強盗の味方・エクアドル

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1名無しさん@お腹いっぱい。
南米エクアドル第二の都市グアヤキルの市議会はこのほど、同国駐在の戸田勝規(まさのり)・日本大使ら三人の日本人外交官を「好ましからぬ人物」と宣告する決議を採択した。邦人の強盗被害が続発しているため、日本の外務省が昨年九月から同市への「観光旅行延期勧告」を続けているのに反発したものだが、自治体レベルでの宣告は極めて異例で、“外交摩擦”は当分続きそうな雲行きだ。
 決議はハイメ・ネボット市長が提案した。首都キトに駐在し、大使とともに宣告を受けた有吉勝秀参事官は、本紙の取材に対し、「誤解があったようだが、しばらくグアヤキル市には立ち入らないようにするしかない」と、困惑しながら話す。しかし、今年九月十日までの邦人の強盗被害九件のうち五件がグアヤキルで発生しており、同参事官は「勧告は撤回できない」としている。

 ネボット市長は十月上旬から、日本大使館に「勧告」の撤回を要求。大使館側は、「グアヤキル在住の日本名誉領事(エクアドル人)に、事情を説明してもらうなどの努力をした」というが、説得工作は奏功しなかったようだ。有吉参事官によると、邦人保護のための勧告が今回のような対抗措置を受けた前例はないという。

 ネボット市長はノボア政権の与党大物幹部で、元大統領候補。本来なら中央政府の権限である「好ましからぬ人物」宣告を地方自治体が行ったことに関し、政権は沈黙を守っている。

 一方、キトのある観光業者(48)は、「国全体が経済危機にある中で、観光客を何とか誘致したいとの思いが募っての『勇み足』だろうが、騒ぎがむしろ、エクアドルのイメージダウンにつながるのではないか」と気をもんでいる。(11月29日03:23)