【プノンペンの栄光】90’S

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42日本の恥→||Φ|(|*|^^|*|
「人生で大切なことは全てプノンペンで学んだ。」と語った人がいた。
当時、その街にはいつも人生を考えさせてくれる素材が、四方八方に転がっていた。
ある時は置き屋の張り紙に、ある時には道端の死体の横に、人生の哲学が転がっていた。
街には娼婦とドラッグと銃器が欲望と快楽と殺人と共に、あふれかえっていた。
銃を持っている人が隣りに座っていても、銃口の方向以外あまり気にならなくなっていた。
道路に死体が5体くらい散らばっていても、イヤなものを見ちゃったなぁ
くらいにしかもう感じなくなっていた。
この街が半端じゃなく危険だと知り、自分がいつも死のリスクと隣り合わせにいることを
感じたとき、同時に生きている緊張感と現実感を感じた。
あの頃、街の強烈な刺激に神経が完全にマヒしていた。
灼熱と混沌と猥雑の中で、ついに僕達は不可逆の世界へと足を踏み入れていった。
そんな魔都の息遣いに「魂を奪われ」ていった。
43日本の恥→||Φ|(|*|^^|*|:04/03/06 23:41 ID:c+G/owZ9
時代が変わり、いつしか魔境70stは普通の舗装道に、その姿を変えた。
市内の置き屋ストリート、へいやちょくの道路脇に並んだプラスチックイスに腰掛けた
数え切れない程のオネーチャン達の姿は、今はわずかに残った店内にしかいない。
聖地スワイパーさえ、もうおとりの役目しか果さなくなっていた。
そして、僕達が壊れていった「原点」、デーホリの灯りも消えた。
道路は整備され街は綺麗になった、街灯が輝く夜の街は明るくなった、
魔都の甘く危険な香りは、街の暗闇と共に消えていった。
時代は変わり、その時代に取り残された僕達の記憶だけが残った。
あの街で僕達が生きていた時代の記憶だけが、、、
そう、あれは見てはいけない夢だったのかもしれない。