とも思えませんでした。
ひとつのセリフで色々説明しようとしすぎている気もします。
私ならAの「見えた?」というセリフとBの反応を追加して、最後の>「消えるの、早すぎるよね」だけにします。
> 買い物からの帰り道、他愛もない会話を交わしながら、Bはなつかしの故郷に思いを馳せた。
懐かしい、という言葉が繰り返し出てくるのは、わざとなら良いのですが、
いまはもう存在しない、に繋がる場合、ここは感傷的過ぎて必要ないように思えます。
> 故郷○○国では星自体を見ることが滅多になかった為、流れ星の存在は殆ど認知されていなかった。
>故郷○○国では星自体を見ることが滅多になかった。
だけにして、下の文章に繋げたほうがスッキリするのではないかと思います。
星が見えなければ流れ星が見えないのは当然のことなので。
繰り返すことで読んでくださる方の深いところに沈める言葉と、
ピンポイントで使うことで際立たせる言葉があって、
私にとって「流れ星」は後者であるように思えるから、というせいもあります。
後半はすいません、どうしても必要な内容とは思えませんので、割愛させていただきます。
ただ説明を削るのでなく、シチュエーションやセリフで彼らの関係性を描き出し、
どうしても長くなる部分のみ説明をする、としていただけたほうがありがたいです。
ページ数の都合とかもあるような気がしますが(;´Д`)
細かな指摘の上、長文かつ好みの問題で本当に申し訳ありませんでした。
354です。レスありがとうございました。
>357
すごく分かりやすいです。わざわざありがとうございました。
リズムですか…そうなんですよね。この流れの滑らかさとか、心理描写とか、
でも背景とか色んなものがわかって、それをなんとかと思ってるんですけど…。
でも、大きなヒントをいただいた気がします。
感性とかは難しいと思いますが、ちょっとでも近づきたいので…がんばります。
他の方の意見もすごく参考になりました。本当にありがとうございました!
異世界物のパロディです。
批評お願いいたします。
一人の人物からの視点の三人称のつもりなのですが
そう書けているのかよくわからないもので、その辺特に
ご指南頂けると嬉しいです。
その1
かつての任務でAはたまたま、訓練生時代の同期と一緒になることがあった。
二人はもう大分前に道が分かれてから、ずっと会っていなかった。
彼は任務の内容や人員の配置はその限られた職責の中でしか
知らなかったのでAがその任務に加わっていることは知らなかった。
Aは勿論組織の上級構成員として全容を把握していたので、
計画の中に彼の名を見つけて、ふと懐かしくなって顔を見に行ったのだった。
立場が違っても、Aに対する彼の屈託の無さは変わっていなかった。
「お前は昔から凄かったからな」
そう笑いながら言われてなんだか胸が痛くなった。
今回の任務は非常に生臭い内容だった。
どうせこれから一緒に仕事をするならもっと別な場所が良いと思った。
任務は過酷だった。Aが想像していた以上に。
その2です。
無意味でも血を流すのが好きだから、いつも任務の目的ややり方には
全く頓着していなかった。
自分が殺す相手は何処にいるのか、何処まで殺していいのか。それだけだった。
しかし今回、彼が使い捨てられる形で死んで、初めてAは組織の
最年少である自分がその力は別として、軽んじられている事を悟った。
そんな計画だとは知らされてなかった。
本当に知るべきことは自分には隠されていたのだ。
そうだと知っていたら、自分の役割を曲げてでも絶対に彼を死なせはしなかった。
しかし、Aは自分が彼を救えなかったのは己の責めだと知っていた。
この少年はそれまで余りに周囲に無頓着で傲慢だった。
しばしば逸脱した行動を取るAに任務の秘められるべき部分まで
預けられよう筈が無い。
その3です。
任務が終了してその場で死体の処理をした。Aはこっそり彼の骨を一掴み盗んだ。
一番目立って目印になりそうな大きな樹の下に埋めた。
その大樹はこの森の支配者のように見えて黒々と美しく、彼の墓碑に相応しいと思った。
しかし、Aは流す涙を持たない人間だった。
もし涙が流せれば、大樹が其れを吸い上げて彼の処へ届けてくれるかもしれないのに。
身が裂けそうなほど苦しいのに泣けなくて、何度も嘔吐した。
彼の骨の在り処を汚したのが辛くてまた、吐いてしまった。
Aは魂の存在を信じなかったので、彼がもう何処にも居ないことは知っていた。
ただ、彼の骨を埋めた大樹が綺麗だったので、機会が有れば
もう一度其処に行きたいと思っていた。
あの黒い枝の下でゆっくりと眠りたい。
Aはあの任務以来うまく眠れなくなっていた。理由は何故だかわからなかったが。
今回の任務でたまたまあの大樹の有る所へ行くことができた。
一人で部隊を外れて其処で密かに眠ろうと思ったのに、邪魔が次々と入った。
どうしても其処を離れたくなかったので適当にやり過ごそうとしたら、
相手は馬鹿にされたと感じたらしく逆上してきた。
また、Aは彼の場所を汚してしまった。
人称以前にプロットにしか見えません。
乾いた雰囲気で書きたかったが故に説明を省いたのかもしれませんが、
このままだと伝えたい感情は読んでる方には伝わらない。
後、無意味に漢字を使っている部分が鼻につきます<其れ、其処、何処、勿論。
本気で書くと結構な長さになりそうな話ですね。がんばってください。
漏れならこうリライトするかな。
---------------
それは、単なる偶然だった。
かつて訓練生だった頃共に血と汗を流した仲間の一人。互いの進む道が
異なって以来、一度も会う事の無かった男。さして大切な思い出だったわけではない。
友人だったかどうかも定かではない。ただ、その名前を計画の名簿に見つけたとき
奇妙な懐かしさを覚えただけだ。
会いに行くと、彼は驚いた顔をした。当然だろう。上位者として計画を知る
位置にあるAと違い、単なる駒に過ぎない彼が知るのは彼の職責に絡む情報のみ。
だから、上位構成者の中にAがいるという不必要な情報など彼に知らされるはずもなかった。
「おまえは昔から凄かったからな」
上官となった今の彼にも屈託無く笑う彼に、少年は少しだけ胸の痛みを覚える。
この計画は非常に生臭い。一緒に仕事をするのなら、もっとましな場所でやりたかったものだと。
だが、それは甘ったるい希望でしかなかった。
現実は遙かに過酷で、そして苦いものでしかないのだと、Aはまだ知らなかったのだ。
----------------
368では解らない情報も多いのでそのあたりは適当に。
一部原文を尊重したので非常に苦しいのは勘弁してください。
まあ俺も修行中の身ゆえまだまだだとは思うけど。
〜〜〜た。
〜〜〜〜だった。
ばかりの文章じゃ箇条書きみたいで読みにくいと思います。
と言いつつ今読んだら俺のリライトもそれがかなり多いわけですが。
ダメだこりゃ。出直してきます。
>>366 ご指摘ありがとうございました。
子供はら抜き言葉をあまり使わない、けれども原作のAがそうだったかはちょっと記憶にありませんでしたので;;
戴いた意見を参考に台詞を変えてみました。
流れ星の存在云々は、確かに繰り返す必要はありませんね。自分では気づきませんでした。
二度に渡っての批評、本当にありがとうございました!
戴いたご意見を参考にこれから全文の修整にかかります。長い話なのですが、随分短くなりそうな予感です(笑)
アホな間違いを;;
子供はら抜き言葉を使わない→使う。
>372,373
遅ればせながらご意見有難う御座います!
レス頂いてから読み直すと実に脚本のト書きみたいな文章でした…。
373でリライトして頂いたものと原文を比較すると
リズムの悪さや情趣の込め方の不足を痛感いたしました。
「〜〜た」「だった」連続の回避と不適切な漢字の変換は
直ぐに直せそうなので修正してみます。
即座の改善は難しいと思いますが以下のご意見を今後念頭に
おきながら取り組みたいです。
はっとさせられました。
>>このままだと伝えたい感情は読んでる方には伝わらない
hosyu
二人とも長い時間、やっていたので息を荒らし声も出ない状態だった。
「あ、いたいた近藤さん、探したんですよ」
「ん、総司?」
お茶とお菓子を探しに行っていた、沖田がニコニコしながら道場へやってきた。
「そろそろ、時間・・・か」
「はい」
土方は、二人の”時間”という言葉の意味を理解する事が出来ないかったのだろう。
「時間って何だよ?」
「・・・歳・・・」
「土方さん・・・」
その瞬間、近藤と総司の顔を見て、持っていた木刀が手元からすらりと落ちた。
「う、嘘だろ?い、逝かないでくれよ・・・」
「土方さん・・・・」
「歳・・・お前は、もうさっきまで弱音を吐いていたやつではなく新撰組 副長 土方歳三だよ 今日は、決戦なんだろ?新撰組副長として胸をはって戦ってこいよ」
「近藤さん・・・総司・・・」
沖田は、微笑み声には出さなかったが涙が止まらないでいた。土方も普段人に見せたことの無い涙を流し、道場には日の光が差しこもり土方は、目をつむりそっと目をあける。
そこには、さっきまでいた近藤と沖田の姿は無く、しかし周りには何十本という折れた木刀だけが散らばっていた。
土方は、晴れた空を見上げ
「・・・近藤さん、総司、オレの死に様を見ていてくれ・・・幕府は今日この世から消える・・・だが最後の最後までオレは、新撰組副長 土方歳三だ!!」
明治二年 五月十一日 土方は、激しい敵の銃撃の中を一本木と異国橋の中ほどの鶴岡町あたりまで進撃した。
その時一発の銃弾が、馬上で指揮する土方歳三の下腹部を貫き、どっと馬から落ち、附近の農家に運び入れられた土方は、付添った人達に「世話になった、すまぬ」と一言を残して、息を引き取りった。
近藤さん・・・総司・・・・今日オレ・・・竹を植えたんだ・・・・
Fin
心地よい風が吹き、近藤と土方だけが残りしんみりとした時間が流れ土方が重い口をあける。
「こ、近藤さん・・・俺、明日 官軍のやつらと戦りあうんだが・・・自信がなくてな」
「自信?何の自信だ?」
「何のって、そりゃ勝つ自信さ海軍も苦戦し官軍は市中も占領した。榎本ら諸将の間に、降伏という話も出始めたみてぇだし・・・」
近藤は、土方が今まで見せた事のない弱々しい顔に対して答えてやろうと考えたのだろう。
「歳、ちょっと良いか?」
そういうと、近藤は人気の無い道場へむかい土方に木刀を投げつける。
「近藤さん、いったい・・・何のつもりだよ」
「構えな、そんな弱音を吐くやつぁ、新撰組の副長として恥だ、この近藤勇が今、この場でブチ殺してやるよ」
土方は、木刀を握り構えたとたん、近藤は土方に斬りかかった。木刀は折れては変え折れては変えと何十本も折れてしまい、ついに・・・
「おああああああ」
土方は、近藤の右肩を、近藤は土方の左肩に最後の一撃を放つ。
「ハーッハーッ」
「ハーッハーッ」
近藤と沖田は、お互いの顔を見つめあい笑い出す。
「ははは、歳 それ何の冗談だ?」
「ぷっ、土方さんも洒落の一つが言えるようになったんですね」
「いや、しかし・・・確かに・・・」
「もぅ、よく見てくださいよ、足もあるでしょ」
土方は、すぐには理解は出来なかったがこれは夢ではない事に気が付いた。何故なら、1年前に植えた竹がちゃんと育っているからだ、もし夢ならこの竹も育ってはいないだろう。
「本当に、近藤さんと総司なんだよな?俺の知っている?」
「まだ、寝ぼけてるのか?」
「それよりも、土方さん昔のなつかしぃ話をしましょうよ」
沖田は、土方の横にくっつきながら昔の・・・そう新撰組が出来る前の話をはじめた。
「・・・それで、いきなり土方さんがうちの試衛館に殴り込みにきて」
「ああ、あれには俺も吃驚したよ。最初、門下生かとおもったんだからな」
「そりゃ、無いな、あんなボロ道場に俺が門下生で行くかよ」
土方は、笑いながら答えた。
「ひでぇな、そりゃ俺の道場はボロいが一応、多摩では有名な道場なんだぞ」
「でも、俺も近藤さんも総司も武州の竹の古を信じた侍だからな」
「・・・そうだな」
「そうなんですか?」
「歳、まだ総司には分かってないみたいだな」
「そうみたいだな」
近藤と土方は、笑いながら、沖田を子供扱いした。その事が分かったのであろう沖田は可愛らしい顔ですねた。
「もぅ、二人で子供扱いして酷いですよ。あ、お茶とお茶菓子が無いじゃないですか?話といえばお茶とお茶菓子がつき物、私ちょっと取ってきますね」
そういうと、沖田はお茶とお茶菓子を取りに行った。
「そういう所が子供だって言うんだよ」
「ははは、まぁまぁ良いじゃないか歳」
「ふぅ、良いけどな」
「近藤さん、総司 あんたらが逝ってからもう1年が経つのか」
土方は、ため息をつきながら呟いていた。その日は、5月だというのに霧がやけに多く月光が無ければ視界は最悪だった。しかし、暖かさがあったのか土方は、縁側で転寝をしてしまった。
「土方・・・さん」
「ん・・・総司?」
夢なのであろうと、今度は、深く寝る事にした。
「歳・・・こんな所で寝てたら風邪をこじらせるぞ」
「・・・近藤さん?」
あまりに聞き覚えのある声が2つもあり、土方は夢ではないことが分かる。体をゆっくりと起き上がらせ声のする方へ目を向ける。
「もぅ、土方さんたらこんな所で寝ていたら風邪ひいちゃいますよ」
「ははは、歳 副長として恥ずかしくないようにな」
目の前に立っている光景を見て土方は、声を出す事さえ出来ないでいた。
「・・・歳?」
「・・・土方さん?」
「・・・本当に、近藤さんと総司なのか?だっておめぇら二人とも1年前に逝ったはず・・・」
ごめんなさい。書き込みの仕方を間違えてしまいました。No381→380→379→378の
順番で読んで下さい。
もう一つ、謝ります。
まだ、挨拶が遅れてました。こんばんわ、輝刃(キバ)と申します。
さかさまに、小説を書き込んでしまったので読み方に苦労するとは思いますが
判断のほど宜しくお願いします。
全体の中の一部なのかもしれないし、まだ全部は読んでないんでざっと見でしか言わないが
同人、二次創作に一番よくある駄目な部分が顕著。
登場人物の描写が一切無い。
キャラクターがどんな風体でどんな顔なのかとか、そういうのを安易に端折ってない?
新撰組となると目の肥えたお客が買うこともあるから、ごまかしがきかないよ。
はやりの作品の二次創作をやりたいのは全然オッケーなんだけど、
でも、それにしたって、特定少数ではなく不特定多数に読んで貰う努力をするべき。
ピースメーカーだとか!の方とか●のやつとか、はたまた燃えよとか、
それぞれに特徴があるんだから、そういった部分を、もとの作品だけに頼らず
あなたの文章で活写すべきではないでしょうか。
あるいは、史実に拠らないオレ土方を出すのなら、なおさらそういう描写が必要なんじゃないかと思う。
>>381 >しかし、暖かさがあったのか土方は、縁側で転寝をしてしまった。
●「転寝」=ごろ寝を「してしまう」のはおかしいと思う。もしかして、「転た寝」(うたたね)の方?
まぁそこら辺はいいとして、どこの縁側?
史実に合わせて……と言うのは辛いかもしれないが、もう少し部屋の描写をしっかりするべき。
>夢なのであろうと、今度は、深く寝る事にした。
●ほんの一語加えるだけでわかりやすくなるのに、惜しい。
「どこからか総司の声がする。懐かしさのあまり夢でも見ているのだろうか。
土方は寝返りをひとつ打ってもう一度深く眠る事にした。」
●近藤や沖田の説明もなし?
「寝ぼけた眼を薄く開くと、そこにはあきれ顔の沖田と、それを呵々と笑う近藤が二人、
腰に手をあてて近藤を見つめていた。」
それから、三点リーダーは「・・・」で打つのではなく、「……」という、ちゃんとしたフォントがあるよ。
細かい文法について突っ込むのは申し訳ないけど、将来は何かに応募したりする気があるのなら
今のウチに直した方がいいんじゃないのかな。
スペースNo.な-74様有り難うございます。
さっそく、直させていただきます。
色々と指摘してくださいまして真に有り難うございます。
これからも、ちょくちょく書き込みますのでご指摘のほど
宜しくお願いします。
ちなみに、今回のは自分のサイトの小説です。
あくまで一例というか、こういう風にしたらいいんじゃないか程度で例文出してるけど、
好き嫌いもあるのでそこらへんは無視しちゃってくれてOKなんで。
>>380 >土方は、すぐには理解は出来なかったがこれは夢ではない事に気が付いた。
>何故なら、1年前に植えた竹がちゃんと育っているからだ。
>もし夢ならこの竹も育ってはいないだろう。
どこに竹を植えたのか。その竹はどんななのか。
この点は十分にこだわるべきじゃないかと思う。
というのは、ラストのストーリーに竹を植えたという台詞を吐かせているのなら、
序盤に竹の描写をしっかりすると、ストーリーの隠れたキーワードとして「竹」が生きてくる。
おざなりに「竹を植えたからだ」くらいのレベルで書き捨てるんじゃなくて、
たとえば、序文の頃から、土方が竹を見つめるシーンをていねいに描く。
(ついでに言えば、竹の状態を描写することで、その季節や、土方の心境を現す事もできる)
土方がつい転た寝をする。沖田と近藤が化けて出る。
夢なのか、いや、さっき起きてる時に見た竹は、青々とそこにある。
二人が生きてる時の記憶――去年までそれはなかったはずだ。
そういう土方の真理の揺れ動きもしっかりと描写できると思うのだが。
SSだからと言って、アイデアがひとつ生まれただけでサクサク書いてる感じ。
ちょっと文章的な部分に手を抜きすぎてる。
>>379-378に至っては激しく微妙。
殺陣シーンは時代劇においてキモ。ここのシーンをどうまとめるか。
それだけに手抜きができない。2〜3行であっさりとまとめたいのなら、
血反吐を出すほどの努力をして欲しいとか思ったり思わなかったり。
ひるがえってこれ。ちょっと殺陣シーンとしてはヘヴォンの域に片足突っ込みかけてる。
輝刃さんは女性なのだろうか。萌えではなく、あまりにも燃えがない。
できたら漫画とか以外で、燃えよ剣なんかの古典的や
時代文学や講談を読んで研究するのもいいかも。
やりすぎるとイロが移るんで、どこらへんで手を引くかがまた問題になってくるけど、
少なくとも今のヘヴォンの域は早い目に脱出しよう。
>>378の「二人とも長い時間」から、二人が消える所ら辺は、端折りすぎだよ。
「やっていたので」ってのも表現としておかしい。
と、書いてきたけど、書き始めて間もないのかな。
これからですよこれから。
才能ウンヌンで言うのなら、
完結したストーリーを作れただけでも十分に才能がある。
修練有るのみだと思います。んじゃがんばって。
本格的には載せたいとは思ってるんですが、携帯サイトのあまり結構
深くまで書いていると今度は読者が大変かと思い、色々とはぶいてしまったのです。
うまく話をまとめるのも難しいもので。
これから、少しずつ勉強をしていこうと思ってます。
2ch馴れしてないな。
それはそれで初々しいが。
既に色々指摘が入ってるようだが、俺も。
とりあえず指摘が既に入ってる部分は省略させてもらう。
・てにをはの用法、読点の位置が怪しい。
どこが、というのを指摘しようとするとほぼ全文
引用しなければならないほどに変。
ここがおかしいと文章そのものを読む気が萎える。
意図的に変則的な用法をしている文章ならともかく。
とりあえず例をあげておく。
>土方は、木刀を握り構えたとたん、近藤は土方に斬りかかった。
どうも人名の後に読点を入れる癖があるようだが、明らかに変。
読点の打ち方にルールはないけど、しかし基本的には文章の
意味を区切るための点だから、名前の後でいきなり区切ると
続く文の意味が独立してしまう。
さらに『土方は〜、近藤は〜』が致命的におかしい。誰が話の主体
なのかわからない。ここは最低でも『土方が〜、近藤は〜』と
するべき。
・話の展開が変
>「それよりも、土方さん昔のなつかしぃ話をしましょうよ」
ここも読点の位置が激しく怪しいが、そもそも唐突に現れて
このような話の振り方をするあたり展開をサボりすぎ。
そういう話に持っていきたいのなら切っ掛けを大事にしてくれ。
喪前はこんな話の振り方を現実にするのか?
そもそも話そのものの切っ掛けが後にならないと出てこないので
導入部からして読む気を起こさせないんだよね。
何を語りたいのかまるでわからない。
・漢字の意味は理解して使うべし。
>木刀は折れては変え折れては変えと
替え、な。読めるが、違和感はぬぐえない。
俺がこのサイトを開いたとしたら最初の2行でどっか行く。
とりあえず話全体の流れがぶつ切りで、短い話なのに迷走してる
んだよな。酔っ払いの20m走つー感じで。何の意味もなく突然走り出して
突然ゴールする。しかもスタートした方向とゴールした場所からして違う。
妄想ならそれでもいいんだけど、人に読ませたいのなら何を読ませたいのかを
はっきりさせないとダメだ。
や、マジでわからないんだよね。この話の主体はどこ?
竹を植えたこと? 土方の悩み? 近藤のカツ入れ? 昔話?
あと、文章をシェイプアップするのとただ長くなりそうな部分を削るのとは
全く意味が違う。あんたのは後者。
文章を短くまとめるのは、それを長く書くのよりも難しいとは思うけどね。
チャレンジした精神は認めたいんだが、単に書きにくいところを端折っただけ
にしか見えない。
携帯サイトでも読める文章じゃなきゃ誰も読まないよ。
手を抜かず、がんがれ。
しかしこのスレ
かなり厳しい意見だよなあ。
それも間違った事書いてないから恐ろしい。
まぁ間違った意見書いたら
今度はその意見にツッコミが入るし。
何げにいいスレだ。
字書きに転向を考えている現絵描きです。
…が、どうやら文体がクサいというか自己陶酔のきらいがあるらしく
友人に「俺節全開」といわれました。
以下は友人に酷評されたテキスト(別板に投下した物)の中の一節です。
オリジナルで、「特別な子供」とその世話係の会話です。
----------
「薬が切れたか…… 痛むか?」と訊ねると、弱々しかったが微笑んで
「大丈夫……まだ効いてるみたい。今朝はすごくラクなんだ」といった。
さすがに薬がそこまで長時間効くとも思えなかったが、痛みから解放され充分に眠ったことで気力が戻ったようだ。
「ありがとう……」
「あれは俺が作ったんじゃない」
男は正直にいった。
「あれは親父の薬だ。親父が自分のために作ったものを、おまえにと分けてくれたんだ」
「…………」
「だから本当はおまえには強すぎる……あまり飲ませてはやれん」
男はすまなそうにいった。
しかし子供は、自分を救ってくれた薬とは違うものに興味を惹かれたようだ。
「おやじ、って……何?」
一瞬、男は答えに詰まった。
村の子供に「母」は存在するが「父」はいない。厳密には「母」とは「育ての親」で、「産みの親」がわからない以上、子供の種が誰のものかなど知りようがないのだ。
村の大人は男も女も等しく母屋の子供の世話をしたから、子供にとっては大人全てが「親」であり、養い親は別にして、個別に特別な感情を持つということは特になかった。
「おまえは母を覚えているか……?」
「…………」
覚えてはいないか……、と男は思った。
長老がどのようにその子供を育てたかは知るべくもないが、「人」の記憶はできる限り拭い去ろうとしただろうことは想像に難くない。
しかし子供は小さく頷いた。
「女親が母で、男親が父だ。親父というのは、父のことだ」
「…………」
「俺達○○に母はいない……父親が子を育てるんだ」
「じゃあ……男の、お母さんのようなもの……?」
男は笑った。そして、確かにその通りだ、と思った。
まだ幼かった頃、父がどれだけ自分を手塩にかけ、慈しんで育てたかを思い起こしていた。
「まあ、そうだ……俺にとってはな」
「その人、病気なの……?」
「そうだ。もう長く伏せっている」
「……ぼくに……」
子供は少しためらう素振りを見せたが、小さな声でいった。
「……その人を癒すことはできないの……?」
「…………」
優しい子だ…… 自分自身が痛みの中にありながら、苦しむ人を気遣っている。
男は微笑んだ。 そして子供の髪を撫でながらいった。
「おまえにならできるだろう。おまえに触れれば、どんなにか父は癒されることか…… しかし父はもう動けない。会わせてやれない……」
「…………」
「おまえの言葉は、必ず父に伝えよう。きっと喜ぶ」
そういいながら男は立ち上がった。
「湯を汲んでこよう。痛みがまだ少ないなら、もう少し眠っておくがいい」
今日、これからまた受け入れさせられる苦行を思い出したか、子供の表情は暗く翳った。
------
以上です
>>395 抜粋なのはいいけど、あまりにも短すぎてこれじゃどういう背景かサッパわからん。
もう少しどういう世界かを教えてくれないと、この二人の人物の会話がおかしなものか
妥当なものかの判断がつかないよ。
そこらへんをふまえて批判するので誤解を生む言い方になるかもしれないと断っておくね。
三点リーダーがちょっと多い。
文体がクサイと指摘されたのはそういう部分が多いからじゃないだろうか。
それから、地の文の視点が乱れすぎてる。
気をつけているように見えるけど、まだまだぎこちない。
それと、会話文のシメに「〜といった。」が多いのが目に付く。
これじゃ海外小説だよ、とはよく言うツッコミだ。
小説の基本でもあり慣れてきた人にとっても頭を悩ませるのは会話文の処理。
いったい誰が言った言葉なのか? どういう表情で? どういう気持ちで?
そういった部分を無理なくすんなりテンポ良く読ませるのはプロでも苦労するらしい。
……と指摘したら、今度は表現に拘りすぎて、ゴテゴテした文になってしまう。
実際この文章でもゴテゴテしてる箇所は多い。
と指摘すると今度は会話文だけの応答小説になって泥沼になったりする。
かくいう私もそうだった。(;´Д`)
表現を多くするか少なくするかの加減は何度も書いて研究するしかない。
>>395をリテイクしてもみたけど、ここらへんも好みがあるかもしれないから
参考程度に見て欲しく思う。
自分もそんなに上手いレベルじゃないけど。
ちなみに視点は「男」の視点で「少年」を見ている。
「薬が切れたか」
「痛むか?」と訊ねると、少年は弱々しかったが、「大丈夫。まだ効いてるみたい。今朝はすごく楽なんだ」とほほえんだ。
朝まで効くほどの薬ではないが、痛みから解放され、充分に眠れたのだろう。
彼の(ここで少年の瞳の色の描写が出来る)瞳には昨日よりずっと強い生気が宿っていた。
「ありがとう……あの薬は、あなたが作ってくれたの?」
「俺が作ったんじゃない」
男は首を横に振った。
「親父のために作ったものをわけてもらった。だから子供のおまえには強すぎる。あまり飲ませてはやれん」
少年はこちらをじっと見つめている。
今日もまた同じ行に苦しむのは可哀想に思えたが、使い続ければ先に身体がおかしくなる。
分かって欲しいと少年の表情を伺ったが、少年の関心は別の所にあったらしい。
「親父……おやじ、って、何?」
不意に出された少年の疑問に、おもわず答えに詰まった。
個人的に俺節上等だと思うんだけどね。
とりあえずもうちょっと長い区切りで読ませてもらわないと
何とも評価のしようがないかなと思う。
今のところ酷評するまでのものには見えない。
コメントありがとうございました。
会話主体の部分を晒したのはちょっとずるかったかも;というか
たしかに評価しようのない部分だったように思います。
微妙に18禁的描写がそこここにあったもので、当たり障りのない部分を晒してみましたが
今ちょうど他に評価希望の方がおられないようなので、もう少し晒してみます。
友人のいう「俺節」的特徴は、下のテキストにおいてより顕著かも知れません。
不快な描写(+18禁的描写)があるかもです。あらかじめご了承ください。
398さんのリライトについては思うところがありましたが、それについては
もし以下のテキストにもコメントいただけるなら、その後に併せて。
なお文中の「××」は先に「子供」と表されていた少年のことで、「男」共々オリジナルでは
それぞれの「呼び名(少年に「名前」はありません)」になっています。
○○とは「男」の職能です。(最初の投下時に説明しておくべきでした。スミマセン)
ここから
------
××の出現は20年に一度とも50年に一度ともいわれている。村人がおのが天寿を全うするなら1度はまみえる計算だが、2度は実際には滅多にない僥倖だった。
美しく清浄な××に己れの穢れを注ぎ込み、浄められる───それは魂の救済であると同時に現実の快楽でもあったから、庵で××が務め始めると、村人達は引きも切らずにそこを訪れた。
××が最初に現れたのがいつのことか、いつから村人達を浄めるようになったのか男は知らない。だが、××のお陰でこの村は平和なのだということだった。事実、周囲を深い森に囲まれたこの村では近隣との戦も滅多になく、村人同士の諍いもほとんどなかった。
村人は長老の下、協力しあって子らを慈しみ育て、田を耕し作物を作り狩りに出かける。それら村の営みから外れているのは、忌み者とも呼ばれる○○だけであった。
笞や拳、あるいは礫を以て追われることこそなかったが、○○は村の営みの一切から拒まれていたのだ。
○○には言葉をかける者もなく、その姿を見た者は誰もがこれを避ける。
幼い頃、自分達がなぜ村人達に厭われるのか、男には理解できなかった。
父は優しく穏やかな男であったし、語る言葉に嘘はなく、また常に揺らぐことのない気骨の人であった。
その父が、そして自分が、なぜ村人達に疎まれ、嘲られ、畜生にも劣る扱いを受けねばならないのか……
黒い肌と身に纏った強い匂いのせいか…と考えたこともある。
当時の男の肌は同じ年頃の子らと比べて何ら変わるところはなかったし、その体臭も同様だったが、やがて自分の肌が黒く染まり体から強い匂いが発せられるようになるだろうことは、まだ幼かった男にもわかっていた。
○○が村人から厭われる訳……
父に問えばきっと答えてくれただろう。しかしあの頃、男が自分の疑問を父に糾したことはなかった。
今ならわかる……
あの頃、男は深く傷つきすぎていて、その問いを口の端に乗せることすら出来なかったのだ。
そんな我が子に、父はただ穏やかな笑顔を向けるばかりだった。長じて己れの職能を知るにつれ、男は○○が忌避される理由に自ら思い至った。
○○は○○であるが故に、人から忌避され、疎まれるのだ───
××はその前夜こそ怯えて泣き、男根を受け入れることを拒んだが、翌日からは健気に務めに耐えていた。
××の下に訪れる村人には直に××の口に零す者もあれば、××と交わりその腹壁を擦り上げ、快楽の助けを得て己れの精を絞る者もあった。
汚水と、白濁───そのふたつが、××が受け入れねばならない人の穢れであった。
いずれも××の腹に零すのは禁じられている。なぜなら、そこに零された穢れは浄められる間を待たず、次に差し込まれた陽物の主に憑いて再び俗に戻ってしまうからだ。それは「××は受け入れた穢れを零してはならない」という禁忌に触れる。
それ故腹に差し込まれたものをそのまま口に押し入れられる不快にも、××は耐えねばならなかった。
もうひとつ、××が耐えねばならなかったのは、女達に応えるための苦痛であった。
××の体を用いて快楽を得ることは、あらかじめ村人に許された××の恩寵だ。××自身が男根を備えていたため、女達が望むならそれにも応えねばならなくなった。
しかし現実にそれは幼すぎたから、より苦痛を伴う処置が必要であった。薬で無理矢理勃たせ、根本を縛ってその状態を維持するのだ。
実際には女が××との肉の交わりを望むことは、そう多くもないことが××と男のわずかな救いとなった。庵を訪れるのはいずれもおとなであったから、女の多くは乳を括ませ子を養った経験がある。
男達とは違いより身近に子供を見知っている訳で、それが××であれ、まだ幼さを残す子供と交わるのにはいささか抵抗があるようだ。ましてや幼い男根をきつく縛められ、痛みに呻吟する様を目の当たりにすれば尚更であった。
しかし男達は女とは違い、××の苦しみになど頓着しない。
むしろ××の悲痛な様が、より情欲をかきたてすらするようだ。
最初の2-3人はなんとか声もたてずに堪えているが、やがて狭い部分を押し拡げられ、腫れ上がった腹壁を擦られる痛みに悲鳴を上げ始める。
そして日が落ちる頃、声すら上げられないほどに消耗しきって1日の務めが終わる。
その間男にしてやれることは皆無に等しかった。ただ耳を塞がずに××の苦悶を聞き、折れそうになる××の心を励ます以外には。
それが新たな、××と男の日常であった。
-------
ここまで
ああ、何となく理解した。
文章が堅すぎ&古風な言い回しを使いすぎなんだと思う。正直ややくどい。
味としてそういうのは有りかもしれないが、長い話でこれを延々と
続けられると確かに読みづらいかもしれない。
雰囲気を出すために堅い言葉遣いにしているのだろうけれど、もうちょっと抜くところは
抜いて良いと思う。
けどまあ、コレはコレでありかな。
俺も短編の時はたまにこういう手法を使う。
>>400の友人の「俺節全開」ってのは要するに「読者を意識しないで書いてる」事を指摘したんだろう。
ジャンル効果の望めないオリジナルなら、何をもってして売りにするのか?
をまず大事にしないと、買って貰ってもパラパラめくられるだけで終わるよ。
>>403の言うとおり、ストーリーが短編を超え長さになるのなら
大事な部分を読ませるために、他の部分を殺す覚悟もしないといけない。
未加工で生の文を友達に見せてその評価なら、ちょっと再検討した方がいいかも。
××○○表記じゃなくて太郎でも花子でも名前を付けてくれると嬉しい。
その所為か誰の視点か分かりにくくなってるところがある。
細かい部分で突っ込むところはあるけど、とりあえず読めないことはない。
再びコメントありがとうございました。
視点の問題は難しいですね。
(イヤ視点のみならず、私にとっては文章は書くこと自体が難しいのですが;)
一応この文では、基本は三人称、視点は男、解説(?)部分は
(××の出現は…誰もがこれを避ける。のくだりなど)「神の視点」というのかな、
第三者の視点で書いたつもりです。
うまくいかなかったようですが…
抜くべき所は抜き、書き込むべき所は書き込む。
それが物語のダイナミズムを生み、読者を引き込むキモだということは
私も承知しているのですが、如何せん最初に書いたとおり
文章に関してはからきしシロウトでして、どうもうまく力が抜けません。
(「読者を意識していない」というのも、この辺に原因があるかも。
とにかくなんというか、「必死」です。私(苦笑))
仰るとおり、どこもかしこも均質に力が入っている文章では面白みもなく、
読むにも疲れることでしょう。
しかしこの辺りは一朝一夕に体得出来るものでもないと思っています。
今後の課題です。
文体に関しては、ほんの少し読んでいただいた通り怪しげな設定なもので…
なるべく感情(情緒?)を排した記述をしたいと思ったら、あのような
「堅い」文体になってしまったというのが正直なところです。
「古風」な表現は趣味です……
>405さん
申し訳ありません。
全く私も読み手に廻れば
> ××○○表記じゃなくて太郎でも花子でも名前を付けてくれ
と痛感しているひとりです。
しかし今回はどうも適切な置換可能の言葉を見つけられませんで…
××(という少年)は、存在全体と少年個人を同じ呼称で表しているので
言い換えれば「天使」とでもすれば良かったかも知れませんが、
それだと既存のイメージに引きずられるかとも思ったので……
>398さんのリライトを読んで、最初に感じたのは
「私の文章(特に「セリフ」)は説明不足か?」ということでした。
リライトというのは面白いですね(398さんごめんなさい)。
結局、オリジナル文をリライターがどのように読んだか、ということの
証左だと感じます。
398さんのリライトは、「どのように読んだか」については全く私の意図した
情報を読み込んであり、優れた読者です。
それは私が書かなかった部分を補足してあることでわかります。
しかし398さんがわざわざ「補足」したのは、私が書いた文で理解はできるけども
不十分・不親切だと感じたからではないかと…
私が絵描きであることは先に書きましたが、「絵描き」と「字書き」の
作法の違いなのかも、と感じました。
漫画のネームは小説のセリフに比べて、圧倒的にシェイプされています。
(シナリオ出身の原作者の「原作」が、そのままでは漫画では使えないことが
いかに多いか…それは一枚の原稿用紙に入れられるネームの量を
原作者が想像できないことが原因なのです)
しかしそれは「絵」があってのこと。
漫画で小説の作法が通用しないと同様、小説では漫画とは違う作法が必要でしょう。
しかるに私は、漫画の作法を引きずっているのかな……と感じた次第です。
…ごめんなさい。受け取り方が違うかも知れません。
398さんが意図したとは別の答えを、私は受け取ってしまったのでしょう。
しかし今回、みなさんに色々批評いただいたことは、私にとってはいずれも興味深く
参考になりました。
長々書き連ねて申し訳ありません。どうもありがとうございました。
hosyu
某30のお題で「君は誰」がお題です。
小説というよりは散文です。二次創作です。
寒い日が続いています。
どこの里で任務をしているかは言えませんが。
ここはどこもかしこも真っ白な世界です。
河も滝も凍りついていて、真昼はキラキラと光っています。
とても綺麗です。
こんなに綺麗な世界なのに、白を赤く染めています。
浅い眠りの中で、誰かが作ってくれた温かいオニオンスープをすすりながらこの白い世界をこれ以上赤く染めたくはないと願っています。
でも。
一体誰がオニオンスープを作ってくれているのかが、どうしてもわかりません。
毎晩同じ夢を見ているのに、どうしても分からないんです。
そうして、この手紙すらも誰にあてて書いているのか分かりません。
これでちょうど10通目になります。
温かいオニオンスープとこの宛先もない手紙は。
唯一凍えたモノを暖めてくれる、儀式のようなものです。
END
よろしくお願いします<(_ _)>
この文章では何が伝えたいのかよくわからない……というか
全然わからないよ。
まさに「お題」から思いついた「ネタ」としか思えない。
(小説でも散文でもなく、ただの「ネタ」だということ)
ただの文章として読んで、気になったのは……
>任務をしている
って用法はおかしいんじゃない?
一文が短い中で
> 浅い眠りの中で、〜願っています。
のくだりだけが浮いてる。
そして個人的には
> でも。 とか
>この宛先もない手紙は。
みたいな表現を見ると、どうにも生暖かい気持ちになってしまいます。
散文というかポエム。
壺の素養たぷーり
何の為の誰に対しての手紙(独白?)登場人物に解からんでも
せめて読者には教えて欲しいもんだけど…。
特に、情景描写が多少の具体性があるのに何の脈絡も無く「毎晩同じ夢」
が文章に登場、混乱に拍車をかけている。
オニオンスープと白い世界が主人公が守りたい象徴で、
赤く染めていることが主人公の「任務」(主人公は嫌悪してる?)
との対比に持っていきたいのだろうけども如何せん説明すべき所に説明が無く、
説明している所に必然性を感じさせない。
だから文章自体がなにを伝えようとしているのか解からない。
前後があれば印象が変わるかも。
具の先生カップルかな?
だとしたら何を表現したいのか、誰の独白かはわかった。
でも、申し訳ないがイメージが凡庸だ、と思う。
散文、短文はセンスオブワンダーか、胸を打つようなフレーズ、
「これを表現したい」という強い意志のある内容でないと印象に残らない。
他の方も書いてらっしゃいますが、思いついたネタをぼんやり書いたな、
という印象です。
的確な批評ありがとうございます。
とても参考になりました。
へたくそなのは自覚してるのですが。
どこがどう悪いのかが良くわかりました。
ありがとうございました!
二次でホモです。よろしくです。ジャンルバレバレぽいですが。
============
朝にめっきり弱くなって、目醒まし代わりに俺は顔も洗わないうちから、海で泳ぐようになった。
その日も一番近い島から野菜やらバターやらを運んでくる馴染みの卸業者の賑やかしい声で目醒めるともう時計は7時を過ぎ、
俺は起き抜け、彼らに半ば眠ったままの挨拶をして、あとヨロシク、ちょっと泳ぐから、とつっかけを脱ぎ捨ててると、
店の甲板から寝巻き代わりのシャツを脱ぎラクちんズボンは履いたまま、とぷんと海に潜った。
これを毎朝の習慣にしたのはもう一年ほど前のことで、今となっては歯磨きみたいなもので、俺は何時ものように海の中、手足をうんと伸ばす。
今朝の水は温かで、南からの海流が少し強い。
沈むに任せて底へ落ちていくと、地上の音はゆるゆると籠り、そして消え、静寂と、見上げる海面で乱反射する太陽ばかりになった。
頭上を、魚の群れが泳ぐ。蒼いな、と俺は思った。この海の名に相応しい。全ての海の蒼を詰め込んだ絡みつく、色をしてる。
力を抜いた手足を、海は優しく抱いて、そして世界から俺を切り離し、時間も空も空気も木も人も、全てが俺の頭上を知らん振りしてただ、悪戯に通り過ぎた。
蒼いな、と俺はまた思った。
ここには色なんて存在しない。蒼だけだ。蒼だけが、全てを支配している。
唇から漏れた気泡が互いを押しのけるように海面へ走り、それはまた格別の光景だった。
海は優しく、薄い皮膚の中の水が、今にも溶け出していきそうで、俺ってば、そのうちエラ呼吸が出来るようになるんじゃないのと、そんな事を考えた。
俺と海とは、それほどに親密だった。
「また泳いでたのか」
ニコチンが切れたら、俺の朝の遊泳は終わりとなる。海から上がると、今日も昼過ぎまで寝るんだろうと思っていた○○が起きてだしていた。
珍しいこともあるもんだと、俺は水面20センチ上の甲板、足はまだ海に突っ込んだまま腰掛け、脱ぎ棄てのシャツの胸ポケットから煙草を取り出し火をつける。 「業者は?」
「帰った。ホレ」
○○は放るように紙切れを渡して寄越し、それは少し風に舞って、俺は指先を伸ばしてそれを捕まえた。伝票だ。
どうも、と俺はそれを濡れた素肌にそのままはおったシャツの胸ポケットに押し込んだ。
朝の空気は生まれたてのようにひんやりと澄んで、東の空からその身体をおおよそ出しきった太陽は穏やかに金色に煌き、空はもう水色に染まり始めていた。いい天気だな、と俺は言った。○○は大きな欠伸をしてからそうだな、と短く相槌を打った。
空は呆気にとられるほど青く、西からの風は春を孕んでさらりと乾き、本当にただ、いい天気だった
「白い凧でも揚げてェな」
呟いた声は、自分でも驚くほど歌うような響きになって、「そりゃ悪くねえ」とそう返した○○の声もまた歌うような音だった。
髪の毛から滴る水滴が、肩を、鼻を、膝頭を、胸を叩き、俺はそれを掻き揚げて、海の中でそうするように手足の力を抜いた。
そうすると俺の半身はばたりと仰向けに甲板へ倒れ、見上げた青の高い場所では、強い風にごうごうと鳴っていた。
堕ちて来そうだ、とそう思ってぞっとした。堕ちて来て俺の海を叩き潰さないでくれ。祈って俺は目を閉じた。
「昼飯食ったら発つ」
○○がそう言ったので、俺は目を閉じたまま、ん、とだけ返事をした。そんな気はしてたのだ。
夜の間中、背骨が軋むほど、縋りつくみたいに抱きしめられたら、誰にだって解る。
こつこつと、足音が近づき、降ろした薄い瞼を透けて網膜をちかちかさせていた太陽が急に消えて、それから唇に挟んでいた煙草がつい、と抜き取られた。
「灰、落ちるぜ」
「別にいーよ」
うっすらと目を開けると、○○は右手で不器用に煙草を摘まんだまま、俺の隣へ腰を下ろすところだった。
俺は海へ浸したままの足をゆるゆると中で揺らし、細い視界の中で、男を見ていた。そうか、発つのか。
○○はちびた煙草を一口吸った。吸えないわけじゃない、吸わないだけだ、と言うのは別に嘘でもないようで、
白い筒を挟む手つきは酷く不器用で不慣れなのに、肺へ招き唇から送り出すその手順は酷くスムーズだった。
「美味い?」
「いや、全然」
短く笑って、返せよ、と言うと○○は黙って俺の唇へとそれを差し込んだ。
それからもごもごと閉じたままの口を動かして、「テメエの味」と呟く。
「何そのエロい発言」
「エロくねえし」
「エロいよ」
それきり会話は途絶えた。それは嫌な沈黙なんかじゃなかった。空が眩しくて俺はまたぴったりと瞼を閉じた。
○○は一度だけ、キスをしてそれから「やっぱ、同じ味だ」と、少し笑ってそう言った。
================
ここまで。よろしくおながいします。
ある特定のキャラクタ(カップリング)を軸に物語を展開させる場合
特徴を印象付けるような台詞回しや描写が欲しいところ。
読んでいて一瞬混乱した。
細かい描写が逆にその場に流れる空気を
スポイルしているような気がする。
1章目の
海で泳ぐあたりはかなり削れるような気がする。
主人公が価値を感じているだろう『蒼』が連発されていて
何だかもったいない。
2章目の
海の波音をバックに2人が語るところとかセリフを
繋げていくだけでもいいような気がする。
合い間に入っている細かい描写のせいで
2人のセリフ、背景、主人公の気持ちどれを
表現したいのか良く解からない。
3章目の
>「昼飯食ったら発つ」〜そうか、発つのか。
迄の説明はくどい様な気がする。
心象描写を添えるぐらいでもう少し読み手に委ねてもいいと思う。
その反面、言いたいことや表現したい事がすっきりしてる
>「美味い?」 〜少し笑ってそう言った。
はリズムも良く読める。
ユニクロのCMであったけど無音さが逆に印象を強くしたりとか。
そんな書き込みの入りと抜きがあるといいかもね
煙草の描写の場面で『白い筒』とあって斜め読みしたときドキッとした。
白い筒じゃなくて『煙草の吸い口』でいいような気がするんですが…。
>419
アドバイスありがとうございました。
>細かい描写が逆にその場に流れる空気を
>スポイルしているような気がする。
言われて始めて気が付きました。空気感を出してやろうと狙った描写が逆に妨げになってるとは!
全体的に詰め込みすぎってことでしょうか。
もう少し読み手に委ねることを憶えるようにします。
一応今回晒したのは、出だしの部分だったんですが、頭で「一瞬混乱した」との事だと
つかみが悪い、ということですよね。
もうちょっと入りやすい、インパクトのある出だしを心がけます。
他にもありましたら、アドバイスおねがいします。
一行当たりの文が長い。
若い人向けならもっと切るべき。
改行を多用するのが正しいとは言わないし、好みの部分も多いけど。
>その日も一番近い島から野菜やらバターやらを運んでくる馴染みの卸業者の賑やかしい声で目醒めるともう時計は7時を過ぎ、
>俺は起き抜け、彼らに半ば眠ったままの挨拶をして、あとヨロシク、ちょっと泳ぐから、とつっかけを脱ぎ捨ててると、
>店の甲板から寝巻き代わりのシャツを脱ぎラクちんズボンは履いたまま、とぷんと海に潜った。
これで1文ではちょっと長すぎて引く。
さらに、いったい誰がどういう動作をとっているのかがわからない。
長いわりにどういう流れで海まで行ったのかもわからない。不親切さが目に付く。
「起き抜け、彼らに半ば眠ったままの挨拶〜」って、どんな挨拶?
その日も賑やかしい声で目が覚めた。
一番近い島から野菜やらバターやらを運んでくるなじみの卸業者が、お喋りがてらに配送しているんだろう。
寝ぼけ眼をこすりながら時計を見ればもう7時過ぎ。
俺は半ば眠ったまま甲板に上がっていって、彼らに挨拶をする。
あとヨロシク、ちょっと泳ぐから、と、つっかけを脱ぎ捨てて、寝巻き代わりのシャツを脱ぎ――ラクちんズボンは履いたまま――とぷんと海に潜った。
細かい描写は適当なところで改行を重ねてみれば、どれだけクドいか一目で分かる。
削る作業ってのは、一度書き上げてから音読して、長い部分は削除するのも手だけど、
状況の流れを何度かイメージしてから書く訓練をしないと
勢いだけでダラダラ書いてしまうことになるし、書き上げた後で削除していくとなると、
今度は必要な部分まで削ってしまってえらいことに……なることもある。
テンポは読みやすさの生命線なのだから追求して悪いことはないと思う。
>>416はお話の筋はとりあえず確立できてるんだから、
表現がどうとかよりも、まずリズムとテンポを求めた方がいい気がする。
あとこれは801小説書いてる人に特に多い気がするんだけど、
ちょっとおナル入ってるというか、微妙に自己陶酔な言葉が多い気がするのは私だけか。
変な比喩とか、あまり使わない方の漢字を使ってみたりとか。
使うのは別にかまわないんだけど、分からない人が読んだところで
「何でこんなムツカシイ漢字使ってんだ」と思われるだけだし、
分かってる人が読めば「何か言葉の意味取り違えてないか」と思われるよ。
青のフェルマータに似てるな…。
真似しようとして失敗した感じ。
>421
アドバイスありがとうございます。
一行辺りの文が長い、というのは自覚が少しあったのですが>誰がどういう動作を取っているのかわからないっていうのには
反省させられました。これでもか、これでもかという勢いで書き込んでるつもりで、それでも不親切になってるっていうのは
もう一回良く吟味してみる必要がありそうです。
自サイトはどっちかっていうと年齢層が高めなので、改行多用をが出来ないまま、ずるずるなぁなぁに続けていたんですけど
リライトは本当に読みやすくなってて、一文に詰め込む事の危険性にやっと気が付きました。
>422
アドバイスありがとうございます。
削る作業、状況の流れを何度かイメージして書く訓練、というのは勉強になりました。
勢いだけでダラダラ、まさにそういう書き方してました。
リズムとテンポっていうのは結構意識してたつもりだったんですけど、どうやらまだまだみたいですね。
なんかこういう書き方すると絡んでるみたいなのですが(そういう意図は本当に皆無です)
>ちょっとおナル入ってるというか、微妙に自己陶酔な言葉が多い気がするのは私だけか。
>変な比喩とか、あまり使わない方の漢字を使ってみたりとか。
というのは、具体的にはどのへんになるんでしょうか。(「蒼」とか?)参考に、続けて一言もらえると嬉しいです。
>423
いやーその小説は生憎知りません…。
普段はナマモノでホモやってます。
で、今回はまるっきりのオリジナルで書きました。
文体のまずい所も勿論ですが、自分の文体はクセがあるらしいので、
女性向けかそれとも男性向けの文面か、教えていただけると嬉しいです。
「いつもの所にお願いします」
着ていた上着を全て脱ぎ、鍼灸所の治療室の椅子に座っていた髪の長い
美しい女は、静かに自分の後ろに座っている、年も三十行くかの端正な顔
をした、掛かり付けの鍼灸医に話し掛けた。
「いつもの所に打てばいいんですね」
目が見えない鍼灸医は、その経験を頼りに女の長い黒髪をまとめて前に
回し、いつも女が病んでいる場所を、自分が愛用している針で何カ所か打
ち始めた。
「お医者さん。貴方だけです、私が病んでいる場所を知っているのは」
色んな所を回っても直らなかったのにようやくと、鍼灸医に針を打たれ
た女は、痛みを堪えようと苦しげな顔をした。
「痛くないですか」
鍼灸医は優しい声で話し掛けた。
「大丈夫です。耐えられます」
大丈夫ですと、女は返事をした。
自分の目は見えないが、きっとこの女(ひと)は美しい人だろう、今こ
こにいる時よりも深くこの女を知りたい。
鍼を抜くまでの間、鍼灸医は思った。
鍼を抜くまでの間、鍼灸医は思った。
「先生。時間ですか」
女はまだですか。と鍼灸医に聞いた。
「もう少し待って下さい」
鍼灸医はそう答え、後数秒心の中で数えた後、
「今抜きます」
時間ですからと女に売っていた鍼を抜いた。
「ありがとうございます。少し楽になりました。先生のお陰で少しずつ楽
になって嬉しいです」
女はしばらくして礼を言い、上着を元通りに着始めた。
「それは良かった」
鍼灸医は嬉しいながらも、胸が少し痛んだ。
「先生次はいつですか」
いつに来たらいいのですかと、服を着終えた女が聞いた。
「次は来週の水曜」
鍼灸医はその辺りにはと答えた。
「その時にはよろしくお願いします」
深々と礼をした女は、そのまま診療室を出て行った。
「水曜日まで又か」
鍼灸医は一言呟き、ため息をついた。
又水曜日が来ると嬉しい。
目の見えない鍼灸医として考えてはいけない事を考えてしまう自分が嫌だ
けれども、あの女をもっと知りたいと思う。
目が見えれば引け目も何もないのにと、鍼灸医は見えない窓に首を向けた。
以上の通りです。
よろしくお願いします。
すみません、>426一行目はコピペミスなので、無い物として考えて
て下さい。
とりあえずざらっと、細かい事を。
>着ていた上着を全て脱ぎ、鍼灸所の治療室の椅子に座っていた髪の長い
美しい女は、静かに自分の後ろに座っている、年も三十行くかの端正な顔
をした、掛かり付けの鍼灸医に話し掛けた。
ちょっと混乱しました。二文ぐらいに分けたほうがいいのでは?どの修飾が誰に掛っていくのかわかりにくい感じ。
>自分の目は見えないが、きっとこの女(ひと)は美しい人だろう、今こ
こにいる時よりも深くこの女を知りたい。
後半の部分が、ちょっと意味不明。多分抽象的な意味合いなんだろうとは思うんですが、もうちょっと説明してほしいかな?
>鍼灸医はそう答え、後数秒心の中で数えた後、
後、が重複してる。
読みやすくてイメージが頭に浮かびやすいな、と思った。自分は男性向け、女性向けには詳しくないので
そのへんはなんともいえないんですが。
なんというのか散文調。
おかしな所というより、叙情的なものがないというか
ブンガク的表現がないというか。
まぁ一見する限りでは「見せ場」じゃないんだろうから
そこまで拘る必要はないのだろうけど、
>>425の一番書きたいシーンがこの調子で書いてるのなら
ちょっと淡泊すぎるなーと思わないでもないですな。
>>426を遠目で見てみると、カギ括弧の会話のあいだに
つねに描写説明を入れてるのが分かる。
それが悪いってわけじゃないんだけど、テンポを殺すことにもなりかねないから、
必要のない描写は削るなり集めるなりしてみるのはどうだろうか。
個人的なシュミになってしまうけど
目が見えない鍼灸師の恋愛と言うのなら
「触」の感覚や「聴」の感覚がクローズアップされるべきだと思う。
女性に鍼を打つ、肌に指をあてる、かすかにふれる肉の柔らかさ、つるりとすべる皮膚の肌理、
ふわりと伝わる暖かみ、触れる相手の息づかい……etc
とか、そういった部分をもっともっと強調するべきでしょう。
>女はしばらくして礼を言い、上着を元通りに着始めた
ここにしたって、目が見えないのならわからないはず。
地の文の主観は鍼灸師だよね。
だったら、読者も読んでいて目が見えないように思わせるような表現を選ばないと。
「衣擦れの音が聞こえる」とか、そういったフォローで「見えない」事を強調するべき。
鍼灸とかでエロティックな部分を出したいのなら
勝新太郎の「不知火検校」を勧める。映画だけどね。
あんまりエロすぎると違う方向に行くのかもしれないから注意しないといけないけど、
愛情とかを絡ませたいのなら、そういうシーンだけは手を抜くべきじゃないと思う。
まず最初に自分は鍼灸関係で仕事をしていましたので、
鍼灸師の全般的な描写に違和感を覚えます。
(一度、取材もかねて鍼灸の治療を受けては如何でしょうか?)
余談ですが、中国針を使わない限り(普通使わない)
裁縫針を手に刺したような痛みは感じません。
大きなお世話かもしれませんが
どちらかといえばお灸の方がいいかもしれません。
香りや匂い等の描写の幅が広がるからです。
熱さを我慢する(火傷するまでは施術しませんが)シーンとか。
マッサージも自我境界線が曖昧になる(貴花田とかの件)
あたり使いどころ満載です。
手と肌(マッサージを受ける事で汗ばむ)の描写はこの手のものに必須でしょう。
参考としては石の森先生の「サブと市」が良いかも知れません。
主題もさる事ながら「ふしだらな」関係を心に秘めつつ患者に接する鍼灸師
(コンプレックスを感じている)が主人公ではどう考えても(文面うんぬんの前に)
設定は男性向けでしょう。(中高年の方向けの小説系雑誌を思い出しました)
誰向け?の前に『馬から落ちて落馬した』の表現方法は
何か特別な意図が無い限り避けた方が良いかも知れません。
読んでるうちに不思議な気分になりました。
ずっと以前の、せっけんで洗った髪の匂いの人を思い出した。
文体のせいなのか作中の描写の違和感のせいなのか……
>着ていた上着を全て脱ぎ、鍼灸所の治療室の椅子に座っていた髪の長い
美しい女は、静かに自分の後ろに座っている、年も三十行くかの端正な顔
をした、掛かり付けの鍼灸医に話し掛けた。
本多某に添削されそうな文だなとオモタ。
文の構成はさておき、句点が無駄に多くて却って混乱する。
>428-431
425です。
>425は話としては最初のさわりです。
他板のSSスレでも書いているので、そこで注意されていた事がより具体的
にはっきりと分かって本当に良かったです。
鍼灸師視点の三人称でやる場合は、地の文の表現も鍼灸師視点で書けば良かっ
た事と、他板の時も感想というかコメントは女の人より男の人が多かったで
すし、オリジナル書いた場合は>425のような題材を使う事が多いので、多分
>430のおっしゃる通りだと思います。
するべき課題が多そうですが、夏コミ用の小説を書いてから、アドバイスし
ていただいた事を念頭に置いてその小説を推敲していきたいと考えています。
本当にありがとうございました。
ここって晒すのは恥ずかしいし、アドバイスはいちいち的を得てて、かなり心に痛いけど、
住人は有る意味親切で適切だな。それに自分の文章を冷静に見直す切欠にもなる。
良スレ認定。
では早速
的を射る
当を得る
気をつけよう。仮にも字書きなら。
タイポであっても微妙すぎていいわけ出来ない。
>434
ネット上で調べただけでも、
使い方に関してあまり目くじらを立てる
用法ではないらしい。
その分色々議論が盛り上がっているが。
ここは揚足を取るスレではないと思う。
特に、コメントなどに対してはなおさら。
(神経質ですぐ荒れるようなスレにしたければ積極的にするべき)
他人に誤りを認めさせる場合、あまり追い詰めるような
言動はその人を意固地にさせるだけ。
言い訳できないとかって…どう?。
もっとも、推敲済みの原稿なら問題とすべきかも。
>434ハハハハハハ_| ̄|○ ジブン カッコワリー!!
ところで
字書きなればこそ普段使う言葉には気を使いましょうということだろ。
すまん、途中送信。
ところでここで評価をしている人は自分も晒したりしてる?
私は評価もするし晒したこともある。
評価だけをしている人がいたら、ぜひ一回晒してみるのをオススメします。
言葉(書き込み)はただの言葉であり
それをどう受け止めるかは読み手の資質による。
435と437の受け止め方は対照的でわかりやすい。
>438
晒したことありますよ。
「とりあえず読めないことはない」ということで
以前とらのあなに晒した時の「小説以前」という評価から考えると
ちょっとは進歩したのかも知れません。
>438
此処じゃないけど2Chで晒しました。
グッジョブ(?)って、あったけど…。
2ch語は解読が難しい。
同人板のほうのこの手のスレは、少し甘口のようなそんな気がする。
>>438 力がついてくると、ここで晒すのは場違いだなとわかるもの。
だから晒さないよー、ふふん。
力がついた=売上?
>443
男性向けや創作、もしくは女性向けでも健全路線ならまだしも、版
権女性向け801、ノーマルカプ物はジャンル効果、カプや横のつ
ながりが実力よりも強い場合があるので、力が付いた=売り上げが
上がったは必ずしもイコールでは無いと思うんだが。
特に女性向け版権801個人サークルではジャンル・カプ効果≧力
が付いた≧売り上げが上がったのような気がする。
???
ゴメン。意味がわからない。
力がつくという事は実力が上がったとは言い切れないという事かな?
(これも解かりづらいけど…。)
実力があれば売れるわけじゃないということでもあるのか。
そうなのか?。
>445
説明がまずかった、スマソ。
他のジャンルはともかく一部女性向けは、その本人が良い文章を書く力が
あっても、他の要素のせいで本が売れない場合もあるんだよ…。
>446
他の要素のせいで本が→他の要素でせっかく書いた小説本が
文章足りなくてすみません、逝ってきます。
売る為にはマーケティングが重要なのはプロとしては第一義的ではある。
でも、半端モンじゃ即座にバレるんだよね。
>444
説明乙!了解した。
今後ともヨロ。
iyaプロじゃないし、ここの住人は
「あ〜あ、めんどくせぇな」
公園のベンチに座り、A男は呟いた。
煙草にライターで火を付ける。そして、煙を深く吸い込んでため息と
共に吐き出すと、もう一度呟いた。
「めんどくせぇな」
A男は1週間前に仕事を辞めたばかりだった。辞めた理由はなんとなく
面倒になったから。
辞めてみたら、毎度の事ではあったが両親と彼女がうるさくて、結局すぐに
仕事探しを始めることになってしまった。
(もう少しだらだらしたいよなぁ)
現在の時刻は午前8時を回ったところだ。失業中でだらだらしたいはずの
A男がなんでこんな時間に公園なんかにいるかと言えば、そのいい加減な
性格とは裏腹にきっちり6時には起きる習慣が身に付いているからだ。以前
彼女のB子が「そんなところだけ時間通りなのね」と、待ち合わせにいつも
遅れてくるA男に嫌味たっぷりに言っていたことがあるくらい、朝起きる時間だけは
狂いがない。
そして、これが最も大きな理由なのだが、A男はもともと両親、特に父親とは
仲が悪かった。しかも仕事を辞めてからは仲の悪さに拍車がかかり、顔を
合わせること自体に嫌気が差しているA男は、起きてから両親が仕事に
出掛けるまでの間、公園で時間をつぶしているのだった。
再び煙草を吸って、ぼんやりと公園わきの道路を眺める。この時間、近くの
高校へと向かう高校生がこの道を通っていく。同じ制服を着た人間がこの道に
溢れ出てきて、波が引くように居なくなる。最初はまるで同じ様にしか見えなかった
高校生達だったが、1週間眺め続けていると何人か目立つ人間が分かるように
なってきていた。
沢山歩いていた高校生が段々と減ってきた時、その流れの中を一人勢いよく
走っている女子高生を見つけた。
(おーおー、今日も走ってんなあ……)
その子が走り去るのを見届けると、A男は煙草を消して立ち上がった。そろそろ
両親は出掛けているだろう。A男は誰もいないであろう我が家に向かって歩き出した。
批評お願いします。
すいません、冒頭に入れ忘れました。
>450
インパクトは無いけど、さらっと読めた。長い話の出だしならいいんじゃないかとおもいます。
>しかも仕事を辞めてからは仲の悪さに拍車がかかり、顔を
>合わせること自体に嫌気が差しているA男は、起きてから両親が仕事に
>出掛けるまでの間、公園で時間をつぶしているのだった。
意味は解るけど、読み時ちょっと引っかかった。
しかもそれは仕事をやめてからさらに拍車がかかり、彼と顔を合わすこと自体に嫌気が差し始めたA男は〜
とか?いや、でもなんかこれも少し不自然?
「仲が悪い」という言葉が重複になるので、代名詞を使っても問題ない様な気がします。
>再び煙草を吸って、ぼんやりと公園わきの道路を眺める。この時間、近くの
>高校へと向かう高校生がこの道を通っていく。同じ制服を着た人間がこの道に
>溢れ出てきて、波が引くように居なくなる。
少しくどい感じがするので、二文目の「この道」を削ってみたらどうでしょうか。
>(もう少しだらだらしたいよなぁ) 〜再び煙草を吸って、
の間、父親との確執が今後の展開で重要でないなら
短くしてもいいような気がする。(もしくは削除しても)
いきなりつなげても違和感無かったので…。
>452-453
ありがとうございます。
>452
指摘されて気付きました。確かに重複、くどさが気になりますね。
代名詞を使うというのは正直思いつかなかったので、
参考になりました。
中編程度の長さになる予定の冒頭部分でしたので、ちょっと一安心です。
>453
朝起きてから約2時間を公園で過ごしていることを書きたかっただけなので、
(両親との確執は必要な要素ではありますが、メインではありません)
もう少し文章を考えてみようと思います。
アドバイスありがとうございました。
添削お願いします。
遠くの方で、目覚ましが鳴っている。
(うるさい……目障り……)
意識は目覚めようとしているものの、身体がついていかない。そんな混濁する意識下では
言葉も混乱しようというものだ。見えぬものが目障りだと感じても致し方ない。
郁美は、目覚ましを止めようと布団から手を伸ばす。だが、いつもある枕元に時計がみあたらない。
(あれ?)
手はむなしく宙をなでた。目覚ましは、しつこいほどなりつづけている。
――――――ピリピリピリ……!
身体ががばっと布団から跳ね起きた。脳の神経が先ほどから送り続けている通信が、やっと
身体全体へ行き渡った末に、突如の反応だったのだ。
隣室からその音は聞こえてくる。どうりで遠くに聞こえるはずだ。隣室の電話の呼び出し音だった
ようだ。ふらつく足に気合をこめて立ち上がり、朦朧としたまま隣室へ小走りする。隣室、といっても
狭い4畳半の和室と6畳のダイニング兼居間の二間しかない、安普請である。走るというよりはよろめ
き壁を伝い歩いたといった方が正しい。その拍子に、足の小指をしたたかに壁にぶっつけ、呻きなが
ら受話器に手を伸ばす。
「いてってって……はい、はいっ」
慌てて受話器を取ったから、耳に当てる前に取り落としそうになった。辛うじて持ちこたえたが向こう
には激しい雑音交じりの異音になったことだろう。電話についているデジタル時計は八時半を指している。
『あんたねぇ。名前は名乗りなさいって言ってるでしょ。まったく、いくつになったとおもってるの』
電話の向こうから、いきなり文句をつけられた。
「う、お母さん?」
脱力感が、郁美を襲う。
『何回、呼び出し音鳴らしたと思う?20回よあんた』
「寝てたんだからさ」
さすが母親だ。呼び出し音十回で、出かけているのだと諦めずに二十回鳴らした。郁美が外泊などして
家にいないはずはないということを見抜いた上での、しつこさだ。
『いつまで寝てるの!あんた、休みだからってだらだら……』
「うるさいなぁ。なんだってのよそれで」
ついつい邪険に返事をしてしまう。
『ああ、あのね……』
母親の話は長くなりそうだ。つまさきで小指をなでる。
郁美は、今年28歳になる。
ライターという仕事をようやく名乗れそうな、軌道に乗り始めたところだった。
親元を離れてから十年近くになる。地元の高校を卒業して、東京の大学へ進学したままこちらに住み着い
ている。大都会に憧れたわけではないと、本人は言う。その、大都会という言い方も郁美は好きではないの
だ。それならば、なぜ東京へでてきたのかといえば、地元の長野県には郁美の進みたい道筋が見つからなかった。
それが、憧れだということに本人が気づいているかどうかはわからない。おそらく、気がついてはいないだろう。
『……というわけだから、いつこれるの?』
「は?」
寝ぼけた頭は、母親の話を理解できていなかった。大部分の母親の話は、要点に飾りをたくさんつけて話さ
れるものだから、肝心の部分を聞き逃すことが大半だ。
『なによ、聞いていないの?芳美がね、出産準備で大変だからちょっと帰ってきて頂戴って言ってんのよ』
「芳美が?赤ん坊?」
『そうよ』
芳美というのは、郁美の二つ下の妹だ。彼女は郁美と違い地元を愛し離れる事をしなかった。二年前やはり
地元の同級生と結婚したばかりだ。
「芳美が、赤ん坊ねぇ……」
年末も忙しさに紛れ里帰りしそびれ、実家の消息をたずねることもしなかったのだ。いつのまにか妹は、母に
なろうとしているらしい。
郁美の家では幼い頃から両親とも働きにでていた。都心ではそう珍しくもないだろうが実家のある田舎では珍
しい光景だっただろうとおもわれる。
両親のいない家で、遊び相手といえば姉妹しかない。 芳美は、郁美と二つ違いの妹だ。 幼い頃から、いつも
一緒に遊んでいた。勉強も一緒だった。その妹が、子どもを産むという。信じがたいが、現実だ。
『あんた妹にさき越されてどうすんのよ。で、いつ帰ってくるの。』
「かえる?」
『だから少し帰ってきてって……』
「え、そんな!急に言われても困るよ」
急に身体中の血が巡り始めたようだ。
「あたしだってね、こっちで仕事も順調だし急にやめるわけにも行かないんだから」
仕事のことを言われると、意識しなくとも常に頭の片隅では(いつ途切れるかもわからない)という不安があるの
かもしれない。つい、ムキになってしまう。
『何いってんのよ郁美。べつにずっと帰って来いなんていってないでしょうが。ちょっと手伝いにきてって言ってるだけでしょ』
「え?あ、なんだ。驚いたぁ」
『そんな、露骨に嫌がんなくてもねぇ。考えておいてね、じゃあ切るからね』
がしゃん、と唐突に電話は切れた。田舎の人間らしい、乱暴さ。
「なによ、そっちの方が礼儀しらずだってのよ。まったく」
こちらも負けずに受話器を放り、しんみりしかけた気持を一掃させた。
小指がまだ、少し痛む。
〜そんな混濁する意識下では 〜
〜脳の神経が先ほどから送り続けている通信が〜
回りくどい情景描写、説明がテンポをスポイルしている。
EX
郁美は、目覚ましを止めようと布団から手を伸ばす。だが、いつもある枕元に時計がみあたらない。
(あれ?)
手はむなしく宙をなでた。目覚ましは、しつこいほどなりつづけている。
↓
郁美は、目覚ましを止めようと布団から手を伸ばす。
……あれ?
手はむなしく宙を探る。
郁美は、今年28歳になる〜
の唐突な挿入が気になる。何とかソフトランディングを望みたい。
主人公の説明の中に考察する視点が入ってきて煩わしい。
句読点の位置をも少し推敲してはいかが?
斜め読みして感じたところでした。
ごめんね、ひとつだけ、言ってもいい?
それが伏線になってるのならいいと思うんだけど、28歳の一人暮らしの娘に
電話に出たら名前を名乗れっていう親って少ないとオモ。
さらっと読めたし、状況も人物もわかりやすいと思いました。同人ぽくないカンジ。
>459で「名乗れ」って言う親は少ない、と言ったけど、きちんと読んだら母親は田舎の人で
名乗る事が危険だ、という認識が甘いという表現なら成功していると思いました。ごめん。
あと>母の話は長くなりそうだ。つまさきで小指をなでる。
つまさきって足のつまさきで手の小指を撫でたってこと?ぶつけた足の小指を、手の指で撫でたんじゃなく?
>458
まわりくどいなあと思ってたのですが、
まわりくどくない書き方をいつも悩んでました。
>459
伏線ではないですが私の思い込みなのでしょうが、
田舎の母親は東京に出て行った娘のことを干渉しすぎるのだ
ということをこの先書いていくつもりでした。
そうでもないのかな。
>460
足のつま先で反対の足の小指をこすっている感じです。
やっぱり全体的にまわりくどくて独り善がりでわかりづらい書き方を
しているのがわかりました。
何とかサラっとわかりやすくかけるようがんばります。
ありがとうございました。
/^l
,―-y'"'~"゙´ |
ヽ ´ ∀ ` ゙':
ミ ミ
゙,, O┬O ミ
ミ | ;:'
〜 .◎--ヽJ┴◎ キコキコ
保守
464 :
スペースNo.な-74:04/08/03 06:42
age
「……はあっ、はあっ、式!式のおまんこ!」
ガラッ。
「おい一夫、騒がしいぞ。何をし……おい、オレの体操服を着て何をしている」
「うわっ!し、式!?み、見るな!」
「ふうん。そんなにチンポを大きくして何を、というのも無粋な問いだな」
スッチャスッチャ
「うあっ、式!そんなにきつく擦っちゃ」
「どうせいつものようにオレのことを考えてオナってたんだろう?馬鹿兄、馬鹿兄、馬鹿兄」
シュッシュッシュッ
「はぁん、あくっ……イっちゃう」
「お預けだ」
ギュ
「あぁんっ」
「全く一夫はエロいなあ、こんなにチンポから汁をだして……」
「そんなっ、そんなこと言わないでぇっ」
シュッシュッ
「まあこれだけ汁が出ていれば……後ろに塗らせてもらうぞ」
ヌリュッ
「あん」
ズッヌプッ
「あっああんだめぇ」
「くく、指だけでそんなに喘がれちゃ先の楽しみがないじゃないか」
466 :
スペースNo.な-74:04/08/09 21:27
上げ忘れ
467 :
スペースNo.な-74:04/08/09 23:18
糞スレage
468 :
スペースNo.な-74:04/08/09 23:43
ほんとちゅまらんなこのくそすれは
469 :
スペースNo.な-74:04/08/09 23:49
もぉ…削除依頼よろヽ(`Д´)ノ
470 :
スペースNo.な-74:04/08/10 11:07
若者が苦悩する様は美しい。
彼等は煩悶する。
何故自分は生きているのか?
自分はこの世の中で何をすべきか?
答の出ない自問自答を繰り返しながら彼等は自分なりの答を見つけだし、
揺るぎない大人になっていくのである。
主人公Sもごたぶんにもれず苦悩していた。
彼の目の前には四つのポテトサラダが、
テーブルの上で美しいフォーメーションを織りなしている。
彼はこれからこのポテトサラダを試食し、
その味の違いから見た目、
歯ごたえ、
食材にいたるまで克明に記し、
どのポテトサラダがよろしかったか記述せねばならないのだ。
それが彼に与えられた使命でありもっとおおげさに言えば宿命であった。
その大任と引き換えに彼はなんと四千円という大金を得る事が出来る。
四千円と言えば大金だ。
大望抱く若者が事を興すには十分過ぎる金額と言えよう。
彼が息巻きこれぞ捲土重来とばかりにポテトサラダを睨み付けたのも無理からぬ話であった。
471 :
スペースNo.な-74:04/08/10 11:08
ちなみにポテトサラダは
「p」
「q」
「r」
「s」
の四種類。
彼は眉をひそめた。
何故
「a」
「b」
「c」
「d」
ではないのか。
何故「p」から。
これはどうやら自分の想像以上に難解な問題かもしれぬ。
じっとりと汗ばむ手を握りしめ、
自らを落ち着かせるS。
ハッキリバッサリ言ってしまえばポテトサラダなんざどれも大した差はない。
が、
しかし、
彼の才能溢れる眼力は瞬く間に四つのポテトサラダの相違点を叩き出していた。
まず「q」だ。
「q」にだけはコーンが入っている。
なんということだ。
472 :
スペースNo.な-74:04/08/10 11:08
これは古今未曾有の大発見である。
彼は自分の慧眼に胸をはずませながら「q」に箸を付けた。
その刹那。
彼は驚くべきしっぺ返しをくらってしまう。
まさに晴天の霹靂である。
その霹靂とは、
玉葱に他ならない。
なんと言う事だろう。
かれは慄然となった。
コーンで誘い込んでおき、
まんまとおびき出された自分を玉葱での狙い撃ち。
あわれ彼の純真な瞳にはこの権謀術数をみやぶる老獪さはそなわっていなかったのである。
ピリピリとする舌を清水で抑え込みながら動揺を悟られないように彼は一つ咳払いし、
泰然自若を装いつつ「p」を眺めた。
するとどうも「p」には人参が多く入っているように思われた。
成る程、
どうも「p」は彩りを優先させたらしい。
うっすら黄色がかったポテトの白と、
人参の鮮やかな橙(だいだい)は、
どうにも多感な若者の創造力を刺激して止まないに違いない。
これは中々どうして立派な作戦と言わねばならないだろう。
473 :
スペースNo.な-74:04/08/10 11:10
さて「r」はどうだろう。
どうも胡瓜が多い気がする。
こちらはおそらく食感を優先させた様だ。
ポテトのボディーブローの様に口内に拡がる旨味とは対照的に、
胡瓜の鋭利な歯ごたえは正に日本刀。
彼の口内で、
いまにも血で血を洗う決闘が繰り広げられようとしていた。
が、
そんな彼を瞬時にして現実に引き戻したのが「s」のポテトサラダであった。
黄色い。
なんたる事か。
この世に黄色いポテトサラダなんていうものがあったなんて。
完全に既成概念を覆されたSは、
くらくらする頭を必死で整理した。
落ち着け、
きっとカレー粉かなんかが入っているだけだ。
それにしても、
黄色いポテトサラダとは、、、、、。
四つのサラダの吟味は終わった。
さあどれを選ぶべきか?
彩りの「p」か?
伏魔の「q」か?
食感の「r」か?
異端の「s」か?
彼は目を伏せた。
酷だ。
474 :
スペースNo.な-74:04/08/10 11:11
己を偽れない彼にこの選択。
非常に困難であろう事は火を見るより明らかだった。
彼は百斤にも思えるペンを取り、
それぞれにこう記し、
四千円を受け取ると、
その場を後にした。
それぞれのポテトサラダの感想をなるべく詳しく記述して下さい。
「p」人参がきれい
「q」玉葱が辛くてびっくり
「r」キュウリがいいです
「s」黄色い
では、上の四つのポテトサラダでどれが一番好みでしたか?
「r」
それは何故ですか?なるべく詳しくお聞かせ下さい。
ハムがいっぱい入ってるから。
ハァ?で、なに?
「3人の中で一番オッパイの大きな娘を選んだ」のコピペと、
オチ的には一緒だよね。
いろいろあったけど、それをあえて無視して、
それまでまったく伏線を置かなかった本当の判断基準で判断する。
ただ、それだけ。
478 :
スペースNo.な-74:04/09/02 19:23
長編のごく一部なのですが、リズムなど評価していただけると幸いです。
人気が全くと言うほどない路地裏。携帯に無機質に表示される地図を睨み付け歩く男が1人。
脂気の無い絹のような長い髪を揺らしながら辺りを見回す。名前を●●といった。
「ここ……どこ?」
道に迷いこんでしまったらしく、歩くうちにこの路地裏へとたどり着いたのだった。
路地裏はシャッターのしまった店が立ち並び、その上道幅も狭い。そして薄暗い。
ごみをつつくカラスが「いかにも」という雰囲気をかもし出していた。
人に道を尋ねたくても人の気配が無い。とりあえず歩こう。
ユキヒロがしばらく歩いていると、奥の方に何やら金や赤の装飾に彩られた派手な店を発見。
店の目の前まで歩いていくと、人気は無いがシャッターは開いている。
見た目からすると中華料理店のようだ。「営業中」出とているからおそらく人はいるだろう。
「大丈夫……かな?……」
●●は恐る恐る引き戸を開けてみる。引き戸の開くカラカラという音と共に
来訪者を知らせるベルなのかチリンと綺麗な音が鳴った。店に入り辺りを見回すが誰もいない。
>478
リズムっつーか、これ推敲してる?
> 道に迷いこんでしまった
こんな表現はないと思う。
>とりあえず歩こう。
視点の混乱。
>派手な店を発見。
唐突かつここだけの体言止め。
とまあ、ざっと見ただけでもこんだけツッコミどころがあるんだけど。
>>478 頭でっかちな体言止めが多いね。普通に書こうよ。
>>478 リズムを意識しすぎてるのか、一文が短くて、無味乾燥な印象があるかな。
俺流にはじめの方だけ直してみたよ。
--------------------
携帯の液晶画面に無機質に表示される地図を睨み付けながら、
まったくと言っていいほど人気がないその路地裏を歩く男。
●●というその男は、脂気のない絹のような長い髪を揺らしながら、辺りを見回す。
「ここ……どこ?」
どうやら道に迷ってしまったらしい。
電気の世界を通じて送られてくる地図などいい加減なものだ。
頼って歩くうちに、いつのまにかこんな路地裏に辿り着いてしまったのだから。
店鋪群のシャッターが均一に並ぶ様子は、
なにか大きな怪物が歯を剥き出しにして笑っているようにも見える。
幅員も狭く、明かりもない路地裏にぼんやりと浮かんで見えるその歯列に、
●●は何か本能的な恐怖を覚えた。
--------------------
脂気のない絹のような長い髪、という表現だけよくわからないまま使ったけど、
だいたいいつもこんな感じで書いているよ。
知覚情報に対する印象・感想を比喩表現を交えながら、
細かく入れていくと人物の気持ちが見えやすくなると思う。
>478
ゲームのト書き(?)みたい。
あぶらっけのない絹のような長い髪って。
パサついたオバハンのやせて細った髪を思い浮かべました。
>478
あんまり字面を変えないで文章を整えてみた。
-------------------------------------------------------------------------------------
●●は携帯の画面から視線を上げると、脂気の無い絹のような長い髪を揺らしながら辺りを見回した。
「ここ……どこ?」
地図を確認しながら歩いていたつもりだったのに、迷ってしまったらしい。道を尋ねようにも
あたりに人の気配はなかった。道幅の狭い路地裏は、シャッターのしまった店が立ち並び、
その上薄暗い。 ごみをつつくカラスが「いかにも」という雰囲気をかもし出していた。
……とりあえず、進もう。
●●は溜息をつき、無用のものになってしまった携帯電話を閉じると不安げな表情で歩き出した。
しばらく歩いていると、●●は奥の方に金や赤の装飾に彩られた派手な店を発見した。
見た目からすると中華料理店のようだ。「営業中」と出ているからおそらく人はいるだろう。
「大丈夫……かな」
恐る恐る引き戸を開けてみる。カラカラという音と共に、来訪者を知らせるベルなのか、
チリンと綺麗な音が鳴った。店内に足を踏み入れる。誰もいない。誰かが出てくる様子もなかった。
-------------------------------------------------------------------------------------
映像で想像してそれを文字におとしてるんだと思うけど、その場合情報が重複したり
順番がごちゃごちゃになったりしがちなので、推敲はしっかりやったほうがいいと思う。
後、この場面は●●が方向音痴なのか、それとも地理自体が不思議な空間になっているのか、
それとも与えられた地図がおかしいのか、それから、●●がこの状況について不安に思っているのか、
楽しんでいるのか、いつものことと流しているのかというようなことを描けるシーンのはずなので、
キャラに肉付けするためにも、世界観を説明するためにも、そういうとこをきちんと書いてあげると
プロットっぽいそっけなさも消えていいんじゃないかな。
文章的には、短文なのに「路地裏」とか「辺りを見回す」とか、同じ表現が何度も出てくるのが
気になったので注意するといいと思います。
二次でBL風味です。よろしくお願いします。
ふと何かが違うと思い、僕は首を傾げた。
落ち着いてよく考えろ、そうすればおかしい事なんて何もないんだ。
何かの名探偵のように、社会のシステムを解き明かそうとした学者のように、
今ここに存在している現象を、それを構成している要素に分解していくんだ。
僕が作曲をする時にもよくする動作だ、何の問題もない。
一度できたものを分解し、再度構築しなおす。
この世にある事象なんて、分解しだせば細かすぎて結局意味がない、なんて事を
言う人間も多いけど、僕自身はこのやり方を気に入っている。
よし分析だ。
今僕は、自分の部屋にこもっている。
右手にはマグカップ、左手には楽譜。
部屋にはご近所迷惑にはならない程度の大きさで、
音楽が流れている。
何をしているかというと、これから打ち合わせがあるので
その時相手に聞かせるための音源の最終チェックをしているんだ。
スタジオとは違う僕の家だから、実はこういう作業にはむいていないんだけど。
スタジオに入ると時間を忘れてしまうから、時間がない時はこういった簡単な作業は
自分の家でやるようにしている。
今聞いている音源は、何百回もチェックを繰り返したものだから、
もう僕の力ではこれ以上何かしようもないようになっている。
今聞いているのは、ほとんど打ち合わせまでの時間つぶしの部分が大きいというのが
本当の所だ。
以下延々と考えて、僕は再び首を傾げる。
いつもと変わらない日々、いつもと変わらない環境。
それなのに、何故僕は今の環境に違和感があるのだろう。
そこで僕は窓の外に目をやって、そこで初めて合点がいった。
続きです。
ああ、なんだ。
雨だ。
窓ガラスを強く叩く音が、僕の違和感となっていたことにようやく気付いた。
音楽を流す事をやめてみれば、耳をすまさなくても雨音が強く聞こえてくる。
なんとなくすっきりした気分で、僕はカップの中身を飲み干して立ち上がろうとする。
雨だから、家を出る時間を少し早めなければいけない、そう思ったんだ。
今から準備して出て、少し道は混むだろうから、
予定の時間に少し遅れるかもしれない。
そうしたら彼に謝ろう。そして彼も雨の中来るのだから、
彼の調子が心配だ。ちゃんと最近の体調管理について質問をして、
大事にしてもらうようにしないといけない。
頭の中で組み立てていた予定に若干の変更を加えて僕は一つ頷いた。
実際に立ち上がって、大きく背伸びをして、いざ準備をして
待ち合わせ場所に向かおうと気合を入れかけた、その時だ。
「すごい雨だね」
ぴんぽんと呑気な玄関のベルの音がして、
なんだろうと僕がドアを軽く開いたのと同時。
そんな呑気な挨拶と同時に僕の視界に飛び込んでくるのは
多分彼しか持っていない、個性的な形の傘ととびきりの笑顔。
不意打ちをくらってどうしたの、としか言えない僕に、
彼はまたまたにっこりと笑って、空を呑気に指差した。
「雨でしょ。外に出るの大変だろうなって思って。
僕の方も仕事はやめに終わったから」
ここでも打ち合わせはできるよね?なんて言って、首を傾げて。
あっさり組み立てた予定を崩されて、
なんだか途方にくれる僕にむかって、彼は事も無げに言う。
浮かべている微笑は、いっそ清々しいまでに魅力的で。
僕もついつられて、口の端が上がってしまったような気がする。
そうだ、僕は忘れていた。
分解したものを組み立てれば同じ物になるかというと、実はそれも少し違って。
何故か最初にあったはずの現象と、ずれてしまう事があるんだ。
それは分解したと思っていた事がまだ大雑把だったから、
大切な事が抜け落ちてしまっていたのか、
はたまた最初にあった事象が、そもそも奇跡的な何かで出来ていたからなのか。
なんでもきっちりさせたがる僕からしてみれば、
そんな不安定な事はとても認めたくない事なんだけど。
それでも目の前で彼は屈託のない微笑みを浮かべているから。
だから僕もなんだか細かい事はどうでもよくなってしまうんだ。
今ある要素を組み立てて、「こうなるはず」「ああなるはず」、僕は考えてしまうけど。
それも時々、彼のせいで、(嬉しいことには、全て良い方向に)ずれてしまうんだ。
だけど僕は知っている。それを人はこんな風に言うんだって。
『予定外の出来事』
「汚い所だけど、どうぞ」
「ありがと、おじゃまします」
僕は本当はいつだって、心の底でそれを待ち望んでいる。
これで最後です。
元は30のお題「予定外の出来事」です。
>>487 特におかしいところは感じないです。
細かいところを指摘すればできるけど、
全体の印象としてまとまってると感じられたので、いいと思います。
ただ、何か大きな弱点を探すのが難しいかわりに、
魅力ももう少し足りないようにも感じます。
細かい描写にちょっとした萌えのツボみたいなものが混ざっていると、もっと楽しくなりそう。
情景描写も五感をもっと意識して、読者をその世界に引きずり込みたいですね。
(例えばカップの中身の香りや、音楽機材の色や光沢や質感、等)
内容にも文章にも骨がない。そういう感じを受けました。
スレタイトルに従うなら、どちらにも魅力がない。
落ちまで書いてあるからまとまって見えるけど、日本語かなり変だし、
物語がとっちらかってる。
ただ、ある程度文章にはなってるから、ここから先に行くには自覚して
気をつけて書くしかないんじゃないかな。
主人公じゃないけど、ちょっとでも違和感があったら分解して辞書を引く(WEBのでいいから)とか
手なりで書かず、ちゃんとプロット立てるとか。
〜で。
〜で。
〜だから。
〜なのだ。
なんて展開のさせ方は、手抜きにしか思えない。
ちょい厳しいか。ごめんな。
でも気をつければもっと上手くなるんじゃないかなと思う。
ここはイヤラシイの晒しもありですか?
微エロっぽいのとかなら有りじゃないかなーっと思うが、
もろに18禁な奴とかはどっかにUPって誘導とかにした方が
無難な気がします。まるっきり私見ですが。
>488
>489
正直なご意見ありがとうございました。
自分では何が悪いのか見えていなかったので
とても参考になりました。
ご指摘の展開部分は楽でつい使ってしまいがちだったので
気をつけていきたいと思います。
もっと丁寧に小説を書いて、少しでも魅力のある文章を
書けるようにがんばります!
ありがとうございました。
494 :
スペースNo.な-74:04/09/18 21:57:10
>>493 >>1にはっきり
>ここは、自分の書いた小説が魅力があるかどうか、皆に判断してもらうスレ。
と、書いてあるんだが、それについてはどう思う。
豚切り失礼します。
2次創作長編物の途中、流れでいくと「転」あたりからの抜粋です。
裏取引の代理人兼運び屋の主人公と、仕事の仲介人(マスター)の会話シーンです。
荷物を預かる際に襲撃され、なんとか届け先に行ったものの受取人が現れずその日は荷物を預かったまま帰還。
再度荷物を届けるよう依頼が来た為、その取引場所の下見を終えて……という所です。
−−−−−−
「ありがとう、ございました」
店を出て行く最後の客にマスターの声が掛かる。鼻に掛かったようなその声は、営業の色を濃く出した時の癖だ。
最初の頃は少々気になったが、今ではすっかり慣れていた。
時計を見上げれば午前一時半過ぎ、もう終電は出た筈だ。この時間から後に客が来ることはまず無い。
「今日は、仕舞いかな?」
俺の質問に、マスターは微かにうなずいて答えた。それを確認したうえで片付けを始める。外に出ている看板を片
付け、扉に掛かっている『OPEN』の札を『CLOSE』にひっくり返す。電飾の電源を落とし、店内に並ぶイスをクロ
スで拭いたテーブルの上にひっくり返して乗せていく。ほぼ毎晩やっている事だ、十五分ほどでカタはついた。カウ
ンターの奥のロッカールーム兼事務所で服を着替え、店内に戻る。
「お疲れ様です。一杯、やりますか?」
「その前に、打ち合わせといこう」
公園の下見から吉祥寺に直行し、いつもの立体駐車場にビッグホーンを入れてから上がった店にはそこそこの客
入りがあった。そのままバーテンの仕事に入ったモンだから、下見の結果を打ち合わせる事もままならなかったの
だ。
「そうですね……で、どうでした?」
答える前にカウンター席に腰掛けると、マスターはコーヒーを淹れてくれた。一口啜って喉を潤す。
「第一印象は電話で言ったとおりだ。俺としては、あそこでの取引はお断りしたいね」
「貴方がそこまで言うのは、久し振りですね」
「今回のは自信があるぜ。地図、いいかな?」
「あぁ、どうぞ」
マスターがカウンターの下から取り出した都内のロードマップを受け取り、取引場所が載っているページを開いた。
「……ここだ。見て分かるとおりここは行き止まり。周囲は保税区域の金網と海で囲まれてて、こことここを封鎖され
たら逃げ道は無い。俺ぁなんで相手さんがこんな所を指定してきたかさっぱり分からん」
「なるほど。ですが、先方さんは場所を変えるつもりは無いそうです」
「……確認済み、か?」
「えぇ。こちらも強く出てはみたんですが、ここ以外の場所では応じられないとのことでした。もしここ以外でないと受
けられないというならば、今回の依頼はご破算。でもって、我々にもそれ相応の報復をするそうです」
「報復って……なんだそりゃ。こっちはとばっちりもいいトコだろうが」
多少語気が荒くなった俺に軽くため息を吐いたマスターは、眼鏡を指で押し上げた。
「この業界、先に怒った方が勝ちでもあるし、負けでもある。たとえ言い掛かりも、生き残った方が勝ちなんですよ。
色んな意味で、ね」
「ったく、因果な商売だな。わかっちゃいたが、こんなワケの分からん依頼は初めてだぜ。受け渡しで襲われるのは
ままあるとは言え、にしたってド街中で銃を撃ちまくるわ、そうかと思ったら受け取りには来ないわ、でもって預かり賃
はべらぼうに高いわ。なんなんだ、一体」
「そうですね。ギャラの良い仕事はリスクが高い、というのが定説なのは確かですが、今回のはある意味それの最た
るものかもしれません」
「金で買えるモンと買えないモンがあるってことを、相手さんとやらは知ってるのかね?」
腹立ち紛れにそんなことを言うと、マスターは肩をすくめてみせた。
「さぁ、どうでしょう。どちらにせよ我々の選択肢はあまり無い、というのは明確ですね」
「やれやれ。なんにせよ、のこのこ出かけて行くしかないわけか」
「申し訳ありませんが、そういうことになります。が……」
「……が?」
「……こちらとしても、出来うる対応はするべきだと思っています」
「というと?」
「少し、待ってください」
そう言ったマスターはカウンターから出ると、裏手の物置部屋へと姿を消した。
五分ほど経っただろうか。コーヒーを飲み干し、煙草に火をつけたところで紙袋を持ったマスターが物置部屋から出
てきた。
「そいつは……嫌な予感がするな」
「最悪の結果よりはましでしょう。自衛手段です」
言いながらマスターは紙袋に手を突っ込む。中から出てきたのは、三角形の形をした紙包みが一つと、妙にゴツい
ベストが一着。
「自衛手段なら、そのベストだけでことは足りると思いたいんだがなぁ」
「攻撃は最大の防御だ、と言う方もいます」
ゴトリ、という音を立てて三角形の包みがカウンターの上に置かれた。煙草を咥えたままそれを取り上げ、包みを解
いていく。
「そいつに言ってやりなよ。人間、争い事をしないのが長生きする秘訣だって」
「残念ながら、今となっては手遅れですね」
意味深な返答をするマスターをちらりと見てから、紙包みの中身を取り出した。
「……久々に持つと、やっぱ重いな」
黒光りするそれは、己の能力とは裏腹に妙なオモチャらしさを醸し出していた。
「俺はドライバーだぜ。ドンパチは専門外だ」
「自分の身を守るためです。今回は、これを持っていったほうが良いと思います」
そう言うマスターの言葉には、真剣な響きが伴っている。
「……アンタがそう言うなら、持っていくさ。俺だって、まだくたばりたくは無いしな」
「使い方は、覚えてますか?」
言われて右手に握った銃を見つめる。トカレフとか言う名前だったか、同じタイプを何度かニュースで見たことがある。
溜息をひとつ吐いて、グリップの横に飛び出たボタンを押して弾倉を抜いた。八発の弾丸が収められたそれをカウン
ターの上に置き、スライドを引いて中に弾が入っていない事を確認する。手を離したスライドがスプリングの力で元に戻
っている間に窓に向かって構え、ゆっくりと引き金を引く……ガキン、という金属のぶつかる音を右手の振動とともに感
じた。
「様になってますよ、なかなか」
「誉められても余り嬉しくないな、こればっかりは」
苦笑いしながら弾倉を銃に叩きこみ、カウンターの上に戻した。
「なにしろ、撃ったのはもう何ヶ月も前だ。実際ぶっ放したところで狙ったところに当たるかは分からねぇぜ?」
「練習で撃った時は、最後の頃は殆ど当たってたじゃないですか。あれと同じようにすれば大丈夫ですよ」
「……相手が人間でも、か? 動いてる標的を撃ったことは無いし、人間様を狙うなんて覚悟も出来ちゃいないんだぜ」
「覚悟なんて、後からついてくるもんです。ところで、貴方が綿糸町で見かけた相手は四人でよろしかったですか?」
「あぁ、そうだ」
「だったら、一応こちらも渡しておきますね」
言いながらマスターは、予備の弾倉が二本刺さったホルダーをトカレフの隣に置いた。
「まったく、どこから仕入れて来るんだ? アンタは」
「企業秘密です」
そう言ってにっこり笑うマスターに、こちらも苦笑するしかなかった。
「ともかく、ありがたく頂戴しておくよ」
「一応、取り引きの前までに指紋は拭いておいてください。使う場面になったら、投げ捨てても良い様に手袋をしてもらっ
た方が良いですね」
「仕事の時は指に瞬着塗ってるから指紋は残らんさ。ま、気はつけるがね」
トカレフを背中のベルトに挟み、マガジンのホルダーを分厚いベストの間に挟んで立ちあがった。
「おっと、これを忘れられては困りますよ」
マスターはそう言うと、カウンターの下からアタッシュケースを取り出した。それを無言で受け取る。
「例の発信機も中に入っています。電源は入れていません」
「わかった。明日は一度店に来た方が良いか? それとも直行した方が良いかな?」
「お任せします。ただし、携帯の充電は忘れないでくださいよ」
「あぁ、わかってるさ。それじゃ、お先」
「はい、お疲れ様でした」
頭を下げるマスターに片手を上げて店の外へ出た。エレベーターで一階まで降り、駐車場の出入り口へ向かう。
ビッグホーンに乗り込んで、背中のトカレフと予備弾倉のホルダーをグローブボックスに放り込んだ。アタッシュケー
スを助手席の足元に寝かせ、その上に分厚い防弾チョッキを被せて目隠し代わりにした。
ヘッドライトを点け、吉祥寺の街を後にする。少し考えて、今夜は阿佐ヶ谷に戻ることにした。車内に色々と積んであ
る以上、青空駐車となる自宅に帰るのは躊躇われたのだ。阿佐ヶ谷のマンションなら地下駐車場だし、管理もしっかり
している。それに、物騒な物を自宅に持ち帰るというのもあまり嬉しいことでは無い。
煙草を一本抜いて火をつけ、煙を吸いこんだ。窓を少し開けて吐き出した煙を車外へ流す。
何かを考えておいた方が良いかもしれない。だが、何を考えておけば良いのか分からなかった。もしかすると何も考
えずにおいた方が良いのかもしれない。
信号待ちの間に煙草の灰を灰皿へ落としながら、助手席足元に置かれたアタッシュケースとトカレフを突っ込んだグ
ローブボックスを眺める。
明日の晩、うまく行けば全て終わる。それだけだ。何かを考えるならば、上手くいくことだけを考えていれば良い。
「俺は……ただの運び屋だ」
そう呟いて、青信号になると同時にビッグホーンを発進させた。
−−−−−−
以上です。
だいぶ長くなってしまい申し訳ありませんが、御意見いただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
500ゲット
おはようございます。
>>495-499 そんなに長く貼る必要はなかったかなw
ここに貼られた中ではかなりよいですが、まず一番気になるのは状況描写が単調なことですね。
例えばタバコだって、いろいろ表現があります。
特定の銘柄に対する固執だったり、煙を紫煙と表記したり、
ゆらゆらと煙が立ちのぼって室内にこもってる様子とか、
もっと工夫して表現しましょう。
できれば登場人物の感情を表すような、
心理描写的な状況描写を心掛けると、もっと主張したいことが伝わると思います。
もともと良いものがありますから、この点を直すだけでかなり魅力があるものになるでしょう。
あと、命を預けるにはトカレフは安すぎるw
暴発の確率とか命中精度を考えると、
いくら国内で入手しにくくても、もう少しいい銃をオススメしたい。
それから、この場面が起承転結の転の部分だとしたらちょっとおとなしい。
待ち合わせ場所についてからを転として、
そこから緊張感とスピード感を意識して、派手にスリリングに読ませるのが定石かなぁ、と思います。
そ こ で
オートマグですね?
>>501-502 ありがとうございました。
心理状態の状況描写ですか……なるほど。
精進するとします。
それと、トカレフ使ってるのは主人公が別に殺し屋ではない(=銃のことは良く知らない)
という事で選びました。
マガジンキャッチとか、その手の専門用語を普通っぽい言い方に書き換えてその辺を
出せれば、と思っているのですが。なかなか難しいですね。
一応ロシアントカレフっぽいことは別の章で書いてます。さすがにノリンコ製では(w
これが銃にこだわりのあるキャラだったらガバメントかSIGでも持たせるところですが。
オートマグは悪役に持たせてジャムらせたい所ですね(w
ともあれ、重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。
あ、もう去ってしまわれたか。乗り遅れましたが感想置いてきます。
セリフのテンポが良くてさくさく読めました。
あとから見ると結構長かったけど、それが気にならなかったあたり、
自分的には好みだなぁと思いました。銃とかに詳しくない人間なんで、
説明も逆にくどくなくてわかりやすかったのが良かったのかもしれません。
良くも悪くも軽めの文章な印象ですが、このあとに続く
結の文章で印象が変わるかもですね。
>504
覗いてます(w
テンポが良い、と言って頂けたのは嬉しいです。
それは目標にしてることの1つなんで。
がんばります。ありがとうございました。
推敲終わった兼保守sage
508 :
保守:04/10/14 22:35:04
age
判定お願いいたします。
「みんな〜もういつまで飲む気なん?」
●●は不満そうな顔をしながら三人に問いかけた。
しかし三人には●●の声が届いていないらしく、全くリアクションを返さない。
まるで●●の自体を忘れているようだった。
(何や三人共シカトかい!もう早よ帰らせてぇや……)
すでに飲み疲れていた●●は早く帰る方法しか考えていなかった。
他三人はオフの日だったからハイテンションでいられるものの、
●●だけはソロ活動の打ち合わせとレコーディングが同じ日にあった所為もあり、少々疲れ気味なのである。
本音を言ってしまえば飲みに来た事自体乗り気ではなく、無理に連れて来られたようなものだった。
そんな状況の中、しぶしぶ来てみれば案の上のどんちゃん騒ぎ。
予想していたとはいえ、今の●●にして見れば予想できていようといまいと、つらい状況というのに変わりはなかった。
出来るなら今すぐにでも帰りたいところなのだが、付き合いが悪いと思われるのもいい気持ちがしない。
また、「もう結構な時間飲んでいるからもうそろそろ帰るやろ。もう少しだけでも付き合ったってもええかな。」と
思ったのもありしばし我慢してみることにした。
短すぎてわからん。どういう判定だ。
視点がぼやけてるし、どこのどの場所かもわからないし、どんな人間なのかもわからんし、
何をしてるのかもわからない。
なにより物語の流れに乗ってない。
これじゃ描写じゃなくて説明をだらだらしてるだけ。
511 :
スペースNo.な-74:04/10/15 23:35:36
長編のはじめの部分です。判定お願いします。
ラジオがのぼりくだりの激しいバイオリンの曲を流し始めると、父さんは朝刊から顔をあげ、
壁のスピーカーを指さした。口の中のベーコンエッグを飲み込んだ後で、向かいに座っている幸也に言った。
「チゴイネルワイゼン」
コーヒーをすすって、付け加えた。
「かあさんの好きな曲だった」
もうベーコンエッグとトーストの朝食を食べ終わっていた幸也は、モーニングカップのミルクを
両手にかかえるように持って、テーブルにひじをつき、曲に耳をかたむけた。
描写としてどうでしょうか?
>511
なんかたどたどしい気がする。唐突過ぎる感じも。
三人称で「父さん」というのもどうだろうか。
ラジオから流れ出した激しい曲調のバイオリン演奏に、父は朝刊から顔を上げた。 すっ、と壁
のスピーカーを指差し、口の中のベーコンエッグを半ば強引に飲み下す。
「チゴイネルワイゼン」
それだけを向かいに座る幸也に伝えると、だいぶぬるくなったコーヒーに口をつけた。ベーコン
エッグを食道に落ち着かせて、さらに付け加える。
「かあさんの好きな曲だった」
父の言いたいことをやっと理解できた様子の幸也は、とっくに空になっている皿達の間からホッ
トミルクの入ったモーニングカップを手にした。そのままテーブルに肘をつき、カップを両手で抱
えてその曲に耳を傾け始める。
なんてのはいかが?
>>509 >>510の指摘は正しいけど、言葉が乱暴なので、
かわりに訂正案をだそう。
まず3〜4行目。視点がぼやけているので、主人公と見られる●●からの視点に統一するよ。
それから直接的な表現ばかりなので、間接的な表現に変更しつつ、この2行を一つにするよ。
× しかし三人には●●の声が届いていないらしく、全くリアクションを返さない。
× まるで●●の自体を忘れているようだった。
◎ しかし三人には●●の声が届いていないようだ。まるでその存在自体を忘れているかのように、
飲んで騒ぐことに没頭している。
このあと具体的に飲んで騒いでいる描写を入れればいい。
(ex.Aは尻に割り箸を挟んで折っていたし、
Bは酔っているフリの千鳥足でそばにいた女性に抱きついたりしている。
Cはなぜか直立不動で螢の光を歌っていた。)
他三人の心情が●●に読めるわけではないので、
●●が仕種などから推測で判断しているにすぎないことを忘れないように。
それと、表現が無味乾燥なので、もうちょっと人間味がほしいかな。
それから最後から2行目。「」の文章の最後に「。」を入れないように。
>>511 状況をそのまんま描写しているだけの印象が強いので、
>>512のようになおすのはいいと思う。
あとは幸也の心情をあらわすように最後の文を工夫したい。
「テーブルに肘をつき、母のことを思い出しながら、曲に耳をかたむけた」とか、あるいは間接的に
「テーブルに肘をつき、曲に耳を傾けながら、そっと目を閉じた」とか。
512のベーコンエッグ〜のくだりがくどい
つうかみんな描写うんぬんに拘りすぎ
描写とかそういう小手先の文章なんかより小説の面白さは全体のストーリー
つまりプロットだ
評価してほしいなら一部分を抜き出すよりプロットや粗筋を出せ
そのせっかくのプロットを、
表現する術が拙い人が多いのは分かるだろ?
小手先の文章とか言ってるけど、神は細部に宿るって言葉を知らないのか?
俺は今のこのスレのやり方がおかしいとは思わない。
>>517 そう思うなら別にいいんだけどさ
まあがんばって3ポイントシュートの練習しててくれ
「うおーすげー2連続で入ったー!」
>>518 3ポイントしか狙わないバスケットチームも
2ポイントしか狙わないバスケットチームもないだろ。
どっちも練習が必要だし、チームによってどっちが弱点かも違うだろ。
おまえ、へたれストーリー書きで叩かれてた香具師だろ。
自分のスレに帰れよ。
プロットも書けずにカッコイイ心理描写や状況描写書いて俺の文章カッコイー!っていってるオナニー野郎は一生芽でねえよ(pgr
>>519 比喩にマジレスで尚且つ文章が意味不明
20点 もうすこしがんばりましょう
520は俺じゃないとだけ言っておく
↑満足か?
それでは、気を取り直して次の方ドゾー
つうか、晒した方が文法としておかしいかどうか、
表現が通じるかの評価を求めてるから回答しているだけだろう(;´Д`)
ストーリーについての評価を求めるのなら
それはそれで評価するけどさ。
保守sage
勇気ある同志の参戦求む
保守age
晒してみます。
酷評よろ。お世辞は(・∀・)カエレ!!
4月14日
今年から晴れて大学生。
一人暮らしのためアパートに入居する日。
一通りの荷物を部屋に運び一段落していた。
お隣さんとの仲を円滑にするため贈り物用のお菓子をおすそ分け。
驚いたことに、お隣さんは幼女だった。
一人暮らしをしているという。
きっと複雑な事情があるのだろう。
私に出来ることはなんでもしようと思った。
4月15日
隣が気になる。
普段どういった生活をしているのだろうか。
授業は明日からなので、一日家に篭り
彼女の生活を調べてみようと思った。
だが今日は彼女も外出せず、ずっと家に居たようだ。
4月16日
朝、隣からの異音で目が覚めた。
取り立てて大きな音ではない。
普通なら気にならない程度のものだ。
だがその音は、じっくりと聞くとあるリズムを刻んでいるようだ。
気になったが、朝の授業が始まる。
急いで学校に向かった。
家に帰ると、変な物音はしなくなっていた。
4月17日
新入生歓迎会があったが、そんなものに出るはずもなく
今日もまた隣の壁に聞き耳を立てていた。
今は彼女の生活よりも、その異音が気になった。
そして今もその独特のリズムを刻んだ音は聞こえてくる。
あまりに気になるので、用事があるフリをして隣の部屋のチャイムを押した。
レオタード姿の幼女が出迎えてくれた。
「一緒に踊りませんか?」と警戒心の欠片もない言動は私を驚かせた。
楽しそうなので一緒に踊った。
エアロビの心地よいリズムは楽しかった。
4月18日
今日は学校が休み。
午後3時丁度。隣の部屋の玄関のドアが開けられた。
ついで、鍵をかける音が微かに響く。
外出するようだ。
4日間待ち続けた好機。
早速ばれない程度に後をつける。
歩いて近所のスーパーに入っていった。
慎重に後をつけ、彼女が何を買ったのか観察した。
卵にニンジン、とうもろこしとりんご。それと冷凍食品。
それだけ買うとすぐにアパートに引き返していった。
4月20日
友達が遊びに来た。
隣に幼女が一人暮らしをしていると漏らすと
友人はそっけなく「へぇー」とつぶやいただけだった。
4月21日
また彼女が外出した。
あまり元気がなさそうである。
今度は薬屋に入っていった。
狭い店なので、自分まで中に入る事は出来ない。
5分ほどして店から出てきた。
風邪薬でも買ったのだろうか。
それとなく何か滋養のあるものでも作って差し入れしようと思った。
4月22日
滋養のある物といっても何も思いつかなかった。
とりあえずベタではあるがおかゆを作ろうと思った矢先
玄関のドアがノックされた。随分弱々しい音だった。
予想通り風邪をひいたらしい。
風邪薬を買ったけど座薬が入れられないので入れて欲しいそうだ。
喜んで引き受けた。入れてあげた時の微かなうめき声がかわいいものだった。
その後、不自然な足取りで彼女は自分の部屋に引き返していった。
4月23日
あの一件以来どうも懐かれたようだ。
大変に喜ばしいことであるが、
未だに彼女がどんな生活をしているのかわからない。
聞いてみようとは思うが、今の雰囲気を壊したくない。
だからまだストーカー紛いの行為を続けている。
終わりです
>>527 日記形式で何がしたいんだ?
ていうか「お隣さんは幼女だった」って、なんなんだ?
お前の願望か? 幼女とか日記につける奴キモイよ。
文に女の子の表情も出て無いし。お前の都合の良いように動かしてるだけじゃん。
才能とか練習以前にもう少し人間とつきあってから書け。
お前のキャラは全員宇宙人だ。
とりあえずお世辞どころか酷評すら浮かばない。釣りか?
いかん。怒りにまかせて書いてしまった。
ストーカーの変態性を描くのなら、ストークの対象を人間と分かる固有名詞としてではなく
「幼女」というオブジェクトとしてとらえるのは悪い表現じゃない。
しかし、その幼女も、一人暮らしという設定はまあ無理矢理飲み込むとして
日記の書き手であるはずの主人公に無条件で懐いたり、座薬を入れて貰いたいと頼むなどと
どこまでも主人公に都合の良い展開は、まるで幼女が主人公を好きになるのは決まり切った事だと
いわんばかりの「書き手の傲慢さ・独りよがり」を感じさせる。。
しかし、何より不快なのは「変態性」を描くつもりで書いてるはずなのに
そういった描写はまったくない、ということ。
座薬を入れるシーンにしたって、幼女性愛を書くのならもっと表現のしかたがあるだろ。
「幼女に座薬を入れた」と書くだけで、お前は天国に行けるのかもしれんが
俺らからしてみれば何やってんのかさっぱりわからん。
キモさを味わわせたいなら徹底的にやれ。
しかし、いくら日記形式とはいえ、読者を無視した書き方が何より一番キモイ。
どこまでも主人公に都合の良い展開を読んでいると、まるで書き手が神になった気がしてくる。
そしてその結果は、キモイ主人公=キモイ書き手 という感想しか出なくなる。
お前、まさかこの主人公を自分に投影してオナニーとかしてるんじゃなかろうな。
そう思わせるだけのキモ文だ。
どもです。
もっと精進して出直してきます。
内容はこんなもんで、最初は一日の量が短いけど日が進むうちに
どんどん長くして描写も細かくするとかね。
座薬のくだりで普通のエロ小説に追いつくぐらい。
最初見たとき面白いなと思ったが
>>532の批評を見た途端すごくつまらなそうに見えてきた。
保守
冬コミ入稿記念保守あげ
539 :
538:04/11/26 23:03:51
あげそこねた_| ̄|○
540 :
スペースNo.な-74:04/12/15 19:11:41
保守あげ
原稿終わったか?
寂れているみたいだけれど…。
投下してもいいんでつか?
評価してくれる人募集あげ。
評価しますよー
おおっと反応が…
ここって版権モノもOKですかね?
別に構わないかと
心配だったら名前とか伏字にすれば
では遠慮なく…。一応オリジにしときまつ。さわりだけですが宜しく…。
何で俺がこんな目に遭わなきゃならないんだッ、と俺は叫ぶ。
もちろん心の中で、だが。
残念ながら全力疾走しながら叫べるほど、俺には体力がない。
今はとにかく俺の手を引っ張って走る子供について行く事で精一杯だ。
こんなチビのくせに、俺の限界ギリギリの速度で走る。憎たらしい。
入り組んだ細い路地の中、前も見ず迷いもしないこいつは一体なんなのか。
視界の中では古めかしい土壁が次々と流れていく。現代の街では有り得ないような風景。
こいつだけでなく、一体ここ自体が何なのか。
なんて考えていたら、そいつがくるりと振り向いた。
「大丈夫?お兄ちゃん」
息一つ乱しやがらない。妙に腹が立つが喋ったりは出来ず、ただ頷く。
良かった、と笑うそいつは大きな黒い瞳と同色の少し長めの髪の普通の子供だ。
背中で揺れる長いしっぽを除いては。
どこで何を間違ったんだ俺は、と空を仰いでただ走る。
>>545=541
こんだけ短いと展開については何もいえないので文について。
全力疾走、しかも訳判らん尻尾幼女に拉致。
そんな凄い状況の割に視点主が冷静、というか何も感じていないように見える
>現代の街では有り得ないような風景。
どんな風景? 古めかしい土壁ったって西洋風とか、日本風とかあるよね。
記号をポンって置くだけじゃなんとも淡々とした風景しか見えない。
まさにここ自体が何なのか。説明するんじゃない。表現する。
具体的にどーするとかは私が知りたい。
この場面で一番語りたい事柄は何?
多分、これ幼女だわな。そう思って話を進める
幼女にしたって視点主が対象に抱いてる印象の描写が浅いから
客(読み手)の心にも残らない。
まだこれは「読み物」ではなく「プロット」と言うこと
練りこむべし
>545
俺視点だったら、とくに心の中で〜て書かなくてもいいような気がする。
「」にくくられてなけりゃ、大体俺の心の中のことだし。
子供が前を観ないで走るということは、どこを向いてんだ?
通いなれた道ってことなんだろうけど、想像すると変な感じ。
視界の中というのもおかしいのではないだろか。
>546
自分は、男の子だと思った。
わざとぼかしてるのかもしれないけど・・・
>546=♂
>547=♀
本人の願望で性別が変わる仕様です
あけましておめでとう 保守。
今考えたネタを文章にしてみる。
小説本作ってみたいんだが(二次創作)文章のテンポとかはどうでしょうか。
朝起きたら男になっていた。
さすがに一人称を「オレ」とは言っていなかったが、雰囲気は美男子に間違われていたこの少女、今は完全な男性として鏡に映っていた。
これが「自分」だというのはわかる。
頬を引っ張ってみても、あかんべーをしても、気障に笑顔をつくってみせてもそれは明らかに昨日までの自分が鏡で見てきた表情と変わりはない。
鏡に映し出される内面はどうみても自分でしかなかった。
しかし、その概観は自分であって、自分でない。
もともと貧相な肉付きをしていた身体からは丸みがなくなり、Aカップのささやかな胸すらも本物のまな板になってしまった。
そして何よりも衝撃的だったのはその下半身であった。
一人っ子で男性経験のない彼女にとってそれはまだ未知のものであり、脅威的な存在でもあった。
それがどうなっているのかという好奇心と自分の一部になってしまったことへの恐怖心から、
彼女はまだそこを確認する勇気が持てなかった。
かろうじて寝間着越しにそっとそこに手を当てるのみである。
人間、ほんとうに何が何だか判らないときには案外冷静なもので……少女は実に客観的な目で自分自身を眺めていた。
今まで女にばかりもててきた。
彼女たちにとって自分という存在はたとえ「スカート」を穿いていたとしても恋愛対象として意識されるものらしく、
軽い女性恐怖症になるほど執拗なアプローチを受けてきた。
幼少の頃から同性にそのような扱いばかりを受けてきたので、少女の交友関係は男性ばかりであった。
ケンカにはめっぽう強く、女だと馬鹿にしてくる男がいたら有無を言わさず返り討ちにしてやった。
それに、なんでもかんでもあけすけに物を言うので、男友達からは同性と同じ扱いを受けていた。
それが誇りでもあり、同時に寂しさを感じることもあった。
たとえば仲の良い男友達に「好きな異性」というものが出来始めるとそれが顕著になった。
自分に対しては何でもしゃべるくせに、好きな女の子の前に出るともじもじして一言も声を掛けられない。
そういう場面に遭遇すると、友人には苛立ち、女の子女の子した少女たちに強い劣等感を感じた。
いくら自分に対して親しくしてくれても男が本当に好きな女というのは女らしい女なのだ。
その事実を突きつけられるたびに自分の存在に自信がなくなり、一生恋愛なんてできないのではないかと、表向きは快活に振舞いながらも内心ではちいさな胸を抱えて悩み続けていた。
そんな彼女も19になって、やっと恋人ができた。
世の中には物好きな男もいるもので、どうみても女らしくない自分を好きだといい、
いつも自分の側にいたがり、なんやかんやと世話を焼こうとしてくる。
はじめは自分をからかっているのだと思って本気にしないでいたのだが、
彼の自分に向けてくる優しい眼差しは常に変わらなかったので次第に心を許すようになった。
もう付き合って半年になる。
愛情が日々着実に成長してゆくのを感じている。
そろそろ身体を許してもいいかもしれない。
キスを交わすたびにそんな気持ちが湧いては沈んでいた。
深いキスでお互いの気持ちが高まってくるのを感じるたびに彼女の中で警鐘が鳴った。
もう危ない、と。
この間のデートでした帰り際のキスで直感した。
次のデートではきっとそういう関係になってしまうと……
恋を知るまでは自分がなんで男に産まれなかったのかと運命を呪っていた。
小学生の時には七夕の短冊に「男になれまうように」と書いたぐらいだ。
だが恋をした今、この鏡に映る男性体はありがたくもなんともなかった。
チャイムが鳴った。
鏡を凝視していた少女は我にかえる。とたんに心臓が激しく脈動し始めた。
居留守をつかおう……。そう決めたとき、またチャイムが鳴った。
それでもだんまりを決め込む。また、チャイムが鳴った。
さすがに罪悪感が湧いてきてびくびくしなが布団を被るとドア越しに声が聞こえた。
彼の声だった。
そういえば今日はデートの約束をしていた。
もう、そういう関係になってしまっても構わない。
(明日のデートで……)、と昨夜はどきどきしながら眠りについた。
彼女は自分の身体を見下ろした。
やっと決意がついたってときになんたる運命の皮肉だろう!
男になりたいという七夕の願いがなにも今、叶わなくても良いではないか。
「いないのか?」という声と共にドアを叩く音が響き始める。
さてどうしようとわてわておろおろしているうちに脚を滑らせて転倒した。
その音に、ドアを叩く音が激しくなる。もう居留守は使えない。
彼女は仕方無しにチェーンと鍵を外し、思い切ってドアを開けた。
(ここまで)
これは二次創作用の文章ではないのですが、普段こういう呼吸で文章を書いています。
読みやすさという点ではどうでしょうか。
ご指導よろしくお願いします。
なんだか全体的に文が説明的すぎる感じで、自分には少々読みづらい感じかも。
描写というよりも設定の説明、みたいな印象。
設定とか情報ばかりが大量に書き連ねてある感じで、
肝心の主人公がどういう性格なのかよくわからなかった。
書き込まれている設定が多すぎて、どこを読ませたいのかがよくわからない。
「男になってしまった」ってところを読ませたいなら、女にもてるとか
男友達の話とかは、別なところのエピソードにまわしたほうがいいんじゃないかな。
特にその手の話は理由がきちんと書かかれていないと感情移入しにくい設定でもあると思うし。
目が滑る。
あまり「た」で終りすぎると読みづらいよ。
>>555 ずばり自分の欠点を指摘してくださってありがとうございます。
書き出すとなぜか情報量が膨大になってなかなか話が進まないジレンマの理由がわかりました。
描写の中から情報を読み取れるように書けるよう精進します。
>>556 「〜た」(過去形)と「〜る」(現在形)を交互につかうと良くなる感じ?
>>556-557 あと、スパイス程度に体言止めとか倒置法をちりばめてみたりとか。
擬音語擬態語を入れてみたり、台詞っぽいモノローグをもう少し増やしてもいいかもしれません。
(モノローグは口調でキャラが表現できるので、お得ではありますが
やりすぎると厨SSになってしまう諸刃の剣)
あと「ドア」「チャイム」など名詞の重複がちょっと気になりました。
同じ事柄でも言い回しにバリエーションをつけると格好良くなりますよ。
>>558 倒置法に体言止め、擬音語擬態語モノローグ。
今まで意識したことがほとんどありませんでした。
ありがとうございます!! 落ち着いて丁寧に書いていこうと思います。
ゲームを一人で作ることにしました。
ノベルゲームです。
導入部分を書いてみたので、評価をお願いします。
幼馴染とかでてきてベタな展開なのは確信犯です。
早朝の冷たく澄んだ空気の中、俺は駅を目指し自転車のペダルを懸命に漕いでいた。
季節は冬。
ハンドルを握る手が冷たく凍りつくようだ。
自宅から駅まで約10分。
いつものペースで行けば、だ。
しかし、今日はいつもよりペースが遅かった。
間に合うだろうか。
ギリギリだ。
「ちょっと〜、あと5分で電車来ちゃうよ〜、もっとスピードアップ!!」
ペースが遅い原因が後ろから声をあげている。
「オマエが後ろに乗ってるからスピード出ないんだろうが!」
「何よ!あたしが重いって言いたい訳!?」
「重い!」
即答すると、それまで腰に回されていた手が首に伸びてきた。
「ちょっと待て!」
「可憐な乙女を傷つけた罪の方が重いぃ〜!!」
「──っ!」
ぎりぎりと首を締め付ける指に、鋭い殺気を感じる。
(こいつ殺る気だ!)
右手をハンドルから離し、首を絞める手を引き剥がす。
「殺す気か!」
「殺すと思った瞬間には殺しているのがプロって、あんたから借りた漫画に書いてあったから」
「簡単に感化されてんじゃねー!っていうか、オマエは何のプロなんだ!?」
「そんなもん知らないわよ!それよりあと4分!!」
漫画貸すんじゃなかった……。
後悔しつつ、俺はペダルを踏む足に力を入れスピードを上げた──。
「駆け込み乗車は大変危険ですので、次の電車までお待ちください」
注意を促す車内放送を聞きつつ息を整える。
「──なんとか間に合ったな……」
電車のドアが閉まるギリギリのタイミングで、俺達は電車に滑り込んだ。
今日も電車は混んでいる。
「今日はありがとね、助かっちゃった」
首を絞めた件など無かったかのような、無邪気な顔で微笑んでいるこいつは
日下部朱莉(くさかべあかり)。
幼稚園からずっと同じ学校に通っている幼馴染だ。
家が隣なこともあり、小さい頃からよく一緒に遊んでいた。
「今日帰ったら、パンク修理しとくから」
「ああ、これが毎日続いたら俺の太ももが成長しすぎて大変だ」
今朝は朱莉の自転車がパンクしていたため、急遽二人乗りで通学することになったのだ。
「いいじゃない。これが競輪選手渡辺省吾の伝説の始まりかもしれないじゃない」
「そんな伝説作るつもりは無い」
「そう?もったいないなぁ。首を絞められながらもバランスを崩さなかったあたりセンス
あると思ったのに」
「そんなセンス、競輪選手にもいらないだろ」
学校までは電車で二駅。
いつもこんな馬鹿話をしているうちに着いてしまう。
比較的大きな駅で、大勢の乗客が乗り降りする。
俺達は他の乗客に押し出されるように電車を降りた。
駅から学校までは徒歩5分。
「おはよう!」
校門に入ったところで後ろから声をかけられ振り向くと、友人の中島守が
小走りに駆け寄ってくるところだった。
「朝からテンション高いな、守」
「省吾こそ、朝から疲れ果てた顔してどうした?」
「こいつのせいで大変だったんだ」
と隣を歩く、朱莉を指差す。
「あれくらい、いいじゃない」
口を尖らせる朱莉。
こいつはなぜか俺にだけは図々しいのだ。
「何があったんだ?──ん?それは……?」
守は俺の喉を注視しながら何やら考え込んでいる。
「まさか!?」
守の表情が愕然としたものに変わる。
「──いや。そうか。うんうん。そりゃ疲れるよな」
今度は一転して、納得の表情。
「何一人で納得してるんだ?」
「いや、俺もそれくらいわかるさ。でも、まさかお前達がそんな仲まで進んでいたとは
驚いたよ」
「「はぁ!?」」
思わず、朱莉とはもってしまう。
「いや、個人的にはちょっと早い気もするけど、最近はそういうもんだしな。
そこに愛があればいいと思うよ、俺は」
一人こくこくとうなずいている守。
「こら、守。何を想像してんだお前は?」
「照れなくてもいいぞ。っていうか、首にキスマークつけたままでしらばっくれても
無駄だぞ」
「「キスマーク!?」」
またも、はもってしまう俺と朱莉。
「あ……」
俺の首を見て朱莉が声を漏らす。
俺は首を確認しようにも、鏡を持っていない。
どうやら、朱莉に首を絞められたときにあざがついたらしい。
「ち、ち、違うよ、守君!」
慌てる朱莉を見て、ちょっと仕返しをしてやろうという気になった。
「ばれたんならしょうがないか。朱莉のやつベッドの中でも激しくてなぁ」
「嘘つくなー!」
朱莉は顔を真っ赤にして、懸命に守に説明しようとしている。
「あの、これはね、この馬鹿が、私のことを重いって言ったから……」
「俺はもう無理だって言うのに、朝まで寝かせてくれないんだ。まいったよ。」
「黙れ!」
ガッ!!
俺の鳩尾に朱莉の右フックがめり込んだ。
(い、息が出来ない……。)
その場にうずくまる俺に、
「いちゃいちゃしちゃって羨ましいなぁ」
のほほんとした守の声が聞こえてくる。
(これのどこがいちゃいちゃだ!)
と思うも、声が出ない。
「あ、それでね、あのね!」
──朝の校庭に響き渡る朱莉の声を聞きながら、仕返しを考えた自分の愚かさ
を呪った。
566 :
スペースNo.な-74:05/01/27 21:33:57
最後にage
567 :
スペースNo.な-74:05/01/28 01:00:36
?や!のあとは一マス空けるのが正しい書き方のはずです。
例えば「何よ!あたしが重いって言いたい訳!?」は
「何よ! あたしが重いって言いたい訳!?」になります。
余計なつっこみでしょうか? 失礼しました。
>>567 指摘ありがとうございます。
基本ができてなくて恥ずかしい限りです。
直しときます。
ありがとうございました。
自分の書いたノベルのクライマックスの一部です。改善点をお願いします。
僕は彼女にキスをした。彼女は驚いて振りほどこうとしたが、僕は構わずに唇を重ねた。ドロリと口の中に彼女の血が流れ込んだが僕は気にしない。
「ねぇ、キスってしたことある?」
彼女が昔、言ったことを思い出し僕の目から涙が流れた。もう彼女が助からないことは明らかだった。今、僕の口の中に入ってきた液体と同じ物が彼女の腹部にも、べっとりと染み付いていた。
それでも彼女は痛みをこらえ小さく『ありがとう』と呟いた。痛みを隠そうと必死なその笑顔が余計に僕の心をしめつけた。
「ごめんよ…」
僕も小さく呟いた。
死に瀕した「彼女」への深い感情がまったく感じられない。
クライマックスなら全身全霊で表現しる。
俺なら全部書き直す。こんなに短い文章で済ませられる部分ではないはずだ。
確かにおっしゃる通りです(汗)
改善してきいます。ありがとうございました
_|\〇_ヘコヘコ
573 :
ヘタレですがどうか宜しく:05/02/01 15:31:38
これは、俺の身に起こった本当の話。
俺はインターネットで明日の合宿の時のネタ収集として怪談話を探していた
すると、幽霊の出る心霊スポットの記事を見つけた
そこは、大切な人のことを思いながら死ぬと
その人も一緒に死ぬというジンクスがあるという
時々若い女の子が飛び込み自殺をするという海
何とそこは俺たちが合宿で泊まる所から1kmも離れていないという場所だった
そこで死んだ女たちにまつわる怖い話もたくさん見つかり、俺は嬉々として次の日合宿へ行った
バスに揺られて少々気持ち悪くなったがそんなの降りてしまえば気にならない
バーベキューをしたりくだらない話をしたり、とても合宿というものは楽しいものだ
そして待ちに待った夜。
持って来た怪談話をたくさん披露し、一躍人気者になった俺
しばらくしてそこに行ってみようと誰かが言い出し、俺たちはその海に向かっていた
海に着いてうろうろと皆でその辺を歩いてみたものの、幽霊はもちろん花束や血のあとなどは全く見つからなくて
「まあ噂なんてそんなもんだよな」と言った俺は内心ほっとしたのと、でもつまらないという2つの気持ちが入り混じっていた
そして記念写真を撮ろうということになり
口々に「幽霊写らないかな」とかいいつつ、カメラマンを任された俺は連写の出来るという友達の性能の良いムカつくカメラのシャッターを押そうとしたそのとき
「―――けんじぃぃいいい!!!!!」
悲鳴じみたソプラノ
紛れも無く女の声だった
それが聞こえた後ろへ皆一斉に振り返った
元からその方向を向いていた俺はと言うと、思わずカメラのシャッターを押してしまっていた
一瞬の出来事だった
岩か何かと思っていた影は人の形をしていて、海へと姿を消した
パニック状態だった俺たちはその時のことを良く覚えていない
ただ、一目散に泊まっている宿舎に戻った
後日、俺は現像した写真をカメラの持ち主から見せてもらった
女が自殺する様子が、カメラの連写モードにより順々に再現されていたそれは
あまりにもリアルで…
見た瞬間俺は背中に冷たい感覚が襲い、手が震えていた
ぞっとした、凄く怖かった
俺がこれを撮ったのかと思うとその感覚に拍車がかかる
自分でも何が何だか分からないままに「すぐに神社に持って行こう!」と叫んでいた
しかし友達はあっさりと「皆に見せてまわるから嫌だ」と言った
しばらくして落ち着いたら、何で自分があんなに取り乱していたのかが分からなかった
そしてすっかり日は暮れて、俺は家に帰るための道をそれなりのペースで歩いていた
真っ暗と言っても街灯が道を照らしていたので怖くも何ともない
すると後ろから呼び止められた
「振り向かないで下さい」
俺は足を止めた
ついさっき写真を見た時と同じ感覚に襲われる
「見ましたね」
「…何が?」
冷や汗が背中を伝う
きっと写真を見た女子が俺をからかっているに違いない、そう自分に言い聞かせる
「私の死ぬところを見ました…ね?」
合宿の夜に聞いた声は悲鳴だったので同じ声の持ち主かは分からない
しかし彼女はあんな所から落ちたのだ、生きてるはずがない
元々俺は幽霊なんか信じないタチだ、誰だよ俺をからかってるのは
「お前誰だよ?」
と言って俺は後ろを振り返った
その瞬間後ろの女は
「振り向かないでっていったのにぃぃぃいいいいい!!!!!!!」
耳をつんざくようなソプラノ
あの時…あの合宿の時の悲鳴だ
声の持ち主は頭の右上辺りがグチャグチャに潰れて中から何らかの物体が飛び出ていた
顔一面血まみれで、服は海水と血でグショ濡れだった
俺は―――――
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
全部読んでしまいましたね
今、振り向いてはダメですよ
そう…振り向かないで
あなたは今からこのメールを文章そのままに信頼できる友人に回して下さい
その人がきちんと回せば私はその友人のもとに行きます
メールを複数の人に送るのがより効果的でしょうね
2人以上の人が回した場合、私は後に回した方に行かせて貰います
さっきも言いましたが振り向かずに実行して下さい
早く早く…
終わりましたか?
その友人がちゃんと回したことを確認したら振り向いてもいいですよ
別に振り向かなかったら良いんですから、振り向かずに5年間生活したその後にメールを回しても構いませんが
そんなこと出来ないと思います
人間はうっかりしている所がありますからね
その5年間、常に私はずっとあなたの後ろにいます
振り向いたら…上の話を読んだあなたなら大体の見当はつくのではないでしょうか?
チェンメ風味に書いてみました
長文スマソ
578 :
いちわめ:05/02/01 16:40:16
01:Name of you which doesn't have name
目が覚めて、俺が俺であることに泣いた。その涙に意味も理由もなく、
ただ流れるだけの透明な水がやたらに冷たくて、少し笑って、また泣いた。
記憶を探ってみたら、どんなに小さな瞬間も、意識すらない瞬間も
、笑っているときも泣いているときも感情さえないときも、いつだって
俺は俺だった。たとえ本音を言っていなくても、多大な嘘をついていても
、泣きたいのに笑っていても、あくまでもそれは俺だった。こんなの本当の
俺じゃないと思っても、やっぱりそれは俺だった。俺でない記憶はどんな
欠片もなかった。
それでもたまに俺をやめたいと思うときがあって、それに理由は特になかった
けれども、それでもたまに、心の底から俺をやめたいときがあった。
俺を止めたいときがあった。だけど死にたいわけでは決してなくて、むしろ、
俺はとにかく生きたかったから、だから俺をやめて、他の誰かとして生きたか
ったのかもしれない。この息苦しさも、寝苦しさも、寂しさも、ちょっとした
弱音も、全部全部捨てて、俺は他の誰かとして生きたかったのかもしれない。
そして出来るのなら、俺は彼として生きたいと思っていた。多分、そう思って
いた。それでもやっぱり、俺は俺でしかなくて、目が覚めて俺は泣いた。
そう考えてた頃が俺にもありました。
>>573 チェーンメールだと思って読み直すと、よくできていると思う。
ただ、小説としてなら文の終わりに句読点がないと読みにくい。
設定の説明のあたりは上手いと思った。説明でつまづくことなく読めたのは久しぶり。
チェーンメール風だから仕方がないが、最後のオチまで読んでみたいと思ったよ。
>>578 これは小説? ポエム?
名前欄にいちわめと書いてあるから、ここから話が展開する・・・のか?
ひたすらに心情描写がつらなっていて、何を主眼に読ませたいのかがよくわからない。
「俺」のキャラに自分は魅力を感じないので正直読んでいてつらい。
あとは最初の時点で「目が覚めた」とあって、最後も「目が覚めて」と連続しているため
読んでいて混乱する。あとは句読点が最初に来ているところがあるが、
ここに投下するならば気をつけたほうがいいかと。
>>580 そっか、句読点ですね
付けてみます。
最後はこれが恐怖心を煽れるかなーと思ったのでこういうオチになりましたが
やっぱり続き気にして下さる方がいらっしゃるということは、またオチも考えてみます
以外に批判の点が少なくて安心しました。評価ありがとうございました!
お願いします。
オリジナル長編物、冒頭部分です。
−−−−−
溶けた氷がグラスの中で崩れる音が、やけに大きく感じられた。
妙な静寂に包まれていた。都会の喧騒を『夜景』として他人事のように
見下ろすことが出来るバーのスカイラウンジは、夜の八時過ぎという時
間もあってそれなりに賑やかな筈だった。瞳や鼓膜を通して伝わってく
る情報からもそれが事実であることが分かる。
だが、その賑やかさは脳の中で意識付けされる直前に何かのフィルター
で引っ掛かってしまったかのようだった。見えるが、見えない。聞こえるが
聞こえない。何が見えようが何が聞こえようが、それを意識することが出
来なければ何も感じていないのと同じ事だろう。
視線をグラスから上げると、神妙な面持ちで向かいに座る女性が見えた。
やはり周囲の賑やかさとは無縁に見える。今の彼女も、俺と似たような状
態なのだろうか。
その女性とは、見ず知らずの他人というわけではない。他人どころか……
結婚の約束をしている相手だ。その女性、妙子とは付き合い始めてもう二年
になる。
でも、それも……過去のことになろうとしていた。
「終わりに、しよう……」
今日何度目かになる台詞を呟いて、だいぶ薄くなったカクテルに口をつけた。
普段なら甘美な味わいが広がる筈のマルゲリータも、今日ばかりはテキーラ
の刺激ばかりが喉を衝く。
妙子は微動だにしなかった。最早何を言っても俺の決心が揺らぐことはない、
ということを理解しているのだろう。お互い一度は結婚を誓った仲なのだ、相手
がどういう人間なのか、いま何を考えているのかくらいは判る。
「……ごめんなさい」
か細い声が聞こえた。俯いたままの妙子は身を震わせ、そう言うのが精一杯
だったようだ。
「謝るなよ……こうなるしか、なかったんだ」
妙子は答えない。その代わり、彼女の頬を一筋の雫が滴り落ちるのが見えた。
これ以上、ここにいても仕方ない。いや……この場にいたくない。いられない。
伝票を取り上げながらスツールから降りた。
「それじゃ……元気でな」
微かに妙子が頷いたのを確認して……席を後にした。
レジで勘定を済ませ、ふと振り返る。雰囲気も良く、お気に入りの店だったが、
もう来ることはないだろう。
そんなことを考えている俺が最後に見たのは、大都会の夜景をバックに泣き
伏せる妙子の後姿だった。
−−−−−
以上です。よろしくお願い致します。
>>582-583 技術的には十分なレベルかと感じました。
ただ、スレタイに則って魅力があるかという判断になると微妙。
描写にバブル期の雰囲気が出てて、現代劇としたら些か古臭い印象があるかと。
>>582-583 ちょっと辛口かもしれん。
>>584と同じく技術は充分だと思うんだが。
主人公の男が妙に客観的すぎる印象を受けた。第三者に状況説明してるみたいだ。
そういう設定ならばともかく、書き手にとって都合のいい思考をしているなあという印象。
そのくせこの状況が主人公にとって悲しいのか、辛いのか、
感慨深いものがあるのか、何か別の決意でもあってわかれることになったのかとか、
主人公がどんな顔をしているのか、妙子が何を思っているのかが全然読み取れない。
逆に書き込まれている夜景の描写とかは、何を伝えたいのかわからない。
自分がこのシーンを読んでわかったのは、「つきあってた二人がわかれました」
ということだけだった。主人公がどんな奴だとか、妙子がどんな女だとか、
これがその後主人公の心身に及ぼす影響だとかが想像できないので
この二人のその後を知りたい、とは思えない=続きを読みたいと思わない。
この「わかれ」が主人公とってどんなものなのかを
もう少し書いてみてはどうかと思う。
書き込まれてる夜景の描写とかは、主人公の男がもういたたまれなくって、
全部他人事になっちゃってる様子を読み取れたような。
結局あなたっていつも他人事なのよねッとか言われそうな、主人公を思い浮かべてしまったw
実際は違うのかもしれないけど。
主人公の男が別れにどんな風に感じていたのかは、
マルガリータが不味いってことでは伝わりにくい?
>>586 「マルゲリータが〜喉を衝く」=「嫌な気持ち・苦い気持ち」という雰囲気は
伝わってきたよ。そういう意味でも「技術的には問題ない」と思う。
ただ自分は、なぜ主人公がその気持ちになっているのかわからなかった、
=魅力を感じない、という感じかな。あくまで自分の場合だが。
その嫌な気持ち、にしても分かれ話をなかなか承諾しない妙子自身に向けられた
苦々しさなのか、別れを切り出さなければならない自分に対する苛立ち、なのかで
ずいぶんと主人公の性格が変ってくるだろうし。他人事のようにしか感じられない、
という性格ならば、それを描写してはどうかな、と思うし。
ただ、主観的に楽しめたか、楽しめなかったかをまず判断して、
楽しめた場合は楽しめた理由を、楽しめなかった場合は楽しめなかった理由を
それぞれ自己分析しながらレスを書いているので、
単純に自分の読解力不足の場合もあると思われるが。
出張行ってますた。
なぜ別れる羽目になったのか、とか主人公がどう思っているのか、
といった描写はこの後の章でおいおい語っていくことになるので
端折っていたのですが、確かにこれだけだとあまりにも分かりづら
かったかもしれませんね。
切るポイントも悪かったです……申し訳ありませんでした。
もう少し膨らませてみるとします。
貴重な御意見、ありがとうございました。
589 :
スペースNo.な-74:05/02/12 21:27:20
hosyu
保守sage
保守っとな。
592 :
スペースNo.な-74:2005/04/05(火) 15:40:13
593 :
スペースNo.な-74:2005/04/05(火) 17:53:01
初めて書きました。途中までで申し訳ないのですが、皆様の評価お願いします。
594 :
スペースNo.な-74:2005/04/05(火) 17:53:42
「壊れちゃった」
そう彼女が差し出したのは、いつかの誕生日にプレゼントした黒いエナメルのパンプス。
そのヒール部分がぽっきりと折れてしまっていた。
「あー本当だ。もう駄目だね」
「気に入ってたのに」
淋しげな表情を浮かべて、ぽつりと呟く。
そういえば、デートの時はいつもこのパンプスを履いてくれていた。
最初の頃は慣れなくて歩きづらそうに、何個も足に肉刺が出来たこともあった。
それがやっと綺麗に歩けるようになったというのに、今度はそのパンプスが壊れてしまった。
>>594 読みやすい印象を受けた。
行の取り方もいいと思う。
…とか入れてるわけじゃないのに、淋しそうな気持ち?を醸し出してる。
ただ、小説としてよりも詩として使った方がいいと思う。
>595さん
評価ありがとうございます。読みやすい、と言って頂けて嬉しいです。
そうですね、次からは題材をもう少し考えようと思います。
597 :
いちわめ:2005/04/07(木) 01:41:28
(南の、きっと本当はすべてを疑っているのに、こわがっているのに、
それでもすべてを守ろうとする声が俺はきっととても好きだ。
そんなこと出来るはずがないのを知っているくせに、俺を守ろうと必死な声が、
俺はきっととてもとても好きだ。)
恋をした。多分、悲しい恋だった。それでも部屋に彼の匂いが残ると身体の芯が震えるのを感じたし、触れたいと思った。
ひとつになりたいと思う。それは嘘ではなかった。けれど彼がもし本当に俺とひとつになったとしたら、彼独特の、
柔らかい雰囲気も、顔全体をくしゃくしゃに笑う顔も、優しい嘘も、手をつなぐことに戸惑いを持つ指も、
全部なくなってしまうんじゃないか。そう思って、やっぱりひとつにはなりたくはないと思った。
部屋の模様替えをした。身の回りの整理をした、のほうが正しいのかもしれない。
とりあえず食べたあと空き箱のまま放置していた菓子のゴミともう読まない数年前に買った雑誌を捨てて、
それから、きっと本来なら1番最初に捨てるべきだと思われるそれに目をやった。
窓際に置いている写真立ては、風で揺れるカーテンのせいで見え隠れしていた。
まるで、そのなかで笑っているいつかの俺たちを否定しているようだと思った。
5才の俺と、7歳の姉と、幸せそうな母親と、包み込むような父親。すべての笑顔を否定しているようだった。
もっとも、きっともうこの時と同じ笑顔や空気を作ることなど誰にも出来るはずがないのだから、
否定するものが根底からないのだけれども、けれどなんだかそんな時があったという事実すら
疑わしくなってきて、ひどく悲しかった。
598 :
いちわめ:2005/04/07(木) 01:44:05
母と姉が出て行き、俺が父親側に、姉が母親側に引き取られることになって、
もう1週間が経っていた。元々家は父親のものだったから、だからこの家にはもうふたりしか住んでいない。
嫌いだった化粧品や香水の匂いがなくなり、それから煙草や酒の匂いばかりが溢れるようになって、
なんだか腐っていくようだと思った。
写真立てのなかで笑っている、もうここにはいないふたりは、
なんだか俺にとっては死んでしまったのと同然で、だからきっとふたりにとっての俺も、
やっぱり死んでしまったのだと思う。1週間やそこらで存在そのものが
自分のなかから消えるはずはないのだろうけど、けれど確実に、相手のことを考えなくはなっていた。
いなくなってその存在の大切さに気付くなんて嘘だ。その存在の大切さに気付いても、
それでも自分ひとりでなんとかならないわけじゃないことばかりで、
相手にとってもきっとそうで、だから俺は余計に寂しい。
部屋のなかで浮いているそれを手に取って、俺はゴミ箱のなかに落とそうとした。
右手の皺に包んだ瞬間、ひどく泣きたくなった。だけど涙は目尻まできて、
それから静かに消えていくだけで、俺は泣き方を忘れてしまった。
(南、君が泊まりにきたこの部屋も、なんだかひどく寂しい色を
持つようになってしまったんだ。白い壁と、白いクローゼットの扉と、
白い棚と、いつか君が形容した俺の色も白だったから、
写真だけが唯一の色を持つものだったんだよ。過去だけがすごく輝いて見えて、
だから、俺は今、きっとこんなにもひとりだ。)
(そして君も色を持っていたから、惹かれていったから-----。)
599 :
いちわめ:2005/04/07(木) 01:45:47
写真立てがなくなって、しばらく経った日のことだった。南と屋上でふたりで、
俺はメロンパンを、南は弁当を食っていた。南がちょうど3個入っているうちの
1個目の卵焼きを口に入れた瞬間に、俺はなぜだかひどく悲しくなって、
母さんが作った、あの砂糖を入れすぎた卵焼きを思い出して、俺はとにかく悲しくなって、
誤魔化すようにメロンパンにかじり付いた。そうしたら機械で作られた、
人口の甘さに俺はもっと悲しくなってしまって、母さんが作った卵焼きが、ひどく懐かしくて、
南になりたいと漠然と思った。俺は南になりたかった。愛をたっぷり注がれている南に、
俺はきっとなりたかった。
「ねえ南。-----愛って、なんだろね?」
(いつか、南の名前を忘れる時がくるのだろうか。だけど俺は今でも、
たまに君の名前を忘れそうになるんだよ。君の名前を疑う時があるんだよ。
だから君が、南、と俺が言って振り返ることがどれだけ俺を安心させているかなんて、
君は知らないだろう。君は知らないだろう。ねえ、いつか、君もいなくなってしまうんだろうか。)
南がいなくなってその存在の大切に気が付いて、
だけどひとりで生きていけないわけじゃない自分を、ひどく孤独だと思う日が来るのだろうか。
600 :
いちわめ:2005/04/07(木) 01:47:06
-----目が覚めて、俺が俺であることに泣いた。少し笑って、また泣いた。
写真立てのないこの部屋はひどく無機質で、俺はそれでも決して死にたいとは思わなかった。
南と生きていきたかった。生きていきたかったんだよ。
柔らかい雰囲気も、顔全体をくしゃくしゃに笑う顔も、優しい嘘も、
手をつなぐことに戸惑いを持つ指も、全部全部一緒に。ずっと一緒に。
矛盾しているこの思いに、うんざりすることしか出来なくても、それでも俺は君になりたかったし、君とずっと一緒にいたかった。
けれど煙草に火をつけたら、余計にその思いから遠ざかっているような気がして、
俺は泣き方を忘れてしまった目尻から、涙を静かに流した。どんなに涙を流し悲しんでも、
俺は俺でしかなくて、声をしゃくりあげて泣いた。
601 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:49:27
02:ラブレター
「ねえ南。-----愛って、なんだろね?」
そう言ったら南が卵焼きを噛む動きを一瞬止めて、
何を言ったらいいのか分からない、むしろ、
何を言われたのかも分からないような顔をしたから、俺は、ああ失敗したなあ、と思った。
南がつくった長い間が数秒続き、しばらくしてから「は?」と
ようやく聞き返す言葉が出されたので、俺が納得いかないような顔をつくって
「間長すぎだからそれ」と言うと、南は少し呆れたような顔をした。
南の持っていた箸はいつの間にか膝に置かれた弁当箱の上に落とされていて、
南が俺の話を聞く準備をしたのが分かる。
彼のとなりに置かれたお茶の空き缶が、頼りなさそうに風で倒れた。
まるで俺みたいだ。そう思ったら、胸の真ん中近くが少し痒くなった。
これを切なさと呼ぶのなら、あまりにも歯がゆすぎる。
「…お前が変なこと聞いてくるからだろ」
「え、変なことかな」
「…。…なんか、あったのか?」
「別に?」
602 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:51:12
空はどこまでも青くて、そのまま吸い込まれてしまいそうだった。
けれどそんなことがあり得るはずがなくて、だから俺はいつだって空を飛びたいと思う。
南が線を真っ直ぐ横に引いたような口で、「なら、いいけど」と言うのを横目で見て、
俺はなんだかひどく悲しくなった。
きっと南は今、思考すべてで俺のことをおもっているのだろうに、
だから何もないわけがないことにだって気付いているのだろうに、
それでも何も言えない自分をひどく悲しいものだと思っている。そしてそれ以上に、
嘘をつかせることしか出来ない自分をひどく無駄なものだと思っている。
俺が南にすがりつくのを待っている。すがりついて泣くのを待っている。
ごめんね南。俺は君がだいすきなのに、君には自分を嫌わせることしか出来ない。
南が居場所のないような顔をして、風で倒れた空き缶を元に戻した。
けれどそれはまたすぐに風で倒れてしまって、どうしようもないと思った。
603 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:52:35
何もないように見えて、ここにはいろいろなもので溢れている。
きれいなものも汚いものも色があるものも無いものも、端から端まで揃っているのだと思う。
子供の頃思い描いた空想だって、本当はきっとずっとここにあった。
神様も、翼も、月に住むうさぎも、みんなみんなここにあった。
けれど俺が求めているものだけが、すっぽりここに無いような気がするのがどうしてだろう。
南も、南の手も、南の体温も、南の俺へ伸びる気持ちも、
なんだってここにあるのに、俺を世界で一番幸せにする、なにかだけがすっぽり無いような気がする。
それとも、初めから俺は世界で一番幸せになんかなれないのだろうか。
そもそも幸せなんてものが分からない俺が、世界で一番幸せになんか
なれないのかもしれない。分からない、なにも分からなかった。
けれどどうしても幸せになりたかった。幸せになりたかった。だから俺は、南になりたかった。
「なんかもう無理って昨日言われた」
604 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:53:28
急に話を振ったからか、南は一瞬だけ眉に皺を寄せた。
けれど俺も自分が何を言ったのか、自分の声が自分の耳に
届いてようやく気付いたもんだから、きっと南よりもその言葉に混乱していたと思う。
とりあえず笑ったら、南は何かに気付いたみたいに苦しそうな顔をして、
やっと「…誰に?」と俺に聞き返した。「笑うなよ」と言われているような気分だった。
「親。離婚、するんだって」
「…」
元々、俺んちが上手くいってなんかなかったことを南は知っていたからか、
俺がそう言うと同時に南は黙り込んでしまった。
弁当箱の隅っこにぽつんと残されたふたつの卵焼きが、なんだかひどくちっぽけに見えた。
南の指が痙攣するみたいにぴくりと一度だけ動いて、それから一瞬だけ空に浮かび、
また落ちていく様子を見て、俺はとても悲しいと思った。あくまでも悲しいと思った。
どうせなら骨がばきばきになるくらいに、抱きしめてくれればいいのに、と。
そんなことを思って、自分の汚さに、笑うしかなかった。
605 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:54:35
南はしばらくして、「反対とか、しなくていいのか」と沈黙潰しのような言葉を吐いた。
まるで南の台詞ではないようなその響きに、
俺のせいで南が南でなくなっていくような感じがして、
どうしようもない胸の痒みと、歯がゆさに俺は目を細めた。
笑っているように、見えたかもしれない。それならそれでよかった。
笑ってばかりいる俺をひどく悲しいものだと思っているだろうけど、
それでも、南だったから、君が南だったから笑えた場面がそこら中にあったことを、君は知らないだろう。
「うん。"別にいいよ"って言っちゃったし」
「…そっか」
「離婚ぐらいじゃなんも変わんないよ。親がひとりになるだけ」
「…でも、」
「――― 写真立てがなくなったことぐらいなんだ、変わったことなんて」
606 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:55:28
(たとえば写真立てがなくなったあの夜、
俺が声を殺して泣くことさえ出来なくなって、ひいひい呼吸しても上手く空気が吸い込めなくて、
手も届かないあのおんなのひとの名前を呼んでいたとしても。
香水の匂いの代わりにやってきた、しつこいだけの酒の匂いに俯くことしか出来なくて、
誤魔化すようにして吸った煙草のせいで余計に息苦しくなっていたとしても。)
「そういうのってすごい小さいよ。違和感が、ちょっとあるぐらいで」
「…」
「…もしね、もしもの話」
「…うん」
「俺が少しだけ、本当にほんのすこぉーしだけ、離婚、して欲しくなかったとしても」
「…」
「変わることなんて、そんなもんなんだよ」
この世界はひどく優しい。
生温い優しさでまみれていて、だからきっと俺がひとりで生きていくことだって
本当はかなり容易いのだ。居場所も愛も酸素も名前を呼ぶ声も、
コンビニで簡単に手に入ってしまうこの時代で、俺はきっと君がいなくても生きていける。
変わることなんて結果、何もない。なにもない。
607 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:56:49
ただあの、砂糖を入れすぎた甘い卵焼きだけはきっともう食べれないのだろう。
甘すぎると文句を言うことも、甘党の姉がそれに反論してくることも、もうないのだろう。
変わることなんて何もない。けれどそれを認めるには俺はあまりに幼すぎて、だから、
君をせめて逃げ場所と呼んでもいいだろうか。
風で簡単に倒れてしまう空き缶のように、ことりと俺が倒れてしまったら、
何度でも起き上がらせてくれると傲慢な確信を持ってもいいだろうか。
この漠然としたさみしさと、歯がゆさを、君の優しさで隠しこんでくれないか。
(-----だけどそんなことを言ったら君はまた困ったように笑うのだろう。
そして俺をどうやって守ってやろう、どうやったら守れるだろうとそんなことを繰り返し悩むのだろう。
何も出来ない自分に気付き、君はもしかしたら泣くかもしれない。そしてその涙をせめて、
俺の代わりに流したのだと自分に言い訳したりして、余計に苦しくなるのだろう。)
(君はそんな苦しさなんて知らなくていい、俺の涙はあくまでも俺のものでいい、
そんな悲しい色は君には似合わないよ。)
608 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:57:37
「結婚ってすっげー金かかるじゃんね」
「あ?ああ…」
「周りの誰かにだって結構迷惑かけてるくせに、結果は離婚。ダサいよ、うち」
「…」
「永遠の愛とか誓っちゃってるはずなのになぁ。やっぱ、愛なんてないのかなぁ」
昼休みにメロンパン食いながら、突然「愛がなんだ」とか語り出した俺を
君は不思議に思ったかもしれない。けれど笑い飛ばせば簡単なのに、
決してそれをしようとはしなかった南に、俺がとても感謝していることを
いつか君が気付いてくれたらいいと思う。
南の弁当箱の中でぽつりと食べられるのを待っている卵焼きは、
あのひとの作ったそれのように、ひどく甘ったるいだろうか、とそんなことを考えた。
メロンパンの人工的な甘さは口の中に広がり、けれどすぐに溶けるように消えた。
この世界にまみれたすべての優しさのように、人工的な甘さはすぐに消えた。
609 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:58:12
「南の俺への愛も、そのうち、消えちゃうのかもね」
「…んなこと、」
「でも実際永遠の愛なんて誓うこと出来ないでしょ?」
聞かれて黙り込む君がひどく優しくて涙が出そうだよ。決して人工的ではない、君の、砂糖のような優しさに。
「その場限りの言葉なんていんないよ。死ねるほど約束できないなら、いらない」
そもそも中学生に愛を語れと頼むほうが間違っていたのだと思う。
第一それをきちんと理解していない俺にそれを本気で訴えたとしても、
正解も間違いもなにも分からないのだから、俺のこころは動かないのだろう。
だけど。だけど本当に、俺は君に、南に、それを与えてもらいたかったんだ。
人工的な甘さはすぐに消えてしまう、けれどひとりで生きていくには容易いこの世界で、
君と出会えたことを奇跡と呼ぶには程遠い気持ちのなか、
俺は確かに君に恋をしていた。悲しくたってなんだって、俺は君と恋をしていた。
610 :
にわめ:2005/04/07(木) 01:59:13
-----そうして与えられた君の砂糖菓子のような優しさと愛に、
俺がどれだけ救われたかなんて君は知らないだろう。
それとも本当は知っていただろうか。右上がりの文字、ラブレターと言うには歪すぎる、
子供らしさで溢れた言葉たちに、俺がふるえたことを君は知っているだろうか。
君とひとつになるのではなく君自身になりたいと思っていたことを、ひどく後悔したんだよ。
君の、はらはら桜が落ちるときのような優しさを、たとえば永遠でなくたって
俺のものに出来たことを、俺が俺だったから手に入れられたものを想って、俺はひどく幸せだと思ったんだ。
ひゃくねんごも、せんねんごも、君の祈りが続けばいいと。
(そして数ヵ月後訪れる、ざあざあと耳に痛い雨のなか、
やっぱり俺は君でなくてよかったと思った。君のようなひとを地球からなくしたらいけない。
君は俺でなくてよかった。最後に放つ傲慢な祈りを、届かなくても知っていてほしい。)
-----俺の地球最後の日。君に恋を、していた。
611 :
さんわめ:2005/04/07(木) 02:00:59
03:niji
その日は季節はずれの雨が降っていて、ひどい土砂降りで、
そのまま地面すら流れてしまいそうで、走ってきたせいか
切れ切れになった息を整えることも忘れたまま、俺はぼんやりと空を仰いだ。
虹が遠くの空にかかっていた。まぼろしに向かって必死に手を伸ばしてみてもなんにもならない。
知っていたのに、この手はそれを掴もうと空に向かっていたのだ。
(君はまるで虹のような人だった。けれど色でたとえるならば白で、
だからもしかしたら、虹に憧れていたのは君のほうだったのかもしれない。)
612 :
さんわめ:2005/04/07(木) 02:02:16
知り合いが死んだら涙はこれでもかというほど流れ落ちて、
自分が水分不足で死んでしまうほど涙が落ち続けて、
それからやっぱり泣いて泣いて泣いて、
それでそのうち忘れてしまうものなんだと思っていた。
彼は俺にとってとても特別な存在で、とは言っても、
自分の命と引き換えに守りたいわけでは決してなかったし、
もっともそんな瞬間なんて俺たちの人生のなかであり得るわけがなかったから、
特別とは言っても、傍にいたいと思うような存在なだけだった。
自分の次に大切な存在だった。だけど俺たちは本当に小さな世界で生きてきたから、
自分の次に大切な存在は、無くてはならない存在だと
言っているようなものだったのかもしれないと思う。俺は彼が大切だった。
ずっと一緒にいたいと思った。それだけだった。
613 :
さんわめ:2005/04/07(木) 02:03:22
今日はここまで。
明日またうpしますので、よろしくお願いします
いやここ投稿スレちゃうから
ホモネタなら最初に一言断ってくれるとありがたいのだが。
嫌いな人もいるだろうし。
保守sage
保守
一年ぶりに覗いてみたら、寂れてるし・・・・・・。
人がいないな。保守。
>>620 …をずらずら並べてるのには、ナニか意味があるのか?
筆者にとってはフツウよりちょっと長いくらいの間なんだろうけど
読む側にはスモグリでギネスブックに載る人もまっ青な時間に感じられる。
あと漢字をふんだんに使いすぎ。
小説だからって、なんでもかんでも漢字にすればいいってもんじゃないぞ?
つか小説ってそんなもんじゃないぞ?お経かなんかだ。
それとビミョーに食い違ってるところがある。
おそらく意味をカン違いして使ってるんだろう。
最後に、改行をしっかり。
一つの話題として、きっちり区切ってくれ。
俺にはその文の魅力は分からないが、多分そーゆーつまらないところで損してるんだと思う。
がんばっておもしろい作品を読ませてくれ。
622 :
スペースNo.な-74:2005/06/23(木) 01:17:41
623 :
露樹 ◆dHgBvcqH3c :2005/06/23(木) 06:27:51
>621さん
ご批評下さりありがとうございます
「…」を多用する癖がついていました。これから気をつけます。今自分で読み返すと621さんの言う通りですね。いつか621さんが魅力を感じられる様に練り直します
>>620 全体として時系列と視点が
ころころ変わるもんだから、読んでいて混乱する。
途中から改行すらなく突然一人称に切り替わっていたりするし。
そのあたりきっちりしなてないと自分にはすごく読みづらいす。
あと繰り返しでクドい文章になってるところがちらほら。
そういう効果を狙ってるんだなーと思うところもあったけど、
そうじゃないところでもそうなってたりするから、
推敲していらないところを切るようにしてみては?
でも全体としてこういうのが書きたいんだーという気持ちは伝わってくる感じ。
621氏が言っているようにつまらないところで損してる気がする。
>>622 どれを評価したらいいのかよくわからない。
評価してほしい小説のページにリンクしてほしいかも。
625 :
スペースNo.な-74:2005/06/23(木) 17:33:38
>>620 出だしの散文だが、文章内容・文章構図のどれをとっても中学生以下が書いた文だと断定できる。
散文の世界で「・・・」を多用する者はいない。
「死などは恐れない」のであれば死以外の何かを恐れるという意味にとれる。
希望的観測のみに囚われ確固たる意思表示の不能な精神薄弱者の散文だとおれなら読む。
つまりは自力で困難を打破する者の残した文ではなく、他人に依存して生きてきた者の文章。
本文以後も621の指摘にあるように「・・・」が多い。
623で自身が「癖」だと言っているが、これは「癖」ではなく意図的なものと考えられる。
なぜならば、「癖」というものは「特に意味のない行動」を意味するが、無意味に「・・・」を使用しているのであれば、
推敲の段階で普通の人間なら気がつくものだ。
推敲をしていないのであればこれはこれで論外なのであるが、推敲の段階で気が付かないのでは癖とは言いがたい。
厳しい意見ではあるが、620自身が文章の構成というものについて何ら真面目な考察をしていない、
あるいは美しい文章・読みやすい文章、ひいては「読ませる文章」というものについて何ら考慮をしていないことを意味する。
620が示したい、「・・・」の持つ意味や「・・・」が読者に与えるメッセージが何なのか。
それを620自身が「しっかりと提示できているだろうか?」と考えながら「・・・」を打って欲しい。
「・・・」はけして誰も安易には使っていない。
癖で使う人もいない。
必ず意味がある。
「・・・」が多いと指摘されたから「気をつける」のではなく、
ちゃんと使用する意味を考えて、使って欲しい。
>625
・夫人が家に戻るときは「そそくさと」だとその場面に合わない。
・「どこからともなく」じゃメイド(か?)「不思議な人」という風に読めてしまう。
・「とたん」は「に」をつけて使うから、「その途端に夫人は口を開いた」。
なんだけど、なんか使い方がへんだなぁ…
・「、」の位置が読みづらい
ていうか、全体的に↑みたいに言葉の選び方使い方がおかしい。
てゆうか批評しつつ思ったんだけど、ドラマ系の脚本で「・・・」は使っちゃダメなんじゃ?
629 :
621:2005/06/24(金) 11:48:26
横槍スマソ。
>>626 >「癖」というものは「特に意味のない行動」を意味する
おまいの感性があり、俺の感性があるように、意味もまたひとつとは限らない。
癖というのは悪習という意もあり、
>>620はそういう意味合いで言ってるのだろう。
他の人はどうか知らないが
俺にも”ここはこうした方が何となくおもしろそう。コンキョはないが”と思うことがある。
”何となくしてしまった悪い習慣”それが、620の言うところの癖なんじゃないのか、と思う。
まあそれ以外は、ほぼ同意。横槍スマソ。orz
630 :
626:2005/06/24(金) 12:15:35
>>620 第一段落で登場しているのは、圭太・綾子・司郎・おじさん・おばさんの5人。
恐らくは正式に声優に渡す台本では人物名を書き込んでいるか色分けをしているとは思いますが、
はっきり言って読者を含む第三者に初めて見せる代物ではありません。
せめて口調で分けてください。
もしこれが小説であれば読者を愚弄しています。
「?」や「!」、「!?」の後ろは一文字文を空けてください。読みやすくなります。
遺産相続については現代日本の法律とは無関係と見なして無視します。
現代日本の場合、金の亡者のほうが遺産相続の権利を放棄し、主人公側が遺産を独占する形になります。
文中「わたしの家内」では「わたしの」は不要です。「家内」は「妻」ですから、省略可です。
文中「少なからずとも」は「少なくとも」ですね。「少なからず」では血の繋がりが多いことになります。
最後の行で圭太が両親との別離を許容し司郎夫婦の元で暮らすことに理解を示しているのが見えますが、
圭太はいったいいくつですか?
両親への思慕の念がまったく見えません。恐らくは愛情を感じていなかったかと思われます。
死んでいるとはいえ目の前にいる両親よりも、会話のほうが気になっているようです。
「死」をしっかりと理解しているところからも精神年齢はかなり高そうです。
喋り方のわりにはちょっとコワイ子供ですね。
セリフだけの文章なのですから、内容にそれなりの分析点を設けましょう。
この状態を見る感じでは、演技力ゼロの声優が喋り合っているように見えます。
631 :
スペースNo.な-74:2005/06/24(金) 12:27:26
>>627 ご指摘ありがとうございます。《そそくさ》と《どこからともなく》は自分でも気になったので、直します。
後直したところを読者の方に伝える為にも文章を掲示板に載せさせていただきます!
632 :
626:2005/06/24(金) 12:46:04
>>629=621
「知らず知らずとってしまう無意識的行動」が「癖」の正しい説明になるかな?
ただ、620が623で特に理由なく「・・・」を使用している観を匂わせたので、
あえてああいう説明にしたんだ。
惑わせたようでスマン。
>>621
読点と三点リーダのつけ方は、
>間の時間で読点と三点リーダーが入っています
って書いてあるから、ボイスドラマの朗読の間をリーダで表現しただけじゃないの?
最初っから、三点リーダを小説としての用い方をしていないからおかしいと思うだけかと。
その事の是非は無視するとして。
>620
小説兼ボイスドラマってやってるから、文章がどっちつかずの印象で読みにくい。
最初の授業の後にいきなり次の日に飛んでる等、時間の飛ばし方が謎。
【】とじで読みを書くくらいなら最初からひらがなでいい個所が多い。
(わざわざ漢字で表記するほど、重要な個所でない)
ぶっちゃけ、デモベと月姫足して3で割って不足分に改悪詰め込んだ感じ。
634 :
621:2005/06/24(金) 13:38:35
635 :
626:2005/06/24(金) 13:39:15
>>620 第二段落では、一行目「心地よい」の連続使用がありますが、できれば避けましょう。
繰り返し使用するべき語句ではありませんし、他の文章で簡単に同意の文ができるはずです。
羊皮紙に「パピルス」、突かれるに「つつ」のルビを当てるのであれば「長羅」にも当ててください。
また数学教師が出てきますが、数学について触れている箇所がないので省略しましょう。
何の前触れもなく不用意に描写限定語句を用いるのは無用な詮索を招くので、避けるべきかと思われます。
伏線であれば別ですが。
第三段落では突然一人称で地の文が書かれています。
読者の混乱を招くのでやめましょう。
客観描写から主観描写へ突然転換する人は独善的な文章構成をする傾向が強いようです。
「他人に呼んでもらう文章」ということを常に念頭に置く人であれば考えられない行動になります。
また時空列も前触れなく遡ってますね。
文中「圭太は〜道程」ですが、「は」ではなく「が」です。
また「学校に行くまでの道程」は「学校に(到着する)までの道程」です。
「学校に行くまで」では「時間」を意味し、「場所」を意味しません。
文中「しかし圭太は〜不思議な子だ」は明らかに文章の接続がおかしいで修正しましょう。
少女の見つめる路地が異常である描写が出ますが、主人公の心理状態はよく読めば不思議です。
日常として何らおかしくないはずの場所が異常なことになっているのに、疑問すら抱いてません。
主人公には日常的なものに対する常識的意識が全く欠如しているように見えます。
これは主人公にとって日常がいつ異常になっても許容できるということを示します。
普通は日常的な場所が異常になれば奇異に思い、次いで理性的な判断で「気のせい」として判断するものです。
ファンタジーではその上でやはり「怪しい」と考えるわけですが。
文中「一歩々々と」は「一歩々々」。
さらに「歩を進める」とありますが、この訓は「ほ」なのか「あゆみ」なのかの助けが欲しいところです。
この後また主人公の謎の行動が続きます。
葛藤のない主人公の心理はやはり不思議でなりません。
文中「脳の、体の、随の」ですが、「髄」と書きたいのだと思います。。
636 :
626:2005/06/24(金) 14:14:53
>>620 第二段落目さつきの登場部分以後。
文中「ねえ〜提出した?」がほとんど単一で浮いてしまっている。
浮いているのであればそれを受ける描写が欲しいのに、これでは主人公が単純に聞いてないように見える。
もし主観描写を続けるのであればさつきのセリフそのものに存在価値がないので、
まったく省略してしまうか「ねえ圭太くん」だけに留めたほうがいいように思う。
文中「いつもこうだ」の直後に句点が抜けてます。
文中「つくづく〜仕方がなかった」では「自分」が二箇所登場するのでどちらかを省略しましょう。
「一方さつきは」以下の文章では、主観描写と客観描写が混在するようになっています。
えっと、すみませんが、これ以上批評じみたことをするのはやめます。
始めてみたはいいものの、ちょっとこれは・・・・・・な部分が多すぎます。
せめて描写法は統一してください。
登場人物の描写は省略しないで下さい。
漫画のような描写法はできるだけ避けてください。
主人公の心理を「神」にするのはなるべく避けたほうがいいかと思います。
推敲する回数が絶対的に足りてない気がします。
わたしにはこのお話が何を言いたいのかさっぱりわかりませんでした。
620さんはこのお話で何を語っているのでしょうか?
>>625 一行目で「感じた」とありながら主語を欠いているのは、
恐らく初めに夫人の名を出すのを避けるためかな?
もしそうであればこの冒頭部に夫人のちょっとした説明描写が欲しい。
青々とした空が急に灰色に曇る部分にも、夫人の心理を暗示するための語句が欲しいところ。
家の中とあるけども、この場合は「屋敷」や「邸」のほうがふさわしくない?
シモーヌを呼んでシモーヌが来たではそのまんますぎるから、そこでもシモーヌの描写が欲しい。
用件を聞き、もここでは敢えて主人の気を察して初めからお茶を用意するほうがよさそう。
「そのとたん」に関しては、そのままでいいと思う。
強意の指示語「その」+体言止めとしての名詞「途端」だから、これでいいと思うよ。
夫人のセリフについてだけども、もっと句点と読点を使い分けたらいいと思う。
感情的で、かつ抑揚に富んだ発言を意識して書いているのであれば、単調にするのはよくないかも。
アフリカ女を連想させる黒々とした縮れ毛って、具体的にはどんなのだろう・・・?
縮れ毛=アフリカ女っぽい気がするけど。
「でもね奥様」は、文頭に「ね」がつくと馴れ馴れしいから「でも奥様」のほうがいいんじゃないかな。
せっかくお嬢様のほうに肩入れしようとする発言なわけだし、一旦セリフを置く助詞の「ね」は不要かと。
夫人・侍女・お嬢様の肉付けがもっとしっかり為されているともっとよくなると思う。
今の状態はたぶん思い付きを書いてみただけという感じがするので、
登場人物の描写、状況説明、さらに心理描写に細かな言葉遊びを入れればぐっと読者を引き寄せられる
・・・・・・気がするw
18禁みたいだからそのシーンまではいろいろと文句つけられるかも。
残酷シーンは苦手ですが。
638 :
露樹:2005/06/24(金) 15:48:01
620です
皆さんの批評を参考に再び書き直しをしますとりあえず>620のアドの所は残しておきます。いずれ、純粋にボイスドラマ〜と言わずに小説をそのアドにアップします
皆さんのご指摘は本当に糧となりました。この言葉(皆さんのと、自分のレス)に恥じない作品を書ける様に精進します
639 :
626:2005/06/24(金) 16:10:58
けっこうきつめのことを言ったと思うけども、ぜひがんばってほしい。
あと、あくまで参考意見として受け止めてね。
我を張るべきところは張っていいと思うし。
がんばれ!
ワタシモガンバラナイトネ・・・・・・
数行しか読まずに言って見るが、ポマードって男がつけるやつじゃないのか?
626様へ、
的確なアドバイスと受け止めています。きつめの言葉とは自分は思っていません
その言葉、意見が自分にとって良い刺激となりました。
益々意欲がわき、もっと真剣に作品に取り組もうという意志が固まりました
自分に、厳しくかつ真剣に接してくれる人が最良のアドバイザーだと思っています
言葉がまとまりませんが、ありがとうございました。
頑張ります。626様も頑張って下さい
642 :
スペースNo.な-74:2005/06/24(金) 22:33:45
>>637 的確なアドバイスありがとうございます。色々検討して直していきます。
なかなか先に進めないけど(T_T)
>>640 当時のフランスでは、女性も薔薇の入りポマードをつけていたようです。
参考文献はボヴァリー夫人か女の一生かマルセルの夏だか忘れましたが・・
643 :
625:2005/06/24(金) 23:39:23
>>640 無知なくせにつっこむ奴は
小説読みも書きもできないんでしょうねw
まぁ無学な奴が書いたモンは大抵微妙
>>640 地中海沿岸地域やアフリカでは今でも女性が好んで使う整髪料です。
せっかくのインターネットですから書き込む前に調べましょう。
>>643 無知は罪ではないと思います。
無知を罪とする心こそ罪であると思いませんか?
>>645 その辞典は日本向け。
その辞典は日本向け。
では小説はフランス向け?
本編読まずにレスするが
舞台が海外なんじゃないの?あるいはポマードの
使用者が外国人。
上記の場合は当然当地の習慣やら慣習やらに則って
書かれるはず。
ちっとは考えろよ。
649 :
スペースNo.な-74:2005/06/27(月) 15:19:17
すみません、あげてしまいました。
よろしくお願いします。
ツマンネ
>649
以前にもこのくだりを晒してたよね?
村田の音は乾いた音では?轟音はそぐわない気がする。
一瞬、発破か?と思ってしまう、と書いた覚えがある。
あと、この時代がいつなのか私は知らないんだけど、
もし近代なら(村田を使用しているので。ただ、現代でも
愛用者はいるのかも知れないね)、熊の出る地域のようだし
土葬が一般的だったのでは?という気もする。
火葬が一般化したのは太平洋戦争後のことらしいよ。
ただ、視点の違う元ネタがあるようなので
そちらで「轟音」であったり「火葬」であったり
していたのならスマソ
あなたの文章自体は好きだよ。こなれてると思う。
>>649 適切かどうかは迷うところですが、当時の2月は春では?
「縁の障子に身をもたす」というのがよくわかりません。 どういう意味でしょうか?
「遠からず訪れることはわかってい・た」と過去形になってますが、この場合は現在形がふさわしいかと。
「覚悟はできている・ばず」→誤字「はず」です。
銀のほうを読んでいても思ったのですが、近代日本文学調の文章は非常に読みやすいと思います。
句点の使い方は恐らく649自身の考えでつけていると思うし、
同じ音・語・字を頻繁に用いるのも恐らくは意識上のことと思います。
敢えて難点を挙げるとするならば、メリハリに欠ける文章だということでしょうか。
ただ、涛々と流れる文章がけして悪いわけではありませんし、だからこそ「敢えて」となるわけですが。
読後の感想として、まず思ったことが、主人公の「強いハズの思い」が余り感じられない、ということです。
銀のほうでいえば、主人への愛慕や追想。
新撰組のほうでいえば憧憬や嫉妬といった土方の山南への愛憎。
これらが淡々と語られている調子なので、はっきり言えば読んだ後の思い返しみたいなのがありません。
もちろんこれはわたしだけかもしれませんが。
あと気になる点といえば、読者への作者イメージの提示が無いということかな。
銀のほうも新撰組のほうも、言ってしまえばパロディなわけですが、
例えば銀のほうでいえば「ジョン」・「老人」についての描写がほぼ常識的範囲でしか記されておらず、
新撰組のほうでは勝・伊東についてはほとんど語られていません。
パロディであるから設定を飛ばす、というのは確かにアリだとは思いますが、できれば欲しいところです。
この文章で動と静のあるものがあれば読んでみたいですね。
がんばってください。
思うんだが、このスレって創文版でいう「酷評スレ」だよな?
オリジナルはあっちで、ここはパロディって住み分けなのか。
向こうはずいぶんと参加者が多いが、こっちは寂れてるナァ・・・・・・
同人だとジャンルバレ身元ばれしそうだから
二の足踏むんで無い?
658 :
スペースNo.な-74:2005/07/28(木) 18:07:48
【ウホッ】 5/4 ショタホモの祭典”ショタケット10” 開催 【男児萌え】
なんだろうなんだろう? なんか気になるなあ、行ってみよう。
ショタもやおいも似たようなもんだろうから、多分婦女子がわんさかかな?
ただし、スレッドには、客層はほとんど男。とスレタイ紹介の時点で書かれている。以下、
「ショタイベント全般に当てはまるが、腐女子目当てで逝くと泣くことになる。」
「そもそもこれの主催者が腐女子を集めたくて始めたら男ばっかり集まって(´・ω・`)ショボーンとなったという噂もあったりなかったり」
「しかもそれで男子客抑制しようとしたら大ブーイングされたんだよなwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwウハwwwwwwwwwwwwwwwwワロス」
「腐女子界でもショタはねぇ…異端つーか、裏の裏って感じで萌える人自体が極小だからね…」
大丈夫、なのかな?
浅草駅降りると連休中なんで人がわんさかわんさかあふれている。
目的の産業貿易センターって、名前だけだとショタのイベントするとは思えないなあ。
でも、玄関くぐって入館すると、
うっ!確かに野郎しかいない!
7Fで降りる!うっ!キ、キモイ!
さわやかなお兄さんや、笑顔の素敵なお兄さんなんてどこにいるんだ?7,8割は外見でカテゴライズするところの、マイナスイメージのオタクだらけ・・・・
小林薫の劣化コピーみたいな人がなんでこんなにいるの!
気を取り直してチェック。作者はそれなりに女性もいるけど、やはり7割は♂?
会場の外は連休の浅草で、老若男女なのに、ここの会場は、メガネ、小太り、リュックといった
「それって、オタクに対する偏見だよ、そんなステレオタイプの奴はそれほどいないよ、今は見た目じゃオタクかどうか、わからないよ」という反論が出来なくなる人の割り合いが多すぎ。
なんか、この会場、すっぱいにおいがする・・・・
くらくらする・・・この世界は、僕にはまだまだハードル高いや・・・
何も買わずにさっさと会場を後にした。スレッドに書かれていたのはネタじゃなくて、事実だったのか・・・
ttp://blog.goo.ne.jp/oohigasimia 【ウホッ】 5/4 ショタホモの祭典”ショタケット10” 開催 【男児萌え】
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/moeplus/1114924480/
659 :
1@1:2005/07/28(木) 20:00:28
mikepeg.h.fc2.com/101.html
なんか某作品に似てしまってるんですが……よろしくお願いします;;
同人ゲーのシナリオ書いてるんですが、それもアリですか?
661 :
スペースNo.な-74:2005/08/25(木) 04:54:57
ホシュ
662 :
スペースNo.な-74:2005/08/30(火) 03:12:46
お題があれば書いてあげる。
663 :
スペースNo.な-74:2005/08/30(火) 03:36:33
ってか、すっっっっごく長い話になっていいのなら書いてあげる。
書いてあげるなんてやつはイラネ
いやむしろ書いてくれ
書けるものなら書いてみろ
666 :
スペースNo.な-74:2005/10/31(月) 17:55:53
つ、拙い文章ですが…
貼っても宜しいですか…?
667 :
スペースNo.な-74:2005/10/31(月) 17:58:51
貼れ。
668 :
スペースNo.な-74:2005/10/31(月) 18:00:04
ついこの間エイズ感染していることを
医者に宣告された大学浪人生中の僕。
そりゃ浪人決定したときには、
いっそのこと死んじゃいたいとは思っちゃったかもしれないけど、
その後は概ねのんびりと過ごしていたのに!
僕に詳しいエイズの知識はないけれど、助からない事は知ってる…。
一ヶ月後にはもう入院が決められてる。
今浴びているこの太陽の光を、一ヶ月後にはもう浴びられないんだと思うと、
僕が死んじゃうなんて…
…全く全然信じられないのである。
まさかだって体調がちょっと悪いから病院に行ったら、
若い医者にいきなり
『大変お話にくいのですが…貴方はエイズです。』
なんて神妙な顔して言われるんだよ?
信じられるはずないって。
というか、一番重要なのは、エイズだと、その、
……エッチできない、って事なんだけど……。
ぁああ!もう!僕まだドウテイなのにぃ!!
ヤバイ、ヤバイよ!
このまま死ぬのはなんか凄く嫌だよ!
せめてチューぐらいはしたい!!
はいそうですごめんなさい!!
19にもなってチューもまだです!!
どうやら使い慣れないインターネットによると、
チューはオッケーらしいし!!
よし、頑張ろう!!
彼女作ろう!!!
669 :
スペースNo.な-74:2005/10/31(月) 18:00:54
と、ちょっと空回り気味に彼女作ろうと言う事になった僕。
それから数日、どうせ死ぬんだ、だから何も怖くない、と
ガチガチの体に言い聞かせて、
僕がばらまいた鞄の中身を拾ってくれた
とってもカワイイ女の子をお茶に誘った。
やったやった!!!オッケーしてくれた!!
そして別れ際、怖くない怖くない…!とひっくりかえった声で
携帯番号とメアドを交換してもらった。
そして何度か会って、彼女が同い年で、
同じ大学をうけた浪人生だと言う事がわかった。
『私、来年も受けようと思うの。加藤君はこれからどうするの?
一緒の大学行きたいな…』
その言葉で、ちょっと我に帰った。来年の受験時期、僕はいない……。
けど、僕もそこ行けるように頑張るよって言った。
彼女…梨子ちゃん…が喜んでくれてたから…いっか。
そして梨子ちゃんは案外活動的で、旅行好きだって事がわかった。
670 :
スペースNo.な-74:2005/10/31(月) 18:02:16
床に伏す日は二週間後まで迫っていた。
僕は梨子と一緒に車の中に居た。
ドライブの後、雑誌をかいこんで探した夜景が見える静かな場所だ。
驚くほどキスは心地良かった。
そして揺れる梨子の瞳を見たとき。
あぁ僕は死ぬんだ、と思った。
梨子の事、大好きなのに。愛してるのに。
僕は梨子を抱けないんだ。
こんな、僕にはもったいない程の可愛い梨子。
世界で一番愛してるのに。
僕はなんだか泣けてしまった。
浪人した時にも涙なんか一粒だってでなかったのに、
止められない涙が僕と梨子の服を濡らしてしまった。
心配する梨子に本当の事を告げる。
これで夢は終りだ、と思った。
671 :
スペースNo.な-74:2005/10/31(月) 18:03:39
まだ死を実感もしてないころに、
流行りの悲恋の本に書いてあったのと同じ恋愛の決まりを、
ひとつ自分の中で決めた。
彼女ができても、僕が病気だって事は伏せる。
そして彼女に少しでも
病気の事がバレたら別れる。
本の受けうりだし、軽いし、ちょっとかっこいいって
思っちゃったのはホントだけど、
それは実感がなかった僕にも、本当にいいことだと思えたんだ。
そう言ったら、梨子はどうして黙ってたのよってちょっと泣いて、
けどすぐ笑って、
『旅行行こう』って言ったんだ。
突然の言葉に意味が飲み込めなかった僕に、梨子は言った。
これからの残りの二週間で、一年の行事を丸々一緒にしようよ、って。
そして言った。
『エッチできなくても、
あなたが死んじゃうとしても、あなたが好きよ。』
って。
その言葉に僕はまた泣いてしまったのだった。
672 :
スペースNo.な-74:2005/10/31(月) 18:06:22
こんな感じです。
梨子が大学浪人生なのに旅行趣味なのは、
主に地元を観光する小旅行だと思ってください…(汗)
落ちがあるんですが、そこはまだ書けてないです。
落ちだけでも乗せますか?
載せて欲しい。
正直これだけじゃびみょ。
674 :
672:2005/10/31(月) 22:47:14
携帯から失礼します。
落ちですが、梨子と主人公が濃い二週間を過ごした後、
若い医者の手違いで同姓同名の人(死にかけのじいさん)と間違えられていた事が判明して、
結局主人公は普通にその後も梨子と仲良く。っていう落ちです。
…ありがちかなぁ。
(ちなみに実は梨子が妙なプレイが好きな子で、
その後も主人公が振り回される感じです)
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>>674 もうなんかね。ガックリきた。
本当はもっと説得力のある心理描写とか入るかもしれないけどとりあえず↓
童貞なのにエイズか。勿論ありえなくはないけど説明要る。
いきなり本題を話す医者いるんだろうか。
で一番嫌なのが死ぬということじゃなくてエッチできないことか。
家族や友人との話はゼロですか。発覚から二週間も通院すらせず女探しですか。
でトントン拍子で相思相愛。
でホントはじいさんは死にかけなのにもかかわらず間違っちゃってたと。
じじいなら死んじゃってもいいってか。若者よりはましでしょってか。
でハッピーエンド。
もっと突っ込みどころあるような気がするけどもう疲れた。
一番幸せなのはお前
>>674の頭だよ。よかったね。
うん。
あんまり厳しいことはいいたくないが
あまりにもひどい。お粗末すぎる。
HIVについて少しでも調べた?
デリケートな素材を扱うには
出来うる限りの注意と理解が必要だよ。
それがわからないならケジラミ湧いたとでも
しておくのが無難だ。
678 :
スペースNo.な-74:2005/11/01(火) 00:31:17
ホントすいません。
勉強不足でごめんなさい…
もう弁解なんてありません。
デリケートな題材なのは分かってた筈なのに、軽率でした。
自分の勉強不足でした。
>>676 ガックリさせちゃってごめんなさい。
せっかく読んでレス下さったのに…
おじいさんのくだりもあまりにも考え無さすぎでした。
そういうつもりで書いたんじゃないんです。
それじゃあどういうつもりかっていうと
深く考えた設定じゃないです。
絶対こんなんじゃ、誰かを傷付けますよね。
すいませんでした。
>>677 気を使って下さってありがとうございます…
でも明らかに自分の勉強不足でした…
ホントすいません。
お二人共、レスありがとうございました。
ホント、自分が情けないです。
なんで自分はこうなのか……
勉強しなおしてきます。
ごめんなさい。
679 :
676:2005/11/01(火) 00:58:24
いやキツく言い過ぎた。スマソ。申し訳なくなってきた。
678は友達や先生(いるかわかんないけど)のお勧めの本を聞いて読んでみるといいと思う。
名作が何で名作なのかっていうのが分かると興奮するよ。
そういう、物語の醍醐味つーものを味わってない人の小説に思えるからさ。
680 :
678:2005/11/01(火) 01:30:30
ただいまです。風呂入ってきたんで、頭冷えました。
>>679 いえいえ、そんなことないです。
レス下さったこと、ホントに感謝しています。
そうじゃないと自分、わからなかっただろうし。
それに、ちゃんと問題点も指摘してくださってたし、…あれ、何故涙が…
>友達や先生のお勧めの本〜
あ、なるほど…やっぱり文書くなら文読むのが一番ですよね!
勉強します。
ちょっと周りに聞いてみることにしますね。
このヘタレ文では、最後には死んでしまう(と思っている)主人公が、
エッチが出来ないのは嫌だ〜と周りに流されて軽く考えていたのが、
愛する人が出来て、愛する人を愛すための手段を一つ失ったと
いう事を理解して泣く、っていうのが書きたかったんですよね。
いや、こんなお気楽な人いるわけ無いんですが、
心のどこかでずっとそんなことを思っていて、目の前にして気付くっていう…
でも、出来ない状況にしようと思ったら
これしか思いつかなかった自分が勉強不足だし、考えが足りなかったです。
エイズは自分が扱うには矢張り技量不足。
…それに、携帯で打ったものをろくに練らずに(しかもあらすじだし)貼ったのも軽率でした。
でも、この主人公たちのエイズを抜いた設定は結構気に入っているので、
いつか続きが書きたいです。
だから、エイズを抜きにして、違う方法でもう一度書き直したいと思います。
暫く勉強して、もう一度練り直したら、
また来てもいいでしょうか…
それまでこのスレが続いてたらね。
あともうちょい2ちゃんをROMりな。
>最後には死んでしまう(と思っている)主人公が、
>エッチが出来ないのは嫌だ〜と周りに流されて軽く考えていたのが、
>愛する人が出来て、愛する人を愛すための手段を一つ失ったと
>いう事を理解して泣く、っていうのが書きたかったんですよね。
>いや、こんなお気楽な人いるわけ無いんですが、
>心のどこかでずっとそんなことを思っていて、目の前にして気付くっていう…
着眼点はいいと思う。
でもそれを実際に表現する素材や技術がひどすぎた。
人間に対する洞察もまだまだ。キャラが薄っぺらすぎる。
上に書いたことと相半するようだけど
>愛する人を愛すための手段を一つ失ったという事を理解して泣く
なんてちゃらいもんじゃないよ。
そこには必ず怒りがあるはず。そういったことも
イノチや、愛をテーマに書くなら深く考えて欲しい。
個人の体験には限りがある。キミが若いならなおさらだ。
本読め、映画見れ。
>愛する人が出来て、愛する人を愛すための手段を一つ失ったと
ゴム使えばいいんじゃないの?
もし683がHIVだったとして、
自分の大事な人と「ゴムつけたから安心だよね」と
セクース出来るのか?
また現実はおいといて、そういうエピソードを読んで
そのHIV氏が恋人を心から愛してると思えるの?
>>684 まあ俺じゃなくてもする奴はするだろ。
676も童貞でもあり得ないことはない、と言ってることから
過去、性交渉によってエイズの感染拡大させられてきました。
ましてや未成年で、自分の事で頭がいっぱいな例の主人公なら
「大丈夫、大丈夫」と言ってイキオイでやってそうとは考えるに易かろう?
(筆者も深く考えてなかったみたいだし)
>また現実はおいといて(ry
いや〜、とてもじゃないけど思えないね。
晒します。忌憚のない評価お願いいたします
空は暗く、あたりは霞んだように見づらくて、僕は目を凝らしていた。
足元には、花弁のように広がった、真っ赤な水たまり。
その中には、壊れ、奇妙な角度で曲がった人間が一人、落ちている。
「ああ、そうか」
僕は、一人で納得する。
確かにこいつは憎まれていて、僕はそれを知っていた。
そして僕は、こいつを憎んでいたあの子を、知っている。
だから、そう、まんまとはめられたのだ。あの子に。
人通りの少ないこんな裏通りで、バットを持って死体を眺めている僕は、傍から見れば殺人犯以外の何者でもない。
返り血がないのが、唯一の救いと言えるだろうか?
でも……賢いあの子のことだ。このバットにはたっぷりと、この死体の血が塗りつけられているだろう。
そしてもちろん、今までこれを握っていた僕の指紋は、残された時間では拭き取れないほど着いているだろう。
「たまんないなぁ。僕が、捕まっちまう」
空を見上げて、僕はあの子に少しだけ愚痴った。
でも、それでも僕は、あの子を助けるって決めてたわけで。
あの子が、人殺しなんて、そんなバカな事を犯してしまうようになっても、僕はあの子が好きなわけで。
「どうせなら、」
もう少しまともなやり方をしてくれれば、処分も簡単だったのに。
撲殺なんて、色々飛び散って片付けられないじゃないか。
せめて死体を処分できれば、事件の発覚が防げた。時間稼ぎくらいには、なったんだけどな。
でもさ、ほら。あの子の助けくらいはしてやれる。
あの子が昔、いたずらした時みたいに、僕が犯人になってやるから。
サイレンが聞こえて、僕はバットを振り上げた。
どなり声が煩い。警察が物騒なものを構えてるのも、見てとれた。
しかし今の僕には、それこそ歓迎。
だって、もうこいつは死んでいるんだから。
僕の役目は、終わっている。
かまわず僕は、バットを――。
相手の女を思いやらず勢いでやってしまう身勝手な男を
魅力的に書くには、相当人間観察ができる人じゃないと難しいだろな。
◇
私は、テレビを滅多に見ない。
だけど、私は自分がおかしいなんて、そんなことは感じなかった。
なんといっても、これは自分の性格だし、友達と話していれば、そうそう情報不足にもならなかった。
だから、たとえ誰が異論を唱えようと、少なくとも、私はそれでいいと思っていた。
◇
夏の日差しも収まり、そろそろ秋の気配が見え隠れしだした、10月のある日。
通学路をいく私、近藤美咲(こんどう みさき)と、友人の朝野琴音(あさの ことね)の2人は、いつものように学校からの帰り道を歩んでいた。
「あー、そういえば美咲」
何かを考えるように空を見つめていた琴音が、学生服を翻しながら私に向きなおる。
ショートヘアーが流れ、林の隙間、秋の日差しに照らされた。今の彼女は、さながら絵画のモデル。
でも次の瞬間、彼女はイメージに似合わない、なにやら不穏なセリフを放っていた。
「例の、撲殺事件だけど」
琴音のセリフが理解できず、私は間抜けな声を上げた。首をかしげる。
「撲殺……?」
「ほら、そこの裏通りで殺人事件があったじゃない。その話だよ。ええっと。あれ? ……美咲、まさか知らない?」
「ぜんぜん」
そういって、私は首を振った。学校でも、そんな話は聞いていない。テレビを見ないから、当然ニュースも知らない。
新聞にも、そんな事件は書いてなかったはずだ。
「うーん、ここらへんじゃ、もう有名なんだけどなぁ。 ま、美咲には情報が遅れて届くから、仕方ないか」
「なにぃ、失礼な」
少し怒ったフリをしながら、腕を振り上げる。琴音はするりと私の元から離れて あはは、と笑った。
「えっとね、4日前の話。あそこの裏通りで、殺人事件が起きたんだ」
裏通りとは、呼んで字のごとく。いつも私たちが通ってるこの表通りから、一本中へ入った場所だ。
ビルは、裏側から見るととても汚い。その、集大成のような場所。
「確かに、いかにも起こりそうな場所ではあるね」
ちょっと唇を結んで そーだね、と琴音がうなずく。
私たちは、あの裏路地をめったに通らない。あそこは数十メートルに1本街路灯があればいいほうで、夕方になるといかにも危険な雰囲気が漂ってくるからだ。
「犯人は、金属バットで被害者をめった撃ち――、」
そういうと、人差し指だけを立てて、私の目前に持ってきた。言葉を続ける。
「――壮絶だよ。被害者はもう死んでるのに、警察が来ても殴ってたって言うんだから」
額にしわがよった神妙な顔で、琴音は言葉を切った。
でも、こういうことを言う時の彼女が、私には輝いて見える。
他人が驚くようなこと、そういうものを他人に伝えるときが、彼女にとって一番刺激があって面白いのだ。
たとえそれが、他人が聞いたら、少し引いてしまうような事でも。
「怖いね」
私は、とりあえず当たり障りのない返事を返す。でも、それが情報源には気に入らなかったみたいだ。
「なーに、その無反応。もうちょっとこう、驚いてくれてもいいじゃん」
「だって一番最初にオチを言っちゃってるもの。それに、どうせ新情報があるんでしょ?そのために私に話を振った」
「っちゃー、そういえば……。でも、ま、美咲の予想通り『最新情報』はあるよ。これが意外でさ。犯人についてなんだけど」
「まさか、知り合いとかいうオチ?」
そして私は、彼が殺人を犯し――警察に射殺されたことを知った。
◇
階段を駆け上がる。マンションの一室、家の鍵を取り出して、扉を乱暴に開けた。
あたまが痛い。無数の単語が私の頭の中を跳ね回って、頭蓋骨に突き刺さる。
痛い痛い。私はベットに横たわり、体を丸めた。
部屋に飾られて、いつもは私を優しく見守っているフランス人形が、今日だけは鬱陶しかった。
なぜだろう。
すこしだけ天然な彼は、いつも他人の評価なんて気にせずに飄々としていて。
それでも何故か、他人の心を読めるかのように気配りが利いて、とても心優しかった。
よくテレビのワイドショーで言われるみたいに、殺人犯特有の残酷さ、なんて、そんな物は持ち合わせていなかった。
彼に、『付き合ってください』と言った時も、彼は優しく私を抱きしめるだけだった。
私が塾で忙しくて、しばらく会えないなんていった時も、彼はうなずくだけで私を許してくれた。
付き合ってることを秘密に、なんてお願いもだ。
なのになんで、
そうか、私のせいだ。私が、嫌いな人を言ってしまったから。
優しい彼は、そうだ。
――私の嫌いなあの人を、消してしまったんじゃないか。
顔を上げた私を、人形が、責める。
私は起き上がって、拳で人形を殴った。
間抜けな音。転げ落ち、部屋の隅に転がった人形の、視線。
窓から、空を見上げていた。
私は、ベランダの手すりに足を掛け、一気に――
◇
おちた。
人形みたいに、落ちて行った。
「バッカだなぁ、美咲」
私は、笑った。
ちょっと予想外の事態があったけど、結局私の目的は達成された。
美咲を、消せたんだ。
「あっはっはっはっは」
お腹が捩れる。
笑いに笑って、私は涙さえ流していた。
大人しい顔して、私の彼氏を誘惑するから。
それでいて、近寄ってきたら嫌いだって? ふざけるな。
……でも、そんな事は。
美咲を消せた。その上、あいつの彼氏まで始末できた。
私は殺人までしちゃったけど――。もう、満足。
私は……笑った。
しばらく笑い続け……、いいかげん私の息が続かなくなってきた頃。
「そろそろ、いいかな?」
後ろから、声がした。この声は美咲の、
「やあ、久しぶりだね、琴音ちゃん」
「なんで、」
「僕が生きてるかって?そりゃ決まってるよ。生き返ったのさ」
にっこりと、優しく笑うその手には――ボコボコの金属バット。
「だって、だって、友達はあんたが撃ち殺されたって……」
「騙されたんだよ、琴音ちゃん。まさに、4日前の君と僕みたいにね。
ほら――警察ってさ、簡単には人を殺せないんだ。僕と、違って」
4日前、壊れた死体にしたように。……ゆっくりと、バットが振り上げられた。
◇
「君の友達なんて、結局は君の同類。信用なんてすべきじゃなかった。当然僕も含めてね。
でも、今になってはそんな事――」
琴音のへこんだ頭を踏みつけて。彼の笑いが、嗤いへ替わった。
「――君が一番、その体で実感してるよね」
連投規制かな? 支援してみる。
いえ、ここまでで終幕です
レス毎に番号を付けるべきでした
わかり難く、申し訳ありません
695 :
スペースNo.な-74:2005/11/02(水) 21:56:35
凄いスレスト
ストーリーの急展開ぶりに文章量が追いついてない
確かに。これを本文として出されても「え、あらすじじゃないの?」って感じだ。
え、あらすじだろ?
それにしては妙に細かいと思ったけど。
>>674みたいに展開をパパッとまとめてほしかった。
心理描写はできてんじゃない?
あらすじにそれが要るかは別として
私は結構好きだな〜
確かに描写足りないかなと思うとこはあるけど。
ショートショートとして書いているなら、
必要なとこはちゃんと説明されてると思う。
最後、自分はちょっと混乱したから、
もうちょっと描写があるといいな。
久しぶりに見たら好みのSSきてたんで、パパガンガってこってり批評しちゃうぞー!
>694
一部自分の読解力では分からないところがあった。
多分オチで落とすのを狙って人称切り替えしたんだろうな、と想像はつくんだけど、
やはり分かりにくい。読み終えてからもちょっと疑問が…
1) >687の彼は、琴音の昔からの友人?
2) 僕視点で、こいつを憎んでいたあの子(美咲)と僕を嵌めたあの子(琴音)は別人?
3)>あの子が昔、いたずらした時みたいに、僕が犯人になってやるから。
↑このあの子は琴音のこと? 琴音を庇おうとしたように美咲を庇うという意味で桶?
4)>689の冒頭四行のモノローグは、美咲に見せかけたフェイクで、本当は琴音で合ってる?
自分の読解力に問題があるかもしれないので、話の構成については
あまりアドバイスできん(´Д`;)
続く。
内容に関しては、全体的に強引だったり矛盾してる部分が目についた。
例えば>689
>新聞にも、そんな事件は書いてなかったはずだ。
こんな事件が起こったら、確実に新聞に載るさ。
美咲はテレビ見ないけど新聞は読む子、ということを示したかったとしても、
新聞云々はスルーしたほうがいい。無理あるし。
それと>692ラストで彼が琴音を殺しに出てきたところ。
警察に捕まったであろう人間が、脈絡なく外で動いているのは少しおかしい。
例えば692の後に新聞記事形式で、少年Aは逃走中と入れてみるとか、
そうじゃなくてもどこかに外で動いていることへのフォローを入れておかないと、
警察は何やってんだ?という疑問がどうしても出てくる。
他にも、冒頭どうやって琴音がバットを彼に握らせて彼を陥れることができたのか、
美咲の自殺シーンの流れ他いろいろ強引過ぎるのが気になる。
短編サイコものでも、最低限の整合性はいるよ。
続く
文章に関しては、短い部分での単語の重複、不要な描写が気になる。
>689
> 夏の日差しも収まり、そろそろ秋の気配が見え隠れしだした、10月のある日。
>通学路をいく私、近藤美咲(こんどう みさき)と、友人の朝野琴音(あさの ことね)の2人は、いつものように学校からの帰り道を歩んでいた。
>「あー、そういえば美咲」
> 何かを考えるように空を見つめていた琴音が、学生服を翻しながら私に向きなおる。
>ショートヘアーが流れ、林の隙間、秋の日差しに照らされた。今の彼女は、さながら絵画のモデル。
>でも次の瞬間、彼女はイメージに似合わない、なにやら不穏なセリフを放っていた。
> 空は秋らしくどこまでも澄んで青かったけれど、風は少し冷たい。
> 私と友人の琴音は、いつものように学校からの帰り道を歩んでいた。
>「あー、そういえば美咲」
> 何かを考えるように空を見つめていた琴音が、学生服を翻しながら私に向きなおる。
> ショートの髪が、秋の淡い日差しに揺れる。木立の緑を背にした彼女は、絵のようだった。
> 綺麗だな。見とれていると、その唇がふいに不穏な言葉を放った。
苗字とか振り仮名、十月とかの具体的な指定がなくても、充分通じると思わないか?
個人的には、抜き出した部分の一行目もいらない気もする。後の展開に関係ないし。
背景設定とか、読み手に伝えたくて説明が増えてしまうことが多いけど、削っても
案外ちゃんと伝わるよ。
後の話に絡んでくるとか、何かこだわりがあってどうしても入れたい描写とか
じゃなければ、思い切って削ってみる。あまり削りすぎても無味乾燥な文になるので、そこらは自分なりの匙加減で。
それと>696の言うことも一理ある。
描写は削る部分があるけど、話の展開としては文章を増やしたほうがいいところもある。
特に美咲の自殺のくだりとか。
自分ホラー系列な話が好きなので、若干うるさい評価になったかもしらん。
色々書いたけど、全体的な雰囲気は好きです。文章も読みやすいし。
サイコもの書くの好きなら、小説だけじゃなく、怖い話の体験談とかも話の流れや
落とし方を見るのに結構役立つんで、読んでみるといいと思う。
>パパガンガってこってり批評しちゃうぞー!
吉野家が近所に有る。其処へ行つたのは昨日の事だっただろうか。
其処は溢れぬ秤の人集り。故に座る場所すらも無い。
良く見れば、垂れ幕が下がつて居る。『百五十円引き』と、そふ書いて有る。
嗚呼、阿呆かと、馬鹿かと。
百五十円引き如きで、普段は目も繰れやしない吉野家に、足を運ぼうだ何て―――。
150円。其れは、たったの百五十円。
親子連れ等も来て居る辺り、其の御目出度さと云つたら、無い。
「良し、父さん特別な批評を為して仕舞うぞ」
もう、見て居れぬ。
御前等、百五十円繰れて遣るから、即座に其の席を譲れと。
元より吉野家と云ふのは、もつと殺伐として居る冪何だ。
705 :
686:2005/11/04(金) 21:44:46
ご批評ありがとう御座いました。
構成、文章の違和感などのご指摘御尤もです。
上記の事を参考に、これから精進していきたいと思います。
重ね重ねありがとう御座いました。
取材班は秘境の部族の生活をドキュメンタリー番組に撮ることとなった。
「明日の外の収録は無理かな。この分だと雨のようだ」
どす黒くたち込めた雲を見てディレクターがつぶやくと、側にいた部族の老人がぼそっと言った。
「明日は晴れじゃ・・・」
翌日は抜けるような晴天だった。取材班はその日一日カメラを回すことができた。
「よし。今日はいい映像が撮れた。明日も晴れそうだし、みんながんばってくれよ」
ディレクターが美しい夕焼けを見上げながらそう言うと、またまた老人がぼそっと言ったのである。
「明日は嵐じゃ・・・」
そして、その通りとなった。次の日は強い嵐であった。
その夜、取材班は話し合った。
「やはり大自然に生きる人間には、あたりまえのように天気を知る力が備わっているんだろうな」
「我々文明人がいつしか無くしてしまった能力なのでしょうか・・・」
取材班は老人のボロ小屋を訪ねることにした。
老人の粗末な小屋の壁には、何か分からぬ獣の頭蓋骨がいくつも飾ってあった。
ディレクターはおそるおそる聞いた。
「ご老人。明日の天気はどうでしょうか?」
老人は黙って首を振った。
「どうして今日は教えてくれないんです?」
老人は目ヤニの奥に黒く鋭く輝く瞳で取材班をじっと見据え、ぼそっと言った。
「ラジオが壊れた・・・」
あげ
じゃあ俺も
おはよう。
版権近親ホモは流石に駄目だよな。
あれ、ホモで検索したら多少あるのか。どうしよ。
まあいいんでない?
>>712 ありがとう。
でも家の前で事故がおきたから、また今度にする。
∧∧ ∩
( ´∀`)/ ∧∧ ∩
⊂ ノ ( ´∀`)/
(つ ノ ⊂ ノ ∧∧ ∩
(ノ (つ ノ ( ´∀`)/
(ノ ⊂ ノ
(つ ノ ∧∧ ∩
(ノ ( ´∀`)/
_| つ/ヽ-、_
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<⌒/ヽ___
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<⌒/ヽ-、__ノヽノ |
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(゚д゚ )
<⌒ヽ /ヽ-、__ノヽノ |
/<___ノ ̄ ̄/____/ < <
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ゚д゚ )
<⌒ヽ /ヽ-、__ノヽノ |
/<___ノ ̄ ̄/____/ < <
放火ッ
冷たい風が、私の頬に遠慮なく吹き付ける。
頬は冷たくて、体は火照って、私は走り続けていた。
ビルの合間を、飛ぶように進む。足はもう棒のようだったが、止まるわけにはゆかない。
追っ手は、すぐそこに迫っている。振り切る事はできないにしろ、時間を稼がなければならない。
いまだ非成体《プロスフォラ》の私は、最下級にさえ劣るのだ。追いつかれれば最後、読師《ヤツ》に勝てるはずもない。
せめて対等に戦えるようになるその時まで、私は逃げる。人の街を、駆け抜ける――。
灰色が後ろに跳び退り、数十もそれを後にしたころ、急にビルの森が疎らになった。
元々それが狙いだったのだから、当然といえば当然だ。
私という獲物を探す狩人《ヤツ》は、人の匂いから獣《ワタシ》の臭いだけを探し当て、迫り来る。
だからこそ私は、人の匂いが薄れる、都会の外へと向かうのだ。ヤツは、私の思考がいまだ人間の域をぬけていないと侮っている。人の海である都会に、私が隠れると思っているのだ。
しかし、私は既に自分が人外である事を悟っている。そんな愚かな事はしない。
人外は、人間の中にいてはならないのだ。
目を薄め、口の端をゆがめる。笑んだつもりだったが、漏れたのはしゅう、という嘆息だけだった。
かれこれ数時間、休みもせずに走り続けた私の体は、すでに疲れ果てている。
限界が近い。早く、休める場所を見つけなければ。
乱れた呼吸を、足を止めて何とか整える。見上げると、月が昇り始めていた。
見慣れた月が、ぐにゃりと歪む。……まずい。
716 :
715:2005/11/13(日) 03:19:49
放火じゃなくて投下でした。吊ってくる。
続き気になる。
是非とも読みたい!とは欠片も思わないけど。
ていうかこんな切れっ端でどうしろってんだ。
吊ったから氏んだんだろ
hosyu
評価お願いします。
魅力あるとかはとても思いませんが、ここしか見つけられなかったので。
自分の文章がせめてSSとして見るにたえるものか知りたいんです。
干物ですが、刺客列伝より荊軻と高漸離です。
荊軻は燕王太子の命により始皇帝暗殺へと向うのですが、
その前夜の出来事ということで。
多分に腐女子向ですので苦手な方すみません。
721 :
720:2005/12/05(月) 02:52:52
投下します。
(……荊軻どの。何気ない風を装い、歌を口ずさみ、何も語らず。
貴方はまた、そうしてわたくしのもとから去って行くのですね)
筑を奏でながら、高漸離は荊軻を見やった。
いつもと変らず涼しげな表情。
いつもの荊軻の歌声は、低くも高くもなく、堅くも柔らかくもなく、
澄んだ不思議な音色を呈して、高漸離の心をやさしく酔わせる。
が、今宵のそれはあきらかにいつもとは違っていた。
高く鋭く歌い上げられるそれは、高漸離の心には、
胸をかきむしるような苦しみからあげられる悲鳴としか響かない。
……深い懊悩と悲壮な決意?それは。
それは、……何故なのだろう。
722 :
720:2005/12/05(月) 02:55:15
荊軻の詠ずるその歌を、高漸離の筑が静かに受けとめる。
そんないつもとかわらぬ夜。……けれど。
筑の音が激しく乱れた。乱れ続けて高鳴り出す。それは高漸離の心の叫び。
荊軻の悲鳴と共鳴して撥をあやつる腕は勝手に音を狂わせる。
「高漸離。音が、高い」
荊軻が詠いをやめて高漸離を見遣る。
「……」
高漸離は静かに荊軻を見上げた。
それを見下ろし、荊軻は言う。
「珍しい。かなり高く狂っていた。いまの調は、それではないはず……」
筑から手を離した高漸離の眸に涙が光った。細い肩がかすかにふるえる。
「高……」
困惑して問い掛けた荊軻を、高漸離は、ただ、吃と睨んでいる。
723 :
720:2005/12/05(月) 02:56:15
(……荊軻どの、貴方にとって、わたくしはその程度の存在だったのですか?
重大な何かを、きっと命さえ危ない何かを。それをわたくしに告げてはくれない。)
「わたくしは貴方にとってその程度の存在だったのですか」
ちいさく紡ぎ出された声。撥を握るその拳に涙が零れ落ちていた。
そんな高漸離に愕き、荊軻が彼に少し身を寄せたその時、
「……!?」
高漸離の体がふわりと浮いた。次の瞬間、荊軻はその体に柔らかい重みを感じていた。
「……何か言ってください。荊軻どの。貴方は何か隠している。
何か言ってください。それとも、わたくしでは信用に足りませんか?!」
「高漸離。何か、とは?私は何も隠してなど……。」
「ごまかさないで。わかります。……詠いに、貴方の心の翳りがでていた。」
「……。」
荊軻は言い逃れのできないことを知る。詠いも、筑も、心をそのまま映し出す。
それがわからぬ荊軻ではない。高漸離に筑を教えた荊軻なればこそ。
高漸離の筑が、今日に限っておかしいことも、だから、彼にはわかっていた。
なれば、荊軻の詠いがおかしいことに高漸離が気付かぬ筈はないのだ。
なのに、なぜ、気付かせずにおけると、多寡をくくっていたのだろう。
724 :
720:2005/12/05(月) 02:57:14
―始皇帝暗殺―
その計略は誰にも告げることはできない。
たとえ高漸離が気付いていたとしても告げることはできない。
言ってしまえば、彼はともに来ると言うだろう。そしてとめても聞かぬ事はわかっている。
高漸離までも、この愚かな死の淵にひきずりこむ必要はない。
告げられない。信頼しないわけではない。いや、彼が愛しいからこそ…。
「……燕は危険だ。逃げろ、高漸離。」
「荊軻?!」
悲愴な表情で見上げる高漸離にやわらかに笑い掛けると、荊軻は立ち上がった。
「すまない。……高漸離。長居をしすぎた。風に当たって帰るよ。」
立ち上がる荊軻に縋りつき、高漸離は叫んだ。
「待ってください!荊軻、待っ……!」
縋りつく高漸離を荊軻はやさしく引き離し、笑う。そして踵を返して立ち去っていった。
そんなやわらかな笑顔での拒絶に、荊軻を追う事もままならず、
しばし呆然と座りつくしていた高漸離は、ふと、外が静かなのに気がついた。
立ち上がり窓を開けて外を見る。
白い雪が、静かに降り積もり始めていた。
725 :
720:2005/12/05(月) 02:58:10
荊軻は雪の中をゆっくりと歩んでいた。
懐にはすでに徐夫人の匕首。あとは毒を塗って地図に巻き込むだけだ。
今夜、残されたその作業を終えたら…。
……愚鈍な太子の為にこの命をくれてやるわけではない。
奴の私怨を晴らすのに、手を貸すわけでは決してない。
これは、唯一ただ、己を知る者のために。
漢は、己を知る者の為に死す事こそ本懐。
田光先生が、私を選んでくださったなら、
あの、秦の将軍が私を信じ、その首をさしだしてくれたなら、
その想いを託された私は、ただお2人の想いを抱いてゆくだけだ。
あなた方が指し示してくださった途を、歩むだけだ。
将軍への感謝と、田光先生のご眼識を、汚さぬために。
今、……己のすべきことを成し遂げるためにゆく。
ふと気付くと、あてがわれていた館ではなく、
足はしらぬまにいつも皆で笑い興じていたあの古い小さな庵へと向いていた。
その庵の木の陰に、吹雪いてきた雪のなかに立ち尽くす、
白いモノがいるのを目に留めた。鬼のたぐいかと目を凝らすとそれは…、
白い喪服。そして素足。
手に筑を抱えて、彼は、高漸離は、そこに立っていた。
726 :
720:2005/12/05(月) 02:59:17
「高漸離?……どうしたのだ」
「荊軻どの。……ゆかれるのですね」
清冽に高漸離は微笑んだ。
なにもかも理解してしまったのだろうその眸はやさしく荊軻を包みこんだ。
荊軻は黙って頷いた。
そんな荊軻ににこりともう一度笑いかけて、高漸離は言った。
「……御武運を、お祈りしております」
荊軻は何も答えず、ただ、数瞬名残おしそうに高漸離を見つめ、
静かに身を翻して立ち去ろうとした。
その瞬間、筑が、その弦糸を高らかに響かせた。
即興で奏でられる、名も知らぬ悲壮なその曲。
我知らず、荊軻はその曲に詠いをあわせていた。
―風は蕭々として易水寒し
壮士ひとたび去ってまた還らず―
荊軻の詠いに、高漸離は静かに目を伏せた。睫毛が小さくゆれる。
2人は幾度もくりかえし奏で詠う。
奏で合う旋律はやがてひとつになり、心は重なり合う、いつものように。
詠い終わり静かに高漸離を数瞬見つめると、今度こそ、荊軻は踵を返した。
高漸離は、そんな荊軻の後ろ姿を黙って見遣り心の内で語りかけた。
727 :
720:2005/12/05(月) 03:00:03
……何処へゆかれるのか、お答えを頂いた今ならばわかります。
なぜ貴方が、それを告げてくださらないのかも。
でも、荊軻どの?……貴方はご存知ではないのです。
わたくしは貴方のおいでになるところなら、どこまでもついて参るのですよ。
たとえ、貴方に、来るなと言われても…。
友として、これほどに残酷な貴方に、わたくしが少しく意趣を返してもよいはずです。
九泉にて、御叱りをうけようとも…わたくしの心は今、決まりました…。
積もり始めた雪の中に座り込み、高漸離は荊軻の去った方向を黙って見つめ、
また、筑を奏でだした。
雪原に、響くその筑の音を、己の想いを、荊軻に伝えたくて、
吹雪く雪に吸い込まれ、彼の耳になど届かない事をわかっていながらも、
それでもいつまでも…。
728 :
720:2005/12/05(月) 03:01:52
お目汚し失礼しました。
酷評よろしくお願いします。
ヘタレですがいずれサイト持ちたいと思ってます。
鑑賞に堪えますでしょうか…?
729 :
スペースNo.な-74:2005/12/05(月) 19:01:46
このシーンで何を伝えたいのかをしっかり持つ
描写は出来ているが淡々と進みすぎて焦点がぼやけている
評価お願いします。
(1/7)
田中 恵は悩んでいた。
それはもう、普段テストの時だってここまでは
使わないだろうというくらい脳みそを働かせて。
わずか8歳にして男と女の、そして女同士の人間関係について。
事の発端は隣の席の茜ちゃん。
「あたし、ほんとは女の子とも遊びたい」
恵はへぇ、と相槌を打ちながら内心意外に思っていた。
茜ちゃんはなんていうかおモテになる女の子で、
いつも男子のヒーローごっこでお姫さま役をやったり
戦隊モノのピンクをやったりしている。
古い言い方をすればマドンナ、クラスのアイドルちゃんなのである。
恵とも席が近いので話はするものの、遊んだことなどほとんどない。
「でも誘ってもらったのに断るのも悪いし…」
「また今度誘ってね、とか」
そんなに嫌なら断ればいいじゃん、とか思っていたことは
おくびにも出さず提案してみる。
731 :
730:2005/12/05(月) 23:36:55
(2/7)
恵には理解できない世界だ。
恵なら断るほどでもないと思ったら我慢するし、
我慢できなかったらさっさときっぱり断ってしまう。
「………」
慰めの言葉でもかけてやるか、と恵が口を開いたのと同時に
元気の良い少年の声が響いた。
「茜ー!グラウンド行こうぜ!!」
茜ちゃんが「じゃあ」、とか言って席を立った。
私もそれに続くと予想通りちょっと不思議そうな顔をされた。
私はにっこり笑って茜ちゃんの手を掴む。
「倉田!今日は茜ちゃん私と遊ぶから!」
早口で言って走りだした。机が邪魔だ。
昼休みのまばらな人影を抜いて、走る、走る。
廊下を駆けながらちょっと振り返ると
馬鹿っぽく口をぽかんと開けて、おいかけもせずにこちらを見ていた。
私が手を掴んだままなので、茜ちゃんは黙ってついて来る。
その時の私の心は正義感で満たされていて、
彼女が喜んでいることを疑いもしなかった。
732 :
730:2005/12/05(月) 23:37:42
(3/7)
中庭にでて、一息をついた。
乱れた息を整える。
「ふう。じゃ、茜ちゃん何して遊ぶ?」
「恵ちゃ…」
「あ、いたぞーーー!!魔王め!茜を返せ!!」
「はあ!?」
中庭には入り口が二つあるわけだが、私達が入ってきたのと反対の方に、
明らかに茜ちゃんに惚れてる倉田とおヴァカな仲間たち。
もとい、茜ちゃんの取り巻き連中が走りこんで来た。
ていうか、魔王ってなによ。
どうやらいつものヒーローごっこの続きで、
あたしはお姫様をさらった悪の大魔王にされてしまったらしい。
そして、よってたかって魔王を倒すつもりらしい。
言いたかないけどあたしだって女の子なのに。
なんて卑怯な勇者さまたち。
733 :
730:2005/12/05(月) 23:38:12
(4/7)
「行こう!」
あたしはまた茜ちゃんの手をひっつかんで走りだす。
走りながら舌をだしてやった。
魔王はあんたたちよ。お姫さまは女の子と遊びたいんだから!
今来た廊下をまた戻りだす。
足の速いやつが2,3人結構近くまできていたりする。
「茜ー!今助けるからなーっ」
「待て待てーっ!」
このまま走ってたら追いつかれる。
私はさらに加速して、曲がり角をいっきに曲がって
すぐそこのロッカーの陰に隠れた。
正直、賭けだったが上手くいったようだ。
猪突猛進、勢いがついてすぐ近くはみないし止れない。
それでこそ倉田と仲間たち。
734 :
730:2005/12/05(月) 23:38:58
(5/7)
不意にがらっと後ろのドアが動いた。
電気が消えてたのに教室を使っていた人がいたらしい。
「佐伯。あんたなんでこんなとこいんの」
「おまえらこそ。邪魔だ、どけ」
つま先でちょいちょい蹴り上げてくる佐伯に
眉を吊り上げながら、なんでよ、と再度問う。
「忘れ物とりに来たんだよ。…おまえらが一緒って、めずらしいな」
こういう時はめざとい。
「倉田たちから逃げてるの」
あからさまにバカにしたような顔をした。
「おまえ、あんま首つっこまない方がいいぞ」
「ほっとけ」
「……あ」
735 :
730:2005/12/05(月) 23:39:38
(6/7)
今まで黙っていた茜ちゃんがぽつりと声をもらした。
「そこまでだ!魔王!」
いつの間にか10人のムカつく勇者さまたちに取り囲まれていた。
なんかもう袋のネズミ状態で、抵抗のしようもなかった。
「…茜ちゃんはね、本当は女の子とも遊びたいって言ってたよ。
あんたらがいつも取り囲んでるから、できないんじゃない」
倉田はちょっとムッとした顔をした。
「茜、行こうぜ!」
それを皮切りに、口々に茜、茜と叫びだす。
「茜ちゃん」
気にすることないよ、と言おうとしたのに。
「うん…」
なんて可愛らしい返事をして、頬を赤く染めて、
茜ちゃんは倉田たちのもとに駆け寄っていってしまった。
736 :
730:2005/12/05(月) 23:40:15
(7/7)
その光景たるや、正に魔王から救け出されたお姫様で。
その顔はどう見ても心から喜んでいて。
「………」
倉田たちは「姫を取り戻したぞー!!」とかいって大喜び。
そのまま茜ちゃんもろともさっさと行ってしまった。
あたし、茜ちゃんの相談にのってたんじゃなかったっけ?
それから何分経ったのか、いつしか佐伯がぼそりと告げた。
「夫婦喧嘩は犬も食わない、っていうんだよ。こういうの」
その言葉はあたしの今の座右の銘になった。
737 :
720:2005/12/06(火) 02:18:26
>729
評価有難うございました。
一応、伝えたかったことはあったのですが、
読み返してみるとたしかにぼやけていました。
読んでくださる方に伝わらなくては小説の意味がありませんので、
そのあたり精進して出直したいと思います。
>730
実体験をそのまま書いても他人にはおもしろくない
739 :
730:2005/12/06(火) 12:50:43
>738
評価ありがとうございました。
そのまま、というわけではないのですが、
もっと脚色をつけたりするといいのでしょうか…
>730の話は最後二行とそれ以外に別れるが
最後二行を言いたいための前振りなら長すぎる
前半が話したいことなら二行は蛇足
そして全体として「私は間違ってない」と押しつけがある
自分以外の心理描写がないから意味不明になる
押しつけというか誘い受けだな
自分中心だから、状況とか背景の描写が省かれて
台詞を誰が発したのかがわかりにくい。
伝えたいものを書く、にとどまらず
伝えたいものを伝える努力をしてほしい。
743 :
730:2005/12/07(水) 21:54:34
>740-742
ありがとうございます。
とても参考になりました。
もっと精進して、また来ます。
744 :
スペースNo.な-74:2005/12/18(日) 21:39:28
あげ
激しく遅いスレだけど。
>>720 雰囲気小説です。オナニー小説です。
童貞の描いたエロ漫画、異性と付き合ったこと無い人の書いた恋愛小説です。
鑑賞には耐えられますが、鑑賞する意義が見当たりません。
なぜか? と思い、その理由を考えました。
この話のキモの部分がバッサリと省略されてるからですね。
燕の王子丹から秦王政の暗殺を依頼された荊軻。
荊軻と親しく付き合う筑の名人高漸離。
この話の中では、二人は深く愛し合っている。
愛するがゆえに、自らに与えられた秦王暗殺という使命を高漸離に話さない荊軻。
しかし、荊軻の態度からその使命を悟り、恋人である自分に吐露してくれない荊軻の心を恨む高漸離。
その葛藤と融解が語られて初めて成立するのが720のお話なのでは?
>>720 文法的には、口語と文語がごちゃまぜになっているので統一しましょう。
「?」・「!」の後ろは一文字分空けましょう。読みやすくなるよ。
会話文や自白文以外の「?」の使用は避けましょう。必然性がありません。
誤字は723の末尾部「多寡をくくって」。「たか」は漢字にすれば「高」です。
工夫したほうがいいと思う点は、人名部。
全部が全部、「荊軻」と「高漸離」じゃおかしいでしょ。
特に高漸離は筑の名人という素晴らしい設定があるのに、活かされてない。勿体無いよ。
いいなーと思ったのは、あの有名な別離の言葉を二人きりの別れのシーンに使ったところ。
但し、「壮士」だと愛も情も感じないのでそこだけ変えるとかあったらグッときたかも。
そんなとこデス、ハイ。
このスレの方針とはちがうかも知れんのですが、
とりあえずストーリー(というか設定)を書きます。
1、天気を自由自在に変える事のできる少女と、その
秘密を知った少年の話
2、『香り』食料にして生きる、ヴァンパイアの話
3、まぬけな狼の妖怪にとりつかれ四苦八苦する少年と、
彼を助けようとする巫女の話。
4、とある事情でひきこもりになってしまった美少年と
いきなりあらわれた不思議な少女の話。
5、日本の人口が100人になり、ある国の保護下に置か
れる話。
6、超イケメンヲタと激萌え腐女子がある計画を企てる
話。
とりあえずこの中から一番評判のよかったもので小説を
書きたいと思ってます。『簡潔すぎてわからんわー!』って
人がいましたら、詳しい内容を書きますんで。(4番の
不思議な少女ってどんな風に不思議なの?とか)
というわけでお願いしますー。
なるほど、冬って事か・・・。
とりあえず、どれでもいいから一本書いて落とせば?
話はそれからだろ。
あ、もしかしてスルー認定だった?
コメディが書きたいのか恋愛が書きたいのか
感動巨編が書きたいのかそれとも短編か、何も分からん状態でどう判断しろと。
個人的には全部コメディに見える。
750 :
720:2005/12/28(水) 01:05:25
>745さん。
厳しい指摘有難うございます。確かに恋愛については雰囲気でしか知りません。
オナニー小説といわれればそのとおりです。
2人の愛情の部分は読み取ってくださって有難うございました。
「葛藤と融解」については、まさにそれをテーマとして軸にして書いていました。
前半の部分が葛藤と喧嘩、後半の部分が融解なのですが、
ばっさり切り捨てられている形にうつりましたか…orz。
前半は、御互いの心を隠そうとする二人ですが音にそれがあらわれてしまい、
後半は、御互いの音で御互いの心を了解して、二つの音が重なり合うことで、
プラトニックにアレを表現しようとしたのですが、失敗しました…orz。
自分では、書ききったつもりになっていたところがお恥ずかしいです。
……顔洗って出直します。
生きて存在する人間を書いているというよりは、箱庭でのお人形遊び的な小説であることは、
本当にご指摘のとおりで、自分では分らなかった足りない部分を指摘していただいて、
はっとさせられました。本当に感謝しております。これからは、
・テーマを自己満足ではなく読んでくださる方に具体的に提示する形で表現。
・人間観察の目を鋭くし、生きた生身の人間の息吹を感じさせる描写を増やしてみる。
これらをこれからの目標として頑張ります。
有難うございました。
751 :
720:2005/12/28(水) 01:39:04
あげてしまいました。すみません。
>746さん
ご指摘有難うございます。
まず、文法ですが、ご指摘の通り文語、口語、ごちゃ混ぜです。
文章として文語リズムを残した口語体を目指していまして、
それが悪い形で露出してしまったかもしれません。気をつけます。
明治初期の文体など読み返して参考にしてみます。
読みやすさの点ではいろいろアドバイス有難うございます。
それに、たしかに地の文に?はおかしいですね。
また、漢字のまちがいご指摘有難うございます。
基本のあたりですのに、ほんとうにお恥ずかしいです。
ワープロの変換に頼らず、辞書を傍らに置くようにします。
人名ですが、中国物として、字があればそれを使っていたんですが、
残っていないですよね…(勉強不足でしょうか)
確かにそのまま使ってはおかしいですね。字の残っているものであれば、
名と字を場合によって使い分けるのですが、今回はそのあたりをおこたりました。
筑の名人という設定が使われていないとのご指摘に、「しまった」と思いました。
見事な撥捌きシーンを入れればよかったかもしれないと後悔ですorz。
実はこの短編続きものの一部でして、これから高漸離が筑の名手として活躍するのですが、
(暗殺をひきつぐ部分もふくめて)ここで伏線はっておけばよかったとたしかに思いました。
2人の別れのシーンはお誉めの言葉をいただいて嬉しいです。有難うございます。
ただあの言葉に、手をいれていいものかどうかは、実はかなり迷いました。
白文そのまま使っているわけではなし、すでに日本語訳になっているんですが、
それでもやはりためらわれまして…。
意味は変えずに、漸離や荊軻の想いを込めた言葉として、
訳語と言う形でなら、多少手を入れても構わなかったでしょうか。
>>720 わたしが感じたバッサリ感は、前半と後半を結ぶ線がボヤけてるからかな。
乖離を感じたのは、前半では荊軻の使命を知らないのに、後半では前触れも無くそれを知っていること。
どうして知っているのか。知ったときの高漸離の気持ちはどうだったのか。
荊軻が敢えて高漸離に話さなかった理由を知った高漸離の懊悩など、心が激しく動いたに違いない場面が無いから。
720自身を高漸離に当てはめて、その情動の変遷を考えてみると、もっと実感に溢れたものになると思う。
人名については、字に拘ることは無いよ。
比喩表現などの、人物を人間以外で表現する方法をとるとかね。
この部分だけでは余りにも「荊軻」・「高漸離」過ぎる嫌いがある。
短編続きものというと、たぶん高漸離が盲目になってでも始皇帝暗殺を図る話かな。
あの話もいろいろと膨らませがいがありそう。
歌の部分は悩むところだとは思う。
訳語としての変更は十分にアリかと。
そのへんは原作を重視したいというのもあるし、ほんと迷いところだね。
厳しいことばっか言ったと思うけど、ぜひぜひ頑張って書きまくってほしい。
753 :
スペースNo.な-74:2005/12/28(水) 12:50:51
>>747 興味を持てなくはない……2、5
凡庸……1、3
視界に入れたくもない……4、6
理由を書こうとしたけどもういるかどうかも分からないし、気力もない。
とりあえず設定にある程度のリアリティーを追求できるもの、
見せ場が作りやすいものから書けば。
754 :
747:2005/12/28(水) 17:24:54
>>748 >>749 >>753 とりあえずレスしてくれてありがとうございます。
正直スルーされても仕方ないと思ってましたんで。
皆さんの言うとおり、自分で絞って書いて見ます。
自分のことくらい自分で決められなきゃ、小説なんか
書けませんよね。話ができあがったらまたお邪魔
すると思うので、その時は、少しでもいいので
目をとめていただけるとうれしいです。
ありがとうございました。
なんかものすごく2chにあわない文体で
すいませんorz
>747
もう少し詳しく書かないとわかんねーよ、例えば1番目の
>天気を自由自在に変える事のできる少女とその秘密を知った少年の話
これだけだとコメディでも恋愛でも冒険でも推でもなんでも出来る
逆に言えばこの材料だけでは善し悪しを判断できない
ていうか、何で一つしか書かないわけ?
全部書けばいいじゃん。
757 :
747:2005/12/29(木) 15:49:03
>>755 レスどもです。実は一番目のヤツは3年前からだらだらと
書いていたもので、だいたいの話はまとまっているんです。
一応コメディだったのですが、今見るとあまりにも
酷いため、目下修正中です。
>>756 ああなるほど。全部書く。そういう手もありますね。
昨日1日考えた結果、1番の小説を書くことにしました。
といっても、二行目で書いたように、以前から書いて
いたものなので、全体を大幅に修正する感じです。
皆さんありがとでした。
758 :
720:2005/12/29(木) 18:48:05
>752さん
凄く細かいところまでいろいろと有難うございます。
確かに高漸離の心の動きについては、描写がかなり不足していました。
荊軻がひとり道を歩くシーンと対比して、
高漸離が荊軻の決意に気付き、最後のあのシーンの覚悟へと想いが
つながるまでのその心の動きも描くべきでした。
指摘していただくまで気付かないなんて、ほんとうにお恥ずかしいです。
見落としていた部分がかなりあり、本当に勉強になりました。
名と字と官職名以外に、比喩表現という方法もありましたね。
あえて、名を呼ばないという方法もいろいろ考えてみます。
きっとご存知でしょうが、古代中国がらみの小説では、
人物名が日本の漢字で書きあらわせない物も多くあり、
Web上では苦しいところですので、ぜひ使わせていただきたいと思います。
歌の部分は、本当に迷うところで、あの歌のリズムをそこなわず、
上手い訳語が思いつけるだろうかと、頭を捻っています。
短編続きものについては、ここから実は高漸離の激しい感情の動きを描く計画も
ありました。前半は「静」で癒しの人だったこの人が後半は「動」となり半狂乱になりつつ、
もうひとりの友人のとめるのも振り切って暴走を始める予定でした。
そちらでは、高漸離の暴走の感情の起伏も、またそれを止める友人の感情の起伏も、
しっかりと描いていきたいと思います。
同じ干物ジャンルの方でしょうか。今回は厳しいご指導ありがとうございました。
いただいたご指摘は大切に保存させていただき、
これから何度も読み返して悪い部分を直していきたいと思います。
759 :
747:2006/01/14(土) 16:54:51
以前このスレで醜態を晒した者です。今回は真面目に
書いてきました。評価お願いします。
(1/2)
時々、明け方に目を覚ます事がある。
時計を見ると、午前4時。
窓の外に広がる空は、なんともいえない薄暗さ。夜とも朝とも
思えぬ、中途半端な色。
好きだな、この空……。
人はもちろん、鳥の声もしない。聞こえるのはわずかな風と、
時々通る自動車の音くらい。
まるで、この世に自分ひとりしかいないのではないか。
そう思ってしまうほどの、静けさ。
だけど、他にもたくさんの生き物がいる、という気配は、
嫌というほど感じられる。
気だるい空気だった。
眠そうに目をこすりながら、ゆっくりと身を起こす。寝不足なのと、
元々低血圧なのが手伝って、軽い目眩を覚えた。
薄暗い室内に浮かび上がる、一つの影。
この、大きなマンションの一室に住む、少年の影だ。
今年で、十八になる、一般的な高校生。少し赤茶けた髪。小柄だが
しっかりした体格。そして、他のどこよりも特徴的な、切れ長の瞳。
どこか冷たく、全てを見通すような深い深い漆黒の瞳。今は寝不足で
不機嫌そうに歪んでいるが、普段は中々端整な顔立ちだった。
760 :
747:2006/01/14(土) 16:59:00
(2/2)
しばらく目眩と格闘したあと、少年は服を着替え、この部屋の
玄関へと向かう。
早く目がさめた今日みたいな日には、いつも外へ出かけることに
していた。彼が編み出した二度寝の防止策だ。
お気に入りのスニーカーをつっかけて、重い扉を開く。
予想以上に明るい光が、ちくちくと目をさした。起きてからの数分で、
大分夜が明けてきているようだ。
光に目が慣れたところで、扉を閉め、しっかりと鍵をかける。
『穂月 都笠』(ほづき つかさ)
ふいに目に入った表札。書かれているのは、一行の文字。
この部屋に、住人は一人しかいないという印。
自分の名前が書かれたこの表札を見るたび、少年、都笠は瞳の中に
少しだけ、憂いの色を浮かばせるのだった。
以上。少年、都笠の紹介と、彼が出かけるまでの短い1シーンです。
まだまだ未熟なんで、少し辛口めの評価でお願いします。
>>759-760 本文3-4行目で「薄暗い」や「中途半端」というマイナスイメージを示唆する語があるのに、
5行目のセリフで突然「好きだな」とプラスイメージの語を投げかけているのが気になる。
素直に読めば、このセリフを発した人物は、普通の人間には結び付けがたい。
精神的にどこかキチ○イ的要素のある人物かもしれないという情報に繋がる。
759だって、どんよりとした空を見ていて隣の人が「いやー、すがすがしい空だね!」
なんて言ったら普通引くでしょ? それと同じ。
8行目で孤独を不安がる表現をしているのに、11行目で「嫌というほど」の描写。
生き物の気配が「嫌」と感じるなら、孤独を好んでいるはず。
どっちだろうと読者の混乱を招くと思われる。
15行目の影。光について一切の描写がないのに、影なんてできるわけが無い。
できたとしてもものすごく薄いはずで、「影」と断じるのはかなり不自然。
少年の形容も極めて凡庸で何の興味も引きません。
暗い景色なら目の形容も暗くしてしまうほうが合うかと思います。
もっとその状況下にふさわしい描写を心がけるべきでしょう。
また「小柄」で「しっかりした体格」は、いわゆる筋肉系のデブ型体形を連想させます。
具体的に身長と体重を想定していればそんな形容にはならないかと。
続き
>>760 3行目「みたいな」は口語に近い表現なので「ような」の書換を勧めます。
同様に「つっかけ」もやや説明的になってしまうが「爪先履き」がいいかと。
「突きそうになる」の「つっかけ」と一瞬混同する可能性もあります。
ともかくこの文章では主人公の実像は掴みにくいですね。
もう少しメリハリ、少年側の主張が欲しいところです。
二度寝防止で外出すること以外に主人公の積極性は一切垣間見れません。
二度寝防止に外出するという行為も、唐突といえば唐突です。
何らかに理由付けがあったほうがmより主人公のカタチがはっきりするのではないかと思います。
評価というよりは感想が多めになりましたが、そんなところです。
取捨選択してください。
763 :
759:2006/01/16(月) 17:18:28
>>761 どうもでした。
単純なワンシーンのはずなのに、かなり駄文だった事に
気付きましたよ。読み直してみるといわれたことがよく
わかります。
言われたとおり、取捨選択して参考にします。ありがとうございました。
昔書いたssの改訂版です。
未熟者ですが、評価お願いします。
(1/5)
一人の花売り娘がいた。
ある時となり町へ使いを頼まれたが、
道が混んでいたので近道をしようと山に入った。
山には山賊がいて娘は襲われてしまった。
こんなところで死にたくない、助けてくれと泣いていると
運良く猟師が通りがかって山賊を斬ってすてた。
猟師が無事かと聞くと、娘は猟師を”人殺し”と蔑んだ。
だが猟師は寂しそうに微笑しただけだった。
とにかくここは危険だから村まで送っていこう
と猟師が言うと、娘はあなたの方が怖い。
それにとなり町へ行くまでは帰れないと言うのだが
猟師はそれじゃあ、俺が前を歩いて
あんたをとなり町まで送っていこうと言った。
となり町へ向かう途中、娘が猟師におびえて一言も口をきかないので、
何とか安心させてやれないものかと 猟師は歌ったり、世間話をしたりしたが
軍歌や獣を狩った武勇伝では逆効果だった。
だが、しだいにこの男に悪気はないのだとわかってきて
娘もとうとう口を開いた。
道の脇に咲いていた野薔薇を指して言う。
「あたしは血なまぐさい話なんかより、こういう、
きれいな紅い薔薇の花が好きなの」
たったそれだけのそっけないものだったが、猟師はとても嬉しそうだった。
(2/5)
やがて、もう少しで町へ着くかという頃。
猟師は娘に別れを告げようと後ろを振り返った。
仲間が居たのだろう。
そこには山賊が立っていて、今まさに娘に斬りかかろうとしていた。
娘はいきなり突きとばされてわけがわからなかったが
振り返った先に赤い血がみえて、
無我夢中で町まで走った。
叔母の家についてやっと、我にかえって泣き伏した。
それから2年後。
山奥のあの場所で娘は花を供えていた。
あれ以来山賊が怖くて林にすら近づかなかったが、
行かなくては、行かなくてはと思いつめて
ようやく今日明るい内に抜け出してきたのだった。
墓を参っていると、ふいに物音がした。
どういう因果か、後ろにあの時の山賊が立っていた。
山賊の額にある大きな傷はこの2年間娘の脳裏に焼きついて、
1日たりとも消えたことはなかった。
娘は死にたくはなかったが逃げる気もなかった。
あの日逃げたことは重い、重い罪として娘の心にずしりと圧し掛かっていた。
だが十六のただの花売り娘が山賊に対抗できるすべなど、なかった。
(3/5)
山賊が斧を振りかざした。
娘はただ、山賊を激しく睨み返していた。
今正に殺されようとしながら娘は頭の片隅で思った。
この男はあの山賊の兄弟かなにかだったのだろうか。
額の傷以外はそっくりだった。
目の前が急に暗くなって、ああ、とうとう死んでしまったのかと娘は思ったが
どうやらそれは違ったらしい。
頭も足も、体のどこも何の変わりもなくて、
どうしたものかと思っていると野太い男の叫び声が耳をついた。
山賊が 黒い大きな猫に手首をガブリと噛まれて悲鳴をあげていた。
大きいといっても1メートルくらいしかない、
ただの猫が、あんな大きな山賊を。
その光景を見て娘は無性に泣きたくなった。自分が情けなくて仕方なかった。
いくら獣とはいってもあんな自分よりも小さい猫でさえ
あんな大男と戦っているのに。自分は何もしていない。
逃げて、護ってもらって、今度は無抵抗で殺されようとしている。
なんて無様なんだろう。他人にしてもらってばかりだ。
あたし、できないんじゃなくてしてないんだわ。
娘は猟師の墓を作るために持ってきた大きなスコップを両手で掴んだ。
(4/5)
気がつくと血にまみれて横たわった山賊がいて、
いびつに歪んだ紅い色の混じったスコップを持った自分がいた。
しばらく放心していたらしい。
再び気がついた時には、目の前にあの大きな黒猫がいた。
攻撃してくる様子もなくて、
娘にはまるで黒猫が自分を助けてくれたかの様に感じた。
どうして助けてくれたの、と思わず聞くと
猫は何か言いたげな顔をして 口にくわえたものを娘にわたした。
それは1本の綺麗な紅い薔薇だった。
(5/5)
娘の目からつ、と涙が溢れた。
娘を元気づけようと軍歌を歌って
楽しませようとして血なまぐさい武勇譚を語った、
不器用な男の影が重なった。
本当はあの日男が山賊に斬り殺されたのを見てから
紅い薔薇も血のように思えて苦手になっていたのだが、
娘は微笑んでうけとった。
「あなたなの?」
娘が紅い薔薇を好きだと知っているのは死んだ祖父を除いて彼だけだ。
猫は一度だけミャオンと鳴いた。
娘は黒猫を抱きしめた。
短い所に量を詰め込みすぎ。あらすじ読んでる気がする
770 :
764:2006/01/22(日) 19:06:32
>769
ありがとうございます。
恥ずかしながら正にそのとおりです…
言われて初めて気づきました。
小説らしく書けるよう精進します。
〜した。
〜した。
ってのが続いているので、流れが切られているような印象を受ける、
だからあらすじ読んでいるなんて言われるんだろう。
説明で済ませている部分を、もっと会話を増やしたら臨場感が出ると思う。
>猟師は娘に別れを告げようと後ろを振り返った。
>仲間が居たのだろう。
>そこには山賊が立っていて、今まさに娘に斬りかかろうとしていた。
ちょっとこの部分がわかりにくい
どんな状況なんだ
772 :
764:2006/01/23(月) 20:43:49
>771
指摘ありがとうございます。とても助かります。
会話を増やして、もっと場面の一つ一つを伸ばすと良いでしょうか?
”〜した。”の描写には今後気をつけます。
>猟師は娘に別れを告げようと後ろを振り返った。
>仲間が居たのだろう。
>そこには山賊が立っていて、今まさに娘に斬りかかろうとしていた。
この部分は
町が見えてきたので別れの挨拶をして自分も帰ろうと
先頭を歩いていた猟師が娘の方(後ろ)を振り返ったら、
山賊が娘の背後から娘に斬りかかろうとしていたという状況です。
最初に娘を襲った山賊の仲間ということを書こうとして
こういう描写になってしまいました。
猟師は少女を振り返った。
猟師は少女の仲間が居たと思った
山賊は少女に斬りつけようとしていた
山賊は娘を突き飛ばした
前の文と主語が変わっていることを明記しないとこんな文脈になる
774 :
764:2006/01/23(月) 22:32:59
>773
ありがとうございました。
今度から主語もきちんと書いていくことにします。
自分の見直しだけでは気づかなかった事を教えて頂き、目から鱗です。
御指摘頂いた部分を全てチェックし直してもう一度書き直そうと思います。
大変参考になりました。
ありがとうございます。
第三者視点で状況説明してる上に、娘と猟師の会話が少ないので
読者は感情移入しづらいね
小説ではなく、台本っぽくなっている。
>猟師が通りがかって山賊を斬ってすてた。
この場面は物語の一つのヤマだと思うんだが、あっさりと説明で終わってしまっている。
娘の悲鳴、猟師の声、格闘シーンを書かないと、読者は”あなたの世界”を想像出来ない。
猟師は刀で斬ったのか?銃で撃たなかったのか?格闘技か?キャラの設定が出来ていない。
>猟師は歌ったり、世間話をしたりしたが
ここだって、猟師の性格を読者に知らせるシーンだろう。
どんな風に歌っているのか?荒々しいのか?意外とメルヘンな歌なのか?
つまり、猟師の性格がわからないのがこのSSの欠点。
このssのメインのシーンは
・猟師の戦闘シーン
・猟師と娘の会話シーン
・二人の再会シーン
かな?
これらをふくらませてみたらいい。
あとはキャラの名前だ。2ちゃんじゃあ出したくないだろうからいいけども、
自分で発表するときはキャラに名前をつけよう。
娘や猟師では感情移入出来ない。
がんばれ!
776 :
764:2006/01/24(火) 22:16:14
>775
丁寧な指摘ありがとうございます。
キャラ名とキャラ設定、見せ場のシーン等
丁寧に考え直して書いていこうと思います。
思い切って晒して良かったです。
頑張ります!
冒頭部分ですが、よろしくお願いします。
(1/2)
「お姉ちゃん、帰ろ」
教室の扉から早苗がぴょこんと顔を出した。
友達が「妹が来てるよ」と教えてくれるから、無視したくてもできない。しかたなく翠はランドセルを背負った。
扉の脇に張り付いている早苗はにこにこと笑っている。その笑顔に翠は、自分の気持ちが下降するのがわかった。
「また明日ね」
「うん、バイバイ」
教室に残っていた友達に声をかけて、翠は早苗を促した。
通学路にはちらほらと他の子供たちの姿が見える。皆友達同士のようで、笑いあう声が翠にも聞こえてくる。
「今日ね、テストがあったんだよ」
「ふうん」
「西尾くんが貧乏ゆすりするから、すごい邪魔だった」
翠は早苗の話に適当に相槌を打ちながら、ほとんど話を聞いてはいなかった。
翠は6年生で、早苗は2年生になる。去年は早苗が小学校に入ったばかりだったから、一緒に行くのも帰るのも我慢できた。
でも学年が上がったのに早苗はいつも翠と一緒にいたがる。
翠が怒っても、友達と遊ぶからと言っても、早苗は聞き入れない。教室にまで来るから友達だって遠慮してしまう。
そろそろじめじめとした梅雨になるけれど、最上級生になってからの間、翠が早苗と別々に帰ったのは片手で足りるほど。
早苗に友達がいないのかと思えば、休み時間には校庭で大縄をしたり、ドッヂボールをしている姿を見かける。
(2/2)
「聞いてるー?」
急に手を引かれて視線を下げれば、早苗が口を尖らせていた。
「聞いてるよ。それで、どうしたの?」
いい加減、妹のお守りは辞めたい。
けれど当人はもちろん、母親に訴えても「お姉ちゃんなんだから」と流されてしまう。大人はいつだって小さい子の味方だ。
「ねえねえ、ここってお願い事が叶うんでしょ?」
早苗が指差したのは細い路地だった。
アスファルトではなく地面がむき出しになっていて、路地の奥には小さな祠がある。
祠の裏には一本の大きな木があり、お爺ちゃんやお婆ちゃんに、とても大切にされている。
翠も早苗の言ったことを聞いたことがあった。真夜中、祠にお供え物と一緒にお願い事をすれば叶う、と。そんな噂が小学校で流れている。
同じ小学校に通っていた父親に話したことがあったが、「父さんのときもそんな噂が流行ったけど、叶ったやつは聞いたことがないな」と、笑われただけだった。
「そんなの噂に決まってるでしょ」
早く帰るよ、と、早苗の手を引っ張って、翠は歩き出した。
「つまんないの」
早苗が手を離して先に走っていく。その後ろを追いながら角を曲がる瞬間、翠はちらっと路地を見た。
そのときは、いつもの通学路と変わらない風景だった。
以上です。
うまく心理描写が書けなくて、説明文のようになってしまうのが悩みです。
779 :
スペースNo.な-74:2006/02/05(日) 00:42:27
いいんじゃない?
これから何か不思議なことが起こりそうな感じになってる
今後書くんだろうけど、妹がなぜ姉にべったりなのか説明が欲しいな
>>777-778 これは姉が主人公なんですよね?それなら、姉の心理を書けばいいわけですよ。妹を煩わしく思っているなら妹の発言の後とか『うっとうしいな、と思いつつ〜〜』ってカンジに。要はキャラを絞らなきゃダメということです。
ダメな例
「今日ね、テストがあったんだよ」
早苗は翠の気を引こうと、そんなことを言い出した。
翠はさして興味がなかったが妹が落ち込むと思いとりあえず適当に相槌をうっておくことにした。
「ふうん」
「西尾くんが貧乏ゆすりするから、すごい邪魔だった」
姉がちゃんと話を聞いてくれることを嬉しく思った早苗は━━━
これだと二人の心理がごっちゃになって分かりにくいですよね?こうなるので、焦点を絞って下さい。心理を表したいキャラを変えたい時は、章を変えましょう。心理についてはこんなもんです。言葉足らずで申し訳ない。
あと、微妙に気になるのが、発言がたまに小学生らしからぬ、とまでは行かないでも、もうちょっと適切な表現があるのではないかと思いますよ。
よくある設定の、主人公がヒロインに起こされる朝。を書いた場面です。
三人称の使い方がいまいち分からない。これで良いのかな?
目覚まし時計が鳴っている。
夢と現実の境界をベットの中で行き来しながら、太郎は布団を頭までかぶった。
うるさい、とは思っても、時計のベルを止めに行かない理由はふたつあった。
ひとつめに寒いから。
ふたつめに遠いから。
寒いのは当然のことで、今は二月の初め、ついでに言うと昨日は雪が降った、それを考えるだけで太郎はベットの中の温かみを離す気にはなれなかった。
ふたつめの遠いから、とは時計が遠いのだ、なんの理由があってか、時計は机の上に鎮座する。
机までの距離は今の太郎にとっては、果てしなく遠い。
目の前にあるならば、少々我慢しても止めに行くのだが、そう考えて、なぜ時計は机にあるのかを考えた。
普段ならばベット横のサイドテーブルに置いてある時計、しかし、今日に限っては机の上。
はて、誰かが移動させたのだろうか…。
違う。太郎は自分の考えを切り捨て、昨日の夜を思い出した。
机の上に置いたのは太郎本人である。
少しずつ覚醒していく頭、少しずつ耳障りになっていく時計のベル。
しだいにクリアになっていく思考は、またしても『なぜ?』だった。
なぜ自分はわざわざ机の上に置いたのだろうか。太郎は考える。
考えていると、どうにも妙に体がソワソワしてくるのを感じた。
これは良くない兆候だ。
何かしらの危険が迫っている。
今すぐにでも、ベットの温もりを捨てて、起きなくてはいけない。
それなのに太郎の体が動かないのは、布団から出た瞬間の寒さを想像してしまったからか。
そこまで考えて、どこか遠くで声が聞こえた。
耳によく馴染んだ声だ。
ドタドタと足音、こちらに近づいている。
いよいよ太郎は焦った。
いきなりやられるよりも、自分で行動を起こした方が、――自分でベットから出た方がまだマシだ、だから自分で起きれるようにわざわざ机の上に時計を置いたのではないか。
思考と行動は一致するはずだった。
ミスはいくつかあった。思い出せなかったこともだが、致命的なのは、考えてしまったこと。
『いきなりやられる?なにを?』
思った時にはドアが蹴破られるように開く。
『え?』太郎がそう思った瞬間、布団を剥ぎ取られ、一瞬で身を包んだ寒さに心臓がとまりそうになった。
太郎は半ばパニックになりながら、目の前を見ると幼馴染である花子が立っていた。
花子は太郎を一瞥、続いて時計のベルを止めて一言
「おはよう」
太郎が思ったのはふたつ。
『なるほど』と『さむい』である。
三人称の使い方に関しては問題ないと思います。
ただ、なんか文章がくどい気がします。
そこは読点の方がいいだろ、と思うところが句点だったりするのも原因の1つだと思われます。
自分が書いた文章を今一度見直してみるといいでしょう。
784 :
781:2006/02/05(日) 16:26:01
>>783 さっそくレスありがとうです。
いま読み返してますが、確かにクドイorz
起きるだけでしつこい奴だなw
内面を中心にしてるならともかく、この調子では学校行くまでに何十ページ使いそうだなw
どんな小説を目指してるんだ
786 :
777:2006/02/05(日) 17:46:42
>779
ありがとうございます。
妹が姉にべったりな理由は、これから出てくる予定です。
>780
ありがとうございます。
焦点を絞る、ですね。もうすこし姉の妹に対する鬱陶しさを書いたほうが良かったかもしれないですね。
あと小学生らしからぬ発言は……気をつけます。身近に小学生がいないので、電車に乗るときなどに耳をダンボにします。
小学2年生が貧乏ゆすりとかさすがに言わないだろ
「にしお、うざい」
789 :
781:2006/02/05(日) 22:38:51
>>785 いや、これで物語は終了です。
単純に三人称の使い方練習で作っただけなんで。
……え?そーゆー意味じゃない?クドイってことですか?
支援
――階段
足、一つぶん。
長さにして約25センチ。
これが、彼と私のコンパスの差。
同じリズムで歩けば当然ズレが生じる。
分かってて、わざと同じリズムで歩く。
隣を気にしない歩き方は彼が無神経なのか、傍若無人なのか。
「どうした?」
階段に差し掛かったとき私は駆け出し、彼を少し追い越した。
大嫌いだった階段が大好きになった。
どんなに足が長くても一段、一段と登る階段は私と彼の距離を縮めてくれる。
「別に、何でもないよ」
階段が好きなんだよ、と彼に告げた。
彼は少し眉間に皺を刻み、変な奴だな、と一言呟く。
「25センチも近くなるんだよ」
何も言わずこっちを見てる。
理解できない、と顔に書いてある。
後、二段でまた25センチ離れてしまう。
仕方がないから教えてあげるよ。
私がどの位貴方に近づきたいかを。
791 :
790:2006/03/05(日) 13:18:41
当サイトの拍手お礼SSです
一応BLだったんですが、ちょっとやばいかな…と思いNLにしましたが、今更、無駄だったかも…
792 :
スペースNo.な-74:2006/03/08(水) 01:34:22
即興ですが、よろしくお願いします。
風が舞う、夏の河川敷。
気分は怖いくらいに穏やかで、虫の音色がよく響いている。
「あ、」
「?」
「手、繋ごっか。」
ふ、と笑って手を差し出す。
繋いだ手の温度は、初めて手を繋いだあの頃のまま暖かくて、なんだか泣きそうになった。
「…好き」
「うん」
「っ…大好き」
やっぱり、大好き。
離れたくない。 これ以上遠くに行かないで。
相槌はないまま、腕の中に閉じ込められた。
私の名前を呼ぶ声と髪を撫でる指先が震えている。
「…大好き。」
抱き締められてあなたの肩越し、満天の星空と月の綺麗な夜。
私達は、打ち上がる花火に輝かしい未来を夢見て、「さよなら」のキスをした。
>>792 小説というより、詩またはモノローグといった印象。
詩としてならいいと思うのですが、
小説として書いているならいろいろ説明不足だと思いました。
例えば、会話が始まる前、二人はどういう状態なのか。
歩いているのか、立ち止まっているのか、座っているのか。
「あなた」がどんな人かもうちょっと知りたい。
大好きなのに「さよなら」のキスをする理由って?
即興ということなので、そこまで考えてないのかもしれないけれど、
もうちょっと書いてもらえないと批評しにくい気がします。
あと、単なる私の好みですが、
夜であることは冒頭で分かるといいと思います。
794 :
スペースNo.な-74:2006/03/17(金) 22:54:35
ageてもいいですかね?
とりあえず即興なのでオチ的な部分がないのですがよろしくお願いします。
声が、聞こえるんだ。
心の中でああまたなのか、と。そしてまた誰にも聞こえないような声量でこっそりと呟いた。
誰も信じてはくれないだろうからと話したことは一度もないけれど、ここ数日の間に不思議な声が聞こえる頻度が格段にあがっている。
いつもと違うことといえば、今は春休みで、両親の田舎へと家族揃って帰省しているということぐらいだ。
そして母親のお腹の中には、淳にとってはだいぶ年の離れた妹になる子供がいまだに眠っている。既に一度妊娠出産共に経験しているせいか、母は大きくなったお腹でも別段不便になった風を見せないが実際のところはそうでもなかったのだろう。
毎年夏休みのみのはずの田舎への帰省が突然決まっても、淳は別段驚かなかった。
それどころか、むしろ喜んだぐらいだ。
都会独特の煩わしさはその便利さのことを考えれば頷けるものだけれど、淳は田舎の、誰が考えたって不便な場所だとしか思わないだろう独特の雰囲気が昔から好きだった。
都心でずっと育っている影響のせいだろうか。両親は逆に田舎よりも都会が落ち着くということも多いけれど、高校を卒業して家を出ることになったらこんな場所で暮らしてみたいと何度も思っている。
それぐらい、淳はこの田舎が好きだった。
向こうでは味わえない澄んだ濃い空気の味に、広い空。空が空であることは変わりないはずなのにこんなにも違って見えるとは、なんて素晴らしいんだろう!初めて空というものの広さに気付いた時は感動してしまって、ぼろぼろ泣いたものだ。
両親はそれを勘違いして、初めての田舎に戸惑っているうえに人見知りしているのだろう、と解釈していたらしいからそれを知らないだろうけれど。
特に深いことを考えずひたすらがーっと書く癖が
ついてしまってるので普段の自分の人称がよくわかってません
…というかころころ変わってしまっているような気がします
あまり自分の文章を評価してもらう機会はないのでずばっとお願いします
>>794 通りすがりの辻批評だから気にしないでな。
とりあえず、短い文章なら語り部が本人なのか第三者(書き手)なのかハッキリしてくれ。
君は淳の目線で書いたのだろうが。
>そして母親のお腹の中には、淳にとってはだいぶ年の離れた妹になる子供がいまだに眠っている。
ここで唐突に第三者の目線に語り部が変わる。
語り部が淳ならば「僕にとってはだいぶ」とすべきだが、
固有名を出す事と語り口を変えて表現したかったのだろうが違和感がある。
>都心でずっと育っている影響のせいだろうか。両親は逆に田舎よりも都会が落ち着くということも多いけれど、高校を卒業して家を出ることになったらこんな場所で暮らしてみたいと何度も思っている。
言いたい意味は無理に理解できるが...
両親が都会育ちと読み違えるよwww
例えばだ
都心でずっと育っている影響のせいだろうか?
僕は高校を卒業して家を出ることになったら、こんな場所で暮らしてみたいと何度も思っている。
逆に両親は「田舎よりも都会が落ち着く」と言うことが多いけれど。(この部分は大幅に主旨と意味を変えた)
が勝ってな修整例だな。
他にも...まぁ、がんばれ。
物語とかの評価は短いから無しだw
連投すまんな。
もしかすると改行と段落を間違えたのか?
> 都会独特の煩わしさはその便利さのことを考えれば頷けるものだけれど、淳は田舎の、誰が考えたって不便な場所だとしか思わないだろう独特の雰囲気が昔から好きだった。都心でずっと育っている影響のせいだろうか。
両親は逆に田舎よりも都会が落ち着くということも多い...
もしこれなら、的はずれな指摘だったな。
日にち経ってるしもう本人どっかいっていなさそうな気がするけど。
>>790 読む人がキャラや設定を知っている二次ならこれでいいと思う。
でも背景が分からない人間が読むと引っかかる部分がある。
ささいなことだけど。
>大嫌いだった階段が大好きになった。
例えばこことか。
大嫌いが「階段が大好き」を強調するためだけの言葉なら、別の表現(例えば
一緒に歩くようになって階段が好きになった、とか)のほうが納得しやすい。
階段上がるのマンドクセな人はいても階段大嫌いな人はあまりいないので
本当にささいなことなんだけどそこで引っかかってしまう。
あるいはもし「私」が元々階段嫌いなキャラならどこかにその説明を入れるとか。
それとラスト三行。
個人的にはすごく違和感あった。ただこれは多分感性の違いかもしれない。
文章そのものは読みやすいです。
拍手SSだから描写を省いたのだろうけど、モノローグとも場面切り取りSSとも
しれない半端な感じがする。
日常の一コマとして描くなら、もう少しだけ描写を入れたほうがいいかも。
798 :
1/2:2006/03/31(金) 22:30:33
今書いている小説の冒頭部分です。
必死ぶりの三人称で少し怪しいかもしれませんが。
改行についてはどうしようかと思いましたが、とりあえず自分の書いたとおりに貼り付けます。
その音は丁度、大鷲が空へと飛び立った時の音のようだった。空を見据え、未だ見ぬ高い場所へ飛び立った時の音のようだった。
その場所は丁度、地平線の向こうに太陽が沈んだ直後のようだった。明日を見つめ、未だ来ぬ明日を希望の目で見つめるためにある場所のようだった。
モノトーンに沈んだ部屋を切り裂くように微かに開いたカーテンの隙間から光が降り立ち、汚し方すら想像できないほど真っ白なシーツを眩しく光らせている。乱暴にはねのけられた布団は、ただその場所に鎮座し、はねのけた人物は、ただ息を乱していた。
「一体………なんだったんだ…今のは…」
最後に音が部屋を満たしてからしばらくが経ち、ようやく次の音が部屋を満たしたのは、彼の息が十分に整ってからだ。
彼の名は森田優。国立大学に通う学生で、既にお酒も飲める年齢。身長は比較的高めで、さっぱりした顔立ちの青年だ。
朝日の差し込む部屋、優はベッドの上で手を組んで、目を閉じた。鮮烈なイメージの残るうちに、夢を記憶するために。
799 :
2/2:2006/03/31(金) 22:31:27
だが、その必要は全く無かった。何故ならその夢は、一度見たら忘れられないほど、優の脳裏に嫌と言うほどこびりついたからだ。
一人の少女が線路に飛び込む夢。いや、正確に言えば、遮断機の下りた踏切の中に少女が佇み、それをなぞるように列車が通過した夢。それが、優の見た夢だった。
見覚えのない少女。
端整な顔立ち。
十八歳ぐらいの少女。
遥か向こうを見据える瞳。
冷たい目を持った少女。
「一体…誰だったんだ…」
ようやくベッドから下りた優は、そんな独り言を発しながらも、淡々と大学に行く準備を始めた。
以上です。
>798
簡潔な文章が好みなので、饒舌体かなと思えるものには点が
辛くなってるかもしれない。そのつもりで批評読んでね。
文章に重複表現が目立つ。
まず>798の冒頭四行。単語の重複と、「〜のようだった」が目に付く。
比喩表現を連続させたいなら、せめて文末を変えるとかしたほうがいい。
〜のようだった。→〜に似ていた。〜のように見えたor聴こえた、とか適当に。
それと>799の>見覚えのない少女〜以降五行、全部体言止めは多すぎる。
文章の流れの中で浮いている。そしてこの数行の中に「少女」の単語多すぎ。
あと描写と説明がごっちゃになってる。
>彼の名は森田優。国立大学に通う学生で、既にお酒も飲める年齢。身長は比較的高めで、さっぱりした顔立ちの青年だ。
こことか。
多分頭の中の情景をきっちり伝えようとしてるのかもしれないけど、
全体に不要に思える描写が多い。
でも話の雰囲気は悪くない。これから何が起きるのか、と期待感が持てる。
801 :
798:2006/03/32(土) 22:29:30
>>800 レスありがとう。こういう系のスレに文章を晒すのは初めてだから緊張した。
今の課題は文章のリズム感。
繰り返しのリズムってことで、重複表現を使ってみたけど、むずかしいなあ。
描写と説明の混在、って言うのは突っ込んで貰って助かった。今まで全然気づかなかった。
なんかやる気出てきたから、もっと精進するよ。
803 :
1/2:2006/04/24(月) 18:15:02
とある小説の二次創作です。主人公の子供時代を書いた話の冒頭部分、昭和40年代の設定です。よろしくお願いします。
夏の昼間は、果てしなく思えるほど長い。
太陽はようやく傾きはじめたが、空気に重さを感じさせるほどの熱は、一向にさめる気配すらない。
気のせいか青黒く光るアスファルトの道路がかすかに柔らかく熟れているようで、足を差し入れるとずぶずぶと埋まっていくような錯覚にとらわれる。
その熱気を揺らしてくれるような風は当然そよとも吹かず、動かなくとも表皮にぽつぽつと汗が滲みだしてくるようなこの時間に、
用もないのに外に出ている物好きな大人もいず、しかしちっとも静かだと思えないのは、朝早くからずっとわめいているアブラゼミのせいだ。
そこに突然、子供たちの甲高い声が鼓膜をつらぬく。
「ほら、冷たあて気持ちええぞ」
勢いよくホースから流れ出る水をランニングシャツと短パンの上から、短く刈ったいがぐり頭の上からかけ回す。
「兄ちゃんばっかし、ずるこいわ!」
すこし年下の、そっくり同じ格好をした少年が、ホースを奪おうとして果たせず、焦れてはからかわれ、また叫ぶ。
「お前そんな引っ張ったら取れてまうやんか、ちょっ貸してみい、ほら」
「うわっ! 兄ちゃん、あかんっ!」
「うわあっ! どないしょう、破けたあー」
「兄ちゃん、ほら、早う!」
運動靴のかかとを後ろで踏んでいるのか、駆けていく二対の足音に、ぱこ、ともぺこ、ともつかない
間の抜けた音が混じりながら遠ざかっていき、一瞬静かになったかと思うのも束の間、また蝉がやかましく鳴きたてる。
804 :
2/2:2006/04/24(月) 18:20:04
軒に立てかけたよしずは、日光は確実にさえぎってはくれるが、風を運んできてくれるわけではない。
古ぼけた三枚羽根の扇風機が、首を振るたびに軋んでは怠惰な没落貴族のような緩慢な動作で空気をときおりかき混ぜ、生温かい風を送ってくる。
どこからか変な臭いが漂ってくるような気がしたが、襖を閉めてしまうとよけいに風が通らないのでそのまま放っておく。
ちゃぶ台から身を起こして立ち上がり、裸足のまま台所の土間に下りて伏せられたコップをつかむと蛇口に当て、製氷室の氷を二つ三つ放り込み、持った手に冷たさが感じられるまでしばらく待つと一気に呷った。
その途端、どっとまた汗がわく。溶けて半分ほどになった、白く濁った氷を口に入れてそれを噛み砕き、食道を下がっていくかすかな痙攣を伴うきんとした冷たさにどこかで安堵し、はあ、とため息をついた。
ちりん、と風鈴が鳴ったのを頭のどこかで聞きながら、コップを軽くゆすいでまた伏せ、ちゃぶ台の前にまた座りなおす。
今日の分はとっくに終えていたが、連日36度を超える猛烈な暑さにいささかバテ気味で、誘われている野球も口実をつけて断わっていて、
そうなると外に出て行くわけにもいかず、しかたなく次のページに進む。
『……上底が6.7センチ、下底が9.1センチ、高さが5.5センチの台形と、半径が7.2センチの円では、どちらがどれだけ……』
カリカリとノートにHBの鉛筆を走らせ、脇に置いた新聞折り込みの広告の裏に几帳面な字で筆算をし、答えを書き写し、ときおり消しゴムをかける。
そうして一時間近く集中して問題を解き、今週の分を全部終わらせてしまったところで鉛筆を転がして両腕でつっぱって上半身を後にそらせ、振り子の金色がところどころはげた柱時計を見上げる。
五時二五分。ああ、もうすぐやなと思ったのと同時に、自転車のブレーキの音、続けて戸を開けるチリリン、という音がした。頭をねじ向けてそちらを向く。
以上です。
>803-804
批評というより、感想に近いですが。
本の形式になってると気にならないかもしれないけど、webだと
前振りがちょっと長いかな、と思いました。
話の上で何も起きていないから、尚更そう感じたのかも。
一文が長めでも引っかからないしイメージも沸きやすいあたり、文章は
普通に巧いなあと思います。
ただ、三人称で主人公の視点で進んでいて、>そこに突然〜の辺りから
兄弟の去るシーンだけ、急に三人称神視点のような書き方に
なっているので、そこだけは違和感があるかな。
>>805 レスありがとうございます。自分も文章をさらすのははじめてなので緊張でした。
前振り、やっぱり長いですよね。実はまだこの先も続いてます。
>兄弟の去るシーンだけ、急に三人称神視点のような書き方になっている
ここは、主人公が外の声に気づいて、窓から二人を眺めているようなイメージで
書いていました。どういう風にすると、違和感がなくなりますかね?
一文が長くなる癖があるので、読みやすさとリズムを大切にして精進したいと
思います。ありがとうございました。
>そこに突然、子供たちの甲高い声が鼓膜をつらぬく。
この部分が問題。
主人公は子供でその感覚で書かれた文章で、主人公が自分と
同じ子供を見て、子供たちの〜と思うのはオカシス
>>807 ありがとうございます! 指摘された部分、目からウロコでした。まったく気づいていませんでした。
自分の中で、すごくすっきりした感があります。
思い切って晒してよかった。これからもがんばります。
まーぶっちゃけ頭からこんな眠い前フリの小説を見かけたら即座に閉じちゃうだろうな。
810 :
スペースNo.な-74:2006/07/30(日) 20:44:31
\(^o^)/
俺は上手いと思うよ、感心した。好みはあるだろうけど俺ならwebでも読む。
しかし二次創作(特に漫画やアニメ)はあまり詳細な描写が好まれない傾向にあるので
万人にウケを狙うには向かないかも知れん。
創文板の酷評スレ、ノウハウ板の魅力スレ、同人板の評価スレと似たようなスレがあるが・・・・・・。
酷評スレ…オリジナルを酷評。
魅力スレ…オリジナル・二次小説を酷評。
評価スレ…ホモ小説を評価。文法についての評価はほぼナシ。
一応住み分けできてるっぽいな。
ここしばらくのこのスレで酷評ってあったっけ?
>>812評価スレは見たことがないので、その評価に衝撃を受けた。いいのかそんなんでw
文章のトレーニングしたい者もここでいいの?
字書きに転向したい絵描きなんですが。
>>815 同人板のスレのほうが今人多いからいいんでね?
同人板の評価スレに投下したことあるけど、
友人に言われたことと180度違うこと言われて、
どうすりゃ良いのかわからんくなったな〜。
90度ずれてたら、どっちに矯正するかで180度ちがう。
>817
友人の見る目はどんなもんだ?
自分の目に心地よかった意見はどっち?
>817
批評は評価する人の力量によって全然違うよ。
好みや感想を離れて有意義な批評をしてくれる人もいれば、
自分の脳内理想小説とくらべてああしろこうしろ言う人もいる。
批評が的確かどうかは本人の作品レベルとも無関係だから難しいよね。
友人のレベルは商業とかへの感想をよっく聞いてればなんとなくわかるんじゃない?
思い切ってここで晒しなさい。
822 :
スペースNo.な-74:2007/02/18(日) 02:24:09
初投稿です。よろしければ批評をお願いいたします。
ハードボイルド系小説の導入部分なので、短いですが宜しければお読みくださいませ。
夕焼けが――空を焦がしていく。
同時にそれは大地の色さえ変えた様に見える。
だが実際にはそれは夕陽のせいではなく……人の血。
何百人という名の屍が景観の一部として視界に描かれているのだ。
「美しい景色だ……そうは思わないか?」
たった今、目の前の光景を作り出した張本人である右手に握られた物を見る。
回転式のチャンバーには一発の鉛の弾丸――
バレルの先からは先ほど放たれた力の証でもある硝煙が微かに漂っている。
足元に散らばった無数の空薬莢……そして、目の前の光景。
それら全てがこの戦いの激しさを物語っている。
「銃は命を奪う時にしか吠えぬ……か」
フッ……と、人を嘲笑うかのような表情のマスクの下、小さく微笑する。
夕陽の下でも尚、纏った闇の衣は汚れを知らない。
それはこの人物の強さの証と言うべきだろうか。
荒野という舞台に添えられた屍という名のエキストラ達。
銀髪をなびかせ、眼前の景色を眺める彼は主役か?
それともただのピエロなのか……?
その答えを知る者は筋書きを書いた者に他ならない……そして、彼はその者を探している。
チャッ……聴き慣れた音が風に乗って耳へと運ばれてくる。
纏った衣のさらに後方、重く撃鉄を引き絞るこの音色……だが、それも無駄な事だ。
風を切り、漆黒のマントを翻しクイックドローの体勢を瞬時にとる。
右手から伝わる木製のグリップの感触を確かめ、左手は流れるように撃鉄へとそえられる。
視界に映るのは仕留め損ねた男――無数の弾丸がかすめたのだろう。
黒いローブはあちこちが破け、そこからは血が滲んでいる。
恐らく、微弱で断続的な痛みが続いているのか、男は表情を歪めている。
だが、それももう終わる。
撃鉄を瞬時に下ろし、重くのしかかる引き金を絞る。
風の音が止み……舞台は開幕の銃声を鳴らした――硝煙の香りと共に……
ネタですね?
>>823 「――」と「……」が多すぎ。
この二つは多ければ多いほど「吉本興業」になるので、基本的に使わないこと。
読者に間を読み取らせる描写力に欠けている証拠です。
カッコワルイ書き方なので、絶対に避けましょう。ハードボイルド系なら特にです。
語彙の絶対量が足りてません。例…「夕」・「だが、それも」。
指示語の「それ」が多すぎです。控えましょう。
銃関係のシーンがかなり意味不明&状況不明です。
もぉヤヴァイくらい支離滅裂っちゃってます。
>>825 批評ありがとうございます。
――と……の件、了解いたしました。
それなどの多さについても了解しました。
もちっと、描写力うんぬんを鍛えて見たいと思います。
参考にさせていただきます。
>>825 書き忘れました。
難しいものですね小説って。
でも、これで自分の欠点が大幅に浮き彫りになりました。
マジ感謝致します。
ライトノベルばっかりじゃなくて
少し雰囲気を変えて、他の作品も読んでみたら?
それと小説作法の解説本とか売ってるから読んでみるのも吉。
>>825の言う通り、ちょっと酷すぎる。
最初から嫌な予感はしていたのだ。
「嫌」を「イヤァ」とそれこそ厭味に強調して、僕は溜め息を吐いた。目の
前には泣きじゃくるさつきと慰める奈々、少し距離を置いて憮然とした表情
の円佳がいる。
「……っからさぁ、仕方ねぇだろぉ?」
「絶対、嫌」
ゼツタイ・イヤ。SFに登場する最終兵器みたいだ。桜色の唇を歪ませて
、円佳が冷笑を形作る。
「わたしは、絶対に、掃除なんて、しない」
「だってお前、悪いじゃん」
「それは謝る」
非は認めている。冷静さを欠いているわけではない。だから、余計に性質
が悪い。
「でも、掃除はしない」
「……もう、い、がら……もう、い、がらさ……」
涙声でさつきが仲裁に入る。ここで強く出ておけば、という場面でも、誰
かが声を荒げたりするとすぐに謝ってしまう。苛立つが責めることは出来な
い。正直な話、僕もげんなりしていたところだったのだ。説得を続けるには
どうも気力が足りていない。
もういいよ、みんな帰ろうよ、と言いかけたときだった。
「謝れ」
ずっと黙ってさつきの肩を抱いていた奈々が、ゆっくりと言葉を発した。
「え?」
「さつきに、謝れ」
明晰。口調は穏やかだったが、意味は誤解のし様もない。奈々の静かな瞳
がまっすぐに円佳を射た。もう一組目があればおそらく僕をも睨んだだろう
。
「謝れ!」
いつもは眠たげにしている細い眼を見開き一喝。空気がビリッ、と震えたよ
うな気がした。
これは、泣かせたな。
おそるおそる視線を泳がせ円佳の方を見ると、驚いたことに彼女は微笑を浮
かべていた。数式のように端整な、洗練され尽した微笑。焦って奈々のほう
を見ると、こちらも一歩も引かない。抜き身のナイフのようにきらきらした
鋭い視線が、まっすぐに円佳に向かって据えられている。
時計の秒針の進む音と、さつきが時折しゃくり上げる音。二つの音が教室内
を埋めていく。
「っ……」
さつきのものでない嗚咽がした。声の主の表情を、掬い上げるように盗み
見た。
息を飲む。円佳の漆喰が、強気な微笑という漆喰が、ボロボロと剥がれ落
ちていた。
「えぐっ……え……えぐっ……」
やっぱり泣かせた。奈々を見る。屈服させたことを誇る様子はない。ただ
少し、疲れているみたいに見えた。
僕らの通う学校について説明するのは難しい。とりあえず「学校」というより
「施設」、「施設」というより「病院」とでも言っておいた方がわかりやすい
気もする。要するに、おつむのネジの締まり具合がいまいち良好でない少年少
女が共同生活をしている、精神病院なのだ。
それなら最初から精神病院と言えばいい、と思うかも知れないがそれは出来
ない。心底メーターの振り切れたキチガイさんから、ただ単に人間関係に疲れ
てしまった思春期ちゃんまで収容者は幅広いからだ。普通の学校にはあまり適
応できなかった奴らが集まるという点において、もっと具体的な例を出せば「
はーい、二人組をつくってくださーい」的な場面でいつも余ってしまうタイプ
の人間ばかりいるという点において、みそっかすオールスターズという言い方
もできる。かなり自虐的な意味だけど。
僕らはその中にある「特別進学クラス」に属している。そこそこお勉強が
お得意だったり知能検査の数値が高かったりしたらすかさず放り込まれるの
だ。総員5名。年に何度かは「外の世界」に代表として送り込まされて模試
を受けさせられたりもする。曰く、「当校は精神面だけでなく学力面もしっ
かりサポートいたします」とか。まぁ別にいいけど。
僕らはそれなりにここで楽しくやってたと思う。特進クラス(と校内では略
されている)の面々は愉快で明るくて冗談が通じて利発で、今現在フツーに生
きていることにどことなく後ろ暗い気持ちを持っている奴らばかりで、だか
ら僕ものびのびと笑い、時々罪悪感と向かい合うことができた。
円佳が来るまでは。
「橿原さぁ、どうしよう?」
「そうだなぁ……」
寮までの畦道を横切りながら僕は省吾に尋ねた。黄金に実った稲穂は風に
輝き、まるで海のように大きく波打つ。正直なところ僕はこの学校の運営方
針に多大な疑問を抱えているのだが、少なくとも立地条件には拍手を送りた
い。豊穣と収穫と労働の尊さを一気に感じさせてくれる秋の気配は「傷つい
た」「病んだ」「可哀相」と大騒ぎしている普段の自分たちを恥じ入らせる
のに十分だった。
「そんなにまずいの?今」
「女子は最悪。奈々が怒ってるっていうのがどうしようもない感バリバリ」
「さつき吐いちゃったからなぁ……」
省吾は苦笑する。強い眼の光が一瞬和らぎ、いかにも温厚そうなやさしい
表情が浮かぶ。
生真面目で努力家で、それでも思いやりを忘れない省吾を僕は好きだ。
「どうしたもんかね……」
溜め息。
事の顛末は、こうだ。
834 :
829:2007/09/16(日) 04:52:10
書き途中の小説の一場面です。
最初に書くつもりがうっかり忘れてしまいました。すみません…
ご批評、よろしくお願いします!
835 :
スペースNo.な-74:2007/09/26(水) 03:15:24
出だしの女の子同士のシーンが少し読みづらい。
奈々は他から一目置かれているキャラ、
円佳は周囲に侮蔑的な態度をとっているらしい?一癖ある子、
さつきはいい子なんだが気弱、と言う感じなんだと思うけど、
キャラ自体がそういう性格だというより、作者がそう感じさせようと
する意図のほうが透けて見えてしまう。特に円佳と奈々。
キャラの仕草を飾る言葉が多いんだと思う。
そしてそれが部分によってはキャラの行動と不整合を起こしている。
たとえば円佳とか、>829で人の気持ちを意に介さず自分の我侭を通す
キャラとして描写されているけど、"数式のように端整で洗練され
尽くした笑みを浮かべて"いたその彼女が、奈々の「謝れ」ですぐに折れて
泣きだしてしまうシーンとか。
力関係が奈々>円佳なんだろうけど、それに類する描写がないから
唐突だし、結果として奈々が作中で不自然に持ち上げられている
ように見える。
全体的にキャラを形容する言葉が多すぎる。比喩とか、もう少し
キャラの行動にかかる言葉を減らすといいんじゃないだろうか。
キャラの行動や会話が少ない>831-834は読みやすかったし、
どういう話になるのかなと先が気になった。
とりあえずこのスレいま人がいない状態だと思うんでageときます。
836 :
829:2007/09/26(水) 23:05:32
評価ありがとうございます!
最初のほうで、キャラの個性をちゃんと出してみたいな、と思ったのですが…
指摘していただいて確かにわざとらしいなと感じました。
あと、人物描写に使う言葉が好きなのでつい使いすぎてしまうんですよね…
もっと抑制した描写を心がけるようにします。
何かこう、地の文だけではなく台詞などで、
さりげなくパーソナリティがわかるような言葉遣いをさせられたらいいですね
最後のあたり、読みやすいと評価してくださってとても嬉しかったです
先の展開は考えてあるのですがなかなか書き進められなくて…
たぶん自分の中で世界がいっぱいいっぱいになっちゃって、
奈々>円佳の力関係の説明を抜かしても不自然だということに気づけなくなっていたんだと思います
もっと読み手を意識した、平易な語り口を手に入れたいところです
空気読まずに投下しちゃったかなー、と不安だったので、評価していただけて助かりました
ありがとうございました!
あげ
ここって同人小説を投下する場合、人物名とかはフェイクいれないといかんのだろうか?
そのうち飛翔系のSS評価してもらいたいんだが…
>>838 隠したほうが評価がより客観的になる。
置換機能を使って該当する名前をアルファベットなり山田太郎(仮名)なりに置き換えるといいよ。
10月の幕開けにもなると、日が落ちるのがだいぶ早くなった、とA子は思った。
肩からずり落ちそうになっている学校指定の鞄を直しながら、もうすぐ体育祭だと気づき、一つため息をつく。
夕方と夜の境の商店街はタイムセールも終わりにさしかかった頃で、疲れの見える八百屋や豆腐屋の店主や女将が客への呼び掛けをなお続けている。
急ぐでもなく行き先に迷うでもなく、A子は油をさんざん吸って萎びたてんぷらの詰め合わせや、だいぶ黒くなっているバナナなどを横目に、するりと裏路地へ抜けた。
薄暗い、風俗店や飲み屋が点在する通りはいつもの彼女が知る最短の帰り道だった。
彼女が通り過ぎるたびに声掛けを一瞬ためらう客引きを2・3人越え、さらに小さい路地に入ると彼女のアパートへと辿り着く。
…はずだった。
A子は今まで何人か、子供の頃から「そういう人影」を見てきた。
電柱の影にうずくまる、着飾っているが体のどこかに泥のついた女。
もしくは、服装はまちまちであるが、酔っているか汚れているか、またはその両方の男。
例外はいくつかあるにしろ、いずれも共通するのは近寄るべきではないこと、と彼女は学習している。
だから、その女の存在に気がついたときも、彼女は無意識にある連想をしながら視線を向けていた。
どこの誰のものか分からない、蝿のたかる嘔吐物。濁った目をした挙動のおかしい狂犬。汚水の片隅の溜まる漂流物。
女は膝まである長いコートを着込み、自分を抱くように電柱の影にしゃがみこんでいた。
外灯の青白い光が女の額と頬を照らし、目元と胸元に濃い影を落としていたため、顔色も表情も視線もA子には判別できなかった。
A子はついと視線を外し、数歩進んだところでもう一度ふり返り、足を止めた。
いきなり名前を聞いたところで、人違いか、頭のおかしい相手か、酔っ払ってるか、あれで眠っているのかもしれない。
そう判断した彼女は黙ったまま女のすぐそばまで歩き、何年ぶりかに「そういう人影」の目線の高さまで腰を下ろした。
女は目を閉じていたが、しらじらと瞬く蛍光灯の青さは、はっきりとその人相を映し出す。まぎれもなく、あのB子だった。
「B子、B子じゃないの」
A子は女の双肩を掴むと、起こすように揺らした。
閉じていたB子のの睫毛が青い影を落とし、開くとA子を見とめ、そしてその目からみるみる涙があふれだした。
B子は、どこでどうしていたの、というA子の問いには答えず、ただ泣いている。
「ねえ、どうしたの。…わっ」
B子はA子に黙って抱きつくと、その背中を愛撫したので、A子もしばらくの間それに応じていた。
一場面だけ載せました。
お願いします。
842 :
スペースNo.な-74:2007/11/05(月) 21:10:55
ちょっぴり続き読みたい
>>840-841 「そういう人影」という語が唐突に見えないこともない。
「そういう人影」という名詞的なものに捉えることもできないではないが、
一般的には「そう」という指示語は直前の何かを示すから、やや不自然かもしれない。
「はずだった。」の次行以下に「そう」が指すヒトについての描写があるとわかりやすいと思う。
「外灯」だけど、この場合は電柱の灯なので「街灯」がふさわしい気がする。
「いきなり名前を〜」も唐突過ぎるキライがある。
後段からA子とB子が親しい関係であったことがわかるのに、余りにも第三者観過ぎる。
しゃがみこんでいた女性に目を向けた理由があってもいいのでは?
いわゆる神視点の文章だが、描写文自体も淡白なため、メリハリに欠ける。
つらつらととりとめも無く書かれた文章を読んでいる感じ。
文に深みが感じられないので読んでいるこちらも余り思い入れが湧かない。
一度修飾文を殺ぎ落として単純な構成にし、そこから改めて描写文を付加してみてはいかが?
個人的には「そういう人」についての細かい考察とB子をつなぐ描写に強い関連性を見出せないので、
B子を心配するA子の情動が白々しく見える。
「酩酊者≒汚物」というA子の認識と、そこに「≒B子」が加わったときのA子の気持ちの差または区別が欲しい。
もちろんこのレスはただの感想・評価に過ぎないから、
そうかと思えば取り入れて、的外れだと思えば無視をヨロ。
ありがとうございます!大変参考になりました。
いつも始めから書くクセがあるので、とりとめが無い文章に見えるのも
そのせいかと思います。
修飾文をそぎ落として下書き(?)からやってみます。
また機会があったらお願いします。
評価お願いします。
戦闘部分の描写を鍛えたいので、連載中のssの戦闘部分だけを抜粋しました。
くぐり抜けると同時にドアが閉まり、囚人服に身を包んだ男達が現れた。
それぞれナイフやら斧やら、多種多様な武器を手に持っている。
俺は地を蹴って集団へ跳んだ。
近くに居た男二人の胸倉をそれぞれ右手と左手で掴んで、集団へ向かって投げ飛ばす。
斜め後ろから襲いかかってきた男の攻撃をかわして、その腕を掴んで周囲に居た奴らをなぎ倒しながら投げる。
右に居た男の顔を殴って気絶させて、持っていた鉄パイプを足で蹴り上げて掴んだ。
俺は一度後ろに飛んで、周囲の奴らと距離を取る。
(あと7、9人くらいか)
すらりと長い鉄の棒を剣のように中段で構えて、駆ける。
右へ左へ斜めへ上へ。
前進しながら男たちの腹や胸や頭を強打して気絶させて行く。
最後の一人の胴体を蹴り飛ばして後ろを振り返ると、機械音と共にドアが開いた。
846 :
845:2007/11/07(水) 22:01:44
すいません、書き忘れていました。二次創作ssです。
戦闘シーンというよりも、配送業者か何かが荷物を投げたり殴ったりしてるだけのように見える。
主人公視点なのに主人公の視覚や感覚を伝えるような文章がないせいで、臨場感がない。
内容は激しい戦闘劇だけど、鼻血を吹かせたり主人公の拳に歯がめりこんだり相手の軟骨が折れる感覚が伝わったり
骨のミシミシとした音とか、金属のぶつかり合う音とか、囚人連中の必死な感じとか恐怖の形相とかがないせいで
上に書いたような淡白な印象を受ける。
主人公が強くて雑魚を蹴散らす状況なのは分かるけど、もう少しコマごとの描写をしてもいい。
全体的に描写が薄い上に単調。
「それぞれ右手と左手で掴んで」
「なぎ倒しながら投げる」
「地を蹴って集団へ跳んだ」
このあたりは特に気になった。
もっと分かりやすく、かつ状況が浮かびやすい表現を心がけてください。
>>845 バッサリ言いますが、あなたの描写力では戦闘シーンは書ききれないので、
諦めて省略したほうがいいと思います。
主人公は圧倒的な強さを持っている、ということはわかりますが、
二次SSでそれを明示する必然性はないように見受けられます。
敵が、何を持って、どのような攻撃を、どこから、どこに繰り出すのか、
それらが一切描写されない戦闘シーンを書かれては助言も甚だ困難です。
あ、一つ質問なんですが、この主人公はゴルゴ13みたいなマシーンですか?
この部分を読む限り、人間としての温かみを一切持たない機械のような人物に見えます。
849 :
845:2007/11/08(木) 23:38:09
>>847 レスありがとうございます。
自分では気づけなかったことばかりで、目からウロコが落ちました。
助言をふまえて、もっと濃い戦闘シーンを描けるよう精進したいと思います。
>>848 レスありがとうございます。
描写力が無いのは重々承知ですが、いずれアクション物の創作小説を書きたいと
思っていますし、この二次ssでも戦闘シーンはどうしても入れたいので
削るつもりはありません。
戦闘シーンはもう少し短くしてサイトに載せていき、投稿サイト等で
描写力を鍛えていきたいと思います。
主人公ももっと人間らしく描けるよう気をつけます。
とても助かりました。
850 :
スペースNo.な-74:2007/11/08(木) 23:41:28
主人公はこの2名
・売れない小説家
・借金だらけの友人
はじめは小説家の話。何回も小説を書くもだれの目にも留まらない4流の小説家
が「ネタ」を探す話から始まる。
一方の大阪の借金まみれの友人は日々マージャン三昧。しかしその日の生活も厳しくなり借金。
当然金を返すアテもない男は夜逃げ当然で東京へ逃げる。
ある日ネタを探している小説家の前にコンビニで万引きしている友人を発見する。
それをネタにしようと考えた小説家は脅しをかけて更なる犯罪を指示。
その犯罪に見合う謝礼を小説家はわたす。
やがて小説家は借金をしながらネタをもらう。
やがて金に困らなくなった友人は手を引く。小説家のネタへのエスカレートはとまらず・・・
小説家はネタを集める事にすべてを注ぎ犯罪者となる。
自分が逮捕されて獄中で叫ぶ。「オレのネタはすごい。有名な作家になれる」
それを見ていた警官が新聞を差し出す。
そこには有名作家ではなく連続殺人犯として自分が載っている。
「有名になれた・・・」
みたいな感じで書こうかなとおもってたのですが、違うスレで「有名人のパクリ」
といわれた。いったいだれの作品ににてるのだろうか。。。
またどうでしょうか?鑑定願います
>>849 アクション物を書きたいということなので。
実際の人物の動きをよく考えて描写するといいと思います。
主人公と敵の視線や方向、右手・左手、それに利き手がどちらなのかも重要です。
右手を振ると左手はどう動くのか。人間は投げを打つときどのような挙動をするか。
また体をねじったときの筋肉の動きはどうなのか。
手足の振り下ろし、振り上げの際の空間の把握。
道具を持った際の長所・短所や道具ごとにふさわしい構え方の理解。
ヒトは気絶するに至るまでの経緯は具体的にどのような過程を踏むのか。
傷を負った際、どこまで許容でき、また負傷として何が進行するのか。
人間の体は構造的に打撃に関してはどこが強く、どこが脆いのか。
この辺りを医学書・図解などから学び取ったり、また自分の体を使って実践してみたりすると為になるよ。
「リアル」はもちろんわからないだろうけど、それっぽさを体感できるのは必ず糧となります。
現在では空論に過ぎないものが、緻密に考えていくことでリアルさを備えてくるはずです。
主人公の強さを描くのなら、主人公の弱いところを明示し、それを克服する描写が必須です。
心の弱さではなく、肉体的な弱点。
利き腕が使えなくさせられたとき。利き目と逆方向からの攻撃(死角からの打撃)。
手技を得意とする者への足攻撃。立ち状態でのタックル。マウントポジション。
この辺りもどうやって主人公が窮地を克服するのかで(さらりと克服するにしても、手順は必須)、
読み手を引き込むのか突き放すのかは描写力によるでしょう。
また、主人公の体格がいいのであれば、打撃を受けきるのも強さの明示になります。
殴られているのに平然としている(読者には痛そうに読めるが実際には余り痛くない場所を殴らせている等)、
主人公のアクションを攻撃に偏らせないようにする描写もメリハリになるでしょう。
当然ですが、銃や剣などの細かな構造をもつ得物を出すともっと複雑になります。
女性の方でアクションが得意な方は少ないので、ぜひ頑張ってください。
>>850 よくある設定なので「有名人のパクリ」というより「有名人達のパクリ」かもなw
ちなみにその手の話は売れない作家と犯罪者の友人が出会った時点で結末が予想できるから
オトシ方よりも連中が実行する犯罪の中身が肝となる
ま、肝となるはずの犯罪については「連続殺人」ぐらいしか上げてないその初期設定じゃ
話を作るにも値しないと思うがねw
四流・マージャン三昧・東京・大阪いう細部設定をしてる時点で終hル
主人公は「売れない小説家」、友人は「借金まみれ」で十分な上
東京・大阪の都市名なぞ出す必要性は皆無ときてる
つかさ、
>>850の該当部分を推敲して清書すりゃ、ショートショートとして十分成立するよw
その程度のネタだと思ってサクっと次の話でも作るんだな
元々のネタは西ヨーロッパ辺りのブラックユーモアと思われ
高橋葉介や諸星大二郎も似たような漫画を描いてなかったか?
853 :
スペースNo.な-74:2007/11/09(金) 12:09:55
>>852 どうもです。
まだ骨組みというかイメージだったのですが、ありきたりですかねぇ。。
設定に関してはまだあいまいなので地区なんかは未定ですが、「連続殺人」よりも
「常識人としての線を越えてしまう」所と「その後の狂気」みたいなのを書きたいんですよね。
今まで小説を書いた事もないのでこの内容で1度書いてみようかと思ったのですが。
自分の頭の中の妄想を一度だけでも文章化したいというべきでしょうか・・・。
854 :
スペースNo.な-74:2007/11/09(金) 15:27:49
はじめまして。普通の小説です。評価を是非してほしいです!
*****************
瞼が重い。
そう気づいた時には、私の意識は遠のいていた。
あぁ、あと少し。あと少しで手が届きそうだったのに。
涙が人知れず、溢れる。
*****************
「ねぇ、帰ろうよ」
執拗に私の袖を引っ張り続ける弟、裕也に、私は苛立ちを覚えていた。
夕陽はもう沈むのか、空の東側は薄暗い。
「もう!だからあんたは先に帰りなさいって言ってるでしょう」
私は裕也を睨みつけ、ぱこっと軽く頭を叩く。
すると裕也は今にも泣き出しそうな顔で、私に悲願しはじめる。
「いやだよ。もう暗いじゃんか。危ないよ」
「あんた男でしょう!意気地なし!」
もう一度ぱこっと軽く頭を叩き、私は歩き出した。
家に向かうのではない。
猫を探しに、行くのだ。
855 :
スペースNo.な-74:2007/11/09(金) 15:40:20
>猫を探しに行くのだ。
の続きです。
*****************
辺りはすっかり暗くなっていた。
裕也は相変わらず私の服の袖を引っ張り、帰ろうと言い続けている。
私はもううんざりしているので、何も言わず、進む。
私たちがいるのは、昼間は青々とした美しい葉をたくさん揺らしている森林の中だった。
今はこの暗闇だ。
私たちを脅かす黒い影でしかない。
でも私に怖さを感じている暇はなかった。
私は見たのだ。
この森林の中に、私たちが飼っていた猫が入っていくのを。
その猫は、もう一ヶ月も前に突然我が家から出ていってしまっていた。
とても可愛がっていたのに。小さい頃から一緒の、家族だったのに。
連れ戻すためなら、この暗闇だって怖くない。
>>854 「涙が人知れず、溢れる」ですが、もし「人=自分」なら、「我知らず」が慣用的な使い方です。
「人知れず」は一般的に「誰も知らない」という意味で「他人は気づかない」ではありません。
但し冒頭の語句なので、別な意味を持たせているなら当然アリだと思います。
>執拗に〜
この文では「私」という語が特に意味なく二箇所あるので、一つに絞りましょう。
主語を明確にし、「苛立ち」を強調するのであれば前者の「私」が不要かも。
「弟、裕也」という個所も、「弟の裕也」のほうが訓読みを基調とする地の文に合っているかと。
>夕陽〜
「空の東側は」と東側を強調していますが、薄暗いのは空なので「東側の空」・「東の空」がふさわしいように思います。
また「夕陽は〜、空の東側は〜」と格助詞「は」が連続していますが、
「〜は〜、(なので)〜が〜」または「〜が〜(なので)、〜は〜」の原則を踏むといいかもしれません。
>悲願しはじめる
この場合は「哀願しはじめる」にしたほうがいいでしょう。
>家に向かうのではない。
家に向かっていないことは弟の言動でわかっているので、改めてこの文を記述する必然性はありません。
挿入するのであれば、読者の推量の方向性を確定させるような文か、
あるいは主人公が自分自身に再確認させるための文ですね。
>>855 >森林
これも地の文に合わせて「森」または「林」にしたほうが語感がよいと思われます。
>黒い影
暗闇の中では「影」は発生しないので、「かげ」を使うのであれば「陰」でしょうか。
>私たちが飼っていた猫が
これも格助詞「が」の連続です。前者を「の」に変更するなどして語感を整えましょう。
>その猫〜
以下の説明を読むと、「その猫」という書き方は冷たく見えます。
自分の飼い猫を指して「その猫」と表現する飼主はとても不自然です。
「そのコ」と訓を打つ予定であれば問題ないと思います。
>小さい頃から
弟が姉である主人公の袖を引っ張っていることから主人公も子供であると推測されます。
小さな子供が「小さい頃から」では読者に奇異を与える可能性があるので、
同様の意味を持つ「ずっと昔から」・「ずっと前から」のほうがいいかもしれません。
>連れ戻す
「その猫」同様冷たい感じがします。
確かに子供なら言いそうな気はしますが、飽くまで小説ですから、
「探し出す」などのほうがふさわしいのではないでしょうか。
つらつら書きましたがもちろん私個人の感覚的なものですので、
取捨選択してご自身の参考にしてください。
858 :
スペースNo.な-74:2007/11/10(土) 20:03:31
>>856-
>>857 すごい!!
こんなに明確なアドレスがいただけるとは思いませんでした!
ありがとございます^^
日本語って本当に難しいですね(汗)
まだまだです。
頑張ります!
もう飽きたっていう小説や漫画の設定 (ver2.5)
・偶然選ばれた主人公
・ボーイミーツガール要素
・バトルロワイアル形式な戦闘
・無茶ルビ
・魔法とかいう非日常
・弱きを助け強きをくじく思想な主人公
・覚醒する主人公
・強敵に数日間の努力で勝利できるお決まり事
・必殺技を使用、勿論技名を叫ぶ(理由はあったが)
・悪には悪の理由がある
・でも実は良いヤツ?みたいな描写
・ハーレム展開
・徐々に惹かれ合う主人公とヒロイン
・ハッピーかバッドか分からないED
http://muon.pun.jp/fei.htm 唐突に失礼します。よろしければ、このシナリオのご意見や気になった部分のご指摘をお願いします
これから分岐を増やし、グラフィックもつけて同人ゲームとして売る予定ですので
キャラの魅力や構成、萌え要素、たた単純な感想なんてものでもなど何でも結構です
>暗闇だって怖くない。
の続きです。
******************
ふと、裕也のすすり泣く声が、響きはじめた。
まだ小学生の弟。
この暗闇で、恐怖を感じないわけないだろう。
「裕也、大丈夫?ほら、これで怖くないでしょ。」
私は裕也の手を握る。
裕也の手はぐっしょりと汗ばんでいて、彼の恐怖を物語っていた。
私は裕也がうなずいたのを確認すると、再び探しはじめる。
「ハナー出ておいでー」
ハナというのは、猫の名前。
彼女は私がそう呼んであげるといつも、甘えた声で鳴いていたのを思い出した。
でも耳を澄ましても、その鳴き声は聞こえない。