民団などの働きかけで…政令指定13市足並みそろう
さいたま市は、2004年度の市職員採用試験から一般行政事務の国籍要件を撤廃、
「特別永住者」「永住者」に門戸を開いた。この結果、全国13の政令指定市
すべての足並みがそろったことになる。さいたま市の来年採用予定の第1次試験日は
6月27日。願書は26日まで受け付けている。
さいたま市は浦和、大宮、与野の3市が合併して2001年5月1日に誕生した
全国13番目の政令市。スタート当初こそは全国の政令市の流れに反して一般行政職に
国籍要件を設けていたが、民団埼玉県本部などの粘り強い働きかけを受け、募集要項
発表の直前になって相川宗一市長のトップ判断で門戸開放に踏み切ったという。
今年から新たに受験できるようになった職種は行政事務、福祉、学校事務、土木・
建築などの技術職。ただし、「公権力の行使」にあたるとして唯一、消防職だけは
国籍要件を残した。
また、任用されても行政事務では「公権力の行使」に抵触するとされる用地買収の
担当、福祉でも生活保護などの判断を行うケースワーカーの仕事には就けないように
するなど、一定の制限を設けた。
昇任面でもスタッフ職であれば市長を補佐する総括参事(局長級)までは認めて
いるが、決裁権のあるライン職には就けないとしている。
市人事課人事担当の柳田雅彦主査は「国の見解があり当面、任用制限を設けざるを
えない。これは今後、その時代の背景や変化に伴って見直しを図っていくことになる。
細部は要綱で詰めていくが、外国籍者の採用が決まれば、その時点で書面をもって
説明する」と話している。
民団埼玉県本部では昨年7月から市の総務部人事課担当者らと会合を重ね、
国籍要件の撤廃を訴えてきた。景民杓同本部事務局長は「さいたま市が一般行政職の
開放に踏み切った意味は大きい。今後、県内の川口、所沢、川越、春日部といった
中堅都市に門戸開放を働きかけるうえでテコになるだろう」と期待している。
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