ソウルに出張すると、ホテル近くの床屋に日参していましたが、「地方周りもいいものだ」 という話を小耳にはさみ、
若気の至りで、ふと心が動いて、KTXで遠路、慶尚北道テグ(大邱)に向かいました。
駅を後にして、通りを進み、一番最初に目に入った床屋に入りました。
アガシが四人いました。
順番かどうかわかりませんが、体格のいいアガシに目があったら、むんずと手をとられ、小部屋に連れていかれました。
内側から鍵をかけるやいなやアガシは裸になり、怖じ気づく私の服を命令口調ではぎとって、ベッドに押し倒しました。
アガシは私の上になり、あるいは下になり、動きをゆるめないよう叱咤し、
絶頂にさしかかると、大声を張り上げて、私のお尻を力一杯、ぴしゃぴしゃたたくのです。
痛さと恐怖で、心のなかで 「ママー」 と助けを求めましたが、ここはお国の何百里、孤独と絶望のまま、
死にものぐるいでゴールにかけこみました。
ソウルの行きつけの床屋のやさしいお姉さん、裏切ってごめんなさい。
もう二度とよその地方の床屋には行きません。