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半世紀前の日本=現在のイラク図式:
先日オランダ語放送のTVを見ていたら突然日本語が聞こえてきた。何かと思ったら日本の戦後
についてのレポートで、当時を知る人達のインタヴュー映像だった。さらに見ているとどうやら
イラク戦争についての番組で、参考として半世紀前の日本の敗戦処理にスポットをあてていた
らしい。
半世紀前の日本=現在のイラクという論調は英語メディアの政治論説を見ていれば度々出くわす
ものだしアフガニスタンの時にも見られた。「戦争によってでも民主国家を樹立し平和な国家を
(アメリカが)作ってあげよう、そうすれば日本のように成功した国家になれるよ」はもはや
論説記事の紋切り型である。
ところが記事だけでなくTVでまでこうした特集が放映されてしまうことに少しく驚いた。これを
見たひとは普通に半世紀前の日本=現在のイラク図式を受け入れるだろうし、また当然なのだろう。
日本ではあからさまには言わないし言っても「半世紀も前のこと」として聞かないふりをする。
一般レベルでの、日本と海外での認識ギャップはこうして生じるという例のひとつだと思う。